政策と活動

なくさないで きんもくせい・ぎんもくせい  

2月議会予算委員会で質問する松村市議

さいたま市立病院(緑区)に隣接する公立の高齢者福祉施設きんもくせい・ぎんもくせい(グリーンヒルうらわ)の廃止に対し、利用者やその家族から廃止反対の声があがっています。昨年11月に清水市長も出席した都市経営戦略会議で方針を決定し、2月に議会へ報告。直後から利用者説明会が開催されました。

 

グリーンヒルうらわは通所のデイサービス(きんもくせい)、居住施設のケアハウス(ぎんもくせい)などあわせて約150人が利用。市は老朽化や民間参入が進んでいることを理由に、デイサービスは2025年度、ケアハウスは2030年度に廃止すると説明。市議団には廃止を知った市民から「ようやく入れたのに来年出て行けなんてひどい」「終(つい)の棲家と思っていたのに突然の廃止に怒りがわく」といった声が次々と寄せられています。

 

松村としお市議は2月議会の予算委員会で質問。市は「老朽化」といいながら、2018年に修繕費22億円と計算したのみで、「民間でできるところは民間に任せる」との答弁を繰り返しました。これでは「住民福祉の増進を図る」(地方自治法第2条)地方自治体の役割からかけはなれていると言わざるを得ません。

 

松村市議が「突然廃止を知らされ、怒りの声が寄せられている。唐突で説明不足ではないか」と質したのに対し、高齢福祉課長は「いたずらに長く不安を与えることのないよう、説明は控えてきた。唐突感があって、不安に思われたところは我々としても心苦しいが、方向性が決まったので説明した」と答弁。松村市議は「利用者の立場に立っていない。事業継続を求める利用者の声を受けとめて、もう一度検討すべき」と迫りましたが、市は「このまま進めたい」と答弁するばかりでした。

 

4月12日にはケアハウスの入所者が白紙撤回などを求める要望書を市に提出。25日に利用者や家族有志が存続を求める署名を市に届けました。住まいも介護も福祉であり人権です。一方的に廃止を進めるのではなく、利用者の声に耳を傾け、存続の方策を検討すべきです。

震災からの復興と男女共同参画事業をまなぶ 市議団で仙台を視察

海浜エリア活性化事業の説明を受ける市議団

4月24日、党市議団として宮城県仙台市を行政視察しました。

 

はじめに報告を受けた東日本大震災後の被災地エリア再開発をおこなう「海浜エリア活性化事業」では、防災集団移転促進により仙台市が買い取った土地(集団移転跡地)をあらたな魅力や賑わいを創出することをめざして、民間の自由な発想による利活用を進めるとりくみで、現在は38区画すべてで利活用(飲食や温泉など)が決定しています。
党市議団が重視したのは、災害後のまちづくりにおける「住民の意思反映」についてです。本市では津波被害等は想定されていませんが、河川氾濫等で大きな被害が出た際に、市民意見をどのように取り入れていくのかが課題です。

 

困難を抱える女性へ
アプローチ

 

続いて、困難を抱える女性に向けたアウトリーチ型相談事業「トナカフェせんだい・夜まわり事業」と男女共同参画事業についてお話をうかがいました。「トナカフェせんだい」とは、仙台市と地元NPO法人が連携しながら週1回、仙台駅周辺の繁華街の夜まわり活動をおこない、女性の相談活動をおこなう事業です。この事業は2022年から始まりましたが、とりくみの成果として、これまでなかなか相談につながらなかった10〜20代の若い女性にアプローチできていることや、継続するなかで来場者が2022年度96人から2023年度398人と大幅増加していることが報告されました。本市でも、大宮駅周辺などの繁華街がある自治体として同様のとりくみが求められます。

 

また、仙台市と独立行政法人「せんだい男女共同参画財団」が協働で運営をしている男女共同参画の拠点である「エルパーク仙台」と「エルソーラ仙台」についてうかがいました。エルパークでは学習事業や企画のとりくみを中心におこない、地元企業や行政に女性管理職を増やすための努力をしています。エルソーラでは女性の相談事業や支援事業を中心におこない、役割分担を明確にしています。この事例から、行政だけではなく男女共同参画に理解が深い民間団体との共同の必要性がうかがえます。視察に参加したたけこし連市議は「今回の視察を本市で最大限いかしたい」と話しました。

沼影公園の都市計画変更を決定 都市計画審議会

3月26日、さいたま市都市計画審議会がおこなわれ、七里駅北側地区、中央区役所周辺東地区、大門上・下野田地区に関わる、都市計画用途地域や高度地区の変更など4議案、沼影公園の都市計画公園の変更についての議案が審議されました。このうち沼影公園の都市計画公園の変更は、義務教育学校武蔵浦和学園の建設用地として沼影市民プールを廃止するためのもので、多くの住民から反対の声が上がっていました。審議会にはこの計画に反対する「沼影市民プールの存続を求める会」「義務教育学校武蔵浦和学園を考える連絡会」のみなさんが多数傍聴に詰めかけました。

 

沼影公園廃止と義務教育学校建設が「公益上特別の必要がある場合」に該当するか、また代替となる公園の確保についての執行部のとりくみ状況などが議論されました。都市計画法上の近隣公園は容易に廃止することは許されない、現状と同規模の公園用地を廃止までに確保するべきだったのにそれができていないとの指摘があり、市民公募の委員からは「代替地も決まっていないのに学校建設のスケジュールありきで急ぐのは拙速」と反対意見が示されました。しかし、学校の整備は市にとって重要な課題であるとの意見も出され、最終的には賛成多数で公園廃止の執行部提案が承認されました。

 

事前に都市計画法に基づく縦覧に、175人からの意見書提出があり、そのうち143通が反対でした。また、弁護士11名の連名で反対の意見書が提出されたことにも、この計画の理不尽さが表されています。代替公園整備のなかで住民に計画を十分に説明し、要望を反映するよう求める付帯意見もつけられました。

 

審議会を傍聴した金子あきよ市議は「今後、プールの解体工事はおこなわれるが、義務教育学校の内容の問題点を明らかにして、子どもたちの教育のために計画を撤回することをあくまで求めたい」と話しました。

与野中央公園 オープンミーティング開かれる

3月20日、与野本町コミュニティセンターで中央区選出の5人の市議が呼びかけ人となり、与野中央公園5000人アリーナ計画について市民との意見交換をおこなう、「与野中央公園オープンミーティング」がおこなわれました。党市議団からはたけこし連市議が参加しました。当日は、200人を超える参加者や、テレビや新聞社などマスコミ各社が取材に来ており、注目度抜群のとりくみとなりました。

 

ミーティングでは冒頭にさいたま市から現計画の説明がおこなわれ、続いて類似の事例紹介ということで「墨田区錦糸町公園」の紹介がおこなわれ、最後に懸念(反対)事項の意見交換と期待される効果(賛成)で市民との意見交換がおこなわれました。

 

反対意見として「旧計画と大きく異なり、市民の憩いのスペースが少なくなっているのではないか」「次世代型と名づけながら、子どもたちのための施設になっていないのではないか」などが出されました。また、賛成意見として「次世代型スポーツ施設などを建設しないと、なにもない与野中央公園になってしまい、つまらないのではないか」「トップレベルの『みるスポーツ』を身近で体感することができれば、その経験から市民が「するスポーツ」に参加していく効果が得られるのではないか」などが出され、それぞれの意見に市議が答えていきました。

 

たけこし市議は「5人の市議が会派を超えて与野中央公園について考え、市民のみなさんとともに考え、意見交流する場を設けることができたのは大変に意義あることで、呼びかけ人のひとりとして誇らしい。賛成も反対も、自分たちの住むまちの公園のあり方を真剣に考えるからこそ、議論が巻き起こるもの。『対決するときはガチンコで、だけど、尊重すべきところは譲り合う』そんな民主主義のあり方を、このミーティングで垣間見ることができた。同時に、お互いの意見を擦り合わせていくなかで、解決の方向も見つけられるのではないか」と語りました。

 

今後、このミーティングを踏まえて中央区選出の5人の市議で報告書をさいたま市に提出する予定です。

介護保険料・国保税・後期高齢者医療保険料…値上げつぎつぎ

2月議会の保健福祉委員会には、3年に一度の介護保険制度の見直しにともなう条例改定、そして、毎年おこなわれている国民健康保険税(国保税)の引き上げ議案がかけられ、久保みき市議が審査にのぞみました。

 

介護保険制度の改定として、介護認定審査会委員の定数が変更され、委員の定数が増えることになりました。これまで党市議団は介護認定申請から決定までの日数がかかりすぎることを指摘し、改善を求めてきました。直近では昨年12月議会で久保市議が定員増を求めており、歓迎できます。

 

しかし介護保険料については、介護保険料段階設定が12段階から15段階に増えることになったにもかかわらず第1段階をのぞくすべての段階で引き上げになることが明らかになりました(右表)。2000年にはじまった介護保険制度は、制度開始時は一律1割の利用負担でしたが、2015年に2割負担、2018年には3割負担が導入されました。さらに利用料そのものの引き上げや介護サービス削減で、物価高騰に苦しむ高齢者やご家族はさらに負担を強いられ、必要な介護を受けられなくなる人が続発しかねません。「介護保険のための保険」という民間保険会社の保険商品がうまれる事態にもなっていて、「介護保険は保険詐欺」という言葉が横行しています。

 

久保市議は「今、自治体に求められているのは、介護保険を守るためにも基金や一般会計からの繰り入れをおこない、保険料のこれ以上の引上げをしないこと。岡山市では、物価高騰など踏まえ、基金の取り崩しで値上げしない案が出された。さいたま市の基金は2024年度末で50億円を超える見込み。さいたま市も岡山市のように基金を取り崩し、値上げしない努力をすべき」と主張し、議案に反対しました。

 

国保税も増税

 

国民健康保険制度は、2018年度の県単位化により、埼玉県が財政運営の責任主体になりました。さいたま市の国保税は、毎年県から示される納付金によって決められ、さらに一般会計の繰入れをなくすための計画があるため、いっそうの増税となります。

 

市は「被保険者の負担増に配慮し、2026年度までゆるやかに引き上げる」としていますが、被保険者の負担は限界を超えています。久保市議は「加入者にだけ負担を押しつけるやり方は認められない」として議案に反対しました。しかしいずれの議案も、立憲、自民、公明などの他会派が賛成し、可決されました。

 

後期高齢者医療保険料も値上げ

 

後期高齢者医療広域連合では、保険料の均等割1760円、所得割0.65%、賦課限度額7万円(激変緩和措置対象外は14万円)の引き上げが可決されました。保険料は年額9万3979円から10万2081円に、さらに後期高齢者は負担してこなかった出産育児一時金も、平均624円負担します。

 

広域連合議員をつとめるとばめぐみ市議は、「物価高騰と窓口2割負担などですでに受診控えが起こっている」と指摘し、「高齢者の命を守るには安心して受診できることが必要。負担増は高齢者をさらに追い詰め、医療から遠ざける」と述べました。党市議団はこれまで、保険料値上げに一貫して反対しています。

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