議会報告

松村としお

新型コロナウイルス対策 市民利用施設の休館 4月19日まで延長

 3 月27 日、議会運営委員会が開催され、新型コロナウイルス対策について市の対策本部より報告がありました。そのなかで、市が主催するイベントの中止や延期および市民利用施設の休館を4 月19 日まで延長することが報告されました。

 

相談件数6631 件 でも検査数は95 件

 

 市民から党市議団に「検査体制を充実させてほしい」との要望が届いていますが、保健所等への相談件数が6631 件(3 月25 日現在)、さいたま市が実施した検査数が95 件、そのうち陽性者数は4 件(3 月26 日現在)であることが示されました。相談件数と比較して検査件数が格段に少ないことは明らかです。検査体制を充実させることが求められています。

 

 必要な予算については、感染拡大の防止と体制強化(衛生用品の確保・PCR 検査への対応・診療体制や問い合わせ窓口等の強化)に約3000 万円、学校の臨時休校措置への対応(民設放課後児童クラブへの対応等)に約7000 万円などを2019 年度の既定予算等からの支出を予定しています。今後、学校休業措置にかかる給食費の返金、感染症拡大防止対策をおこなう子育て支援施設等への支援などの予算対応が見込まれています。

 

 小・中学校の再開については準備を進めるものの、今後の状況を踏まえたうえで判断します。入学式は、内容の精選(時間短縮)とマスク着用、換気、座席間隔の確保等、感染予防に最大限つとめながら開催します。

予算委員会*企業会計 新型コロナウイルス 国は市立病院へ支援を

予算委員会で企業(病院・上下水道)会計について質疑をおこなう松村としお市議

 3 月9 日、来年度予算案の企業会計関連の質問がおこなわれ、松村としお市議が市立病院事業会計と水道および下水道事業会計について質しました。

 

松村 新型コロナウイルスの対策について、国の対応や支援で課題として考えていることや国に求めることはあるか。

 

 国からの情報提供はすみやかに、統制のとれたかたちでお願いしたい。住民には受診や療養の仕方について正しい情報を。マスク等の安定供給が必要。医療機関への人やもの、財源や保障の提供がなにもないのでしてほしい。

 

 松村市議は「国からは公立・公的病院の統廃合が出され、さいたま市は市民ひとりあたりの医師数・病床数が政令市中最下位」と指摘し、「だからこそ市立病院の果たす役割は大きい。国に支援を求めたい」と結びました。

 

上下水道料金は値下げできる

 

 水道会計は今年度末の累積資金剰余金が約54 億円、来年度の純利益が36 億円見込まれています。

 

 松村市議は、「党市議団の予算組み替え提案で料金10% 引き下げに27 億円必要。仮に5% なら13.5 億円。値下げできる環境にある」と値下げを求めましたが、市は「今後も老朽施設の更新や耐震化などを進めていくうえで必要。現行の料金を維持したい」と答弁。松村市議は「来年度は市民所得の減少が見込まれている。消費税増税と新型コロナウイルスの影響で市民も企業もきびしい。値下げへ踏み切りを」と主張しました。

 

 また水道事業の民営化(コンセッション方式)について、2021 年度からの次期長期構想での考え方を質しました。市は「今後の長期構想でも現段階で導入予定はない」とこたえました。

 

 松村市議は、下水道会計では基準外繰入金(補助金)ゼロの政令市がさいたま市と大阪市だけであることを明らかにし、補助金を復活させて値下げするよう求めました。

2月議会*まちづくり 水道料金滞納は貧困のシグナル

まちづくり委員会で議案外質問をおこなう松村としお市議

 2 月18 日、2 月議会のまちづくり委員会で、松村としお市議は水道局と福祉課との連携について質問しました。

 

 この数年、水道料金の滞納件数は20 〜21 万件、未納率6%、給水停止は毎年6000 件を超えています。市は2012 年に「要支援世帯の早期発見のための通報等ガイドライン」をつくり、水道局をはじめさまざまな業者と協定を結んでいます。しかし、水道局でのガイドラインに基づく福祉課への通報は9 件のみです。

 

松村 滞納や給水停止がガイドラインと結びついていない。料金徴収を通じて生活困窮者の情報をキャッチできる水道局は特別の役割がある。滞納は生活の異変や、生活困窮のシグナルとしてとらえ、通報等ガイドラインにつなげていくことが必要だ。

 

水道局 滞納をもって生活困窮にあると判断するのは非常に難しい。

 

松村 ガイドラインに滞納について規定がないのが問題。水道局については滞納者も対象とするよう見直しを。

 

水道局 福祉課(保健福祉局)にその旨伝えたい。

 

 松村市議はほかに羽田空港着陸新ルートが3 月末から実施されることについて質問。2月におこなわれた試験飛行で市に26 件の苦情・問い合わせが寄せられたことを明らかにし、危険な新ルートの見直しを国に求めるよう質しました。

福祉・教育・地域経済を重点にしたさいたま市へ

総合振興計画(案)について「市の基本的計画の在り方検討特別委員会」で質疑をおこなう松村としお市議

総合振興計画(案)を特別委員会で議論

 

 さいたま市では「総合振興計画」という市の基本方向を定める文書にもとづいて市政がおこなわれています。

 

 現在の計画期間が2020 年度で終了するため、「市総合振興計画審議会」で次期10年の計画を議論してきました。昨年11 月、「次期総合振興計画(案)」が答申として市長に提出されたことを受け、12 月に議会として「市の基本的計画の在り方検討特別委員会」を立ち上げました。2 月14 日から本格的な議論がはじまり、党市議団から松村としお市議が質問をおこないました。

 

 この日は次期計画案の「第1部 計画の全体像」「第2 部 重点戦略」という総論的な部分が対象とされました。

 

 松村市議は「将来都市像」に「福祉・教育や地域経済活性化・市民所得の向上を書き込むべき」と求めました。市はいずれも次期計画案後半の個別施策の部分で触れていると答弁しましたが、松村市議は「将来の都市像として目指すべきところとして提起した」と重ねて求めました。

 

 

10 区均衡のとれたまちづくりこそ

 

 次期計画案には「将来都市構造の基本的な考え方」で引き続き「2 都心4 副都心」を「拠点」として位置付け、大型開発を続けることが盛り込まれています。

 

 松村市議が「合併以来6300 億円もの巨費を投じてきた都心開発だがどのような検証をしたのか」と質問したのに対し、市は「駅の乗降客数が増えている」としか答弁できませんでした。

 

 松村市議は「拠点開発と位置付けることで無制限の財政投入を正当化し、他の地域が置き去りになっている。10 区が均衡のとれた都市構造を目指すことを明記すべきだ」と主張しましたが、市は見直さない考えを示しました。

 

 2 月議会で引き続き議論を続け、特別委員会の意見をまとめる予定です。

2月議会*議案質疑 厳しい市民生活と財政のゆがみが明らかに

本会議で議案質疑をおこなう松村としお市議

新年度予算は福祉カットと負担増

 2 月5 日、2 月議会市長提出議案に対する総括質疑に松村としお市議が立ちました。松村市議は2020 年度当初予算の特徴を明らかにするため、国の税制改正の影響や市民の暮らしの現状などについて質しました。

 

消費税増税と法人税減税

 

 新年度予算では昨年10 月の消費税増税で約26 億円増収の一方、法人市民税減税(3.7%引き下げ)で35 億円の減収です。松村市議は「市の経済動向調査では景況が厳しいと予想している」と指摘し、法人市民税への影響を確認したところ、市は「業績予想を参考に推計し6 億円の減収を見込んでいる」と答弁。あわせて41 億円の減収で、国の税制改正のゆがみと景気悪化の影響があらわれています。なお、国が新しく創設した法人事業税交付金がさいたま市に約19 億円きますが、法人税率引き下げより少なく、消費税増税で穴埋めしているかたちが明らかになりました。

 

労働者も高齢者も収入減に

 

 来年度の市民所得の見込みについての質問に、市は平均給与所得は約373.3 万円、65歳以上(高齢者)平均所得は約138.4 万円と答弁しました。

 

 平均給与所得は最近5 年以上連続で微増を続けていましたが、新年度では減少に転じることについて要因をたずねると、「厚労省の統計数値が2019 年1 月から9 月の平均値で0.4%減になっていることを踏まえた」と答弁。高齢者所得も昨年から約10 万円減少しています。市民のくらしもいっそう厳しくなる状況が浮かび上がりました。

 

大型開発への集中と福祉削減

 

 さいたま市は合併以来2 都心4 副都心開発をまちづくりの中心構想として位置づけ推進してきました。新年度予算で約96 億円(表1)、合併以来累計で約6275 億円を使ってきました。

 

 一方で、高齢者・障害者・難病患者への福祉・医療支援のカットが新年度予算で約25.5 億円(表2)、清水市長就任以来、約132.7 億円になることが明らかになりました。市は「厳しい財政事情」を言いますが、税金の使い方に問題があるのが実態です。

 

 

国民健康保険税4 年連続値上げ

 

 市民の暮らしが厳しいなか、市は4 月から小中学校の給食費や国保税の値上げを計画しています。

 

 国保税の負担増は課税限度額と税率引き上げで約4.5 億円、均等割り減額見直しで約1500 万円になります。4 年連続値上げによる市民負担増の累計は約16.7 億円になります。昨年の消費税増税と所得減が見込まれるもとでのさらなる市民負担増は大問題です。

 

 市長は12 月議会でボーナスを引き上げながら市民には負担増というのも道理がありません。今後、代表質問や各常任委員会、予算委員会で市民のくらしを大切にする立場から追及していきます。

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