6月議会*地下鉄 7号線延伸見直せ 身近な交通政策の充実求める
埼玉県とさいたま市は地下鉄7 号線を浦和美園駅から岩槻駅(東武線)まで延伸する計画を進めています。公共交通機関の充実は生活の便利さにつながりますが、計画が長期間進んでいません。その理由のいちばんは市民負担が巨額なことにあります。
6 月議会の代表質問で松村としお市議がこの問題を取り上げました。市が試算した建設費870 億円に地質調査や設計費、埋蔵文化財調査費などが含まれていないこと、地下鉄乗客を増やすための「成長・発展プラン」にこれまで約700 億円、今後300 億円見込んでいることが明らかになりました。さらに延伸区間の「中間駅」関連費用はいまだ不明です。
松村市議は市民負担の認識を質問。副市長は「非常にお金がかかる」「巨額のプロジェクト」と答弁し、市民負担が大きくなることを事実上認めました。さらに開通時期も質しましたが答えられませんでした。
松村市議は地下鉄延伸計画を見直し、コミュニティバスなど身近な公共交通を全市的に充実させることを提案。副市長は「延伸は意義がある」「鉄道とバスは違う」と拒否しました。
清水市長はこれまでも「将来は人口が減少し市の財政が厳しくなる」と繰り返し強調し、「持続可能な制度にするため」と高齢者や障がい者の支援制度を切り捨ててきました。その一方で「将来をみすえて積極的にとりくむ」と地下鉄7 号線延伸や大宮駅グランドセントラルステーション化構想、市役所移転と跡地開発構想など大型開発を推進しています。
大型公共事業による巨額の負担を見通しも示さず市民に押し付け、福祉や教育を削減・抑制する市政の基本姿勢から見直すことが必要です。