議会報告

委員会

市職員の生活保護費不正支給 原因究明と再発防止を

予算委員会(保健福祉委員会関連)で生活保護の不正支出について質疑するたけこし連市議

 3 月3 日の臨時本会議において、桜区役所で起きた生活保護不正支給について市長が行政報告をおこないました。

 この問題は、桜区福祉課で経理担当の職員が生活保護費の支出の不自然さに気づいたことをきっかけに、1271 万円の不正支出が1 月に明らかになったのものです。市は現在、警察と協議しながら調査をしており、詳細は不明な部分が多く残されていますが、原因究明が必要です。また他に不正支出がないか点検をおこなうとともに、再発防止に向けたプロジェクトチームの立ち上げが表明されました。

 

 さいたま市は過去にも公園事務所で同様の問題が起きており、市議会も調査特別委員会をたちあげ、再発防止の提言をおこないましたが、ふたたび不正支出が起きてしまいました。過去の教訓が生かされていないことは明らかです。公金支出のシステム面でしっかりとした再発防止策が必要です。

 コロナ禍のもとで市民の生活は厳しく、憲法25 条の生存権を保障する生活保護制度の重要性は増しています。党市議団は、この事件を機に生活保護が受けにくくなることがあってはならないと考えます。扶養照会をおこなわないことなどとあわせ、生活保護をちゅうちょなく利用できる制度にしていくために引き続き取り組んでいきます。

予算員会*文教 「義務教育学校」で 大規模校解消はできない

義務教育学校の設置例(さいたま市教育委員会資料より抜粋)

 武蔵浦和駅周辺地域に「義務教育学校」をつくる計画が発表され、2 月議会の文教・予算の両委員会で質疑がおこなわれました。

 この計画は、人口増加にともなう小・中学校の学校規模適正化のためとして、現在の内谷中学校と浦和大里小学校の2 校をそれぞれ1 〜4 年生の校舎、沼影小学校と沼影プールの跡地に5 〜9 年生の校舎をつくり、一体的に運用することで適正化を図るとの計画です。

 想定されている児童生徒数の規模は、1 〜9年生まであわせて3600 人であることが分かりました。過大規模校をはるかに超える規模となるにもかかわらず、「義務教育学校には大規模校・過大規模校の定義はあてはまらない」というのが市の言い分です。

 金子あきよ市議は質疑で、先に義務教育学校を設置してきた茨城県つくば市は「大規模になることのデメリットが大きく、小中分離型施設の方が教育的効果が高い」という検証結果のもと、もう義務教育学校はつくらない、という方向性を打ち出したことを指摘。しかし市は「成果を上げている例もある」として江東区立有明西学園の名前を挙げました。

 

 ただ有明西学園は32 学級988 人、学区も選択制で、本市の計画とは規模も性格もまったく違います。金子市議は「子どもたちが置き去りになっている。計画は撤回し、地域に真に必要な小・中学校の整備をおこなうべき」と求めました。

予算員会*文教 さいたま市に公立夜間中学校を

予算委員会で文教委員会関連について質疑をおこなう金子あきよ市議

 3 月2 日、予算委員会(文教委員会関係審査)で金子あきよ、松村としおの両市議が質疑をおこないました。

 はじめに金子市議は、川口市立芝西中学校陽春分校だけでなく、県内の自主夜間中学に、生徒として3 名のさいたま市民が通っている実態を示し、「文部科学省もすべての政令指定都市に夜間中学設置を促進する方針。市は夜間中学開設の決断すべき」と求めました。あわせて夜間中学校の生徒も就学援助制度の対象とするよう求めました。

特別支援学級教員の正規化すすめ質の向上を
 
 また金子市議は、特別支援学級での不適切指導の内容と該当する教員の身分(臨時的任用教員が1 名、本採用教員が1 名)を確認したうえで、「教員の専門性、質の確保が焦眉の課題。臨時任用教員を正規化するための計画はあるのか」とただしました。教育委員会から「特別支援教育における教員の専門性は重要。採用計画を見直し、特別支援学級における臨任率を下げることに努める」との答弁がありました。

 さらに、GIGA スクール構想に基づき1人1 台端末がスタートしますが、どの授業で1 日何時間使用する想定か、電磁波の健康への影響について質しました。市は「どの授業でも、いつでも端末を使うことが可能。利用する時間は明確に定めていない。電磁波については総務省のリーフ『電波と安心な暮らし』を学校に配布する」という学校任せの答弁でした。金子市議は電磁波過敏症の発症を確認し対策を取った自治体もあると紹介し、市として対策をとるよう求めました。

 このほか、義務教育学校計画、給付型奨学金制度導入、就学援助オンライン学習通信費に対する支援の内容などについてそれぞれ質しました。松村市議は市民会館おおみやに関わる予算の財源内訳を質問。市債194 億370 万円、一般財源60 億8577 万4000円であることが示され、「現地建て替えに比べてはるかに上回る支出。財政の使い方という点で問題だ」と指摘しました。

 

武蔵浦和駅地域の義務教育学校については別の記事で紹介しています。

予算員会*総合政策② 市職員が率先してジェンダー平等の推進を

予算委員会で総合政策委員会関連の質疑をおこなうたけこし連市議

 3 月1 日、予算委員会(総合政策委員会関連2 日目)でたけこし連市議が質問にたち、女性管理職の登用について質疑をおこないました。さいたま市子育ておもいやり・女性活躍推進プラン(2021 年度〜)では、一般行政職の女性登用率の目標値が管理職で14%から27%、監督職で25% から40% と大幅に引き上げられています。たけこし市議は一定の評価をしつつも、女性の割合が特に低い局長、部長、次長級のそれぞれで女性登用率の目標値を持つべきだと求めました。

緊急雇用で労働者をまもれ

 市は昨年6 月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で解雇や雇い止め、内定取り消しになった市民を会計年度任用職員として緊急雇用をしました。たけこし市議は「3 月末は雇い止めが相当数増える。緊急雇用として労働者をまもるのは行政の役割だ」として、再度の実施を求めました。市は前回の募集20人に対して任用が8 人であったことを理由に「来年度は予定していない」と答弁。あわせて求めた「支援としての学生雇用」についても「来年度の状況を見ながら必要性を検討する」との答弁にとどまりました。

核禁条約発効をうけたとりくみを

 たけこし市議は、さいたま市平和都市宣言の「核兵器の廃絶と世界の恒久平和実現に貢献する取り組みをおこなう」の一文を引用し、今年1 月22 日に発効した核兵器禁止条約に関する市のとりくみを求めました。市は「新たな取り組みは考えていない」「戦後75 年経過しているので、若い世代の方たちに意識を醸成していくことに重点的に事業を進めている」と答弁しました。質問を終えたたけこし市議は「核兵器禁止条約の発効とともに人生を歩む若い世代にこそ意義を伝える必要があり、取り組みがないのは大変問題」と述べました。

予算委員会*総合政策① 複合化ありきではなく必要な公共施設建設を

予算委員会で総合政策委員会関連について質疑をおこなうとりうみ敏行市議

 2 月26 日の予算委員会で、とりうみ敏行市議は公共施設マネジメント計画について質問しました。同計画は公共施設の複合化などにより総面積を縮減することを目的として、2014 年~ 32 年度までを4 期に分け、第1 期は2020 年度で終了。第2 期へ移行します。しかし第1 期の検証結果は、施設総量は2019 年度末で約7 万5000 ㎡増、複合化は4施設で実施、施設数は12 施設増えました。

とりうみ 市はこれから10 年間で100 施設、その後の10 年間で222 施設が築60年を経過する建物になると試算しているが、財政的な負担についての考えは。

 築60 年を迎える施設は建て替えに該当する。複合化や公民連携を活用して、できるだけコストを下げていく。

とりうみ 建設の計画段階でイニシャルコスト、ランニングコスト、ライフサイクルコストといったものをすべて計算し、適切な対応がされれば建物の老朽化自体は大きな問題ではないと考える。財政の硬直化を招かないための努力は。

 第2 期は予防保全に特に力を入れていく。状態がよければ築80 年まで使うという市の考えに基づいて、事前に予防保全の工事を入れて建物の長寿命化を図っていく。

 とりうみ市議は「公共施設マネジメント計画に頼らざるを得ないのは、財源や総事業費も明らかにされない大型開発に優先的にお金を使おうとするからであり、この姿勢こそ大きな問題」と指摘。浦和区の老人憩いの家が数年前に取り壊され、土地が放置されたままであることを例にあげ、市民に必要な施設は単独でも建てるべきであり、市民のくらし優先の財政へ見直すことを求めました。

 そのほか、とりうみ市議は債権回収事業についても質問。滞納者の生活再建に向けた支援を適切におこなうために、生活困窮者支援や福祉相談窓口センターと連携していくことを求めました。

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