政策と活動

久保みきが行く! さいたま市にあう交通体系を

 

 1月23日、宇都宮駅東口交流拠点施設(ライトキューブ宇都宮)にて全国市議会議長会主催で「2040未来ビジョン出前セミナーin宇都宮」が開催され、参加しました。高齢者人口が最大となる2040年頃を見すえた対応が地方自治体には求められています。このセミナーは、さまざまな見解を冷静に吟味しつつ、必要な知識、見識、教養を深め、諸課題への対応に備えることが目的です。

 

 森本章倫氏(早稲田大学理工学術院教授)が講師で、「都市のコンパクト化と地域公共交通の再構築」をテーマにお話を聞きました。

 

 講演のなかで「公共交通を考えたとき、人が待てる時間は15分」という指摘があり、印象に残りました。さいたま市のコミュニティバスは60分に1本の運行(桜区は70分に1本)なので、利用者が少ないのはもっともだし、もっと本数を増やすべきだと感じました。

 

 これから迎える少子高齢社会には、コンパクトな都市づくりが重要で、人びとが自然に集まるような魅力的なまちづくりにとりくむ必要があるとのことでした。また「交通においては、幹線系の交通としてLRTが定時性に優れているという点でも、もっともいい乗り物で、補完交通としてデマンド交通や次世代自動車のモビリティや自動運転自家用車が普及するだろう」とのお話でした。しかし、LRTの運行には、広い道路が必要です。土地のあるところにLRTを通してあらたに魅力的なまちをつくるとなると、どれだけの時間と費用がかかるのか…気が遠くなりそうです。そのため、さいたま市にあった交通体系を市議会でも提案していきたいと思いました。

医療機構の積立金医療のために JCHO労組と懇談

さいたま市内にはJCHO(独立行政法人地域医療機能推進機構)の病院が北部医療センター(北区)と埼玉メディカルセンター(浦和区)の2カ所あります。いずれも公的病院としてコロナ禍のなかで市民の命と健康を守る大きな役割を果たしてきました。党市議団はこの2つの病院の労働組合と1月10日に懇談するとともに、申し入れ書「政府・財務省・厚生労働省等による『積立金前倒し国庫納付』に反対です。前倒し国庫納付するための機構法『改正』をしないよう政府に要請してください」を受け取りました。

 

 看護師の組合員は「第8波は高齢者施設からの入院が多い。認知症や身体機能が衰えているなど、介護が必要な患者に防護服を着ながら治療と看護をするのは大変な負担。看護師も次々と辞めて補充がたいへん。新しく来た人もすぐに同じ仕事ができるわけではない。にもかかわらずボーナスが減って心が折れそうななか必死に耐えている」と厳しい医療現場の実態をうったえました。

 

 ところが政府は公立・公的病院が施設整備や医療機器の購入等、医療体制の整備・充実に使う積立金を「防衛費」の財源として法改正までして国庫納入させようとしています。懇談した労働組合員は「医療機関が積み立てたお金を別の目的に使うのは問題だ」と憤っていました。党市議団への申し入れ書では「この積立金を使って、人手の拡充・賃金労働条件の改善、…耐震構造上問題のある病院などを急いで新築し、感染症対策等の拡充等を行なおうとしていました。積立金の国庫納付を行なえば、これらの実行が困難となるのです」と訴えています。コロナ禍を通じて公的医療機関が果たした役割は大きいものの、積立金の国庫納付を強行すれば運営に支障をきたしかねません。

 

 懇談した松村としお市議は「市内2つのJCHO病院は市民の命と健康を守る大事な役割を果たしている。積立金の使い道として間違っていることはもとより、医療体制をあやうくする国庫納付はするべきではない」と話しました。

ひまわり学園の保護者と懇談 年長児の単独通園の拡充を

 1月7日、とばめぐみ市議が総合療育センターひまわり学園肢体不自由児通所施設「つぼみ」に通う、年少児から年長児までのお子さんをもつ6人の保護者のみなさんとオンラインで懇談しました。

 

 本市には市直営の「ひまわり学園」と指定管理者が運営する「さくらそう」という、ふたつの療育センターがありますが、親子分離日数や療育日数が大きく違います。基本的にひまわり学園は親子通園、さくらそうは単独通園となっています。療育日数もひまわり学園の方が少ないため、党市議団が議会で何度も求め、年長児の通園日数を週4日から週5日に、そのうち親子分離通園日数を週2日から週2.5日へと、やっと拡充することができました。

 

 「就学に向けて、年長児は単独通園させたい」というのがひまわり学園に通う保護者の強い願いですが、まだまだ不十分です。ほかにも「通園バスに乗せてほしい」「きょうだいを連れての通園も認めてほしい」等、たくさんの要望が出されました。

 

 とりわけ、ひまわり学園の建て替えにともなう仮園舎への移転で、療育と訓練が別園舎となるため、重い肢体不自由児を保護者の責任で移動させることへの強い不安と不満が出されました。とば市議は「どれも切実な願い。移転にかんする要望はすぐに担当課に申し入れ、その他の要望についても議会でも引き続き求めていきたい」と話しました。

交通政策全文はこちら

12月に発表した日本共産党さいたま市議団の交通政策全文はこちらです。

 

2022年12月23日

 

日本共産党さいたま市議団 交通政策

 

 交通は人権です。交通は衣食住とともに人間社会を支え、豊かに広げ文化を育みます。国や地方自治体はくらしと命を守る地域交通を確保する交通権を保障する責務があります。

 日本共産党さいたま市議団は、交通権を保障したまちづくりをすすめ、交通の理念や方針を明確にした「交通基本条例」を制定します。これから迎える人口減少、高齢社会における地域交通政策は、憲法を理念とした安全で安心な地域社会と地球温暖化対策として自家用車に依存しない交通の確立、持続可能な循環型の地域経済をめざします。免許返納した高齢者が交通難民にならないよう、また児童の通学路の安全や子育て世代の交通などきめ細やかで幅広い交通政策を実現させます。路線バス、コミュニティバス、乗合タクシー、デマンド交通などさまざまな交通がそれぞれの特色を持ち、連携協力し、カラフルな交通体系で住民福祉の増進をめざします。

 

1.交通基本条例

2007年に金沢市、2012年に新潟市、2013年には熊本市をはじめ4自治体で制定され、今現在全国で14自治体が制定しています。

交通基本条例では、市民の交通権を保障し、再生可能エネルギーを活用した環境に優しい公共交通、バリアフリーを確立した障がい者に優しい交通政策などの理念や方針を明確にします。

区ごとの公聴会等を設置して条例をつくり、住民参加の自治によるまちづくりを発展させます。

条例を制定することにより、国の政策や方針を転換させる原動力にもなります。

 

2.コミュニティバス・乗合タクシー

さいたま市のコミュニティバスは2003年の政令市移行に伴い、西区、見沼区、桜区、南区で運行され、その後北区(平成17年8月)、岩槻区(平成19年1月)に導入し、現在6区で運行されています。10区中6区しか運行されてないため市内に格差が生まれています。

目的地まで時間がかかる、便数が少ないので不便で使えないという課題があります。不便で利用が少ない、利用が少ないから便数を増やせないという悪循環に陥っています。ガイドラインに基づいて新規導入ができますが、未だ新規導入はありません。

乗合タクシーは、住民主体で西区、見沼区2本、岩槻区、桜区で運行されましたが、収支率40%にならないと廃止という無理な課題を押しつけられています。

・コミバスは10区全区で走らせ、土日も運行します。

・乗合タクシーは住民の要求に応じて運行させます。(場合によってはデマンド交通で補完します)

・ガイドラインは撤廃し、条例に基づいた交通体系を構築します。

・収支率40%は撤廃します。収支という考え方を改め、クロスセクターベネフィット(注:ある部門でとられた行動が,他部門に利益をもたらす)の考え方に改めます。

・新規路線導入に関しては、住民組織をつくるとこから行政も介入(話し合いに参加)することとします。(住民の要望をうけたら組織つくりから手助けをする)

 

3.デマンド交通(オンデマンドタクシー・バス)

デマンド交通は利用したいとき、目的地まで予約して使うので環境面から考えても無駄がなく優れた特性を持っています。全国で普及が進んでいます。コミバスとデマンド交通を併用して市民の足の確保を進める必要があります。

・路線バス、コミバス、乗合タクシーでは補えない部分をカバーします。

・自宅前(ドアツードア)のサービスも取り入れます。

 

4.高齢者移動支援(福祉的輸送)

・住民組織による運行を撤廃し、市が直接要望を受け支援を実施します。

・ドアツードアの支援を構築します。

 

5.お出かけ応援制度(仮称)の創設

 ・65歳以上の高齢者は路線バス、コミバス、乗合タクシーの料金は100円にします。

 

 

安心・安全な学校給食を さらに前へ

設立総会であいさつするとばめぐみ市議

 12月11日、県内農業生産者、教職員組合、婦人団体、消費者団体等による「安全な地元農産物の活用と学校給食の無償化をめざす埼玉連絡会」が設立総会を開催、とばめぐみ市議が出席しました。

 

 長引く物価高騰で、いよいよ給食費が保護者にとって重い負担としてのしかかっています。「学校給食費を無償化し、安心・安全な地元農産物を使った給食を子どもたちに食べさせたい」という声は全国的に大きく広がっています。総会では各自治体に勤める4人の栄養士が発言し、物価高騰下での給食の献立作成の苦労や、自校方式でも調理業務の民間委託で栄養士と連携ができない実態のほか、「給食についてみんなで考えられる会ができて本当にうれしい」と、連絡会への期待も語られました。

 

 とば市議は「多くの自治体が給食費減免のためにさまざまな努力をするなか、さいたま市はまったく引き下げない。さいたま市には農家も多く、安心な地元の食材を学校給食に取り入れることは地域のコミュニティづくりにもつながる。引き続き、議会でも求めていきたい」と発言しました。

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