政策と活動

平和の文化をつくり出すために

懇談に同席する(左から)松村市議、金子市議

 11月28日、さいたま南平和委員会とおおみや平和委員会が平和行政の推進について市と懇談を行い、松村としお、金子あきよの両市議が参加しました。

 市の平和行政に関する予算はほぼ毎年度約220万円で、あまりにも少額です。「もっと予算を拡充し積極的なとりくみを行ってほしい」との強い要望が相次ぎました。市がとりくむ「平和展」の内容充実と常設化、「原爆と人間」展など、市が協賛後援している市民団体の平和のとりくみの広報、「市報さいたま」での情報発信、各区役所に掲出されている「平和都市宣言」と一緒に憲法9条を掲示する、などの具体的な提案がありました。また、さいたま市が平和首長会議に参加していることをもっと積極的に市民にアピールしてほしい、という点も強調されました。

 金子市議は「平和の文化を作り出すために市民とともに知恵を絞ってほしいというのが参加者からの強い希望。提案は、市長が決断すればすぐできることもたくさんある。今後の議会で平和行政の予算増額とともに、求めていきたい」と話しました。

タクシー運転手の厳しい働き方を告発

懇談で発言するとば市議(左)

 11月27日、市内タクシー会社の労組役員と伊藤岳参院議員、いわぶち友参院議員、および、秋山もえ県議との懇談があり、党市議団からとばめぐみ市議が参加しました。

 参加者からコロナ禍におけるタクシー運転手の働き方の実態について、「乗客が激減し、時給換算すると時給200円の日もあった」「乗客がカードで支払った場合、かかる手数料はドライバー持ち」「累進歩合から積算歩合に変わったが、賃率を引き下げられてしまい、実際の手取りは減ってしまった」等、厳しさが語られました。

 しかし、路線バス事業者やタクシー事業者(法人および個人)に向けた市の支援金は、タクシー運転手には届かず、「この間受けられた支援は、特別定額給付金10万円のみ」とのことでした。伊藤岳参院議員は、国土交通省や経済産業省との懇談を提案。とば市議は「タクシー運転手の厳しい労働実態を可視化する必要がある。国会、地方議会と連携し、支援を広げられるようとりくむ」と話しました。

医療現場は命がけの奮闘

 11月24日、医療生協さいたまが主催し、救急専門医である守谷能和氏による講演会「医師が語る医療現場の奮闘と新型コロナウィルス最前線~保健医療行政の課題を学ぼう~」が開かれ、党市議団からとばめぐみ市議が参加しました。

 命を守る使命感に燃え、全力でコロナ患者や救急患者を受け入れてきた医療現場の実態や、死に物狂いで受け入れ先を探す保健所職員の姿が語られました。どんなにがんばっても、救急車からの連絡の半分は断らざるを得ないのが現状です。9月議会では保健所職員が1カ月253時間も残業していたことが明らかになりましたが、その保健所職員が、政府が全数把握をやめる方針を出すことに対して「感染経路が把握できなくなり、感染を抑え込むことができない」と反対したと言います。

 とば市議は、「医療従事者と保健所職員の命がけの奮闘で市民の命が守られている。みなさんの命と現場を守るため、議会でもとりあげていく」と決意を述べました。

市民のねがいを国へ届ける

 11月18日、日本共産党国会議員団埼玉事務所が主催する来年度の国の予算編成に対する要望行動が参議院会館で行われ、党市議団から松村としお、とばめぐみ、たけこし連、金子あきよの各市議が参加しました。

 

 要望項目について関係省庁から回答を受けたあと、個別の項目についてそれぞれの自治体の実態を伝えながら要望を行いました。

 松村市議は、「介護保険の利用者負担増が検討されているが、すでに利用料が高くて利用できない実態がある」と指摘。高齢者や介護現場の実態を踏まえて、保険料や利用料の負担増はやめるべきだと述べました。

 金子市議は少人数学級の実施を進めるうえで教職員の確保が大きな課題となっており、病休や産育休の補充もできていないさいたま市の実態を示して、教職員の確保のための国の制度的な支援を求めました。

 また、たけこし市議は高校へのタブレット端末配置について、市立高校の実態を示し「自治体によって保護者負担が生じているのは大きな問題。国が責任をもって財政的支援を行うことが必要ではないか」と指摘しました。

 各省庁からの説明や回答を参考に、来年度の予算審議に臨んでいきます。

持続可能で豊かな人間社会のために ~コミバス学習会ひらかれる~

講演する可児紀夫先生

 11月13日、党市議団は、可児紀夫先生(元国土交通省職員、愛知大学非常勤講師)を講師に、コミュニティバス(以下コミバス)の学習会「コミバスをもっと便利な市民の足に」を開催しました。会場いっぱいの参加者が、熱心に学習交流しました。

 

交通権と

クロスセクターベネフィット

 

 はじめに、可児先生から「交通権」という新しい人権の概念のお話がありました。交通権は、重度障がい者の「私も外出したい」という切実な思いから誕生した、憲法第22条、第25条、第13条などに関連する人権が集合した新しい人権です。1998年に交通権学会が提案した「交通権憲章」は、人間の夢と喜びを可能にする交通権の実現によって豊かな社会を形成できるとされています。

 また、「公共交通においては黒字、赤字の考え方は間違いで、クロスセクターベネフィットの考え方が重要」と強調されました。クロスセクターベネフィットとは、「ある部門でとられた行動(出費)が、他部門に利益(節約)をもたらす」という考え方です。つまり、公共交通の充実にかかる費用は、経済効果や医療費削減などさまざまな効果を生み出すということです。例えば名古屋市の敬老パス(65歳以上は公共交通利用が無料)は、316億円の経済効果をもたらしたという結果が出ています(2011年度)。

 

先進事例に学ぶ

 

 続いて、便利なコミバスをめざすための国内外の事例がいくつか紹介されました。たとえばアメリカのオレゴン州ポートランドは世界一住みやすいまちと言われ、中心市街地は歩行・自転車・公共交通が優先です。市内の広い区間で路面電車は無料で、車いすの障がい者も広い歩道を楽しそうに散策し、電動車いすを利用する障がい者でもすべてのバス、電車をひとりで利用できます。

 岐阜県岐阜市では「市民交通会議」を設置し、市民と行政が協同して交通政策を作り上げました。人口約42万人の岐阜市で、コミバスと乗合タクシーは現在20地区で運行し、路線バスと連携して全市域を網羅しています。料金は100円で、コミバスの利用者推移も年々増加しています。先進的な事例の紹介に、会場からはどよめきがあがる場面もありました。

 

さいたま市で実現するには

 

 そして、可児先生から「さいたま市でも前に進めるために、(仮)市民交通会議を開催すること。実際に乗ってみること。行政に勉強会や出前講座を実施してもらうこと。さまざまな考えや立場の講師を呼んで勉強会を開催することが大事」とのお話がありました。

 また、「コミバス等導入ガイドライン」については、住民組織をつくるところから行政はいっしょになってやっていくべきだとの指摘がありました。「交通手段は生活実態に寄り添う交通を選択することが大事。幹線的なところはコミバス、地域の小さい枠組みではデマンド交通。地域のバスをたくさん走らせ大手のバスを補完する。民間路線バスと協同して路線をひく。運行については、土日に運行するとまちが元気になるので、土日の運行は絶対に実施していくべき」と話されました。

 最後に、「交通は衣食住とともに人間社会を支え、持続可能な社会を形成する。人間社会を豊かに広げ、文化を育む。交通は人権です」と強調されました。

 学習会にとりくんだ久保みき市議は「党市議団はこれまで、コミバスはどこまで乗っても100円、土・日も運行、30分に一本の運行を求めて議会でとりあげてきたが、なかなか前に進まなかった。本市のコミバスの運行は、『コミバス等導入ガイドライン』に則って行われているが、今年度はガイドラインの改定の年。新規導入に課せられた収支率40%を撤廃し、料金や運行などを市民の願いに沿ったものに変えていきたい」と話しました。

 

ページトップへ