議会報告

委員会

12月議会*すべての公共施設があり方の見直しの対象に 公立保育所も民営化?!

総合政策委員会で質疑をおこなうたけこし連市議

 12 月15 日の総合政策委員会で「さいたま市公共施設マネジメント計画・第2 次アクションプラン(素案)」について説明がありました。

 本計画は、2012 年度から2050 年度までの約40 年間に渡って本市の公共施設の整備、改修・更新、管理運営のあり方などを見直し、面積総量の縮減、複合化および予防保全工事などを通じてコストの削減を図るというものです。

 今回の説明では、今後10 年間で老朽化に伴う更新時に、公共施設を複合化・統廃合、民営化(民間譲渡)をさらに推進していくことが示されました。たけこし連市議は、民営化や廃止を検討している公共施設について質
問。市は、市内に61 カ所ある公立保育所や公設の放課後児童クラブを民営化や建物自体を民間に譲渡することを検討していると明らかにしました。

 本市は現状でも保育所や放課後児童クラブなどが足りていません。公立保育所はその地域の保育水準の基準であり、子育て支援の拠点です。ここで働く保育士は公務員であり、私立保育園の職員の処遇改善の指針となっています。また区役所にいる保育コーディネーターは公立保育所の元園長であり、各園を指導監督する立場です。このような役割を考えると、民営化などやるべきではありません。

 公共施設の面積を削減し、コスト削減することを目的とした計画ですが、福祉施設を対象とすることは自治体の役割である「住民福祉の増進」と逆行しており、許されません。引き続きこの問題について党市議団をあげて取り組みます。

12月議会*文教 ジェンダー視点で校則見直しを

文教委員会で議案外質問をおこなう松村としお市議

 松村としお市議は文教委員会で市教育委員会がとりくんでいる「不合理な校則の見直しプロジェクト」について質問しました。

 学校教育部長は校則の必要性を「中学生になると行動範囲も広がり思春期のなかで反発心や問題行動が表れやすく、身なりにも関心を持つ。問題行動への予防や対策、規律や社会的ルールを学ぶ規範的意識の育成が重要」と説明しました。松村市議は「中学生には自ら判断する力を育てる、自分で選ぶ力を身に着けることが発達段階として重要」と制限をかける考え方を見直すよう求めました。

 松村市議は校則の見直しにあたっては、「服装や髪型を男女で分けて学校側が決めてしまうのは、ジェンダーや多様性の視点からも問題がある」と指摘。学校教育部長は「とても大事なこと。校則を見直すうえで十分に配慮する視点」と答弁しました。人権侵害やスクールセクハラにつながる校則の問題についても「このような指導は看過できない」と答弁し、問題がある認識を示しました。引き続き子どもの自主性や権利を大切にする校則に見直されるよう求めていきます。

12月議会*総合政策 日常から職員配置にゆとりを

総合政策委員会で議案外質問をおこなうたけこし連市議

 たけこし連市議は総合政策委員会で、生活保護のケースワーカー(CW)の配置や在任期間について質問しました。

 各区福祉事務所のCW1 人当たりの平均担当件数は83 人、在任期間は平均1 年10 カ月、平均年齢は28 歳です。たけこし市議は「専門性の求められる職種であるにもかかわらず、在任期間が短い。必要な専門性を身に着けることができるのか」と質問。市は「4 月1 日時点で1 年目の職員を在任期間0 年とするため平均は1 年10 カ月だが、どのくらい福祉課に在籍したかを示す平均在課年数は4 年5カ月である」と答弁しました。たけこし市議は、産休などで欠員がでた際にCWを補充できず、担当件数が増えてしまうことを指摘。市は「欠員になった場合、ただちに常勤のCWを配置することが難しいのは事実。局内や区役所内で職員の配置替えをしてCW の職場に職員を増やす、あるいは時期がずれても常勤職員を増やす、会計年度任用職員を極力早く補充している」と答えました。

 

 たけこし市議は「ケースワーカーに限らず、どの部署でも同様の状況がある。市職員の人手不足が根本的な問題だ」と指摘し、適切な職員配置を求めました。

12月議会*総合政策 投票所を増やして投票権の保障を

総合政策委員会で議案外質問をおこなうとばめぐみ市議

 とばめぐみ市議は、総合政策委員会で有権者の高齢化で投票所への移動が困難な人が増加することをふまえ、県が「巡回投票所や移動支援の実施に向けた検討が見込まれる市町村を支援する」と提言していることを紹介し、市の対策を求めました。2016 年の参議院選挙では、駅周辺や商業施設等に臨時期日前投票所が設置されましたが、見沼区には設置されませんでした。市選管は投票所への移動が困難な市民がいることを承知しながら実態を把握しておらず、「県の提言を今後の課題として投票権の保障と投票環境の向上に努める」と答弁しました。

 

 また、片柳地域の農業用水路の暗渠化(あんきょか)と通路改良を求めました。とば市議は、安全対策として高いフェンスで囲われた用水路は、高齢化で草刈りや水路清掃に苦労しているという地元の声を紹介し、「見沼田圃と農業用水を守り、住民の生活と共存していくためにも市が維持管理に努めるべきだ」と質問。市は、農地の維持管理を目的とした多面的支払交付金制度」を促進し、地元管理組合を支援していくと答弁しました。

12月議会*保健福祉 障害者の補装具 支給までの日数を短く

保健福祉委員会で議案外質問をおこなう神田よしゆき市議

 障害者総合支援法にもとづき、障害者の日常生活支援として補装具の支援事業がおこなわれています。この事業について、障害者の方から「補装具の支給が遅くて困っている」という声が市議団に寄せられ、神田よしゆき市議がとりあげました。

 

 支給の判定は、区役所でおこなうケースや障害者更生センターにおいて医師の意見書をもとに判定するケースなどがあります。神田市議は「補装具の申請から支給までの期間について、平均と最短、最長の期間は」と質問。市は「平均で26 日、最短は申請当日、最長で524 日かかった」と答弁。長引いた理由として補装具業者の技術的な問題で業者の変更があった、相談者の体調不良や新型コロナの拡大で判定が延期された、と述べました。

 

 神田市議は「支給までの期間をできるかぎり短縮するべき。対応する医師やスタッフは足りているのか」と質し、市は「判定には医師をはじめ理学療法士、作業療法士、保健師、義肢装具士などが関わる。できるだけ早く補装具を本人の手元に届けることは必要だと認識している」と応じました。

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