議会報告

【議案外質問・まちづくり】市の責任が問われる下水の維持管理

南区の水害現場の様子をパネルで説明するもりや千津子市議

 9月20日、まちづくり委員会の議案外質問がおこなわれ、もりや千津子市議は、台風9号襲来時に南区の藤右エ門ポンプ場付近で汚水が町なかに流出した問題と、藤右エ門川の浚渫について市の見解を質しました。

 担当課は、汚水流出被害の原因は大雨によってポンプ場への流入量が一気に増えたためゲートが故障したこと、事故後は近隣600戸の清掃、消毒をしたと説明しました。

もりや:本来、分流式下水では汚水管に雨水が侵入することはないはず。大量に雨水が流入する事態は、誤接や不明水侵入が起きていることの表れ。第7処理分区での誤接調査の進捗率はどうか。

:まだ8?9%の調査状況

もりや:下水に雨水が浸入しているということは、雨水処理は公費で、汚水処理は私費で、という原則に反する。市民が雨水処理費用まで負担させられていることは重大問題と考えるが、見解は。

:市としても認識している。不明水や誤接の調査と管きょの補修を計画的に進めていく。

 もりや市議は、市民生活に不可欠の下水道の維持管理にはしっかりと予算を確保してとりくむべきと、重ねて要望しました。 

【議案外質問・市民生活委員会】路上喫煙から子どもを守る条例を

市民生活委員会にて議案外質問をおこなうとりうみ敏行市議

 9月20日に市民生活委員会の議案外質問がおこなわれ、党市議団からはとりうみ敏行市議が質問しました。とりうみ市議は、さいたま市の「路上喫煙防止条例」が施行されて今年で10年目になることから、子どもの安全対策などについて市の市政を質しました。 

とりうみ:市の条例は喫煙する大人を対象としているが、子どもをどのように守るかの直接的な配慮がない。千葉市では、道路や公園も喫煙防止の努力義務になっている。本市でもそのような方向を考えるべきではないか。

:本市の条例は、指定区域外では喫煙しないという努力義務となっているので、そのように啓発する。

 市から具体的な手立てをとるという答弁はありませんでした。条例が全国に広がった背景には、たばこを吸わない人の受動喫煙や、環境への配慮が必要だからです。医学会も子どもの受動喫煙による健康被害について大きな警鐘を鳴らしています。さいたま市が条例制定の原点に立ち返り、子どもを守るための条例に発展させることが求められます。

【議案外質問・文教委員会】学校給食費の減免制度を

文教委員会にて議案外質問をおこなう山崎あきら市議

 9月20日に文教委員会の議案外質問がおこなわれ、党市議団からは山崎あきら市議が質問しました。 

山崎:貧困により学校給食費を払えない家庭もあるなかで、給食費を無料にする自治体も出てきている。さいたま市においてもせめて、同じ学校に通わせている第2子、第3子の給食費を半額にする減免制度を設けるべきと思うが、見解を。

:本市としては第1子、第2子以降にかかわらず、減免制度ではなく就学援助制度の適用によって学校給食費の負担をしていきたい。

山崎:そこに該当しない家庭も多く、兄弟を同じ学校に通わせている家庭の財政的負担は大変大きいものがある。この点を検討していただくことを要望する。小中学校の特別教室のエアコン設置状況をうかがう。

:音楽室、図書館、コンピューター室、さわやか相談室に設置している。

山崎:授業に利用している理科室などにも設置すべき。今後の計画は。

:必要性は十分理解している。今後、利用状況も踏まえながら検討していきたい。

【保健福祉委員会 請願討論】「就学旅行費・準備金」制度の周知徹底を

9月20日、保健福祉委員会で請願の討論がおこなわれ、戸島よし子市議が「低所得者の子どもたちが修学旅行に行けるように求める請願」と「特養ホームの増設で待機者の解消を求める請願」に賛成の討論をおこないました。

 戸島市議は、「生活保護世帯や就学援助を受けている世帯は、生活費に余裕がなく臨時的な出費があると大変。修学旅行費用は、就学援助制度の修学旅行費で支援されているが、修学旅行に参加した後に一括支払いとなっている。しかし、修学旅行費は事前に積み立てを行う学校が多く、この負担が大変。教育委員会では、申請書等書類を提出すれば直接学校長に支払うことができるとのこと。就学援助を受けている世帯に知らせ、積立金の負担をなくすべき。また、生活保護世帯への市独自補助である『修学旅行費準備金』は就学援助支給人数の3分の1しか利用していない。『修学旅行費準備金』を知らず申請しなかったことが理由ではないかと考えられる。ケースワーカーが対象児童生徒のいる世帯に対し制度の説明や文書によるわかりやすい案内などをおこない、制度の周知を徹底することが必要」と訴えました。

特養ホームの増設で待機者の解消を

 特養ホームについては、「介護を必要とする高齢者が増え、老老介護や介護殺人などの痛ましい事件等、介護をめぐる悲惨な事態がすすんでいる。待機者は今年度4月で1400人で、長年入所を待たされている方、寝たきりの高齢者がおられ、待機者をなくすことは急務。サービス付き高齢者向け住宅などの高額利用料を負担できる高齢者はほんの一部で、一般の高齢者は利用しやすい特養ホームを求めている」と述べました。

【深刻な老障介護・・・】「くらしの場」障害者施設の整備増を

市内のグループホームを視察し、施設長と懇談する久保市議(右)

9月議会で党市議団は「障害者(児)の生きる基盤となる『暮らしの場』の早急な整備を求める意見書案」を提出しました。

 障害者とその親の老障介護の問題が深刻化し、限界にきています。老障介護とは、高齢の親が障害のある子どもの介護をし続けることで、子ども本人が自立を望んていても、受け入れ施設数が足りないために親と同居せざるを得ない状況にあることをいいます。障害のある子どもの年齢が40?50代であればその親は70?80代。なかには、90歳近い親が60歳の障害者の子どもを介護する例もあります。親自身に介護の必要も出てきます。十分に世話ができなくなればネグレクト状態となります。将来への不安がつきず、無理心中などの悲しい結末になることもあります。

 多くの障害者(児)と家族は、社会からの孤立と家族依存、老障介護などの現実のなかで、生きる基盤となる「暮らしの場」の早急な整備を切実に望んでいます。意見書案ではグループホームや入所施設などの社会資源を拡充することなどを国に求めています。

 さいたま市は、障害者のグループホームについて、民間の力で確実に整備数を増やすとしてはいますが、まだまだ不十分です。ホームの運営は非常に厳しいものがあります。ホームを増やしてもそこで働く職員が足りず、募集しても来ないという問題もあります。処遇改善が喫緊の課題です。久保市議は、市内のグループホームを視察し、現場の声を6月議会で発信しました。

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