政策と活動

視察

地域でくらし働くことを大事に

作業所を視察する(右から)たけこし連、とばめぐみの両市議

 11 月10 日、とばめぐみとたけこし連の両市議が、障害のある人たちの労働や生活を支援する事業を展開する鴻沼福祉会(中央区円阿弥)を視察しました。

 同会は作業所5 カ所、グループホーム2カ所、そして生活ホーム7 カ所を運営しています。会では、ホームで暮らす障害者の高齢化に直面しており、訪問看護やヘルパー制度を駆使して最期を看取るまで1 人ひとりを支えてきました。

 作業所では近くの工場から任された袋詰めの仕事や、本格的なパンづくりがおこなわれていました。施設長は「仕事が終わったら作業所から自宅(ホーム)に帰り、誰かが『おかえり』と迎えてくれる、そんな当たり前の暮らしを地域で保障することが大事」と語りました。一方で、グループホームは慢性的な人手不足に加え、年間1500 万円の運営費の赤字が出るなどの実態が出されました。とば市議は「市が責任をもって財政支援するよう議会で強く求める」と話しました。

 

↑グループホームを視察する(右から)とばめぐみ、たけこし連の両市議

要支援者避難計画 先進的なとりくみに学んで

三橋4丁目自治会のみなさんのお話をうかがう久保市議(左から2人目)

 東日本大震災の際、被災地全体の死者数のうち65 歳以上が約6 割を占め、障害者の死亡率は全体死亡率の約2 倍を上回りました。この実態から、災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者名簿を活用した実効性のある避難支援がおこなわれるよう、市町村は自治会などと連携して要支援者1 人ひとりの避難計画を作成することとなりました。しかしハードルは高く、さいたま市では全体の1%しか作成できていません。

 11 月9 日、久保みき市議は三橋4 丁目自治会の避難行動要支援者の災害時の避難計画と支援のとりくみについてお話をうかがいました。自治会長によると「民生委員と協力して要支援者への訪問を重ね、個別プランカードを作成している。自治会独自で2 つの病院およびガソリンスタンドと提携、重度障害者等は特別養護老人ホームに直接避難できるよう提携している」とのことでした。

 久保市議は「1 人でも多くの要支援者の命を守りたいという思いに感動した。先進的なとりくみに学び、全市に広げたい」と話しました。

建設労働者が働き続けられるように 埼玉土建が公共工事を視察

懇談に同席するとばめぐみ市議(手前右)

 10 月14 日、埼玉土建さいたま北支部による公共工事現場視察にとばめぐみ市議が参加しました。視察先は西部図書館(北区)の中規模修繕工事で工期は2021 年3 月末までです。この現場には3 社で延べ2000 人の建設労働者が出入りします。同支部は、契約書面の有無、建設業退職金共済制度(=建退共※①)の標識の掲示、下請契約は何次までか、コロナ対策や労災防止の重点的なとりくみなどを聞きとりました。

 懇談では、現場の方から「公共事業の契約は4 週8 休だが、工期に間に合わず実際は4 週4 ~ 6 休しかとれない」という実態が出されました。参加者は「建設職人が働き続けられるよう休暇の保障と、建設キャリアアップシステム(※②)や建退共の周知徹底を」と要望し、あわせて現場の実態を具体的に調べるための職人・業者向けアンケートを依頼しました。とば市議は「せめて公共工事では4 週8 休が保障できる工期で契約すべき」と話しました。

 

①建設業で働く人達のための退職金制度
② 技能者の資格、社保加入状況、就業履歴等を業界内で蓄積するしくみ

「建設キャリアアップシステム」導入を 埼玉土建の現場訪問

現場視察後の懇談で発言するとりうみ敏行市議(左から2人目)

 8 月26 日、埼玉土建さいたま南支部による公共工事現場視察がおこなわれ、党市議団からとりうみ敏行市議も参加しました。

 視察先は今年12 月に完成予定の市営道祖土戸崎団地建設現場(緑区)です。現場の作業所長から、建設労働者の健康管理をはじめ「標準見積書」の活用など、下請け契約や働き方について説明を受けました。埼玉土建からは国や建設業界が進めている「建設キャリアアップ」の導入について提案しましたが、現場ではまだこのシステムが周知されていませんでした。

 「建設キャリアップ」の目的は、技能者の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上などにつなげることで労働者が適正な処遇を受けられるようにすること等です。昨年から開始され、埼玉土建も推進の努力をしています。とりうみ市議は「高齢化が進む建設業で若い世代を受け入れていくためにも、当事者はもとより、行政の役割が重要」と述べました。

ソーシャルファーム 医療の専門職の配置を

「わーくはぴねす農園さいたま岩槻」のハウスの中の様子

 8 月19 日、「わーくはぴねす農園さいたま岩槻」の利用者から夏場の作業について相談を受けたため、金子あきよ、とばめぐみの両市議が現場を視察しました。

 ここは、さいたま市が総合振興計画で「障がい者の働く場」と位置づけてとりくんでいる事業です。昨年6 月に開設され、17 社の企業に採用された105 名の障がい者が35棟のビニールハウスで水耕栽培をしています。開設から1年たち、農園はハウスも整い、農作物も実り、活気が感じられました。

 この日の気温は35℃、ハウス内は朝10時ですでに38℃でした。40℃を超えたら「危険な温度」としてハウスから出るよう指示されますが、この夏はハウスに5 分しかいられない日が何日もあったそうです。

 今後、ハウスをあらたに15 棟建設し、45名の障がい者の採用が決まっています。しかし、ここでは暑くても寒くても作業は水耕栽培のみ。障がい者の特性を理解し、体調を管理するための医療の専門職もいません。金子市議はこの問題を9 月議会の一般質問でとりあげ、専門職の配置を求めていきます。

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