議会報告

松村としお

2023年2月議会*予算審査(保健福祉)子どものマスク着用は義務ではない

予算委員会で質疑を行う久保市議

 2月20日、予算委員会(保健福祉委員会関連)の審査がおこなわれ、久保みき、松村としおの両市議が質疑に立ちました。

 

 久保市議ははじめに、幼稚園児の保護者から幼稚園でマスク着用を強要されたことで子どもが幼稚園に行けなくなったとの相談を受けたことを取り上げ「国は未就学児のマスク着用は義務づけていないので、市もそれに基づき対応すべき」と求めました。市は「幼稚園は県が指導権限を有しているが、さいたま市でも市内の幼稚園においてマスク強要があれば相談は受ける。直接幼稚園に話し、県から発出された文書の趣旨をあらためて確認するよう伝える」と答弁しました。

 

 次に障がい者福祉施策の充実について、12月議会の一般質問で検討するとされた項目について確認しました。移動支援事業では、グループ支援についてはできるだけ早く実施したいとの答弁でした。報酬単価の引き上げについては、見直しが必要と認識しているものの、新年度引き上げの見込みはありません。移動支援が始まって14年、最低賃金は上がっているのに報酬単価は変わらないため、処遇改善ができず、職員不足が深刻です。報酬単価の引き上げは必須です。

 グループホームへの市独自補助は2018年に実現したものの不十分です。すべての区分、障がいの軽い人も対象にするよう求めましたが、市の答弁は後ろ向きでした。横浜市が約36億円、川崎市が約14億円を独自補助しているのに対し、本市は1000万円で、拡充が必要なのは明らかです。

 

公立保育所減らすな

 

 さいたま市は4月の保育所入所選考(1次審査)で不承諾だった子どもが昨年より471人増えましたが、南区など7つの公立保育所で廃止に向け募集停止を進めています。松村市議は「不承諾が増えたのに公立保育所を減らすのは政策的ミスだ」と指摘。市は「近隣に保育の受け皿等を確保したうえでていねいに説明しながら進めたい」と答弁しましたが、松村市議は「明らかにおかしい」として公立保育所廃止計画を撤回するよう求めました。

 

 また民間学童クラブの委託金が、46人以上のクラブで減額となる問題についても「子育て支援になっていない。減額をやめるべき」と強く求めました。

2023年2月議会*予算審査(文教)市民会館うらわの事業費 大きく膨らむ

 2月16日の予算委員会(文教委員会関連)で、金子あきよ、松村としおの両市議が質疑をおこないました。

 

 松村市議は市民会館うらわの移転計画についてとりあげました。新年度は約58億円の事業費が計上されています。移転の総事業費が167億円と、2019年度時点の想定120億円から大きく膨らんでいることを指摘し、「建設事業費が大きくなることによって利用料が引き上がることはないのか」と質しました。市は「高くなる想定をしている」と答弁。松村市議は「現地建て替えであれば事業費を抑えられたはずが、再開発ビルへの移転で事業費を膨らませ、市民負担に転嫁させるやり方は問題だ」と主張しました。

 

 また国際芸術祭について、松村市議は市民参加の部分を大きくすることは党市議団として求めてきたところだとしてプロジェクトごとの事業費を確認し、アートプロジェクトが約1.9億円、市民プロジェクトが約1億円、連携プロジェクト約1000万円であることがあきらかになりました。

 

 金子市議は、教育データ可視化システム「スクールダッシュボード」についてとりあげました。児童生徒に配布されたタブレット型端末で活用された情報や、全国学力・学習状況調査の結果など個人情報が一括して画面に表示され、管理されるシステムがつくられようとしています。金子市議は「今年度は3960万円をかけて実証実験がおこなわれたが、課題はなにか」と質しました。

 市は、「プロトタイプ(試作品)の配布が今年の1月で、ヒアリングをおこなっている」との答弁でした。その状況で来年度から全校への本格導入をおこなうというのはあまりにも早急です。金子市議は「競争入札にするには検証と導入のための期間が短く、プロトタイプを作った事業者との競争で他の事業者が入札に参入できるだけの公開性と公平性を担保できるのか疑問」と指摘しました。

2023年2月議会* 議案外質問(総合政策)と畜場・道の駅移転計画293億円より増える可能性

議案外質問を行う松村市議

 食肉中央卸売市場・と畜場(以下、と畜場)を現在の大宮区から見沼区に移転し、「道の駅」とあわせてつくる計画が進められています。と畜場移転に232億円、道の駅整備に61億円、あわせて293億円の巨額の税金がつぎ込まれようとしています。

 

松村 移転先は軟弱地盤。地盤調査したうえでの額か。

 

商工観光部長 調査前なので額として含まれていない。

 

松村 事業費が大きくなる可能性があるということか。

 

商工観光部長 可能性としてはある。

 

 松村市議は国の牛肉輸出計画が2020年の289億円から2030年には3600億円へ急増する過大な計画になっていることや、市のと畜頭数が減少傾向にあることなどを指摘。道の駅も客単価1人1600円(見込み)や年間来場者数100万人など想定が高くなっています。

 松村市議の「想定が高いのではないか。赤字になった場合の対応はどうか」との質問に対し、市は「(今後)PFI導入調査をするのでそちらで検討したい」との答弁にとどまりました。事業費がさらに増える見通しに加え、さまざまな想定が高く設定されている計画をこのまま進めるのは問題です。

2023年2月議会*議案質疑 新年度予算は市民の命とくらしを重視しているか

2月議会本会議で質疑に立つ松村市議

 2月2日の2月議会本会議で、松村としお市議が、市長が提出した議案に対する質疑を行いました。

 

新年度予算の特徴は?

 

 4月から始まる新年度の予算について、物価高騰やコロナ感染の波が続くなかで市民の命とくらしを重視する内容になっているかは重要なポイントです。

 

 松村市議は、市が「予算案の特徴」としているなかに物価高騰対策が明記されていないことをとりあげました。財政局長は「(予算の)説明部分に記載している。物価高騰は重要な取り組み」として「児童福祉施設、高齢者施設、障がい者施設の運営事業者への支援や、商店街への補助の上乗せなどを継続していく」と答弁。これらの施策は党市議団も求めてきたものですが、同時にすでにやってきたことの継続にとどまっています。

 

松村 物価高騰から市民のくらしや地域経済を守り支えるのは新年度予算の重要な柱であるべき。市民負担を軽減する新たな施策の主なものと予算額を示してほしい。

財政局長 新たに市民負担を軽減する施策は計上していない。物価や経済の動向を踏まえながら、国の施策の効果や今後の国の対応、企業の賃上げの動向等も見極めつつ、適時適切な対応を検討していく必要がある。

松村 国の動向というが、新年度に国の補助金があった場合、負担を軽減する方向で積極的に活用する考えはあるか。

財政局長 国は財政を危機モードから平時モードへ転換していくと昨年6月の骨太方針で明記している。国の補助金がどうなるか不透明。答えるのは困難。

 

 さいたま市は2022年度も、他市で行っている水道料金や給食費の一時無料をやりませんでしたが、消極的な態度をとり続ける姿勢を示しました。

 

変わらぬ大型開発重視と福祉削減

 

 清水市政の一貫した特徴に大型開発優先、福祉削減・負担増路線があります。新年度予算で2都心・4副都心開発に132億円をつぎ込む一方で、これまでカットしてきた障がい者・高齢者福祉や医療費は33億円相当であることがわかりました。

 

 さらに、国民健康保険税の7年連続値上げ条例案も出されています。物価高騰の下での負担増であり、6億円で値上げを回避できるにもかかわらず、「物価高騰は国保加入者に限定されない。赤字補填(不足分)を一般会計に求めることは他の健康保険加入者の理解を得ることが難しい」と市はあくまで負担増路線を続けるかまえでした。

 

「ポストコロナ」でいいのか

 

 新年度予算案には「ポストコロナを見据えた」という言葉が繰り返し使われています。松村市議は「新型コロナの第8波の死者数が過去最大となっている。予算案はポストコロナが基調になっているが、対策はどうなっているか」質しました。

 

 保健福祉局長は「第8波は陽性者が減少傾向」としつつ「インフルエンザの流行もあり、医療機関に大きな負担がかかっている」という現状認識を示しました。そのうえで「課題として自宅療養者をはじめとした新型コロナ患者にいかに必要な支援を提供していくかが重要」として「国がコロナ感染症の位置づけを5類に変更するが市民の命と健康を守ることを最優先に、感染症危機のリスクに対応する予算を計上している。国の動向を注視しつつ、必要な施策を実施する」と答弁しました。

 

 5類への変更にともなう国の具体的な対応内容がまだ明らかになっていませんが、新型コロナウイルスの新たな変異株が広がるなど予断を許さない状況です。党市議団は医療・救急・検査・保健所体制の強化を引き続き求めていきます。

2022年12月議会*総合政策委員会 市内中小企業・個人事業主へ給付金など支援を

質疑をおこなう松村としお市議

 さいたま市が10月に発表した「地域経済動向調査」で「今後、期待する公的支援」を業者に聞いています。1位は「固定費(人件費・地代家賃等)への補助」(29.5%)、2位は「設備投資への支援」(21.0%)でした。さいたま市は設備投資への支援は9月議会の補正予算でも増額するなど推進してきましたが、もっとも要望が強い「固定費補助」はしていません。

 松村としお市議は、上記の市の調査を示して「新しい制度をつくるのは大変だから、コロナ対策で行ってきた中小企業・個人事業主への給付金を物価高騰対策として実施を」と提案しました。経済局長は「今回は(コロナのような)制限はない。がんばれば収入は増える」「給付金ではなく企業の努力に一部お手伝いをするのが経済局の思い」と答弁。

 

 松村市議は「事業者が厳しい状況にあり、手厚い支援が求められている。物価高は業者が自ら招いたものではない。いま行政が支援しないと事業継続が危ぶまれる。支援を強めるべきだ」と重ねて給付金等の対策にとりくむよう強く求めました。

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