政策と活動

食肉市場の廃止方針に疑問 県との懇談で食い違い鮮明に

担当課との懇談に参加する(右から)池田めぐみ市議、とばめぐみ市議

2025年11月、さいたま市が「食肉中央卸売市場・と畜場」の廃止を突然発表してから、まもなく半年になります。年間約6万頭もの牛や豚を受け入れてきたこの施設は、当初「老朽化にともなう移転」で進められてきました。 しかし市は、県や国、関係事業者への事前相談もせず、「移転中止・現地廃止」へと方針を転換しました。この進め方には、多くの関係者から疑問と批判の声があがっています。

 

市は廃止理由を「運営の見通しが立たなかった」と説明したものの、十分な根拠は示されていません。一方、国会では農林水産大臣が「市場は公正な取引の場として高い公共性を持つ。廃止ありきではなく関係者との合意形成を」と答弁しています。党市議団も存続を前提に国や県、事業者と再検討すべきだと求めてきました。

 

こうしたなか、4月7日、とばめぐみ、池田めぐみの両市議は日本共産党埼玉県議団とともに県の担当課と懇談をおこないました。3月2日におこなわれた市・県・国の協議の中身を確認したところ、認識の食い違いが明らかになりました。市が「老朽化や費用負担から廃止はやむを得ない」とするのに対し、県は「生産者や事業者、雇用への影響分析や対応策がほとんど示されておらず不十分」と厳しく指摘。さらに県も国も、廃止方針を事前協議なく知らされたとし、「まず市が方針と課題整理を示さなければ支援も判断できない」としています。

 

また、施設廃止後の代替手段や流通機能の確保も見通しが立っておらず、県は「準備不足のまま廃止を決めたのではないか」と懸念を示しています。廃止だけが先行し、その後の対応が見えていないことが最大の問題です。

 

懇談を終えたとば市議は「市長自身が基本計画で『全国でも数少ない重要な施設で廃止は困難』としてきた。いま必要なのは廃止のための議論ではなく、事業存続に向けて県や国と協議することだ」と述べました。

2月議会の成果 市民のくらしを支援する施策が前進

 

2026年2月議会では、物価高騰のもとで市民のくらしを支える重要な施策が実現しました。とりわけ、水道料金の負担軽減や小学校給食費の無償化は、党市議団が長年にわたってくりかえし求めてきたものです。

 

水道料金の基本料金が無料に

 

水道料金の基本料金の4カ月間(4~7月)無償化が実施されます。手続きは不要です。これまで市議団は「高すぎる水道料金の引き下げ」を求め続けてきましたが、今回ようやく実現しました。一方で、共同住宅では減額分が入居者に確実に届くとは限らず、井戸水利用世帯は対象外となるなど課題も残されています。しかし、県水の値上げにともなって多くの自治体が水道料金の値上げに踏み切るなかで、本市が値上げをおこなわなかったことも評価し、予算に賛成しました。

 

小学校給食費が無償に

 

小学校の給食費が2026年4月から無償となったことも重要な前進です。本市はこれまで「国の動向を見る」として独自施策に踏み出してきませんでしたが、全国ではすでに多くの自治体が無償化を進めていました。さいたま市でも、という市民の強い要望がようやく実現しました。市議団も請願の採択を一貫して求めてきた経緯があり、その積み重ねが今回の実現につながりました。今後は中学校までの無償化拡大を求めていきます。

 

これらの施策は、市民に広く届く「生活支援」として評価できるものですが、一方で、市の物価高対策には課題もあります。そのひとつがプレミアム付きデジタル商品券です。50%のプレミアムは魅力的ですが、利用するにはスマートフォンとマイナンバーカードが必要で、誰もが使えるしくみとは言えません。支援策は、本来「必要な人に確実に届くこと」がもっとも重要です。特定の条件を満たす人だけが利用できる制度では、支援から取り残される市民が生まれてしまいます。いま求められているのは、誰もが分かりやすく、平等に利用できる支援です。

 

今回の議会で実現した水道料金の軽減や給食費無償化は、市民の声と運動、そして議会での粘り強い提案の成果です。これを一歩として、より公平で、誰一人取り残さない支援へと広げていくことが、これからの課題です。

食肉中央卸売市場・と畜場の廃止 民間任せにはできない

申し入れをおこなう(右から)金子あきよ、とばめぐみの両市議

市が2025年11月19日に公表した「食肉中央卸売市場・と畜場の移転再整備中止と現施設廃止方針」を受け、12月24日、いわぶち友参議院議員と、とばめぐみ市議が現市場・と畜場を訪問し、委託業者から直接話を聞き、視察を行いました。そこで伺った不安と怒りの声をもとに1月26日、党市議団として食肉市場・道の駅施設整備準備室長および市場・と畜場長に申し入れをおこないました。

 

市は突然の方針転換後も、土地の扱い、代替の受け入れ体制、雇用・営業の継続、出荷先確保、流通・市民生活への影響、財源や決定根拠などの具体像をいっさい示していません。と畜場は年間の受け入れ頭数が6万5000頭を超え、県内からも約3万頭が搬入され、受け入れ先の少ない乳廃牛の受け皿を含む公的機能を担っており、民間任せで代替できないことを厳しく指摘しました。

 

そのうえで、①廃止方針の撤回と存続を前提とした再検討、判断基準・意思決定過程の公開②雇用・物流・小売等まで含む影響調査の実施と公表、民間受け入れ可能とする根拠の提示③受け入れ体制が整うまでの運営継続方針の明確化、事業者・労働者との協議④国・県とも連携した継続策の協議を強く求めました。

2026年度予算要望 市長の回答受け取る

予算要望の回答書を市長から受け取る松村としお団長(右から4人目)と市議団

1月26日、党市議団が提出した「2026年度市政運営および予算編成に関する要望書」(2025年10月1日)についての回答を清水勇人市長から受け取りました。今後、回答をまとめて市民のみなさんに公表します。抜粋してご紹介します。

 

  • 市民要求を実現

 

市民要望や党市議団が質問してきたことで、要望項目で実現したものには次のものがあります。

・「救急隊員の作業負担軽減に加え、様々な市民ニーズに対応するため」として救急車に電動ストレッチャー導入を進める

・「原爆や戦争の被害を肌で感じることにより、平和への思いや学びを深める機会とするため」として、昨年に続き広島・長崎の平和記念式典に市内中学生を派遣する

その他にも、要望を受けて検討をすすめる事項が多数あります。

 

  • 物価高騰対策として水道料金の引き下げなどを実施すること

 

物価が上がり続け、厳しい市民生活の生活を支えるための市民負担軽減策を提案。水道料金や国民健康保険税の引き下げのほか、小中学校等の給食費の無償化などを求めました。また、水道料金の基本料金4カ月無料(4月から)は実現しましたが、無料期間のさらなる延長が必要です。国民健康保険税は引き下げどころか、引き上げの条例案が出されます。給食費は小学校では国の制度で無償化しますが、中学校については現行通りです。全体として市独自に物価高騰対策にとりくむ姿勢の弱さが際立っています。

 

  • ジェンダー平等実現のための施策の前進・充実をはかること

 

さいたま市の施策にジェンダー平等をとりいれるために、女性中心の組織をつくり、推進体制を抜本的に強化するよう求めました。回答では「令和7年度に立ち上げた女性職員による庁内横断的なプロジェクトチームにより、課題等の調査および対応策等の検討をおこなう」としています。

2月議会の代表質問や各種委員会での質問を通じて、市民要求実現に引き続きとりくみます。

生活保護の補償遡及支給 迅速な実施を求めて

申し入れをおこなう(右から)とばめぐみ、金子あきよ、松村としおの各市議

昨年6月、最高裁は「国・厚生労働省による生活保護基準大幅引き下げは違法」との判決を下しました。ところが国・厚労省は、いまだに原告・弁護団に謝罪しないどころか、引き下げ前にさかのぼって、改めて減額する基準再改定をおこない、補償額で原告と原告以外の保護利用者に格差をつける方針を示しました。判決と生活保護制度利用者の尊厳を軽視するもので、許されません。一方で、生活保護制度利用者は、長引く物価高騰のもと、厳しい暮らしを余儀なくされています。適正な額とは言えないものであっても、現時点で示された給付金(2025年度補正予算に計上)の支給が強く求められているのも事実です。党市議団は、1月19日、市に対して申し入れをおこない、この実態に即した対応を求めました。

 

申し入れは、2025年度補正予算に計上された追加給付について、対象者に丁寧な説明をおこなったうえで、国から示された内容に基づく支給を迅速に行うこと、その際、自治体の事務負担・財政負担が生じさせないための手当と、原告、弁護団が求める「引き下げ前の基準との差額保護費を全額遡及(そきゅう)支給すること」の実現を国に要望することを求めています。対応した生活福祉課長は「この内容が迅速に実現するよう調整をしている。対象者に対する周知にも努めていきたい」と応じました。

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