議会報告

12 月議会一般質問*さいたま北部医療センターを守れ

本会議で一般質問をおこなうとばめぐみ市議

 12 月3 日、12 月議会本会議で、とばめぐみ市議が一般質問にたちました。

 

とば 厚生労働省は9 月末、「再編統合の議論が必要」として全国424 の病院の実名を公表した。そのなかには、建て替えたばかりのさいたま北部医療センター(北区)も含まれている。

 党市議団は国会議員団とともに厚労省にヒアリングをおこなったが、公表した病院名を撤回しようとせず、ベッド数の削減がねらいなのは明らかだ。国に対して再編統合に反対の意見をあげるべきではないか。

 

保健福祉局長 厚生労働省が公表した医療機関は、医療機能や必要な病床数について再検証を要請するために一定の条件を設定して分析したものであり、必ずしも医療機関の再編統合等の方向性を機械的に決めるものではない。

 したがって、さいたま北部医療センターについても再編統合等が前提ではなく、医療機能について議論をおこなうことが重要。以上のことから、現時点で本市単独で国へ要望を出すことは考えていない。

 

とば 地域医療構想に基づく統廃合は、さいたま市のような人口が増えている地域には適用できない。さいたま北部医療センターは建て替えの際も厚労省との協議を踏まえて医療ニーズを検討した。それなのに再編統合の対象にするなどあまりにもひどいやり方ではないか。

 

保健福祉局長 さいたま市地域医療構想調整会議において議論が進められるが、この会議に出されたさいたま北部医療センターの資料は移転前の平成29 年6 月のデータだった。このデータを移転後のものに差し替えることになっている。

 

 データを差し替えたからといって再編統合等の対象医療機関ではなくなるという保証はどこにもありません。党市議団は引き続き、さいたま北部医療センターを守るために全力を尽くします。

 

 

産休明け保育10 園でとりやめ

 

とば 2020 年4 月入所から、本市の公立保育所10 園で産休明け保育をとりやめることが分かった。公立保育所で働く職員にうかがったところ、経済的に厳しい家庭、母親の産後うつ、育児ノイローゼ、きょうだいに障害児がいる、祖父母の支援が受けられない、虐待寸前の家庭など、産休明け保育が必要な保護者はまちがいなく存在するとのことだった。

 市は、公立保育所が担ってきた産休明け保育の役割についてどのように認識しているのか。

 

 

子ども未来局長 必要のある方がいるということは認識している。

 

とば 産休明け保育を10 園減らした理由は。

 

子ども未来局長 本市の公立保育所61 園の中で0 歳児から受け入れているのは46 園、そのうち生後57 日から受け入れている園が28 園、産後6 ヵ月から受け入れている園が18 園。

 その中で、生後57 日以降の乳児を受け入れる際は、乳児が体調不良となるリスクが高い等の理由から(配置基準に必要な保育士のほかに)保育士1 名を加配してきた。過去の入所実績や来年度中に保育室の修繕などがある10 園については来年4 月からの受け入れを生後57 日から6 ヵ月に変更した。

 

 とば市議は「必要性を認識する一方で10園もやめるのは異常だ。本市の保育そのものの後退である。再来年度には復活させるべき」と求めました。

 

 また、保育士の処遇について、「子どもの命を預かる責任の重い仕事にもかかわらず、月給が全産業平均より10 万円低い」「有休が消化できない」など現場の声を紹介し、「市の職員雇用対策補助金(月1 万500 円)では不十分。抜本的に引き上げるべき」と求めましたが、市は「処遇改善は国に要望する」と答弁。

 

 さらに保育士の配置基準の引き上げを国に求めるよう質したところ、市は「本市では1 歳児に対する保育士の配置を手厚くするなど国の最低基準を上回る基準を設けているため、国への要望はおこなわない」と、ゼロ回答ともいえる答弁でした。これでは保育士不足を解消することはできません。保育行政に冷酷すぎる市の方針を転換することが求められています。

 

さいたま市議会インターネット議会中継 録画映像

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1615

【質問通告】

1公立・公的病院の再編統合について
(1)厚生労働省が求める公立・公的病院の再編統合に対する市の見解を求める

2保育行政について
(1)公立保育所における産休明け保育について
(2)保育士の処遇改善と配置基準について
(3)看護師などの専門職の配置について

3片柳小学校バス通学について
(1)現状について
(2)半額補助の手続きについて
(3)バス代を全額補助することについて

4加田屋地区の公園整備について
(1)加田屋田んぼに自然環境公園及び広場を設置するとともに、農業公園的な土地利用の推進について

12 月議会一般質問*台風19号 被災の教訓を生かした対策を求める

本会議で一般質問をおこなう松村としお市議

 松村としお市議は12 月2 日に一般質問をおこない、災害に強いまちづくりなどをとりあげました。

 

松村 台風19 号の被災経験を今後に生かして、避難や治水など防災対策を見直すべき。

 

総務局長 課題等を洗い出し、計画・マニュアル等の見直しをおこなう。

 

松村 被災者支援を従来の枠組みを超えて個々のニーズに合わせて市が上乗せで支援をすべき。

 

総務局長 国に対し各種支援を求めている。

 

松村 治水対策について求めてきたが進んでこなかった。国・県に対策強化とスピードアップを強く求めよ。

 

建設局長 国、県に対し河川整備や調節池など要望するとともに、さらなる連携を図って推進したい。

 

 個別の具体的な対策について党市議団として引き続きとりくみを求めていきます。

 

 

民間学童保育所支援の充実を

 

松村 民間学童保育は、2012 年に委託基準額を決めた後、消費税率が倍に、最低賃金も上がっているもとで運営に苦労している。委託基準額の大幅引き上げを求める。

 

子ども未来局長 消費税や最低賃金の引き上げに伴う影響も考慮しながら現状に即した制度になるよう検討する。

 

松村 民間学童保育の増設の補助上限が120 万円では足りない。国の補助金は1300 万円が上限であり、活用すべきだ。

 

子ども未来局長 規模が大きな改修も増えており、補助金や支援の拡充を検討する。

 

松村 学童支援員の募集で苦労している。処遇が低すぎる。国の補助金も活用して大幅な改善をすべきだ。

 

子ども未来局長 処遇改善は人材確保と質の向上にかかわる重要な課題。国のキャリアアップ処遇改善補助を活用してきたが、さらに充実した補助金制度となるよう検討する。

 

 松村市議は重ねて具体化を求めましたが、市は「市の財政負担を考慮して今後検討したい」との答弁をくり返しました。松村市議は、「国庫補助を使った処遇改善の市負担は約2億円。1 日限りのイベントに数億使うのに、子育て支援は優先度が低い」と市長の政治姿勢を厳しく批判しました。

 

 

教員の変形労働制 条件はない

 

 さいたま市は教員の勤務時間を昨年からタイムカードで把握しはじめています。松村市議は教員の残業時間の状況を質問で確認(表参照)しました。

 

 

 変形労働制は就業時間を延長して、通常は残業時間とされる部分を残業ではないとみなし、閑散期(夏休み)に振り替えるというもので、本来は残業時間が少ない職場での適用が想定されているものです。文部科学省は変形労働制の前提として「月45 時間、年間360 時間以内の残業」を示していますが、実態は表のとおり、過半数の教員が超過しています。

 

 松村市議はさいたま市が7 月に変形労働制の試行をおこなった際に「事務の増加」「有休が取得できなくなる」などの声が出ていることを合わせて指摘して「変形労働制導入の条件はない。業務量の削減や教員増こそ優先的にとりくむべき課題だ」とせまりました。

 

 教育長は「変形労働制の導入が、学校の働き方改革に効果的か否か見極めたい。効果がなければ実施するつもりはない。総業務量の削減がなによりも大切というのはそのとおり」と答弁しました。

 

 国会では変形労働制を可能にする法律が成立しましたが、今後は自治体で条例をつくらなければ実施できません。松村市議は重ねて変形労働制を断念するよう求めました。

 

さいたま市議会インターネット議会中継 録画映像

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1610

【質問項目】

1災害に強いまちづくり~台風19号被災から
(1)防災対策の見直しについて
 ①避難計画、避難所について
 ②被災者支援について
(2)治水対策について

2放課後児童クラブ(学童保育)支援の充実を求める
(1)民間学童への支援の充実について
 ①委託基準額の増額を求める
 ②施設整備支援の増額を求める
(2)支援員の処遇改善を求める

3格差と貧困対策について
(1)学習支援事業について
(2)就学援助の充実について

4教員の変形労働制について
(1)本市の試行結果について
(2)今後の取り組みについて

12月議会*議案質疑 市長のボーナス10年で約133万円増 引き上げはやめよ

本会議で議案質疑をおこなう神田よしゆき市議

 11 月28 日の本会議で神田よしゆき市議は、12 月議会における市長提出議案に対する質疑をおこないました。

 

 はじめに議長・議員、市長・副市長の期末手当(いわゆるボーナス)引き上げをおこなう条例について質しました。今回の市長の期末手当引き上げ額は9 万9000 円、10 年前と比較して133 万円も増額しています。期末手当引き上げを求める条例は、毎年12 月議会に市長提出議案として出されますが、党市議団は市民のくらしをふまえ、一貫して反対してきました。

 

 神田市議が「昨年、議会は議長・議員の期末手当引き上げを否決したが、特別報酬等審議会および市長はどう受け止めたのか。」と質したのに対し、市は「議会否決の経緯と趣旨を踏まえて審議し、引き上げる答申をもらった。答申を最大限尊重する立場から本議案を提出した」と答弁。昨年度引き上げなかった分を上乗せした額を上程しています。

 

避難情報はすべての市民に届けよ

 

 つぎに台風19 号災害対策の補正予算について質問しました。

 

神田 ハザードマップ(災害予測図)の修正内容は。

 

 水害では、浸水想定区域外への水平避難が原則。荒川に近い西区、桜区、南区は区域を越えて浸水想定区域外へ避難する広域避難を進めてきた。荒川・入間川、利根川・江戸川の2 つの洪水ハザードマップで、緊急避難時に指定緊急避難場所で垂直避難の利用ができる表現に修正する。

 

神田 ハザードマップをすべての市民に配布することについてはどう考えるか。

 

 ハザードマップは、情報公開コーナーでの配布、市ホームページに掲載している。今年度は例年より在庫不足となったため増刷する。地域によって必要な情報が異なるため、引き続き市民が必要な情報を入手できるよう努める。

 

学習支援 半年足らずで見直し

 

 今年度、生活困窮者学習支援事業が一般競争入札によって、大手塾産業に委託先が変わりました。党市議団は6 月議会で学習支援事業を一般競争入札にすることの問題点を指摘した経緯がありますが、12 月議会に見直しの議案がかかりました。

 

神田 今回の見直しは、一般競争入札で事業者を選定したことにより、十分な効果があげられなかったという反省があったからか。

 

 あくまでも利用者へのアンケート調査の結果。「学習環境を確保しつつ、相談しやすい雰囲気の教室」「勉強の指導技術があり、生徒の話を聞く姿勢を身に着けている支援員」のニーズがあり、事業者選定の方法について検討している。

 

 市は事実上、今回の事業者選定に問題があったことを認めました。

12月議会*市長のボーナスまた値上げ?!

市長の年間給与額の推移(2010年、2014年、2018年)

 清水市長より、市長等特別職(常勤)のボーナス(期末手当)値上げ議案が提出されました。市長および副市長については、年間支給月数を3.35 月分から3.40 月分に引き上げ、議員については、年間支給月数を3.30月分から3.40 月分に引き上げる議案です。可決されれば10 年連続の値上げとなります。

 

 昨年度も同様の値上げ議案が提出されましたが、議員にかかる部分については市議会として否決した経緯があります。12 月議会において議案を質していきます。

12月議会*請願と意見書(案)の採択に全力

 12 月議会で党市議団が紹介議員になった請願(2件)は次の通りです。

 

○ゆきとどいた教育をすすめるための30 人学級実施を求める請願

○国民健康保険県単位化による保険税水準の統一はやめ、税負担の軽減を求める請願

 

 また、党市議団として4 件の意見書(案)を提出しました。全会派が一致すれば、議会の意思として国に送致されます。

 

○性暴力被害者ワンストップ支援センターへの補助金の拡充を求める意見書(案)

○公立・公的病院の再編統合計画に関する意見書(案)

○介護保険制度の改定に反対する意見書(案)

○改正動物愛護法の数値規制においてアニマルウエルフェアにかなった規制を求める意見書(案)

ページトップへ