議会報告

12月議会*市民生活 市役所内のプラごみは リサイクルを

市民生活委員会で議案外質問をおこなう久保みき市議

 久保みき市議は、さいたま市役所内のごみの分別・リサイクルについてとりあげました。

 さいたま市は3R(リユース・リデュース・リサイクル)推進を掲げ「ごみの分別を徹底したい」としていますが、市役所内で発生したごみは、食品包装プラスチック、いわゆるプラごみが分別されず、燃えるごみとして処理されています。

 久保市議は、庁舎地下のごみ箱の写真を示し、「弁当ガラ」と書かれたごみ箱には、毎日のようにカップヌードルや飲料の容器などが捨てられ、リサイクルできるにも関わらず燃やしてしまい、大量のCO2 を排出していると指摘しました。また、政令市(20 市)で庁舎内のプラごみを分別・リサイクルしていない市はさいたま市を含めて7 市しかないことを示し、改善を求めました。市は「ご指摘のとおり、3R 推進の模範姿勢を示す意味でも他市の事例等を研究して検討していくべきだと考える」と答弁しました。

 ほかにも、西浦和駅前の路上喫煙と吸い殻のポイ捨ての問題をとりあげ、「喫煙スペースを設けて環境美化につとめてほしい」と求めました。

総合政策*請願討論 核兵器禁止条約発効へ批准は国民的な願い

総合政策委員会で請願の討論をおこなうとばめぐみ市議

 12 月7 日の総合政策委員会で、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書を上げるよう求める請願の討論・採決がおこなわれました。

 とばめぐみ市議は賛成討論で、核保有国による妨害や圧力にもかかわらず50 カ国が核兵器禁止条約を批准したこと、広島・長崎の両市長が唯一の戦争被爆国として一刻も早い条約批准を求め、国会での活発な議論をと各党へ要請していることをふまえ、「条約発効で迎える新たなステージに私たちがどう向き合うか、被爆地の要請をどう受け止めるかが問われている」と訴えました。

 

 さらに、とば市議は「日本政府に核兵器禁止条約への批准を求める署名は、ここさいたま市でも共感を呼んでいる。いよいよ発効を迎える今こそ、国に意見書を上げてほしいというのは国民的な願いであり、請願者の願意は妥当なもの」として、採択を強く求めました。

 しかし採決の結果、賛成少数で請願は不採択になりました。

文教*請願討論 少人数学級は日本の未来を支える事業

文教委員会で請願の討論をおこなう松村としお市議

 12 月7 日の文教委員会で「新型コロナウイルス感染防止のため20 人程度の少人数学級実現を求める請願」の討論・採決がおこなわれました。

 

 松村としお市議は賛成討論で「学校ではコロナ禍でも変わらぬ人数の子どもたちが教室に詰め込まれている。感染リスクだけでなく、子どもたちのストレスも大変なもの」と指摘し、「子どもたち一人ひとりへのていねいな対応が、生活面でも学習面でも必要。少人数学級はその条件をつくるものだ」と訴えました。

 国も少人数学級導入にむけて動いていますが、松村市議は「市は国のとりくみに上乗せして導入のスピードをあげるべき」と主張しました。

 請願は学級編制基準を20 人にするよう求めるものではありません。学級編制基準を30 人にすれば、20 人程度学級はかなり実現できます。日本教育学会も提言する人数であり、国際的にみても当然の目標です。松村市議は「1 万人を超える署名の重みを受けとめ、日本の未来を支える事業として請願採択を求める」と討論を結びました。

 しかし採決の結果、賛成少数で請願は不採択になりました。

12月議会*一般質問 新都心に巨大マンション 保育施設・学校が必要

本会議で一般質問をおこなうたけこし連市議

 11 月30 日、たけこし連市議が一般質問にたち、さいたま新都心駅徒歩5 分の立地で完成間近の大型マンション「SHINTO CITY(シントシティ)」建設にともなって生じる子育てインフラの需要に、市がどのように対応するのか質問しました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継(録画)

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1786

 

たけこし SHINTO CITY は、15 階建てが6 棟、全体で1411 戸にもなる。モデルルームを見学したが、営業担当者は「間違いなく完売」と言い、購入者は30 代前後のファミリー世帯とのこと。保育需要の高まりに、どう対応するのか。

子ども未来局長 2022 年4 月までに新たに500 人の保育需要が見込まれるため、保育の受け入れ枠確保を進めてきた。2021年4 月には、SHINTO CITY の2 ㎞圏内で10 施設・591 人の定員分の認可保育所(小規模保育施設含む)を開設する。

たけこし 2 ㎞圏内というと、大宮駅や北浦和駅周辺も含まれる。この地域には今後複数のマンション建設が予定されており、保育所不足はさらに深刻になる。マンション建設の際には、保育所などの公共施設の設置義務や、開発負担金の復活などなんらかの規制が必要と考えるが、見解は。

 

子ども未来局長 「さいたま市大規模共同住宅等の建築等における子育て支援施設の設置に関する要綱」に基づいて、SHINTOCITY の事業者と事前協議をおこなったが、認可保育所等の併設には至らなかった。より強い規制については導入を検討していないが、事前協議や協力要請の実効性を高める方策を検討していきたい。

たけこし SHINTO CITY と事前協議を進める最中、市長が「待機児童ゼロ宣言」(2017 年4 月)をした。市が「待機児童ゼロ」と言えば、事業者が作るとはならない。そういう意味で市の責任は大きい。本市は政令市に移行して20 年、公立保育所を一つも整備していないが、公立保育所建設についての見解は。

 

子ども未来局長 特色ある保育の提供と、公立に比べ短期間で整備できることから、今後も民設民営による整備を進める。

 

たけこし SHINTO CITY の児童が通う大宮南小学校区内の放課後児童クラブ4 か所は、すでにパンク状態。市の対応は。

 

子ども未来局長 4 カ所で定員は160 人。市としても既存の定員を上回ると認識している。あらたな受け入れが可能な施設の整備について関係部署と協議を進めており、これにより利用希望者の需要を満たせると見込んでいる。

たけこし 今後、大宮南小学校には280 人〜680 人の児童が通学すると推計されており、大規模校・過大規模校になる見込みだが、新たな学校建設の考えは。

副教育長 より正確にその人数を把握・分析するとともに関連部局との連携を強化しつつ、最善の教育環境整備に努めていく。

 

たけこし さいたま市で子育てしながら生きていこうと決めた世代の声に応えて、しっかり対策をおこなうよう求める。

 

 

条約参加を促す意見あげよ

 たけこし市議は、日本政府へ核兵器禁止条約の批准を求める意見を上げることについて質問しました。

たけこし 核兵器禁止条約の批准国が50 か国に達し、いよいよ来年1 月22 日に発効されるが、市長の評価は。

 

総務局長 最も重要なのは、核兵器国と非核兵器国の信頼を構築し、市民社会の理解と支えのもと、「核兵器のない社会」の実現に向けて着実に歩みを進めていくことだろうと考えている。

たけこし 平和首長会議の公開書簡には、「核兵器禁止条約の発効を歓迎する」と書かれている。市長は公開書簡と同じ認識か。

 

総務局長 同じ認識である。

たけこし ならば、国に条約参加を促す意見を上げるべきだ。

総務局長 意見を上げることは考えていない。核兵器廃絶に向けた機運醸成にしっかりとりくみたい。

たけこし 昨年6 月の答弁と同じだ。条約採択から発効へと局面が変わっているなかで、強い怒りを感じる。引き続き「核なき世界」の実現へ、条約の持つ力を広げていきたい。

 その他、中央区役所周辺の公共施設再編事業について質問しました。

12月議会*一般質問 コロナ禍のいま あたたかい支援を市民に

本会議で一般質問をおこなうとりうみ敏行市議

 11 月30 日、とりうみ敏行市議が一般質問にたち、新型コロナウイルス感染症対策を柱に質しました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継(録画)

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1782

 はじめに、党市議団に寄せられた「1 回限りの定額給付金では暮らせない」「持続化給付金も残っておらず年を越せない」などの市民の声を紹介しつつ、年の瀬を迎える市民を支えるための具体的な施策を求めました。

 

とりうみ コロナ禍における市民のくらしと営業の厳しさを、市長はどのように実感しているのか。市民を励ます強力なメッセージと具体的な支援策を示すべきではないか。

総務局長 さいたま市地域経済動向調査などの結果から依然として大変厳しいものと認識している。11 月に入り市内での新規感染者も高い水準で推移するなか年末年始を迎えるが、市内の社会経済活動支援、検査・医療体制の拡充など、市民の皆様の命や生活を守るためしっかりとりくむ。

 市長のメッセージを求めましたが市長は答弁せず、従来通りの支援策しか示されませんでした。

 

 続いてとりうみ市議は、菅首相の「自助・共助・公助」発言を批判しつつ「多くの中小業者は営業を守るために自助努力を積み重ねてきたが『このままでは廃業を考えるしかない』との声がある」として、さいたま商工会議所との懇談で話されたことを紹介しながら中小業者への支援を求めました。

とりうみ 市が独自に実施した、無利子・無担保・無保証料の「コロナ対応臨時資金融資」(限度額2000 万円)が4 月末で終了し、現在は元の融資制度と国の融資制度だけになっている。無利子・無担保・無保証料の制度を緊急に復活させるべきではないか。

経済局長 「コロナ対応臨時資金融資」は1954 件・292 億円の支援となり、事業継続と雇用の維持に貢献した。今後は国の経済対策による実質無利子・無担保融資が県の融資としておこなわれており、本市独自の「臨時資金融資」は考えていない。

 

 市は「11 月2 日から総額150 億円の緊急特別融資を要件緩和で開始した」と胸を張りますが、結局、無利子・無担保融資は国や県まかせです。

 

景気浮上策として消費税5% 引き下げこそ必要

とりうみ 消費税減税は人の移動を伴わず、すべての国民に支援が行き渡る景気浮上策と考える。自民党や野党の中からも減税の声が上がり、世界でも26 カ国で減税に踏み出している。5% への引き下げを国に求めるべきではないか。

財政局長 消費税は負担を分かちあうことが可能で、社会保障制度を支える財源としても重要であり、減税は国において慎重に判断されると考える。

 市は従来通りの答弁を繰り返しました。コロナ禍という未曽有の困難に直面しているという認識がなく、コロナ禍でがんばる市民に背を向けた答弁であると言わざるをえません。

 

PCR 検査の対象を広げよ
 
 最後にPCR 検査について、清水市長は「検査数1 日1000 件」を目標に掲げていますが実際には広がっておらず、クラスターが発生しやすい医療機関・介護・福祉施設・学校・学童などの職員への定期検査も、発熱などの症状が出た人に限っていたことで検査対象が広がらない実態が明らかになりました。

 

とりうみ 1 日1000 件の検査体制は整ったのか。

保健福祉局長 1 日1000 件の検査が可能であると推計する。

とりうみ 「推計する」とはどういうことか。これまで実際に何件の検査がおこなわれたのか。

保健福祉局長 8 月に1 日あたり最大433件実施したのが最大値であり、現在255の検査可能な医療機関等を確保できたことから、1000 件可能と推計すると述べた。

 とりうみ市議は、北九州市や神戸市などのように、症状が有るなしに関わらず広く定期検査を行うよう求めましたが、市は行わない姿勢を示しました。

 質問の最後に「懸命に困難を乗り切ろうとしている市民、なかでも低所得者やひとり親世帯、先祖から引き継いだ店を必死に守ろうとしている中小業者、入学しても学校で授業が受けられない大学生など、このような人々に『自助努力』を強要する政治に未来はない。年の瀬に向かって行政があたたかい支援をおこなうべき」と強く求めました。

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