議会報告

質疑・討論

9月議会*議案質疑 会計年度任用職員 非正規拡大を懸念

議案質疑をおこなう松村としお市議

 9 月5 日、9 月議会本会議で、松村としお市議が議案に対する質疑に立ちました。

 

 来年度から、市の非正規職員のなかで会計年度任用職員という新制度への移行がはじまります。会計年度任用職員になると、期末手当が支給されるなど一定の処遇改善になるものの、非正規雇用の固定化や拡大が懸念されます。

 

 松村市議の質疑でフルタイムの非正規職員のうち350 人(29%)、パートタイム非正規のうち3700 人(39%)が新制度に移行することが明らかになりました。またフルタイム会計年度任用職員であっても、正規職員が使える休暇制度が一部使えないことや、住居手当や扶養手当が支給されないなどの差があることも明らかになりました。

 

 松村市議は非正規雇用の増大を懸念する立場から、会計年度任用職員の人数や割合の今後の見通しについて質しましたが「現段階での見込みはない」と明確な答弁はありませんでした。

 

投票率向上のとりくみを

 

 10 月におこなわれる参院補欠選挙の補正予算が専決処分されました。松村市議は「今年の一連の選挙の投票率は低水準だった。参院補選での投票率向上のとりくみはどうか」と質しました。市は「投票環境の向上や投票参加のよびかけをさらにすすめなければならない」としつつも「急なことで、専決処分ということもあり、これまでの範囲内」のため「啓発ポスターの掲出場所や街頭啓発の実施場所を工夫したい」と答弁しました。

 

 ほかに印鑑条例の改正について質疑。改正で旧姓での印鑑登録ができるようになります。市は「契約や銀行口座開設での利用や、就職・職場等での身分証明に資する」と市民の利便性が向上すると強調しました。

6月議会*本会議討論 市民負担の見通しないまま認められない

討論をおこなう松村としお市議

 6 月28 日、本会議にて議案および請願の討論がおこなわれ、党市議団から松村としお市議が討論にたちました。

 

 松村市議は、さいたま新都心バスターミナル制定の議案について「バスターミナルの暫定整備として、すでに土地取得57 億5000万円、今後の整備に5 億4000 万円、あわせて約63 億円が費やされている。しかも本格整備の費用は2020 年に示される予定で、今後の市民負担の見通しがないまま事業を進めることは認められない」と主張。「補正予算には学校のトイレ改修工事、市立高校の体育館へのエアコン設置に向けての予算等、市民要求を反映した予算も含まれているが、バス対策事業についてのみ認められない」として補正予算案に反対しました。

 

 また、さいたま市入学準備金・奨学金貸し付け条例の一部改正案について、「現行制度においてあらたに返還免除制度を導入するもので、本来なら歓迎できるものだが、対象者の要件を『本市の住民税が課税されかつ完納している者』とし、非課税者や低所得者が対象外になっているのは問題」と主張。奨学金を利用して大学を卒業し就職できても、なかには病気などで働けなくなり住民税非課税や低所得となるケースもありえるとして、「格差と貧困の是正という視点がなく、税納付を基準とする本市のやり方は奨学金という制度を理解していない」として反対しました。

 

 党市議団として、市長提出議案36 件のうち28 件に賛成(78%) し、8 件に反対(22%)しました。なお、他会派(民主改革・自民・公明・自民真政)はすべての議案に賛成しました。

 

 

 請願については、「低所得者世帯にエアコン購入費の助成等を求める請願」は、猛暑から市民の命を守るために、熱中症対策としてエアコン購入費の助成を求めるものであり、命に直結する問題であるとして採択を主張。「特別養護老人ホームの増設を求める請願」についても、「今年3 月時点の待機者数は1003 人と、2 年前の1132 人から79 人しか減っていない。国に対しても必要な国庫補助を求め、増設すべき」として採択を求めました。しかし他会派の反対により、不採択となりました。

6月議会*アメリカ・リッチモンド市へ議員の海外派遣に反対

反対討論をおこなう神田市議

 6 月議会に、議員の海外派遣の計画が提案されました。日程は8 月4 日~ 8 日、姉妹都市であるアメリカのバーモント州リッチモンド市を訪問し、提携25 周年の友好親善をいっそう深め、交流を促進するとともに、ワシントンDC にある盆栽関連施設と記念式典に出席するというスケジュールです。派遣団の規模は議長をはじめ市議6名、かかる経費は約46万円とのことです。

 

 党市議団を代表して、神田よしゆき市議が、議員の海外派遣についての反対討論をおこないました。党市議団はこれまで、議員の海外派遣は姉妹都市への友好親善を図ることを目的とし、議長などの最小限の参加人数にとどめるべきと主張してきたことに触れ、「今回の議員派遣は、議会を代表して参加する議長をのぞき、最小限の参加人数とは言えない。また、ワシントンDC の関係機関の訪問および視察等は、友好都市訪問とは関係がない」と指摘し反対しました。

 

 しかし、民主改革・自民・公明などの賛成多数により、実施されることになりました。

6 月議会*議案質疑 入学準備金・奨学金貸付事業 返還免除に成績・納税要件

本会議で質疑をおこなう久保みき市議

 6 月6 日、6 月議会の本会議で議案に対する質疑がおこなわれ、党市議団から久保みき市議が質問に立ちました。

 

久保 さいたま市入学準備金・奨学金貸付条例の一部改正案について、返還免除の対象者が広がるということだが、その内容は「真摯に学業に励み」「市の発展に寄与するもの」となっている。具体的にどういうことか。

 

副教育長 「真摯に学業に励み」の中身・基準は、おおむね5 段階でオール4、4 段階ではオール3。また「市の発展に寄与する」とは、市民税を納税した方を対象とする。

 

久保 他政令市で、返還免除制度を導入している市はあるのか。ある場合、本市と同様の要件を設けているところはあるか。

 

副教育長 新潟市と静岡市の2 市で、本市と類似した返還免除制度を実施している。要件としては、いずれも成績要件は設けておらず、市内に居住していることや課税、納税を免除の要件としている。

 

森林譲与税はじまる

 

久保 森林環境譲与税が創設された経緯をうかがう。

 

経済局長 2020 年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」のもとで、わが国における温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から3 月に制定された。

 

久保 徴収方法は。

 

経済局長 2024 年から国税としてひとりあたり年額1000 円が個人住民税の均等割りと合わせて徴収されることになる。

 

久保 本来なら、2023 年に東日本大震災の復興特別税が終了し、減税となるはずが、2024 年からは同額の森林環境税がスタートするので市民の負担は変わらないということか。

 

経済局長 国民への負担を極力軽減する意味で、復興税終了後に森林環境税を課税するものと考えている。

 

家庭的保育事業 保育の質に不安

 

 家庭的保育事業は、家庭的保育者(市が研修・認定)の自宅などで、大人ひとりにつき0 ~ 2 歳の子どもを3 人まで、最大8 時間保育するというもので、いわゆる「保育ママ」と呼ばれています。園庭や保育士の資格がなくてもできるため、保育の質の観点から、さいたま市としては実施してきませんでした。しかし今年度、家庭的保育者になるための認定研修実施のための500 万円の予算がつきました。今議会には、3 歳以降の受け入れ先となる連携施設の対象を広げる議案が提出されました。

 

久保 現在の家庭的保育事業の事業者数と利用児童数は。

 

子ども未来局長 現在、本市では家庭的保育事業を実施していないので、家庭的保育事業者および利用児童はいない。

 

久保 家庭的保育事業の連携先に、企業主導型保育事業やナーサリールームを加える理由は。

 

子ども未来局長 本市認定のナーサリールームは規模や基準ともに認可保育所に準じており、連携施設先として認めるよう国に要望してきた。昨年度末に省令が改正され、ナーサリールームのみならず企業主導型保育施設も連携先として認められた。

 

今後、各委員会でこれらの議案について、市民の立場で審査をおこなっていきます。

 

※連携施設とは

 地域の認可保育所、幼稚園、または認定こども園を連携施設として確保し、家庭的保育を利用する子どもに集団保育を体験する機会の提供(運動会をいっしょにやったり、健康診断をいっしょに受けるなど)や、家庭的保育者への相談・助言、休暇を取る際の代替保育を提供する。また、家庭的保育を卒園する子どもたちの受け入れ先としての役割も求められる。

5月臨時会 国保税の法定減免 軽減対象が拡大

本会議で討論をおこなうとりうみ敏行市議

 改選後、初めての議会(臨時会)が開かれました。市長から議案が3 件提出され、党市議団を代表して、とりうみ敏行市議が質疑を行いました。

 

 とりうみ市議の質疑により、国保税条例の一部改正について(議案第76 号)は、国保税の法定減免のうち5 割・2 割軽減の方の所得基準を引き上げるものであり、軽減の対象者と軽減額が拡大されることが明らかになりました。

 この点は市民の利益になることから賛成ですが、一方で、被用者保険(後期高齢者医療保険に移行した方)の被扶養者であった方に係る均等割の減免の期限については、これまでの「無期限」の特別措置を2018 年度で全廃し、2019 年度から「2 年期限」とされることになりました。

 この全廃の影響を受ける被保険者が850 名、金額にして1500 万円であることが明らかになり、これは認められません。

 

よって、党市議団は議案(および議案に関わる補正予算)に反対しましたが、他会派の賛成により可決されました。

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