政策と活動

視察

男女共同参画を前へ 「らら京都」と「京あんしんこども館」を視察

さいたま市議会の女性活躍推進議員連盟では、男女共同参画の先進事例を学ぶため、横浜市、仙台市に続き、京都府の男女共同参画センター「らら京都」を視察しました。党市議団からとばめぐみ、池田めぐみ両市議が参加しました。

 

京都のとりくみでは、「女性の悩み相談」事業に力を入れているほか、女性の起業支援のための全5回で開催する創業スクールが大人気。スクールだけで終わらせず、起業後のスキルアップをサポートする交流サロンや、チャレンジオフィスの提供、地域で活躍する人を紹介するラジオ番組「“京”do参画」など、フォローアップが充実しているのが特徴です。また、防災に女性の視点を取り入れ、災害時の女性相談サポーター養成講座を複数回実施しているほか、「きょうとみんなの防災カード」を男女共同参画の視点で作成し、今回の視察でも、ワークショップというかたちで災害の備えや避難所について議員同士で話し合いました。

 

「京(みやこ)あんしんこども館」では、長村敏生センター長と懇談しました。自身の小児科医としての経験から、子どもの大きな死亡原因のひとつ「不慮の事故死」を減らすため、京都第二赤十字病院と京都市が連携し「子ども保健医療相談・事故防止センター」を創設したとのことです。また、館内の子どもセーフティハウスを看護師の説明を受けながら回ることで、子どもにとっての家の中の危険をリアルに体験することができました。「さいたま市でもこのようなとりくみを実現したい」と、とば、池田の両市議は話しました。

墨田区・錦糸公園を視察 市民の憩いの場と防災機能が両立

公園内にある総合体育館

荒川と隅田川に囲まれている墨田区は、水害、地震、火災などに対する防災意識が高く、公園や体育館の災害時の役割などの先進的な取り組みを学ぶため、5月16日、金子あきよ市議と池田めぐみ市議が錦糸公園を視察しました。

 

関東大震災からの復興公園として整備された錦糸公園は、1928年に開園。その後、老朽化などを理由に「錦糸公園再整備基本計画」が策定され、2011年度に現在の総合体育館などが開館しました。現地は錦糸町駅徒歩3分の立地ながら、敷地(約5万6000㎡)の4分の3以上が緑地で、区民の憩いの場になっています。
また、広場・オアシス・運動・防災の4つの機能がバランスよく構成されており、公園の改修にあたっては、公園利用者や地域住民に真っ先にヒアリングし、公園利用者や住民の意見に基づいて計画をすすめていったとのことでした。体育館は地元のプロフットサルチームの本拠地となっていますが、施設の整備にあたっては市民利用を重視したそうです。

 

体育館(地上5階建)の中には、2500人から3000人収容のアリーナ、可動式の畳を備える武道場、室内プール、トレーニングジム、フットサルやアーチェリーにも対応可能な屋上競技場、そして、バリアフリー対応の屋内駐車場(最大100台)を完備。水害時の避難場所になるほか、発災時は、帰宅困難者に対応、また民間事業者と連携し要配慮者を受け入れる福祉避難所として機能するとのことでした。また公園には、備品の入ったベンチやマンホールトイレがあり、災害時の使用方法の案内表示が日常からされていることに防災意識の高さを感じ取ることができました。視察した池田市議は、「今後策定されるさいたま市の市庁舎跡地利用アンケートでも、『防災公園』を希望する声が多く、今回の視察をさいたま市でも生かしていきたい」と話しました。

震災からの復興と男女共同参画事業をまなぶ 市議団で仙台を視察

海浜エリア活性化事業の説明を受ける市議団

4月24日、党市議団として宮城県仙台市を行政視察しました。

 

はじめに報告を受けた東日本大震災後の被災地エリア再開発をおこなう「海浜エリア活性化事業」では、防災集団移転促進により仙台市が買い取った土地(集団移転跡地)をあらたな魅力や賑わいを創出することをめざして、民間の自由な発想による利活用を進めるとりくみで、現在は38区画すべてで利活用(飲食や温泉など)が決定しています。
党市議団が重視したのは、災害後のまちづくりにおける「住民の意思反映」についてです。本市では津波被害等は想定されていませんが、河川氾濫等で大きな被害が出た際に、市民意見をどのように取り入れていくのかが課題です。

 

困難を抱える女性へ
アプローチ

 

続いて、困難を抱える女性に向けたアウトリーチ型相談事業「トナカフェせんだい・夜まわり事業」と男女共同参画事業についてお話をうかがいました。「トナカフェせんだい」とは、仙台市と地元NPO法人が連携しながら週1回、仙台駅周辺の繁華街の夜まわり活動をおこない、女性の相談活動をおこなう事業です。この事業は2022年から始まりましたが、とりくみの成果として、これまでなかなか相談につながらなかった10〜20代の若い女性にアプローチできていることや、継続するなかで来場者が2022年度96人から2023年度398人と大幅増加していることが報告されました。本市でも、大宮駅周辺などの繁華街がある自治体として同様のとりくみが求められます。

 

また、仙台市と独立行政法人「せんだい男女共同参画財団」が協働で運営をしている男女共同参画の拠点である「エルパーク仙台」と「エルソーラ仙台」についてうかがいました。エルパークでは学習事業や企画のとりくみを中心におこない、地元企業や行政に女性管理職を増やすための努力をしています。エルソーラでは女性の相談事業や支援事業を中心におこない、役割分担を明確にしています。この事例から、行政だけではなく男女共同参画に理解が深い民間団体との共同の必要性がうかがえます。視察に参加したたけこし連市議は「今回の視察を本市で最大限いかしたい」と話しました。

西部環境センター 停止が3年延びる

さいたま市のごみ焼却施設は西部環境センター、東部環境センター、クリーンセンター大崎、桜環境センターの4カ所あります。さいたま市は老朽化した西部環境センターと東部環境センターの2施設を統廃合し、東部環境センターの場所に新たにサーマルエネルギーセンターを整備し、2025年の供用開始にむけて進めてきました。

 

西部、東部ともに1日に300トンのごみ処理能力がありますが、サーマルエネルギーセンターは1日420トンの処理能力です。4カ所の焼却施設を3カ所にしていくためには、ごみの減量が必要です。ところが思うように減量が進まず、2025年に稼働停止予定だった西部環境センターを3年間、稼働を続ける(ごみ減量が進めば、1年を経過した時点で稼働停止予定)ことを決めました。

 

西部環境センターがなくなっても、市民のごみ出し(決まった曜日に収集所に出す)は変わりません。ごみ焼却の余熱を利用した施設「西楽園」も今までどおり利用できます。ただ、直接西部環境センターにごみを持ち込むことができなくなります。ご注意ください。

都市農業とむきあって 市内農家や畜産農家の声を 議会にとどけるために

さいたま市は、広大な見沼田んぼ、荒川、綾瀬川、元荒川流域に広がる豊かな水田地帯を中心に、県内有数の農地面積を誇り、野菜、花卉、果物、米、種苗・植木などの生産も活発です。

 

一方で、農業従事者の高齢化、担い手不足、農地の減少が止まらず、厳しさを増しています。1980年には7428戸だった総農家数は2020年には2998戸まで減少。本市の総世帯数が年々増加するなか、総農家数の割合(農家率)が激減しています。

 

農民連は7月、「稲作経営の1戸あたりの農業所得は年間1万円、時給はわずか10円 」と発表しました。この3年間で生産に必要な燃料は4割上がり、餌は5割上がり、肥料は7割も上がっています。さいたま市はこの厳しい農家の現状に対してしっかり支援ができているでしょうか。市は昨年の農業振興事業補助金を20事業用意しましたが、実際に申請し活用した農家はのべ56件のみ。なぜ利用しないのかというと、「自分の家の農業にあったものがない」「手続きが面倒で条件も厳しい」という声が多くありました。

 

国連は、2019年から2028年までの10年間を「家族農業の10年」と定め、今年がちょうど折り返し時期です。とばめぐみ市議は9月議会で「市の農政が家族農業を守り抜くという立場で進められているのか」を厳しく問いました。2022年度の日本の食料自給率は38%、2030年度までに45%に引き上げることを目標としていますが、その実現のために、各地方自治体が地元の農家を支え、農業を守り拡充するくことが必要です。

 

県内外の視察を重ねる

 

とばめぐみ市議が副委員長を務め、池田めぐみ市議も所属する総合政策委員会では、今年度の研究テーマを「都市農業」とし、研究・学習にとりくんでいます。9月には農業振興施設見沼グリーンセンターの農場や果樹園を視察し、本市がおこなっている園芸講座、園芸相談、農業技術改善のための実験や試作等の取り組みを学びました。また米の生産者、有機農業にとりくむ若者たち、市の就農研修卒業生のお話もうかがいました。「先祖からの田んぼを守りたい」「自然や食を大事にしたい」「地産地消の社会に変えたい」「安全な食物を食べたい」等、あつい思いをもってとりくんでいることが分かりました。一方で、この夏の異常な暑さによる苦労や、農業では食べていけず家族の収入で生活しているという実態、新規就農者が自立独立するためにはあまりにも支援が不十分であることなどが切々と語られました。

 

また、委員会として、福岡市の総合的な農林業政策、久留米市で大学卒業と同時に家の農業を継ぎ、農業を中止に飲食業や美容サロンに事業を拡大した青年の1日1万袋の水菜を出荷するハウス、JA全農・JAさが・佐賀市が連携しキュウリの大規模多収栽培実証施設「ゆめファーム全農SAGA」など、九州地方の農業の視察もおこないました。  とば市議は「農業は奥が深く、政治との接点も多岐にわたる。市内農家や畜産農家の生の声を集めて、議会に届けたい」と話しました。

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