市政学習会を開催 「選択と集中」で地域とくらしを豊かにできるのか
1 月24 日、埼玉教育会館において、党市議団主催の市政学習会「市民要求にもとづくさいたま市のまちづくり」がひらかれ、85人の参加者で会場がいっぱいになりました。
はじめに、塩沢俊之氏(政治経済研究所主任研究員)が「さいたま市民意識調査からみる市政の現状と課題」について発言。さいたま市が調査した「さいたま市民意識調査」を分析し、政令指定都市のなかで最下位となっている「5 つの公共サービス(医療、教育、保育、学童保育、市営住宅)」のあり方を抜本的かつ早急に改善することを提案しました。
つづいて岩見良太郎氏(埼玉大学名誉教授)が、さいたま市が目指す「選択と集中」のいわゆる集約型都市構造(コンパクトシティ)のまちづくりで、本当に地域とくらしを豊かにすることができるのか、調査結果をもとに問題提起しました。
岩見氏によると、さいたま市の人口は、2025 年をピークに減少に転じ、2050 年には3 分の1 が65 歳以上に達します。人口減と高齢化は一体に進んでおり、この様相はますます深刻化します。人口減少はおのずと居住環境の悪化(空き家の増加による防災や治安上の問題など)を招き、買い物や医療、公共施設の利用困難者が増えていくことも予想されます。
岩見氏は、さいたま市が目指す「選択と集中」のいわゆる2 都心4 副都心の集約型都市構造(コンパクトシティ)のまちづくりには、拠点の強化育成と拠点を結ぶ交通軸の整備を強化しなければならず、膨大な開発費がかかることを指摘。「結局、集約的地域構造の追及は、現状では周辺地域に住む人びとの生活を困難に導くことになる」と主張し、「住民主体のまちづくりに一刻も早く転換を」と訴えました。
最後に戸島よし子市議が、調査結果を受けて発言しました。
戸島市議は、「2 都心4副都心構想にもとづく巨額の財政投入がおこなわれ、合併からの総事業費は6500 億円(平成26年度末見込み)におよぶ。市の支出金は平成25年度までの累積で1055 億円で、今後も膨らんでいく。党市議団として、予算の使い方を改めるよう市に求め、政令市で最下位の5つの公共サービスの拡充を求めていく。コミバスなど循環型バスの充実、学校給食の無料化と給付型奨学金の創設、地元中小企業の振興と住宅リフォーム助成制度の創設で、まちの活性化をはかり、安心して子育てできるさいたま市へと転換したい」と話しました。