議会報告

6月議会*本会議 市民のくらしと生業・医療を守るために全力

本会議で討論に立つ金子あきよ市議

 6 月26 日、6 月議会本会議で、金子あきよ市議が議案と請願の討論に立ちました。党市議団は市長から提出された議案37 件のうち、31 件に賛成し、6 件に反対しました。

 

 市民憲章審議会条例の制定に関する条例案について「コロナ禍で加速度的に市民の生活様式が変容するなか、市民憲章策定の必要性について市民の納得は得られない」と主張。戸籍等関係事務手数料条例の一部改正案(マイナンバー通知カードの廃止)についても、「マイナンバー制度を推進することにのみ資する一方で、市民に負担を強いることになるものだ」として反対しました。

 

 また、児童福祉施設の設備および運営の基準に関する条例等の一部改正案について、金子市議は「待機児童対策として保育所等の保育士配置にかかる規制緩和の特例的運用を適用できるようにするものであり、保育士が確保できないから保育士以外で保育をおこなうという考えは認められない。保育士の処遇改善をおこなうことで、さいたま市で働きたいと思ってもらうことこそ必要」等として反対しました。

 

 続いて「公園遊具の修理・設置の早急な実施を求める請願」など、市民から提出された3 件の請願について、市民のいのちと暮らしを守る立場から採択を主張しました。

 

 最後に金子市議は、「市議団として、新型コロナウイルス感染拡大の第2 波・第3 波に備えて、市民の暮らしと生業、医療を守り充実させるためにこれからも全力を挙げ、一日も早いコロナの終息に向けて市民のみなさんと行政とで力をあわせてとりくむ」と表明し、市長に対して、市民の窮状に鑑み財源の使い方を市民のくらし最優先に切り替えることを強く求めました。

 

■2020年6月議会採決表

6月議会*新型コロナ対策 市民の声をねばり強くとどけ 補正予算で実現

予算委員会で補正予算についての質疑をおこなうたけこし連市議

 6 月18 日の予算委員会で、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少している市内小規模事業者・個人事業主に対して緊急経済支援として10 万円を支給する市独自の事業は、申請数が8865 件で想定した2 万1000 件に対して5 割を下回っていることがわかりました。

 

 この間、市議団として「開業届がない場合は代替書類で対応」「代替書類に添付する収支内訳書がない場合は、事業実態が確認できる書類で代替する」など、より多くの事業者がこの制度を使えるよう求めてきました。こうした運用の変更点を市がきちんと市内事業者に周知徹底するよう要望しました。

 

 その後6月25日にも予算委員会が開かれ、追加で提出された補正予算の審査がおこなわれました。党市議団からとりうみ敏行、たけこし連の両市議が出席しました。可決された補正予算の内容を紹介します。

 

 

認可外への保育料の助成が実現

 

 新型コロナウイルスの影響で、市の登園自粛要請に協力していた認可外保育施設の利用者に対して保育料を一部助成する補正予算が組まれました。

 

 3 月中旬、党市議団に「認可外保育施設でも登園自粛をしていた分の保育料を返還してほしい」という要望が寄せられ、市議団として市や厚生労働省などに対応を求めてきました。4 月に認可保育所が対象に、5 月に家庭保育室やナーサリールームなど市認定の認可外保育施設が対象に加えられるなど対象の拡大がはかられ、その後「その他の認可外保育施設」も対象に加わりました。

 

 たけこし市議の「これで市内にある566保育施設すべてが対象になったと認識していいか」という質問に対し、市は「市が認識している保育施設についてはすべて対象となる」と答弁しました。要望を受けてから3カ月もかかりましたが、党市議団が求めてきた「市内すべての保育施設で登園自粛に協力した保護者への保育料の助成」が実現しました。

 

検査の公費負担に1.2 億円

 

 新たに保険適用となった抗原検査および唾液検体を用いたPCR 検査等の検査費用の公費負担は、新型コロナウイルスの第2 波、第3 波を想定して体制を整えることを目的として補正予算が計上されました。

 

 6 月24 日、さいたま市内の中学生が新型コロナウイルスに感染したとの報道がありました。その際に、生徒の家族はPCR 検査をおこなったにもかかわらず、同じクラスや同じ部活に参加していた生徒には検査をおこないませんでした。とりうみ市議が理由をただすと、市は「同じクラスや同じ部活の生徒は濃厚接触者にはあたらない」と答弁。とりうみ市議は「今後、職場や学校で感染者がでた場合には、クラスター対策として関係者の全員検査を検討してほしい」と強く要望しました。

 

補正予算質疑 障害者施設への独自支援が実現

本会議で補正予算の質疑をする久保みき市議

 6 月25 日、6 月議会に新型コロナウイルス対策中心の追加の補正予算議案が上程され、久保みき市議が質疑に立ちました。

 

 そのなかで、さいたま市独自で障害者施設への給付をおこなう予算がつきました。生産活動をおこなう就労継続支援事業所(B 型)で働く障害者に、新型コロナウイルスの影響で減少した分の工賃を市が支給するというもので、2490 万円の予算規模です。

 

 久保市議は「生産活動をしている事業所は就労継続支援だけではない。生活介護施設や地域活動支援センターでも、ものづくりやリサイクルショップの運営などをしている。幅広く支援すべきではないか」と質しました。市も「生活介護や地域活動支援センターでも生産活動をおこなっている」と認めましたが、今回の対象はB 型のみということでした。

 

 久保市議は「今回の障害者施設への給付は、全国的に実施自治体が少ないなかで一歩前進であり、評価する。今後も弱い立場の方々にあたたかい手を差し伸べる施策を求めたい」と話しました。

6月議会*総合政策 さいたま市民憲章 急ぐ必要なし

予算委員会で質疑をおこなうたけこし連市議

 2021 年度にさいたま市民憲章を制定するための議案が、6 月議会の総合政策委員会と予算委員会にかけられ、審査がおこなわれました。市民憲章を作成する審議会を設置する条例議案と、市民憲章制定に必要な経費として約600 万円を計上する補正予算議案です。

 

 質疑を通じて、市民憲章を制定する目的が「市民の心の拠り所になる」と曖昧な点や、市民に対するメリットが示されなかったこと、また制定を望む市民の声が具体的には確認されていないことが明らかになりました。

 

 なにより、新型コロナウィルスの影響で多くの市民が多大な被害を受けているときに、約600 万円をかけて市民憲章の制定を急ぐ必要はありません。市が実施理由とする「さいたま市誕生20 年、総合振興計画のスタートの節目」というだけでは不十分です。党市議団は両議案に反対しましたが、他会派の賛成で可決されました。

6月議会*文教 さいたまクリテリウム 今年は開催見送り

文教委員会で質問する松村としお市議

 6 月17 日の文教委員会で新型コロナの影響により「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」の今年度開催を見送ることが報告されました。しかしツール・ド・フランスの主催者であるA.S.O 社(本社フランス)とは開催にかかわらず権利金を支払う契約になっています。そのため市議会として補助金を縮減して新型コロナ対策の拡充に活用するよう求める決議を全会一致で採択しました。

 

 この半日限りのイベントに2013 年から毎年2 ~ 3 億円の税金が使われてきましたが、党市議団は一過性の国際イベントではなく、市民中心の振興策に切りかえるよう求めてきました。さいたま市は来年以後も開催を希望していますが、党市議団はこれを機に中止するよう求めています。

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