議会報告

6月議会*文教 10万人拍手 子どもたちの心を踏みにじる強制は許されない

 6 月17 日の文教委員会では、15 日におこなわれた「Clap for Carers ~ 10 万人の子どもたちから『ありがとう』の拍手を届けます」について報告され、松村としお市議が質疑をおこないました。

 

 このとりくみは、通常登校がはじまる15 日の10 時に、市内小中高校などの168 校で子どもたちがいっせいに拍手をすることで、医療従事者に感謝を表明するとして教育長の発案で企画されたものです。市内学校のうち4 校は医療機関とオンラインでつなぎ、その様子をメディアが取材しました。

 

 松村市議は、「『なぜ拍手をするのかわからない』といった子どもの声が寄せられた。全員の拍手を前提にしたのは子どもに対する強制ではないか」と質したのに対し、市教育委員会は「事前指導をした。強制とは認識していない」「いずれ振り返り、思い出し、意味あるものと理解できる日が来ると信じたい」と答弁。

 

 松村市議は「子どもたちの自発性や心を置き去りにしたやり方。このことでつらい思いをした子どもや保護者がいた。申し訳なかったという一言を出してほしい」と求めましたが、市教委は「課題としてとらえたい。拍手が感謝を表すにふさわしかったかさまざまな意見を真摯に受け止めて、そこに十分な配慮があったか考える必要がある」と答弁しました。

 

 松村市議は「一般質問では、子どもの心に寄り添うと答弁した教育長の発案で子どもの心を踏みにじったことに猛省を求める。二度とないようにしてほしい」と強く求めました。

6月議会*保健福祉 市が「保育士配置基準の緩和」ねらう

保健福祉委員会で質疑をおこなう神田よしゆき市議

 6 月議会に、認可保育所等における保育士配置の基準緩和を認める条例改正案がかけられました(表)。これは「待機児童対策」の名のもと、保育士の配置基準を緩和するものです。国は2016 年度にこの特例の導入を通知していましたが、市は当時「保育の質に影響がある」として導入しませんでした。

 

 6 月15 日の保健福祉委員会では、神田よしゆき市議が「なぜいまになって導入するのか。保育士の専門性をどう考えているのか」などと質し、市は「保育士の配置が大原則」としつつも「認可保育所等へのニーズが高く、今後も新規で増やし続けるなか、保育士の確保が困難であることから特例を導入したい」と答えました。

 

 6 月17 日の委員会討論で、神田市議は「保育士が集まらないのは処遇改善が進まないから。この特例を先行して導入している政令市(11 市)でも保育士の資格取得者が増えたという実績はない。保育士の負担を増やし、保育の質を低下させる本議案は認められない」として反対しましたが、他会派の賛成で可決されました。

 

■特例の内容(表)

①朝夕・土曜保育など子どもが少数の時間帯について、「保育士を最低2 名配置しなければいけない」という基準を緩和し、保育士が1 名でもよいこととする。もう1 名は子育て支援員研修を修了した無資格者でよいこととする。

 

②幼稚園・小学校・養護教諭など、保育士と近接する資格を持つものを「みなし保育士」として配置可能にし、保育士としてカウントする。

 

③ 8 時間以上開所する保育所等のうち、保育士の最低配置基準を超える以上に配置する保育士について、全体の3 分の1 以下の人数であれば、子育て支援員研修を修了した者や「市長が保育士と同等の知識及び経験を有すると認める者」などを「みなし保育士」として配置可能にし、保育士としてカウントする。

6月議会*市民生活 ひとり10万円給付 DV・虐待被害者に支援が届くように

市民生活委員会で質疑をおこなう久保みき市議

 ひとり10 万円の特別定額給付金が世帯ごとに支給されるため、DV や虐待の被害者には行き届かないことが問題視されたことを受け、国は住んでいる自治体に申し出れば、個人でも給付金を受け取れるよう通知を出しました。

 

 市民生活委員会では、「新型コロナウイルス感染症への対応に関する委員会要望」において、DV・虐待被害者が福祉窓口に申し出れば給付金を受け取れる仕組みを構築することを求めていました。6 月12 日の委員会では、さいたま市が被害者の申し出を受けて「確認書」を発行し、被害者に給付金が行き渡るようにしたとの報告がありました。

 

 久保みき市議は、「確認書の発行数は85件と聞いている。市は住民票を移動していないDV 被害避難者数を把握しておらず、実際に必要とする人に給付金が行き渡ったか知ることができない。このような方の実態を把握し、支援が行き渡るようにすることが求められる」と話しました。

6月議会*市民生活 マイナンバー「通知カード」廃止で市民負担増

市民生活委員会で質疑をおこなう金子あきよ市議

 6 月12 日の市民生活委員会で、「さいたま市戸籍等関係事務手数料条例の一部改正条例」についての審査がおこなわれ、金子あきよ市議が質疑をしました。

 

 この条例は、国が「マイナンバー通知カード」を廃止することにともない、再交付手数料にかかる規定を削除し、マイナンバーカードの再交付の手数料について規定を明確化するものです。これまで「通知カード」は個人のマイナンバー、氏名・住所など変更した場合にもそれらを証明する書類として使用することができました。

 

 「通知カード」が廃止されることによって、マイナンバーカードを持たない人が、これらの証明をするためには300 円の手数料で住民票を取得する以外になく、市民に新たな負担が生じることになります。市の今年5 月1 日時点でのマイナンバーカードの交付状況は16.2% であることも明らかになりました。

 

金子市議は「8 割以上の市民がマイナンバーカードを持っていない状況で、証明書として活用されていた通知カードを廃止して市民負担を大きくする制度は問題だ」と話しています。

6月議会 職員の特殊勤務手当 新型コロナの特例給付を可決

 6 月議会に、議員提出議案として「特殊勤務手当に関する条例の一部改正案」を全会派共同で提案し、全会一致で可決しました。

 

 内容は「防疫等業務手当の額の特例」として、新型コロナウイルス感染症に係るものに従事した市職員に対して支給する防疫等業務手当の額を従事した1 日につき3000 円(感染する恐れがとくに高い業務については4000 円)を超えない範囲で支給するというものです。対象となる職種などは市が検討し、決定されます。

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