議会報告

松村としお

9月議会報告会ひらかれる

11月8日、大宮ソニックシティで、党市議団主催の議会報告会をおこないました。会場いっぱいの参加者で活発な質疑や意見交換がおこなわれ、大変充実した時間となりました。

 

司会をつとめたとばめぐみ市議は開会あいさつとともに、補正予算の減債基金、下水道施設における官民連携事業(ウォーターPPP)の問題点、市民のための物価高騰対策がないことを厳しく指摘しました。

 

代表質問にたった池田めぐみ市議は、さいたま市の平和推進について質問したことを報告。党市議団が長年求めてきた市長の平和首長会議への出席や、市内中学生の広島平和記念式典への派遣が実現し、その継続を求める質問に対して、執行部から前向きな答弁があったことをお知らせしました。

 

久保みき市議は、決算特別委員会の報告をおこないました。昨年度の決算審査では、市民所得の格差が拡大し、さいたま市で暮らす高齢者の7割が所得月額10万円未満であったことが明らかになりました。にもかかわらず、市の支援策は高齢者には恩恵が届きにくいものでした。さらに「グリーンヒルうらわ」(緑区)が廃止され、多くの高齢者に影響が出ました。一方で、市の財政は黒字と基金増で余裕がありながら福祉後退が顕著で、市民生活充実への政策推進が欠けていた、と話しました。

 

金子あきよ市議は、総合振興計画基本計画改定案について報告しました。市政運営の基本とされている「総合振興計画」がめざしているのは、2都心4副都心開発と、リニア中央新幹線開通を前提にした「東日本の中枢都市」との位置づけでの人口の呼び込みです。金子市議は、実現するかどうかわからない国土づくり構想よりも、そこに住んでいる市民の生活を重視したまちづくりが大切にされるべきだということを強調しました。

 

続いてたけこし連市議がビデオメッセージでこの間の入札不調の問題を説明し、松村としお市議が放課後子ども居場所事業について報告しました。待機児童解消をかかげて居場所事業が2024年度からはじまり、来年春には25の小学校区で実施されます。その一方で、子どもたちの放課後の生活と育ちを保障してきた学童保育の利用児童数が減り、運営に大きな影響が出ています。市の責任で公立の学童保育を増やしながら、民間学童への支援を強めるべき、と話しました。

 

議会報告会は、議会の報告とともに、参加者のみなさんと直接対話できる大切な場です。今後も継続して開催しますので、ぜひ積極的にご参加ください。

2025年9月議会本会議討論 市民生活守る立場での 市政運営求める

討論をおこなう松村としお市議

10月17日、9月議会最終本会議において議案と請願の討論採決がおこなわれ、党市議団から松村としお、久保みきの両市議が討論に立ちました。

はじめに松村市議が、前年度の黒字54億円を、物価高騰のもとで苦しむ市民の暮らしや子育て、中小企業支援に使うため、補正予算を組むよう求めました。下水道事業へのウォーターPPP導入条例については「営利企業である民間に委ねることは安全等の問題があり、八潮市の道路陥没事故も踏まえ、市直営で安全確保をすべき」と主張しました。放課後子ども居場所事業拡大のために公設放課後児童クラブを廃止する議案については、居場所事業が民設学童の運営を圧迫し、党市議団が求めてきた支援策が具体化されたものの不十分だと指摘し、反対しました。

また、生活保護は権利であることを市民に分かりやすく伝えるためポスター掲示など求める請願と、インボイス制度が中小企業や小規模事業者に負担を強いており見直しを求める意見書提出を求める請願について採択を主張しましたがいずれも不採択となりました。

続いて久保市議が登壇し、2024年度決算について不認定の討論をおこないました。久保市議は「昨年度、市民の給与所得者の平均額は約415万円で、もっとも人数の多い層(ボリュームゾーン)では約248万円。全体の平均所得は前年度から約20万円の伸びがあったが、ボリュームゾーンでは6000円しか伸びておらず格差は拡大している。高齢者の55%は非課税で、ボリュームゾーンの平均所得は約110万円。月の所得が10万円未満の方が7割を占めている」として、「高齢者への支援が不可欠だったにも関わらず、市の施策はデジタル地域通貨など、高齢者には恩恵が届きにくかった。またグリーンヒルうらわの廃止で、高齢者に深い喪失感を与えたことを重く受け止めるべき」と指摘しました。

2025年9月議会決算特別委員会(総合政策委員会2日目)意思決定の場に女性の声を増やそう

質問するとばめぐみ市議

9月26日、決算特別委員会(総合政策委員会所管2日目)が開かれ、とばめぐみと松村としおの両市議が出席しました。

はじめにとば市議が総務局に対し、本市の局長、部長など管理職における女性比率がわずか1割にすぎない現実を示し、「意思決定の場に女性の登用を」と構造的な改革を厳しく迫りました。さらに、現場職員の配置要望に対し実際に配置されたのは半分以下であり、区役所や保健・福祉分野の深刻な人員不足を告発。病休者が増え続けている事実も示し、「業務量に対して人員が決定的に不足している」と断じました。

また経済局には、昨年、建設業や運輸・通信業、小売・サービス業などで倒産負債総額が激増している状況を示し、「倒産被害の実態を徹底的に調査し、相談・支援体制を抜本的に強化すべきだ」と迫りました。さらにとば市議が再三求めてきた投票所拡充については、岩槻区で1カ所新設されたことで投票率を大きく押し上げた事実を確認し、投票のための移動支援やタクシー券等、他部局とも相談して「すべての人に投票権の保障を」と提案。選挙管理委員会は検討を約束しました。

多文化共生条例の制定を求める

次に松村市議が、今年1月にクルド人の子どもが在留資格を失ったことをもって学校を除籍するという誤った対応があったことをふまえ、多文化共生のとりくみについて質問しました。さいたま市には多文化共生に関して、まとまった方針がありません。松村市議の質問に、川口市、蕨市、上尾市、八潮市等では「指針」や「プラン」といったかたちで方針を持っていることを市も認識していることが明らかになりました。松村市議は「市の理念や姿勢をハッキリさせていくことが求められている」と多文化共生条例の制定を求めました。

続いて松村市議は「さいたま市みんなのアプリ」についても質問。アプリ機能のひとつであるデジタル地域通貨のポイント還元キャンペーンに10億円使われましたが、利用者は7万人で、市民のごく一部にとどまったことが明らかになりました。市は「物価高騰対策と消費活性化を目的とした」と説明しましたが、松村市議は「市民の一部にしか届いていない」と暮らしへの支援が弱かったことを厳しく指摘しました。

2025年9月議会*議案外質問(子ども文教委員会)多文化共生へ 日本語教育の充実求める

質問する松村としお市議

松村としお市議は外国にルーツを持つ子どもが言葉の壁でつまずくことなく生きる力を身に付けるため日本語教育の強化を求めました。松村市議が市内で日本語指導が必要な子どもの推移を確認したところ、5年間で約2倍に増え、昨年度は524人いることが明らかになりました。会計年度任用職員の日本語指導員が1日2時間教えていますが、松村市議は担任との連携、クラスでなじめるよう配慮することなどを求めました。

公民館のエレベーター設置の推進も求めました。今年度は与野本町公民館で設置が予定されており、今後は南箇公民館(浦和区)、三室公民館(緑区)で設置することが明らかになっています。松村市議の質問に、南箇公民館は2027年度以後に実施設計、三室公民館は2026年度実施設計し2028年度以後工事の見通しが示されました。他の設置可能な公民館についても進めるよう求めました。また熱中症対策の一環として市内公共施設に設置されている「マイボトル給水スポット」が公民館では一部に限られているため、市民からの増設の要望を紹介し、設置場所の拡大を求めました。市は「設置事業者から無償で提供されているが、拡大について事業者と相談していく」との考えを示しました。

また松村市議は市長が6月議会で「子どもの権利条例」の制定を表明したことを受けて、実効性ある条例にするために全庁的な議論をすることと、権利侵害から子どもを守る第三者委員会の設置を求め、いずれも前向きの答弁がありました。

放課後子ども居場所事業で民間学童に影響大

2025年6月議会の子ども文教委員会に「放課後子ども居場所事業」(以下、居場所事業)の現状と、2026年度からさらに12校増やし25校で実施する計画が報告されました。

 

今年度から「居場所事業」が始まった9校のうち8校には学区内に民間学童クラブがあります。これらの学童クラブでは利用児童数が昨年度664人から今年度350人(前年度比52.7%)に激減しました。中にはほとんど減らなかった学童クラブもありましたが、もっとも減ったのが尾間木学童クラブ(緑区)の114人でした。

 

市は「居場所事業」の影響として「入室児童数の減少、それにともなうクラブの統合、クラブ統合にともなう職員の人員整理や賃借物件のクラブ室の原状回復、入室児童数減少にともなう利用料収入および市からの委託料収入の減少等があった」と認めました。それでいて「支援策は12月に議会に示す」というのはあまりに遅い対応であり、報告を受けた松村としお市議は「このまま居場所事業を進めるのは問題」と話しました。

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