議会報告

9月議会*総合政策 水害に対応した避難計画の周知と徹底を

総合政策委員会で質疑をおこなう神田よしゆき市議

 9月17日、9月議会の総合政策委員会で議案外質問がおこなわれました。

 神田よしゆき市議は、水害時の避難計画について質問しました。はじめに台風15 号による千葉県の被害についてお見舞いを申し上げ、本市としても広域的な支援をおこなうよう求め、質問に入りました。

 

神田 ここ数年、想定を超える豪雨災害が発生しているが、本市で最も被害が大きいのは荒川の氾濫だ。避難計画の現状は。

 

 市のハザードマップで浸水想定区域が最も大きいのは、荒川の洪水の場合。洪水時に、特に西区・桜区・南区の指定避難所等は浸水想定区域に位置するため、区外に広域避難する必要がある。隣接区を含めた避難所を自治会ごとに特定しておく広域避難計画を策定し、住民に周知している。

 

神田 水害を想定し、区を超えた避難所運営訓練を実施する必要性があると考えるがどうか。

 

 水害を想定した訓練は、西区・桜区・南区の自治会長などを対象に水害対策の勉強会を実施し、昨年初めて大規模災害を想定した図上訓練をおこなった。

 

 神田市議は、水害の広域避難に対応した訓練の必要性を強調し、訓練計画の実施を求めました。

9月議会*保健福祉 学童クラブ支援員が 安心して働き続けるために

保健福祉委員会で質疑をおこなうとりうみ敏行市議

 9 月17 日、とりうみ敏行市議は、埼玉県の最低賃金が時給28 円引き上げとなったことに伴う学童クラブの児童支援員の処遇改善についてとりあげました。

 

とりうみ 放課後児童クラブの、公設・民設それぞれの児童支援員の数は。

市 有資格者は公設で266 名、民設で733名。無資格の補助員は公設で101 名、民設で418 名。

とりうみ 常勤のひとりあたりの平均勤務時間及び平均給与額は。

市 公設は、夏休み期間は週40 時間、夏休み以外は週30 時間。民設は平均で週39 時間。平均給与額は、勤続年数5 年の支援員で公設は16 万2300 円(時給1352 円)、民設は約20 万4000 円(時給1275 円)。公設、民設いずれも従前の給与月額のままで引き上げ後の最低賃金を上回っている。

とりうみ 今回の最低賃金引き上げを受けて、支援員の処遇を改善していく必要がある。民設クラブへの委託料を拡大する方向で考える気はないか。

市 最低賃金引き上げの影響も考慮し、委託金制度も含めて国の補助メニューの活用も図りながら現状に即した制度になるようとりくむ。

 とりうみ市議は「安心して働き続けられる処遇に改善すべき」と求めました。

9 月議会*一般質問 老後をくらせる年金制度へ

一般質問をおこなう久保みき市議

 9 月11 日、一般質問に久保みき市議がたち、年金制度などをとりあげました。

 

久保 7 月の参院選では、年金制度の問題が大争点になった。8 月27 日に厚労省が公表した財政検証では、いまでも低い年金を2 割も減らすと示されている。すべての国民に健康で文化的な生活を保障するためには、基礎年金の大幅な引き上げが求められる。このまま年金給付を減らし続けるのか、給付の底上げで老後をくらしていける年金制度への改革を進めていくべきなのか、市の年金制度についての考えは。また、年金制度改革について市として国へ意見をあげるべきと考えるが。

 

 国による財源確保と今後の社会保障改革での議論を注視していく。市としては政令指定都市国保・年金主幹部課長会議を通して、「将来に向けて持続可能で誰にでもわかりやすく信頼性の高い年金制度の構築のための見直し」を毎年、要望している。

 

 久保市議は、「年金問題は本市の高齢者の命、くらし、そして若い方の未来にとっても重要な問題。市民の現状を考えて、国へ意見を上げるべきだ」と強く求めました。

 

殺処分ゼロへそしてその先へ

 

久保 7 月に視察した神奈川県は、殺処分ゼロを実現し、人と動物の橋渡しができる新しい動物愛護センターをつくった。殺処分の部屋はなく、見学バルコニーや譲渡ルームなど譲渡につながる工夫がされている。本市では、昨年度、犬猫の殺処分数を13頭まで減らした。重症・重病など助かる見込みのない動物、凶暴な動物を安楽死させている。凶暴であっても専門家を入れて愛情をもって接し、世話人がけがをしない装置があれば殺す必要はない。凶暴を理由にした殺処分をやめるよう求める。

 

 凶暴性の高い動物は、獣医師の観察やドッグトレーナーの性格診断など助言をもらい判断している。判断までにおおむね2〜3 カ月だが、この期間が妥当か、専門家に協力を得るなど譲渡に向けた調査研究に努める。

 

 久保市議は「本市の動物愛護センターも、神奈川県のように殺処分をおこなわず、人と動物の橋渡しができるシェルター機能をもつ開かれたセンターとしていくべき」と述べました。

 

DV 被害者支援はワンストップで

 

久保 昨年から悲惨な児童虐待事件が相次いでいるが、その背景に母親のDV 被害があるケースも多い。福岡県久留米市では全国に先駆け、DV 根絶に向けた意識づくりの推進、相談・支援体制の充実が図られている。もっとも評価すべきはワンストップサービス。「DV 被害者相談共有シート」を活用し、被害者が来庁すると関係所管が1 カ所に集まって相談に応じ、すみやかに手続きを進める方式が定着している。本市においてもワンストップの相談支援体制を整備すべき。

 

 本市では本人同意のうえで、さいたま市配偶者暴力相談支援センターで聞きとった被害者の状況について事前に窓口の職員に情報共有をおこない、被害者の負担軽減と二次被害の未然防止を図っている。また庁内会議において、DV に関する状況報告および事例研究を通し、各区福祉事務所等との情報交換および研究協議をおこなうことや窓口の職員の相談スキル向上など、DV の理解を図るとともに、庁内連携の強化を図っている。久留米市の事例等を参考に本市での相談体制の充実を図っていく。

 

久保 本市のDV 被害者支援において、きめ細やかな自立支援を実施している民間支援団体は、なくてはならない存在。ステップハウスは利用価値も高い。ステップハウスを運営する団体からは市の助成を求める声が届いている。補助金の交付等、民間支援団体への支援について見解を。

 

 民間支援団体との連携は重要かつ不可欠。緊急一時保護をおこなうシェルター施設(市内1 団体)に財政的支援をしている。ステップハウスは2017 年度は15 組、2018 年度は18 組と利用も増加している。継続的に運営できるようステップハウスへの財政的支援について検討していく。

 

 久保市議はその他に埼大通りのけやき並木の保全について質問しました。

 

ステップハウスとは

被害者がその後の自立に向けた準備を進めるため、緊急から中長期の保護と幅広い機能に応じた運営をおこなう施設。被害者の状況によっては、通勤や通学も可能となるなど、シェルターと比較して制約が少なく、被害者にとって利用しやすい。

 

さいたま市議会インターネット議会中継

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1582

9 月議会*代表質問 最低賃金は ただちに時給1000円へ

代表質問をおこなうとりうみ敏行市議

 9 月9 日、代表質問にとりうみ敏行市議がたち、最低賃金の問題、消費税増税問題などで清水市長の政治姿勢を質しました。

 

とりうみ 2019 年度地域別最低賃金の改定がおこなわれた。全国平均は901 円、最高は東京都の1013 円、続いて神奈川県の1011 円。時給1000 円を上回ったのはこの2 都県のみ。埼玉県は926 円で、昨年比28 円の引き上げとなったが、これでは8 時間働いても普通にくらせない。全労連の調査では、25 歳単身者で時給1623 円が必要と試算されている。時給はただちに1000 円に、そして1500 円を実現するよう国に求めるべきと考えるが見解は。

 

副市長 地域別最低賃金は、国の中央最低賃金審議会において総合的に勘案し、決定された。この賃金額は地方の実情に応じたもので適正であり、国に要望することは考えていない。

 

とりうみ 時給926 円で本当に人間らしくくらせると考えるのか。

 

副市長 審議会によると「健康で文化的な最低限度の生活を営むことができると決められている生活保護基準を下回っていない」としている。

 

とりうみ 最低賃金を引き上げるためには、中小企業への支援がカギとなる。しかし国は、中小企業の賃上げ対策予算を2014年度の35.9 億円から2019 年度は6.9 億円まで減らしてしまった。その結果、1 企業あたりの賃上げ予算は、なんと200 円となってしまった。これでは中小企業が賃上げに消極的になるのは当たり前だ。中小企業の賃上げ予算を大幅に増やし、社会保険料の事業主負担を賃上げの実績に応じて減免する制度を創設するよう国に意見をあげていただきたい。

 

副市長 国が中小企業の賃上げのための予算としている「業務改善助成金」にかかる予算は、昨年度は対象を「中小企業」と規定していたものを今年度から「従業員が30名以下」の事業者に変更するなど、予算の対象となる事業所を絞り込んだことから予算規模が縮小した。より助成が必要な小規模事業所に的確に支援をおこなうための措置だったと考えるため、国に予算額の増額を要望することは考えていない。

 

消費税 市民負担が重すぎる

 

とりうみ 安倍首相は10 月から消費税10% への引き上げを強行しようとしている。しかし参院選後の世論調査では増税反対が半数以上を占めている。市民ひとりあたりの所得は10 年前と比べて約14 万円、65 歳以上の年金所得では約18 万円、それぞれ減少している。年金引き下げ、国保・介護の負担増、そのうえ消費税が増税されたら、市民のくらしはどうなると思うのか。

 

市長 政府公表の「8 月の月例経済報告」では「先行きに弱さが残るものの緩やかに回復が続くことが期待される」としている。また、埼玉県の毎月勤労統計調査では、2018 年度の働く人ひとりあたりの給与総額は前年比5.6% 増加、実質賃金は4.4%増加となっている。一方で、物価上昇等が市民生活に一定の影響を与えることも認識している。

 

とりうみ 本市が6 月に公表した「地域経済動向調査報告書概要版」では、「今期はすべての業種で下降。来期は上昇するも、来々期は再び下降する見通し」と分析している。こうしたなか、軽減税率への対応業者は10%、キャッシュレス決済導入業者は7% と、増税対応が進んでいないことが明らか。市長はその原因はどこにあると考えるのか。

 

副市長 先日、国において軽減税率対策補助金の手続き要件を緩和したが、軽減税率対応レジの需要が伸びており、準備が進んでいると推測する。また市内事業者向けに対策講座を実施し、経産省のチラシを商店会に配布するなど周知・啓発に努めている。

 

 とりうみ市議は「国の対策も市の対策も不十分なままでの増税は認められない。いまからでも、臨時国会での議論を求めるべき」と主張しました。また、国保税、市内公共施設のトイレ改修についても質しました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1575

9月議会*議案質疑 会計年度任用職員 非正規拡大を懸念

議案質疑をおこなう松村としお市議

 9 月5 日、9 月議会本会議で、松村としお市議が議案に対する質疑に立ちました。

 

 来年度から、市の非正規職員のなかで会計年度任用職員という新制度への移行がはじまります。会計年度任用職員になると、期末手当が支給されるなど一定の処遇改善になるものの、非正規雇用の固定化や拡大が懸念されます。

 

 松村市議の質疑でフルタイムの非正規職員のうち350 人(29%)、パートタイム非正規のうち3700 人(39%)が新制度に移行することが明らかになりました。またフルタイム会計年度任用職員であっても、正規職員が使える休暇制度が一部使えないことや、住居手当や扶養手当が支給されないなどの差があることも明らかになりました。

 

 松村市議は非正規雇用の増大を懸念する立場から、会計年度任用職員の人数や割合の今後の見通しについて質しましたが「現段階での見込みはない」と明確な答弁はありませんでした。

 

投票率向上のとりくみを

 

 10 月におこなわれる参院補欠選挙の補正予算が専決処分されました。松村市議は「今年の一連の選挙の投票率は低水準だった。参院補選での投票率向上のとりくみはどうか」と質しました。市は「投票環境の向上や投票参加のよびかけをさらにすすめなければならない」としつつも「急なことで、専決処分ということもあり、これまでの範囲内」のため「啓発ポスターの掲出場所や街頭啓発の実施場所を工夫したい」と答弁しました。

 

 ほかに印鑑条例の改正について質疑。改正で旧姓での印鑑登録ができるようになります。市は「契約や銀行口座開設での利用や、就職・職場等での身分証明に資する」と市民の利便性が向上すると強調しました。

ページトップへ