議会報告

6月議会*代表質問 市民のいのち最優先の市政へ

本会議で代表質問をおこなう松村としお市議

 6 月15 日、6 月議会本会議にて松村としお市議は、4 期目となった清水勇人市長に対し代表質問をおこないました。

さいたま市議会インターネット議会中継(録画)

https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1843

ワクチン接種の改善求める

 

 新型コロナウイルスのワクチン接種については市民のみなさんからさまざまな声が寄せられています。すでに党市議団として申し入れなどで求めてきたことですが、不十分なため、あらためて改善を求めました。

松村 コールセンターの回線増、フリーダイヤル化、ネット予約のサーバー強化、予約支援をする公共施設増を提案する。

副市長 コールセンターを166 回線から200 回線へ増やした。フリーダイヤル化は、コールセンターの状況を見つつ検討する。予約システムを改良し、アクセスの改善と安定稼働を図る。窓口に会計年度任用職員を配置して相談体制を整える。

松村 保育士や学童、学校、通所型福祉施設などのエッセンシャルワーカーへの優先接種の検討を求める。

副市長 まずは小中学校の教員、保育士等の優先接種を考えたい。

 

東京オリンピックは中止を

 

松村 オリンピックを強行すれば感染拡大を招きかねない。国は安心・安全の大会を開くというが、市長の認識はどうか。

副市長 開催する以上は安心・安全な大会でなければならない。感染症対策に万全を期したい。

 

松村 人の流れが起きることによるリスクをどう考えるのか。関係機関に大会中止を申し入れるべきだ。

副市長 安心・安全に最大限努力する。大会実施の可否について申し上げることはない。

市民負担軽減を求める

 

 松村市議は「コロナ禍で多くの自治体が水道料金や給食費の負担減に踏み出している。しかし、さいたま市は逆に給食費を値上げした」と指摘し、市民の厳しいくらしを支えるためにも負担軽減を求めました。答弁は教育委員会と水道局から「財源がない」などとするものでした。松村市議は「まさに財政措置が必要。市長の決断を求める」と迫り、市長が答弁に立ちましたが「将来のことを考えると減額は困難」と、いま苦しんでいる市民に心を寄せない冷たい答弁でした。

市庁舎移転よりコロナ対策を

 

松村 マスコミの市長選出口調査では市庁舎移転について反対の声が多かった。コロナ対策を優先してほしいという市民の願いにこたえ、計画は延期・凍結すべき。

市長 新型コロナ対策に全力で取り組む。同時に、将来を見据えたまちづくりも重要。考えをしっかり説明し、理解を得られるよう努めたい。

選択的夫婦別姓「取り入れられるべき」

 大野県知事が4 月に選択的夫婦別姓制度に賛成する発言をしました。松村市議は「日本社会の大きな課題であるジェンダー平等を前に進めるもの」と評価。「私も旧姓で生活している。改姓による苦労や苦痛の解決のために選択的夫婦別姓制度を心から願っている」と表明し、市長の認識を質しました。

 答弁は副市長でしたが「改姓により不便さや不利益を被ることがあると認識しており、選択的夫婦別姓制度は取り入れられるべきものと考える」と賛意を表明しました。

学校のコロナ対策を科学的に

 

 さらに学校生活におけるコロナ対策について松村市議は、保護者から寄せられている声の一例として、子どもの机ごとにアクリル板を設置したある中学校では、うしろの席から黒板が見えづらいこと、アクリル板の消毒もしないなどの疑問が寄せられていること、また屋外でおこなう体育の授業であってもマスクをしたままで走っていることをあげ、科学的に見て一貫性のない感染対策が子どもの健康や学びをかえって阻害していることを指摘しました。富山市では小児科医を入れた新型コロナ感染症対策検討会議を立ち上げ、医学的・科学的見地から保護者や教員、子どもに納得できるよう対応していることを紹介し、「富山市にならって科学的な見地から助言をもらうしくみづくりを」と提案しました。

 教育長は「小児科医の監修で対策マニュアルをつくり改訂もしてきた。現場に赴き意見交換しながら生きたシステムにしている」と答弁。松村市議は「日常的に専門家にアドバイスを聞けるしくみをつくって保護者の疑問や声にこたえてほしい」と重ねて求めました。

6月議会*新型コロナ対策補正予算など19議案が明らかに

 6 月9 日に開会した6 月議会には、新型コロナウイルス感染症関連の補正予算や条例議案など19 議案が出されました。

 

 国の緊急支援策決定にともない、低所得の子育て世帯に児童1 人あたり5 万円を支給する事業を実施する専決処分の報告議案が提出されました。保育施設、放課後児童クラブ・学童保育など各施設における新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスク、消毒液の購入などの経費に約3 億1000 万円、また新型コロナワクチン接種事業として、16 歳以上60 歳未満の集団接種実施のための予算約24 億5000 万円が計上されています。

 2021 年の成人式はコロナ禍のためにオンラインでの開催となりました。2022 年は成人式を入れ替え制で開催するために会場使用時間を延長するための予算、および2021年成人式の対象者に対して「再会の機会」を設けるために必要な経費として2600 万円が予算計上されています。引き続き感染症対策が求められるなか、検討が必要です。

 市長選でも争点となった新庁舎移転計画では、本庁舎整備および現庁舎地の利活用に係る基本構想策定に要する経費として996 万円が計上されました。

 条例議案では、桜区で発覚した生活保護費の不正支出をめぐって市のおこなった内部調査の報告が出ていますが、その内容の検証と再発防止の提言をおこなうための第三者委員会を設置する条例制定が諮られます。

 新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなか、党市議団は市のコロナ対策と市民生活の支援を求めてきました。6 月議会でも命とくらしを守る施策実現のための議論をおこなっていきます。

6月議会*議案質疑 新型コロナ対策は不十分 市独自の対策に踏み出せ

本会議で議案質疑をおこなうとばめぐみ市議

 6 月10 日、6 月議会本会議において議案に対する質疑がおこなわれ、党市議団からとばめぐみ市議が登壇しました。市長が専決処分をした予算議案を含め、新型コロナウイルス対策を中心に質しました。

 

とば 6 月議会に上程された「新型コロナ感染症への対応」にかかる事業数、事業総額と財源の内訳は。

市 子育て世帯給付金事業など16 事業。事業総額46 億3974 万円。財源の内訳は国が約45 億256 万円、県が約4606 万円、市が約9112 万円。

とば 新型コロナワクチン接種事業について、高齢者のワクチン接種の到達と今後の見通し、高齢者施設での進捗は。

市 6 月8 日現在、400 の高齢者施設のうち109 施設で入所者と従業者あわせて1万4868 回の接種を終了。施設入所者を
含む高齢者の接種は、1回目の接種終了者が6 万6000 人(20.5%)。

とば 国がかかげる7 月末までに65 歳以上の接種を完了させるためには、1 週間に何件接種が必要か。体制や供給の見通しは。

 

市 本市の高齢者約32 万人のうち、接種希望者を7 割と見込んでいる。7 月末までに2 回接種を終了するためには1週間あたり約5 万回で、個別医療機関、区役所等の集団接種などで確保できると想定。ワクチンは7 月中旬までに高齢者約32 万人分の供給が受けられる。

とば 医師や看護師の確保は。

市 医師会にお願いをしている。大規模接種会場は委託業者を通じた派遣、看護師協会への協力依頼も考えている。

コロナ対策の不十分さ明らかに

 次に、成人式がオンライン配信となった今年の新成人に再会の機会を保障する事業について質問。1 万3000 人を対象に「埼玉スタジアム2 ○○ 2」で予定されています。とば市議は「大勢が集まるとりくみは慎重にすべき。開催可否の判断基準を示すべきではないか」と質しましたが、市は「感染状況や国の施策を注視し判断する」との答弁でした。

 

 また、感染症対策として無料低額宿泊所の個室化工事へ補助する事業について、とば市議は「感染者が自宅療養になった場合、これで十分か」と質問。市は「施設長が責任を持って対応する。感染者が出た施設にはゴーグル、手袋等を配布し、消毒費用も補助する」と答弁しました。

 続いて、保育所・学童保育等の児童福祉施設の消毒液やマスクの購入、事業所等の消毒などの経費への補助事業について、とば市議は「現場が求めているのは人手。市として人手を確保する必要性を検討したか」と質問。市は「国の交付金は人件費にも使える」として、各施設で人手を確保し人件費を計上するよう示しました。

 また、市庁舎移転にかかる約1000 万円の予算の内訳は、基本構想の策定や調査業務、ワークショップの運営等であることが明らかになりました。

核禁条約の批准求めよ 発効後はじめての請願

請願提出に同席するとばめぐみ市議(右から4人目)

 6 月1 日、さいたま南平和委員会ほか52団体から「日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める意見書の提出を求める請願」が市議会に提出されました。核兵器禁止条約は今年1 月22 日に発効され、現在54 カ国が批准していますが、日本はいまだに批准していません。世界には今なお1 万3400 発もの核兵器が貯蔵、配備され、人類全体の生存と文明の存続が脅かされています。

 請願は、「核廃絶は人類の悲願であり、日本政府は唯一の被爆国の政府として、率先して核兵器禁止条約に参加して行動する責任がある」として、市議会が日本政府に批准を求める意見書を提出するよう求めています。

 同席したとばめぐみ市議は「前回市民から出された同趣旨の請願は、条約発効前だったが、今回は条約発行後にはじめて出される請願。市議会として日本政府に批准を求めるのは市民に対する責任だ」と述べています。

生活保護費の不正支出問題 市が調査結果を公表

 桜区役所の生活保護担当の職員(査察指導員)による生活保護費(生業扶助費)の不正支出について、原因究明のための特別監査がおこなわれ、4 月30 日の保健福祉委員会にて監査結果が報告がされました。神田よしゆき市議が報告を受けました。

 特別監査を通じて、不正を行った職員は、不正ログインにより担当ケースワーカーになりすまして書類を作成、査察指導員の立場を利用し、課長の決済をすり抜けて直接経理担当から支出させていたことが明らかになりました。支出回数は17 回、支出総額は1271 万円におよびます。

 特別監査では、①桜区役所が世帯収入の適切な把握ができていない②生活保護台帳が整備されていない③組織的な点検や厳格な審査決定が徹底されていない、なども指摘されました。一方で、不正支出に至る原因や、不正をおこなった職員と被保護世帯の関係などについては、事実関係を確定するには至っていないとしています。この事件についてはすでに警察の捜査がおこなわれ、市として当該職員を処分(懲戒免職)しました。

 神田市議は「市は今後、『第三者委員会』を立ち上げ、事件の調査・検証および再発防止策の検討をおこなうことにしているが、もう二度と起きないよう徹底すべき。あわせて無用な生活保護バッシングが起きないよう、注意を払ってほしい」と話しました。

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