議会報告

松村としお

9月議会*保健福祉 里親制度の受診券改善を約束

保健福祉委員会で議案外質問をおこなう松村としお市議

 9月13日、保健福祉委員会で、松村としお市議が議案外質問をおこないました。

 

 里親制度を利用する子どもの医療費は公費負担で里親の負担はありません。保険証の代わりに「受診券」が配られ、病院で受診するときに提示します。この受診券が埼玉県は保険証と同じサイズですが、さいたま市は大きく、明らかに特殊だとわかるものです。そのため「学校や病院で提出するときにまわりの目が気になる」などの声が市議団に寄せられていました。

 

 松村市議は、里親制度の受診券を保険証サイズに小さくすることと、あわせて通称併記を可能とするよう求めました。子ども家庭総合センター所長は「さいたま市里親会からも要望が出された。保険証サイズの運用に向け準備したい。通称名記載も要望があり検討している」と実現に動いていることを答弁しました。

 また松村市議は国家公務員のボーナス減額を理由に国が今年度の保育士賃金分の委託費を減らしたことに対し、当面市が補填するとともに国に増額を要望するよう求めました。市は国への要望のみする考えを示しました。

9月議会*保健福祉 公立保育所は統廃合ではなく施設増を

保健福祉委員会で議案・請願の討論をおこなう松村としお市議

 9 月13 日に保健福祉委員会で議案・請願の討論・採決がおこなわれ、松村としお市議が討論をおこないました。

 中央区の鈴谷東保育園と鈴谷西保育園を統廃合することで定員を現在の160 人から110 人へ縮小する計画をすすめる「保育所条例の一部改正」に対し、松村市議は「市は公共施設マネジメント計画で公立保育園の統廃合、民営化計画を盛り込み、9 月議会では公立保育所の再編検討を表明した。この条例は公立保育所を縮小させる市の方針を具体化したものだ。保育所が足りないのに公立保育所定員を減らすことは問題。むしろ増やすべきだ」と反対しました。採決の結果、反対少数で議決されました。

 「新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査の拡充を求める請願」については討論で「感染が拡大した8 月に多くの保育所が休園・登園自粛になった。休園が長引けば仕事に大きな影響が出る。速やかなPCR 検査で感染状況が一気に明らかになり、保育所再開のめどが立つ。冬に感染の波が大きくなるのを警戒して検査を積極的におこない、安心して保育所に通える体制づくりをすべき」と主張し採択を求めました。

 「加齢性難聴者のための補聴器購入助成制度を求める請願書」については討論で「補聴器購入の負担の重さから請願者は補助制度を求めている。国も難聴が認知症の危険因子の一つとしている。他自治体のように独自の補助制度をスタートさせることを求める」と採択を求めました。いずれの請願も賛成少数で不採択になりました。

9月議会*議案紹介 思い切った新型コロナ対策の拡充を

給付金の充実を求める要望書を提出する土建・民商のみなさんととりうみ敏行市議(左から3 人目・6 月23 日)

 9 月1 日から10 月15 日までの45 日間、9 月議会が開かれます。今議会も新型コロナ感染予防対策にとりくみながらの開催です。市長提出議案として40 件の議案が提出されました。一部紹介します。

 新型コロナ対策として、コロナ患者を受け入れる病床を確保し、患者を受け入れた医療機関に対し補助金を交付するために約10 億5350 万円、保険適用されたPCR 検査等にかかる費用等の自己負担分や入院医療費等を公費負担するために約6 億7000 万円がそれぞれ提出されました。

 また、離職等により経済的に困窮している方に対し、住居確保給付金を引き続き支給するために約6900 万円、就労をめざすひとり親(児童扶養手当受給者)に対して住宅費を無利子で貸し付ける事業に約1300 万円、就労継続支援B 型事業所ではたらく障がい者の減少した工賃分を支援するために約968 万円などがそれぞれ提出されました。

小規模企業者等に3 回目の給付金

 経済対策として、党市議団も求めてきた小規模企業者等支援給付金の3 回目の実施に向けた予算が提出されました。緊急事態宣言の再発出を受け、新型コロナの影響で売り上げが減少した市内小規模企業者等に対する市独自の経済支援策で、予算は14 億6800 万円です。党市議団として、思い切った新型コロナ対策の拡充を求めて、議案審査に臨みます。

6月議会*地下鉄 7号線延伸見直せ 身近な交通政策の充実求める

地下鉄7号線問題について質疑をおこなう松村としお市議(2021年6月議会・代表質問)

 埼玉県とさいたま市は地下鉄7 号線を浦和美園駅から岩槻駅(東武線)まで延伸する計画を進めています。公共交通機関の充実は生活の便利さにつながりますが、計画が長期間進んでいません。その理由のいちばんは市民負担が巨額なことにあります。

 6 月議会の代表質問で松村としお市議がこの問題を取り上げました。市が試算した建設費870 億円に地質調査や設計費、埋蔵文化財調査費などが含まれていないこと、地下鉄乗客を増やすための「成長・発展プラン」にこれまで約700 億円、今後300 億円見込んでいることが明らかになりました。さらに延伸区間の「中間駅」関連費用はいまだ不明です。

 松村市議は市民負担の認識を質問。副市長は「非常にお金がかかる」「巨額のプロジェクト」と答弁し、市民負担が大きくなることを事実上認めました。さらに開通時期も質しましたが答えられませんでした。

 

 松村市議は地下鉄延伸計画を見直し、コミュニティバスなど身近な公共交通を全市的に充実させることを提案。副市長は「延伸は意義がある」「鉄道とバスは違う」と拒否しました。

 清水市長はこれまでも「将来は人口が減少し市の財政が厳しくなる」と繰り返し強調し、「持続可能な制度にするため」と高齢者や障がい者の支援制度を切り捨ててきました。その一方で「将来をみすえて積極的にとりくむ」と地下鉄7 号線延伸や大宮駅グランドセントラルステーション化構想、市役所移転と跡地開発構想など大型開発を推進しています。

 大型公共事業による巨額の負担を見通しも示さず市民に押し付け、福祉や教育を削減・抑制する市政の基本姿勢から見直すことが必要です。

保健福祉*ワクチン接種の見通しは不透明 五輪でリスク高まると認める

保健福祉委員会で質疑をおこなう松村としお市議

 7 月19 日に保健福祉委員会が開かれ、松村としお市議が出席しました。新型コロナ対策の現状と当面の見通しが報告されました。

 

 ワクチン接種については、国からの供給量が必要量の3 分の2にとどまることが明らかになりました。松村市議が「国からはどのような説明が来ているのか」と質問しましたが、国からの説明はなかったとのことでした。さらに「国に対して抗議などしたのか」と質問したのに対し、「県に調整枠を配分するよう求めている」と答えるにとどまりました。なお後日の記者会見で清水勇人市長は国へワクチン配分の要望をおこなったことを明らかにしています。この影響で、9 月以後の集団接種会場の運営が不透明になっています。

 

 50 才未満の予約開始時期について委員会では未定とされていましたが、後日45 ~49 才は8 月31 日10 時からと決まりました(12 ~ 45 才の予約時期は未定)。

 市は、感染者が増加し、県全体でコロナ病床使用率が増加傾向にあるなかで東京オリンピック・パラリンピック大会が開かれることに「大会期間中は感染症の発生リスクが高まることが懸念される」「感染拡大防止に努める」と話しました。松村市議が6 月議会代表質問で五輪中止をうったえたことに「開催する以上は安全安心な大会でなければならない」「対策に万全を期したい」と答弁していたことと矛盾します。熱中症とあわせて医療体制への影響は大きなものがあります。いまからでも五輪は中止すべきです。

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