政策と活動

視察

要支援者避難計画 先進的なとりくみに学んで

三橋4丁目自治会のみなさんのお話をうかがう久保市議(左から2人目)

 東日本大震災の際、被災地全体の死者数のうち65 歳以上が約6 割を占め、障害者の死亡率は全体死亡率の約2 倍を上回りました。この実態から、災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者名簿を活用した実効性のある避難支援がおこなわれるよう、市町村は自治会などと連携して要支援者1 人ひとりの避難計画を作成することとなりました。しかしハードルは高く、さいたま市では全体の1%しか作成できていません。

 11 月9 日、久保みき市議は三橋4 丁目自治会の避難行動要支援者の災害時の避難計画と支援のとりくみについてお話をうかがいました。自治会長によると「民生委員と協力して要支援者への訪問を重ね、個別プランカードを作成している。自治会独自で2 つの病院およびガソリンスタンドと提携、重度障害者等は特別養護老人ホームに直接避難できるよう提携している」とのことでした。

 久保市議は「1 人でも多くの要支援者の命を守りたいという思いに感動した。先進的なとりくみに学び、全市に広げたい」と話しました。

建設労働者が働き続けられるように 埼玉土建が公共工事を視察

懇談に同席するとばめぐみ市議(手前右)

 10 月14 日、埼玉土建さいたま北支部による公共工事現場視察にとばめぐみ市議が参加しました。視察先は西部図書館(北区)の中規模修繕工事で工期は2021 年3 月末までです。この現場には3 社で延べ2000 人の建設労働者が出入りします。同支部は、契約書面の有無、建設業退職金共済制度(=建退共※①)の標識の掲示、下請契約は何次までか、コロナ対策や労災防止の重点的なとりくみなどを聞きとりました。

 懇談では、現場の方から「公共事業の契約は4 週8 休だが、工期に間に合わず実際は4 週4 ~ 6 休しかとれない」という実態が出されました。参加者は「建設職人が働き続けられるよう休暇の保障と、建設キャリアアップシステム(※②)や建退共の周知徹底を」と要望し、あわせて現場の実態を具体的に調べるための職人・業者向けアンケートを依頼しました。とば市議は「せめて公共工事では4 週8 休が保障できる工期で契約すべき」と話しました。

 

①建設業で働く人達のための退職金制度
② 技能者の資格、社保加入状況、就業履歴等を業界内で蓄積するしくみ

「建設キャリアアップシステム」導入を 埼玉土建の現場訪問

現場視察後の懇談で発言するとりうみ敏行市議(左から2人目)

 8 月26 日、埼玉土建さいたま南支部による公共工事現場視察がおこなわれ、党市議団からとりうみ敏行市議も参加しました。

 視察先は今年12 月に完成予定の市営道祖土戸崎団地建設現場(緑区)です。現場の作業所長から、建設労働者の健康管理をはじめ「標準見積書」の活用など、下請け契約や働き方について説明を受けました。埼玉土建からは国や建設業界が進めている「建設キャリアアップ」の導入について提案しましたが、現場ではまだこのシステムが周知されていませんでした。

 「建設キャリアップ」の目的は、技能者の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上などにつなげることで労働者が適正な処遇を受けられるようにすること等です。昨年から開始され、埼玉土建も推進の努力をしています。とりうみ市議は「高齢化が進む建設業で若い世代を受け入れていくためにも、当事者はもとより、行政の役割が重要」と述べました。

ソーシャルファーム 医療の専門職の配置を

「わーくはぴねす農園さいたま岩槻」のハウスの中の様子

 8 月19 日、「わーくはぴねす農園さいたま岩槻」の利用者から夏場の作業について相談を受けたため、金子あきよ、とばめぐみの両市議が現場を視察しました。

 ここは、さいたま市が総合振興計画で「障がい者の働く場」と位置づけてとりくんでいる事業です。昨年6 月に開設され、17 社の企業に採用された105 名の障がい者が35棟のビニールハウスで水耕栽培をしています。開設から1年たち、農園はハウスも整い、農作物も実り、活気が感じられました。

 この日の気温は35℃、ハウス内は朝10時ですでに38℃でした。40℃を超えたら「危険な温度」としてハウスから出るよう指示されますが、この夏はハウスに5 分しかいられない日が何日もあったそうです。

 今後、ハウスをあらたに15 棟建設し、45名の障がい者の採用が決まっています。しかし、ここでは暑くても寒くても作業は水耕栽培のみ。障がい者の特性を理解し、体調を管理するための医療の専門職もいません。金子市議はこの問題を9 月議会の一般質問でとりあげ、専門職の配置を求めていきます。

さいたま市政検証vol.2 ひとごとじゃない とめよう児童虐待

市内の児童養護施設の施設長から話を聞くとばめぐみ市議(左)

 7 月、東京都大田区で、8 日間もひとりきりで家に置き去りにされた3 歳の女の子が亡くなりました。大変痛ましい事件です。

 

 今回のように母親が若く、ほかに養育者がいない場合、社会的な支援がどうしても必要です。大田区や通っていた保育所、要保護児童対策地域協議会の中で情報共有が適正にされていたのか、検証する必要があります。

 

 児童虐待防止法は2000 年11 月に施行されましたが、その後も児童虐待は増え続け、30 年連続で増加しています。全国212 カ所の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は15 万9850 件、さいたま市では2937 件の虐待相談件数がありました(平成30 年度)。国として、すべての子どもの命を守り切るための対策が求められますが、不十分と言わざるをえません。

 

 党市議団はこれまで、虐待で亡くなる子どもをひとりも出さないという立場でさまざまな提案をおこない、とくに市内に2 つ目の児童相談所を増設するよう求めてきました。本市では今年4 月から、より迅速に対応するためとして児童相談所の組織を南部(旧浦和・与野)と北部(旧大宮・岩槻)のふたつの組織体制に変更しましたが、同じ建物の中であり、児童相談所を増やしたわけではありません。

 

妊娠期から切れ目のない支援を

 

 昨年、さいたま市女性の活躍を推進する議員連絡会が「世田谷版ネウボラ(※)」を視察し、とばめぐみと金子あきよの両市議が参加しました。

 

 世田谷区は「虐待防止と子育て支援はセットで行うべきである」との理念のもと、「世田谷区妊娠期から子育て家庭を支える切れ目のない支援検討委員会」を立ち上げ、地域と医療の連携で虐待を防ぐしくみ作りにとりくみました。そのなかで、専門家として日本助産師協会が大きな役割を果たしました。

 

 専門家を中心に据えた地域との連携は、区内5カ所の各総合支所の相談窓口に、保健師などの専門職で構成されたネウボラ・チームを設置し、妊娠期から子育て期の不安や悩みに対する相談支援をおこないます。また産前・産後サービスが利用できる1 万円分の子育て利用券を配布し、区が提供する産後ケアサービスや住民主体の子育て支援活動に利用でき、地域と繋がるきっかけとなっています。

 

 2019 年9 月議会の保健福祉委員会では、とばめぐみ市議が「世田谷版ネウボラから学び、さいたま市でも妊娠期からの切れ目のない支援のしくみを作るべき」と求めました。

 

児童養護施設は最後のとりで

 

 一時保護された子どもたちは、原則2 カ月以内に家庭復帰、または児童養護施設や里親等に措置されます。さいたま市内には3カ所の児童養護施設があります。

 

 7 月15 日、とばめぐみ市議は市内の児童養護施設を訪問し、現状と課題を調査しました。施設長からは、多くの課題を抱えた乳幼児から思春期まで、幅広い年齢の子どものケアをおこなう児童養護施設において、その処遇の低さから職員の確保が難しく、定員通りに子どもを受け入れるのが厳しい現状や、この間の新型コロナウイルス感染拡大にともなう一斉休校から、約3 カ月にわたり子どもたちが施設内で過ごすなかで、デジタル授業への対応の苦労等が切々と語られました。

 

 児童養護施設は、保護された子どもにとって最後のとりでです。ここで働く職員にも市の「保育士宿舎借り上げ支援事業」を適用させるなど、党市議団として抜本的な処遇改善にとりくみます。

 

※ネウボラとは? フィンランド発祥の、妊娠期から就学前まで、ひとりの母親につきひとりの専門職(助産師や保健師)が継続的に母子とその家族の相談・支援をおこなうしくみ

 

■子どもの虐待相談連絡先

・児童相談所虐待対応ダイヤル/24時間・365日通話料無料/℡ 189

 

・さいたま市北部児童相談所/平日8:30~18:00/℡ 048-711-3917

(西・北・大宮・見沼・岩槻区)

 

・さいたま市南部児童相談所/平日8:30~18:00/℡ 048-711-2489

(中央・桜・浦和・南・緑区)

 

・24時間児童虐待通告電話/24時間・365日/℡ 048-711-6824

 

■さいたま市の妊娠・出産・子育ての相談窓口

・妊娠・出産の電話相談/毎週火曜13:00~16:00/℡ 840-2217

 

・妊娠・出産包括支援センター:助産師等の母子保健相談員等専門の職員が妊娠の届出受理や母子手帳の交付をおこなう。妊娠・出産・育児に関する相談に対応/平日8:30~17:15

 西区(区役所1F)℡ 620-2705

 北区(区役所3F)℡ 669-6102

 大宮区(区役所4F)℡ 646-3100

 見沼区(区役所1F)℡ 681-6100

 中央区(区役所別館1F)℡ 840-6112

 桜区(区役所3F)℡ 856-6200

 浦和区(浦和区保健センター内)℡ 824-5000

 南区(サウスピア7F)℡ 844-7202

 緑区(区役所3F)℡ 712-1200

 岩槻区(ワッツ東館4F)℡ 790-0223

 

・保健センター:保健師が育児不安についての相談に対応/平日8:30~17:15

 西区役所保健センター ℡ 620-2700

 北区役所保健センター ℡ 669-6100

 大宮区役所保健センター ℡ 646-3100

 見沼区役所保健センター ℡ 681-6100

 中央区役所保健センター ℡ 840-6111

 桜区役所保健センター ℡ 856-6200

 浦和区役所保健センター ℡ 824-3971

 緑区役所保健センター ℡ 712-1200

 岩槻区役所保健センター ℡ 790-0222

 

・家庭児童相談室:児童に関する様々な相談を受付。匿名相談、電話相談も可/相談場所は各区役所支援課内/平日9:00~17:00(正午から13:00除く)

 西区支援課 ℡ 620-2663

 北区支援課 ℡ 669-6063

 大宮区支援課 ℡ 646-3063

 見沼区支援課 ℡ 681-6063

 中央区支援課 ℡ 840-6063

 桜区支援課 ℡ 856-6173

 浦和区支援課 ℡ 829-6144

 南区支援課 ℡ 844-7173

 緑区支援課 ℡ 712-1173

 岩槻区支援課 ℡ 790-0164

 

・子育て不安電話相談/平日10:00~16:00/℡ 881-0922

 

・なんでも子ども相談(あいぱれっと内):子どもに関するあらゆる相談。おおむね15歳までの子どもとその保護者、関係者向け/月・火・木・金曜10:30~18:30、土・日・祝9:00~16:30/℡ 762-7757/メール nandemo-kodomo@city.saitama.lg.jp

 

そのほかにも様々な分野の相談窓口があります。

https://www.city.saitama.jp/002/001/016/001/p033924.html

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