政策と活動

視察

高齢者の交通権を守るために ~まちづくり委員会視察~

堺市役所前で(堺市は世界遺産の百舌鳥・古市古墳群が有名)

 10月31日と11月1日、久保みき市議がまちづくり委員会の行政視察で岡山市と堺市に行き、交通政策について学びました。

 堺市の「お出かけ応援制度」は、65歳以上の方はバス、乗合いタクシー、阪境電車を、専用の「おでかけ応援カード」を使うと100円で利用できる制度です。コロナ禍の2020年10月から12月は、国の地方創生臨時交付金を活用して無償化も実施しました。この事業は、2004年に高齢者の社会参加を目的に、健康福祉局が5のつく日のみ、南海バスだけでスタートしていましたが、2013年に建築都市局が公共交通の利用促進を目的に事業化しました。初めは約1600万円の予算でしたが、今は約4億円の予算となっています。

 堺市の財政難は深刻で、昨年度、この事業が見直しの対象になり、対象年齢を65歳から70歳以上にする案が出されたものの、議会が否決する結果となりました。それだけ市民に必要とされている制度であることが分かります。

 そもそも高齢者の外出支援は、高齢者の交通権確保はもとより、生きがいづくり、健康増進(医療費削減につながる)、さらに外出することでの経済効果も大きいといわれています。実際、堺市ではこの制度で8.8倍の経済効果があったとのことでした。また、利用が増えるので交通事業者への支援にもつながります。交通政策を考えるときは、交通事業者を守ることも大事です。

 久保市議は「これからさいたま市も本格的な高齢社会になる。高齢者の交通権をどう守るか本気で考えていくときだ。議会でもとりあげていきたい」と話しました。

有機農業からはじめる循環型社会

木更津市議会前で

 10月28日、久保みき市議が有機農業支援について千葉県木更津市を視察しました。

 

 木更津市は2016年に「オーガニックなまちづくり条例」を制定し、有機米の学校給食活用を決めて、先進市である千葉県いすみ市に学び、有機農法を行ってくれる農家さん探しから始めました。2019年に5名の農家さんの協力を得て、有機米の栽培を1.8ヘクタールでスタートさせ、取れた有機米約3トンを全小中学校で3日間活用しました。全給食分の2.4%でした。2020年には5ヘクタール、約17.3トン、11.8%、2021年、15.4ヘクタール、約51トン、38.2%、2022年、20ヘクタール、84トン、57%、着実に増やし、2025年に100%にする目標です。有機米の仕入れに係る負担増分については、教育委員会において予算措置しています。

 

 さらに木更津市は今年度、国の地方創生臨時交付金を活用し、有機JAS認証への支援も行っています。また国の「オーガニックビレッジ」にも手を上げて、400万円の交付金を活用し、さらに有機農産物を広げる計画です。今、全国で53自治体がオーガニックビレッジになっていますが、国は2025年までに100自治体を目標にしています。さいたま市もこのビレッジの輪に入ってもらいたいものです。

 

 久保市議は「これから、地産地消がますます大事になる。さいたま市内には有機農業を営んでいる若い農家さんがいるので、そこへ支援をして、食の安全、捨てる文化から生かす文化、循環型社会をつくっていくことがとても大事だ」と話しました。

浦和大里小の工事現場を視察

視察するとりうみ市議

 8月29日、埼玉土建さいたま南支部ととりうみ敏行市議が、市立浦和大里小学校のトイレ改修工事現場を訪問し、現場責任者と懇談しました。

 埼玉土建さいたま南支部は、建設労働者の仕事確保と労働条件拡充をめざして毎年公共工事現場の視察を党市議団とともに実施しています。浦和大里小学校のトイレ改修工事は、今年6月29日、市内の(株)UDKに発注され、今年10月末の完了予定で進められています。今回の訪問では、とくに建設労働者の社会保険加入促進や、下請け業者への法定福利費の保障、「建退共」貼付状況などをはじめ、現場での労働災害防止などが元請け業者の責任で進められているかなどについて、(株)UDKの現場責任者から回答を頂きました。

 また、現場の労働者にも、職種、年齢、経験年数、賃金などについてアンケート調査を実施しました。とりうみ市議は「建設労働者の権利拡充に向けて、議会でとりあげていきたい」と話しました。

市立さくら草特別支援学校を視察 よりよい教育環境をすべての子どもたちに

室内プールがあり、用具も充実している

 8月25日、金子あきよ、とばめぐみの両市議は、さいたま市立さくら草特別支援学校(緑区三室)の視察を行いました。

 2012(平成24)年に、肢体不自由と知的障害を合わせ有する重度重複の子どもたちが、県立特別支援学校に長時間かけて通学する負担を軽減するため、開設されたのがさくら草特別支援学校です。小・中・高等部全体で16学級、在籍児童生徒は39名(訪問籍4名を含む)です。1クラスの在籍児童生徒数は3名まで、担当教員は各学級2名を基本としています。医療的ケアを必要とする児童生徒を受け入れるために看護師が5名配置されており、日常の観察や実際のケアのための環境が整備されています。採暖室のある室内プールや、豊富な教具·遊具を備えた自立活動室なども設置され、教育に生かされている様子がうかがえました。

 一方で、ひまわり特別支援学校(西区)とあわせても、市立の肢体不自由特別支援学校で受け入れる小学部新1学年は7名、全体で78名です。就学先については「入学前の教育相談で調整ができている」とのことでしたが、学年によっては入学希望者が多く、結果として県立特別支援学校に市内から多くの児童生徒が通っている実態があります。

 金子市議は、「県立特別支援学校が不足しているなか、さくら草特別支援学校の役割は重要。より多くの子どもがこうした環境で学べるよう、市は県と連携·協力して学校の整備に力をつくすべき」と話しました。

川崎市を視察 人権政策のとりくみを学ぶ

 8月10日、とばめぐみとたけこし連の両市議が、川崎市の実施している「人権オンブズパーソン」制度について視察を行いました。

 人権オンブズパーソンは、市民が人権の侵害に関する相談及び救済申立てを簡易かつ安心して行うことができるために設置された第三者機関で、おもに子どもの人権侵害や男女平等に関わる相談を選任スタッフと弁護士で解決しています。

 川崎市担当者によると、2021年度は154件の相談があり、子どもの相談事例では、いじめ・学校や施設等の対応への問題、虐待などの相談、また男女平等相談事例ではDVなどの相談が中心となっています。川崎市はオンブズパーソン制度実施後に「子どもの権利条例」と「男女平等条例が制定」され、両条例の中で求められている「個別救済制度」を実施するための制度として運用されています。

 たけこし市議は「先駆的なとりくみを勉強できた。さいたま市の人権関連予算は約80万円で川崎は約3400万円。この比較だけでも本市の人権政策の遅れがわかる。積極的にとりくみたい」と話しました。

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