6 月議会*議案質疑 入学準備金・奨学金貸付事業 返還免除に成績・納税要件
6 月6 日、6 月議会の本会議で議案に対する質疑がおこなわれ、党市議団から久保みき市議が質問に立ちました。
久保 さいたま市入学準備金・奨学金貸付条例の一部改正案について、返還免除の対象者が広がるということだが、その内容は「真摯に学業に励み」「市の発展に寄与するもの」となっている。具体的にどういうことか。
副教育長 「真摯に学業に励み」の中身・基準は、おおむね5 段階でオール4、4 段階ではオール3。また「市の発展に寄与する」とは、市民税を納税した方を対象とする。
久保 他政令市で、返還免除制度を導入している市はあるのか。ある場合、本市と同様の要件を設けているところはあるか。
副教育長 新潟市と静岡市の2 市で、本市と類似した返還免除制度を実施している。要件としては、いずれも成績要件は設けておらず、市内に居住していることや課税、納税を免除の要件としている。
森林譲与税はじまる
久保 森林環境譲与税が創設された経緯をうかがう。
経済局長 2020 年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」のもとで、わが国における温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から3 月に制定された。
久保 徴収方法は。
経済局長 2024 年から国税としてひとりあたり年額1000 円が個人住民税の均等割りと合わせて徴収されることになる。
久保 本来なら、2023 年に東日本大震災の復興特別税が終了し、減税となるはずが、2024 年からは同額の森林環境税がスタートするので市民の負担は変わらないということか。
経済局長 国民への負担を極力軽減する意味で、復興税終了後に森林環境税を課税するものと考えている。
家庭的保育事業 保育の質に不安
家庭的保育事業は、家庭的保育者(市が研修・認定)の自宅などで、大人ひとりにつき0 ~ 2 歳の子どもを3 人まで、最大8 時間保育するというもので、いわゆる「保育ママ」と呼ばれています。園庭や保育士の資格がなくてもできるため、保育の質の観点から、さいたま市としては実施してきませんでした。しかし今年度、家庭的保育者になるための認定研修実施のための500 万円の予算がつきました。今議会には、3 歳以降の受け入れ先となる連携施設の対象を広げる議案が提出されました。
久保 現在の家庭的保育事業の事業者数と利用児童数は。
子ども未来局長 現在、本市では家庭的保育事業を実施していないので、家庭的保育事業者および利用児童はいない。
久保 家庭的保育事業の連携先に、企業主導型保育事業やナーサリールームを加える理由は。
子ども未来局長 本市認定のナーサリールームは規模や基準ともに認可保育所に準じており、連携施設先として認めるよう国に要望してきた。昨年度末に省令が改正され、ナーサリールームのみならず企業主導型保育施設も連携先として認められた。
今後、各委員会でこれらの議案について、市民の立場で審査をおこなっていきます。
※連携施設とは
地域の認可保育所、幼稚園、または認定こども園を連携施設として確保し、家庭的保育を利用する子どもに集団保育を体験する機会の提供(運動会をいっしょにやったり、健康診断をいっしょに受けるなど)や、家庭的保育者への相談・助言、休暇を取る際の代替保育を提供する。また、家庭的保育を卒園する子どもたちの受け入れ先としての役割も求められる。