議会報告

松村としお

2023年2月議会*予算審査(文教)市民会館うらわの事業費 大きく膨らむ

 2月16日の予算委員会(文教委員会関連)で、金子あきよ、松村としおの両市議が質疑をおこないました。

 

 松村市議は市民会館うらわの移転計画についてとりあげました。新年度は約58億円の事業費が計上されています。移転の総事業費が167億円と、2019年度時点の想定120億円から大きく膨らんでいることを指摘し、「建設事業費が大きくなることによって利用料が引き上がることはないのか」と質しました。市は「高くなる想定をしている」と答弁。松村市議は「現地建て替えであれば事業費を抑えられたはずが、再開発ビルへの移転で事業費を膨らませ、市民負担に転嫁させるやり方は問題だ」と主張しました。

 

 また国際芸術祭について、松村市議は市民参加の部分を大きくすることは党市議団として求めてきたところだとしてプロジェクトごとの事業費を確認し、アートプロジェクトが約1.9億円、市民プロジェクトが約1億円、連携プロジェクト約1000万円であることがあきらかになりました。

 

 金子市議は、教育データ可視化システム「スクールダッシュボード」についてとりあげました。児童生徒に配布されたタブレット型端末で活用された情報や、全国学力・学習状況調査の結果など個人情報が一括して画面に表示され、管理されるシステムがつくられようとしています。金子市議は「今年度は3960万円をかけて実証実験がおこなわれたが、課題はなにか」と質しました。

 市は、「プロトタイプ(試作品)の配布が今年の1月で、ヒアリングをおこなっている」との答弁でした。その状況で来年度から全校への本格導入をおこなうというのはあまりにも早急です。金子市議は「競争入札にするには検証と導入のための期間が短く、プロトタイプを作った事業者との競争で他の事業者が入札に参入できるだけの公開性と公平性を担保できるのか疑問」と指摘しました。

2023年2月議会* 議案外質問(総合政策)と畜場・道の駅移転計画293億円より増える可能性

議案外質問を行う松村市議

 食肉中央卸売市場・と畜場(以下、と畜場)を現在の大宮区から見沼区に移転し、「道の駅」とあわせてつくる計画が進められています。と畜場移転に232億円、道の駅整備に61億円、あわせて293億円の巨額の税金がつぎ込まれようとしています。

 

松村 移転先は軟弱地盤。地盤調査したうえでの額か。

 

商工観光部長 調査前なので額として含まれていない。

 

松村 事業費が大きくなる可能性があるということか。

 

商工観光部長 可能性としてはある。

 

 松村市議は国の牛肉輸出計画が2020年の289億円から2030年には3600億円へ急増する過大な計画になっていることや、市のと畜頭数が減少傾向にあることなどを指摘。道の駅も客単価1人1600円(見込み)や年間来場者数100万人など想定が高くなっています。

 松村市議の「想定が高いのではないか。赤字になった場合の対応はどうか」との質問に対し、市は「(今後)PFI導入調査をするのでそちらで検討したい」との答弁にとどまりました。事業費がさらに増える見通しに加え、さまざまな想定が高く設定されている計画をこのまま進めるのは問題です。

2023年2月議会*議案質疑 新年度予算は市民の命とくらしを重視しているか

2月議会本会議で質疑に立つ松村市議

 2月2日の2月議会本会議で、松村としお市議が、市長が提出した議案に対する質疑を行いました。

 

新年度予算の特徴は?

 

 4月から始まる新年度の予算について、物価高騰やコロナ感染の波が続くなかで市民の命とくらしを重視する内容になっているかは重要なポイントです。

 

 松村市議は、市が「予算案の特徴」としているなかに物価高騰対策が明記されていないことをとりあげました。財政局長は「(予算の)説明部分に記載している。物価高騰は重要な取り組み」として「児童福祉施設、高齢者施設、障がい者施設の運営事業者への支援や、商店街への補助の上乗せなどを継続していく」と答弁。これらの施策は党市議団も求めてきたものですが、同時にすでにやってきたことの継続にとどまっています。

 

松村 物価高騰から市民のくらしや地域経済を守り支えるのは新年度予算の重要な柱であるべき。市民負担を軽減する新たな施策の主なものと予算額を示してほしい。

財政局長 新たに市民負担を軽減する施策は計上していない。物価や経済の動向を踏まえながら、国の施策の効果や今後の国の対応、企業の賃上げの動向等も見極めつつ、適時適切な対応を検討していく必要がある。

松村 国の動向というが、新年度に国の補助金があった場合、負担を軽減する方向で積極的に活用する考えはあるか。

財政局長 国は財政を危機モードから平時モードへ転換していくと昨年6月の骨太方針で明記している。国の補助金がどうなるか不透明。答えるのは困難。

 

 さいたま市は2022年度も、他市で行っている水道料金や給食費の一時無料をやりませんでしたが、消極的な態度をとり続ける姿勢を示しました。

 

変わらぬ大型開発重視と福祉削減

 

 清水市政の一貫した特徴に大型開発優先、福祉削減・負担増路線があります。新年度予算で2都心・4副都心開発に132億円をつぎ込む一方で、これまでカットしてきた障がい者・高齢者福祉や医療費は33億円相当であることがわかりました。

 

 さらに、国民健康保険税の7年連続値上げ条例案も出されています。物価高騰の下での負担増であり、6億円で値上げを回避できるにもかかわらず、「物価高騰は国保加入者に限定されない。赤字補填(不足分)を一般会計に求めることは他の健康保険加入者の理解を得ることが難しい」と市はあくまで負担増路線を続けるかまえでした。

 

「ポストコロナ」でいいのか

 

 新年度予算案には「ポストコロナを見据えた」という言葉が繰り返し使われています。松村市議は「新型コロナの第8波の死者数が過去最大となっている。予算案はポストコロナが基調になっているが、対策はどうなっているか」質しました。

 

 保健福祉局長は「第8波は陽性者が減少傾向」としつつ「インフルエンザの流行もあり、医療機関に大きな負担がかかっている」という現状認識を示しました。そのうえで「課題として自宅療養者をはじめとした新型コロナ患者にいかに必要な支援を提供していくかが重要」として「国がコロナ感染症の位置づけを5類に変更するが市民の命と健康を守ることを最優先に、感染症危機のリスクに対応する予算を計上している。国の動向を注視しつつ、必要な施策を実施する」と答弁しました。

 

 5類への変更にともなう国の具体的な対応内容がまだ明らかになっていませんが、新型コロナウイルスの新たな変異株が広がるなど予断を許さない状況です。党市議団は医療・救急・検査・保健所体制の強化を引き続き求めていきます。

2022年12月議会*総合政策委員会 市内中小企業・個人事業主へ給付金など支援を

質疑をおこなう松村としお市議

 さいたま市が10月に発表した「地域経済動向調査」で「今後、期待する公的支援」を業者に聞いています。1位は「固定費(人件費・地代家賃等)への補助」(29.5%)、2位は「設備投資への支援」(21.0%)でした。さいたま市は設備投資への支援は9月議会の補正予算でも増額するなど推進してきましたが、もっとも要望が強い「固定費補助」はしていません。

 松村としお市議は、上記の市の調査を示して「新しい制度をつくるのは大変だから、コロナ対策で行ってきた中小企業・個人事業主への給付金を物価高騰対策として実施を」と提案しました。経済局長は「今回は(コロナのような)制限はない。がんばれば収入は増える」「給付金ではなく企業の努力に一部お手伝いをするのが経済局の思い」と答弁。

 

 松村市議は「事業者が厳しい状況にあり、手厚い支援が求められている。物価高は業者が自ら招いたものではない。いま行政が支援しないと事業継続が危ぶまれる。支援を強めるべきだ」と重ねて給付金等の対策にとりくむよう強く求めました。

2022年12月議会*一般質問 学校給食費 緊急に6カ月無料求める

「学校給食費の隣接市比較」を示して一般質問にたつ松村市議

 松村としお市議は12月7日に一般質問に立ち、物価高のもとで子育て世代への負担軽減策に早急に踏み出すことを求めました。

 

 松村市議はさいたま市と隣接する自治体の学校給食費を調査。さいたま市は小·中学校とも3番目に高く、多くの自治体で第3子無料や一時的な無料化をはかっていることが明らかになりました。またさいたま市より高い春日部市では第3子無料、志木市では一時的に無料にするなど軽減措置を取っていることから、さいたま市が実質的にいちばん高いと言えます(表参照)。

 

 松村市議は全国256自治体が完全無償化しているという「しんぶん赤旗」の報道と隣接自治体の調査結果を示し、学校給食費をまずは6カ月(半年間)無料にすること、さらに大型開発での税金の無駄遣いを見直して財源をつくり給食費無償化へ踏み出すことを求めました。

 

 答弁に立った副教育長は他市で「無償化や減免、物価高騰の影響を踏まえた施策を実施していることは承知している」としつつ、「臨時交付金を活用して2学期からの給食は物価高騰影響分を市が負担している」と据え置きにとどまっていることを認めました。しかし「学校給食費の値下げは考えていない。国の動向や物価変動を注視しながら必要な支援を研究したい」と国まかせの姿勢。さらに「将来的な無償化については就学援助制度で全額免除している」とすり替えの答弁をしました。これを受けて松村市議は再質問をしました。

 

松村 物価高で生活が厳しいという認識はないのか。あれば追加の取り組みが必要だ。

 

副教育長 物価高騰の影響は受けていると認識している。給食費の負担が困難なら就学援助制度の活用を。

 

松村 いま起きているのは物価高で所得が減っているわけではない。就学援助ではカバーできない。市長の決断で給食費の緊急引き下げをすべきだ。

 

市長 就学援助を活用してほしい。

 

 給食費引き下げができない理由が示せず、同じ答弁が繰り返されました。松村市議はさらに「子ども医療費無料の18歳年度末まで延長」「市独自の給付型奨学金制度創設」を求めましたが市は実施の考えはなく、市民の厳しい生活に寄りそう姿勢が市長·教育委員会にまったくないことがあらわになりました。

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