議会報告

予算委員会*まちづくり 新都心長距離バスターミナル 赤字見込みの予算に道理なし

予算委員会でまちづくり関連の質疑をおこなうとりうみ敏行市議

 3 月8 日、2 月議会予算委員会(まちづくり委員会関連)でとりうみ敏行市議が質問にたち、さいたま新都心に暫定整備された長距離バスターミナルについてとりあげました。

 長距離バスターミナルは、東京オリンピック・パラリンピックでの供用をめざし、約63 億円あまりの事業費が使われ昨年6 月から開始されました。とりうみ市議が収支について質したところ、市は「歳出予算約6543万円に対し、収入は約2200 万円で4400万円の赤字。新年度予算でも4900 万円の赤字を見込んでいる」と答弁しました。

 とりうみ市議は「暫定整備といって市民の税金を63 億円もつぎ込んでおきながら、コロナ禍とはいえ、新年度から赤字予算とすることに道理はない」と強く批判しました。

市庁舎の移転先にもバスターミナル?

 続いてとりうみ市議は、さいたま市合併以来、懸案となっていた新庁舎建設予定地が、さいたま新都心バスターミナル用地に決まったことから、「バスターミナルの本格整備は進めるのか。すでに暫定整備した現在地はどうなるのか」と質しました。市は「本庁舎との複合機能の継続を基本としながら、国から要望されている『バスタ大宮』を見据えて、バスターミナルの役割分担の検討を進める」として、あらたなバスターミナル建設を示唆しました。

 とりうみ市議は「市庁舎移転で多額の費用がかかるうえに、バスターミナルをもうひとつ作るなど、これ以上の無駄使いは止めるべき」と主張しました。

予算委員会*保健福祉 保育の公的責任を果たせ 公立保育所を民間譲渡・統廃合するな

予算委員会で保健福祉委員会関連について質疑をおこなうたけこし連市議

 3 月5 日、予算委員会(保健福祉委員会関連)でたけこし連市議が質問にたち、待機児童対策について質疑をおこないました。

たけこし 今年4 月入所の認可保育所一次募集は、昨年度と比べて承諾者数が1116人プラスだが、依然として2000 人を超える不承諾を出す結果となった。市の評価と改善点は。

市 不承諾者数が減ったのは3500 人程度の受け入れ枠を拡大した効果だが、2000人を超える不承諾者については重く受け止めている。今後必要なエリアに保育施設等が整備できるよう努める。

たけこし 本市が誕生して以降、建設された公立保育所とそれ以外の保育施設の数は。

 

 公立保育所はゼロ。私立認可保育所、認定こども園、小規模保育事業、事業所内保育事業を合わせて305 施設。

 

たけこし 保育所確保を民間に頼りきっているのが今のさいたま市だが、それでは保育ニーズを満たせていない現状がある。保護者の希望は第一希望の認可保育所に入ることだ。私たちは保育所が足りない地域では積極的に公立保育所をつくるべきと主張してきた。

 しかし市は、新年度からはじまる「公共施設マネジメント計画第2 次アクションプラン」ですべての公立保育所を対象に3 年連続で入所児が減ったところを民間譲渡や統廃合しようとしている。需要が減少している地域は、当然民間も手を挙げないと思われるが、とばめぐみ市議の代表質問に市は「利用者が減少しても保育需要はなくならないので民間は参入する」と根拠のない答弁をした。さらに「民間が手を挙げなかった場合、公立保育所は守られるのか」とただすと「仮定の話は答弁を控える」と。なぜ「公立保育所を守る」と言えないのか。行政の責任を放棄していると言わざるをえない。

 市の考える保育の公的責任とはなにか。

 保育を持続的に継続的に実施していくことが行政として責任を負うことと考えている。

たけこし 果たせていないではないか。さいたま市が主体となって保育所を確保する、ここについても責任を果たしていくべきだと強く求める。

予算員会*市民生活 DV相談に「共通シート」の活用が実現

予算委員会で市民生活委員会関連の質疑をおこなう久保みき市議

 3 月4 日、予算委員会(市民生活委員会関連)で久保みき市議が質問にたち、ドメスティックバイオレンス(DV)相談事業についてとりあげました。

 DV 被害者が加害者のもとから避難し、新生活を送るためには各種手続きや支援が必要です。しかし被害者は、手続きの窓口が変わるたびに苦しい経験を話さなければなりません。久保市議は「被害者が何度も辛い経験を話さなくてすむよう『相談共通シート』の作成を求める」と質し、市は「新年度から『相談共通シート』を活用する」と答弁しました。久保市議はさらに「今後は、ワンストップで支援を届ける体制作りを」と求めました。

 犯罪被害者支援について久保市議は、相談員を正規職員で配置するよう求め、担当課も「正規職員の配置を人事課に求めている」と答弁しました。また「犯罪被害者だから」という理由で就労の内定を取り消された市民がいることから、犯罪被害者への偏見や差別をなくし、2 次被害を起こさないよう具体的な就労支援施策をつくることを求めました。

 続いて本市の環境対策として、プラスチックごみを出さない、燃やさないためのとりくみに力を入れるよう求めました。飲食店を対象に繰り返し使える食器の無料貸し出しや、プラスチック容器からエコ容器へ変更するための補助金制度など先進市の事例を紹介し、本市でも導入するよう提案しました。

 また、金子あきよ子市議が、南消防署について「広い用地の取得をめざして計画を進めていくべき」として対応を求めました。

2月議会*補正予算 小規模企業者・個人事業主支援金 再度の給付が実現へ

予算委員会で質疑をおこなうたけこし連市議

 3 月3 日、売上げが減少している市内小規模企業者等への緊急経済支援として、追加の補正予算が先議で出されました。昨年夏に実施した支援金の第2 弾です。民商や埼玉土建のみなさんが再度の支給を市に求め、党市議団も市へ要望を続けてきたことが実現しました。約20 億円の予算規模で、3 月下旬~申請受付、支給の予定です。

 

高齢者施設職員の積極的検査を

 2 月24 日の予算委員会では、松村としお、たけこし連の両市議が補正予算について質疑をおこないました。高齢者施設のPCR 検査の実施状況は、市内4 施設305 人の施設従事者(2/22 現在)と、15 人の新規入所者(1月末現在)が受検し、陽性者はいなかったことが明らかになりました。また、質疑のなかで3 施設で自己負担が発生したことが判明。松村市議は県が施設数で6 割、1 万2000人以上に無料の検査を実施したことを示し、無料で複数回受けられる積極的な検査に見直すことを市に求めました。

 

 

高齢者ワクチン接種券送付は3 月下旬頃

 また、新型コロナウイルスワクチン接種にともなう経費として約2 億6000 万円が計上されました。3 月上旬にコールセンターを開設し、下旬に高齢者への接種券等を送付、その後、接種がはじまる予定です(高齢者以外は4 月以降に送付予定)。たけこし連市議は、本市に住民票を移しておらず接種券が届かない学生などへの対応について質問。接種券を郵送で取り寄せて申請すれば、市内で接種できることが明らかになりました。

2 月議会*議案請願討論 国保税と介護保険料の引き上げは許されない

本会議で議案・請願に対する討論をおこなう金子あきよ市議

 3 月3 日、2 月議会臨時本会議で一部議案・請願の審議がおこなわれ、金子あきよ市議が討論に立ちました。

 国保税を5 年連続引上げる条例について、金子市議は「さいたま市民1 人あたりの保険税必要額は約16 万円、前年度比6.3% の大幅増。加えて、国保への一般会計の繰入れをなくす計画でさらに大きな増税だ。市民の国保税負担は既に限界を超えており、全国知事会が要求しているように、公費1 兆円の投入で立て直しを図る以外に解決方法はない。新型コロナウイルス感染症の拡大で市民の命とくらしは大変厳しい状況であり、増税は許されない」と反対しました。

 また第8 期介護保険事業計画等に基づいて介護保険料を引上げる条例について、「介護保険料は、3 年ごとの制度見直しのたびに引き上げられてきた。一方、介護保険会計の負担軽減のためとして給付削減がこの20 年間、押しつけられている。介護保険制度を守るためにも、市は、保険料の引き上げを許さない立場で、国に対して保険給付や保険料の在り方を抜本的に変えるように求めるべき」と述べ、反対しました。

 この他、委員会での審議を踏まえて、「令和2 年度一般会計補正予算第20 号」の専決処分については、PCR 検査の対象をさらに広げ、無料で繰り返しの検査をおこなえるようさらに改善することを求め賛成、Park-PFI の業者選定に関わる選定委員会条例議案、民家が存在する区画整理地内の新設道路を市道路線として認定する議案に反対し、「学校給食費を減額・免除するよう求める請願」について採択を求めました。

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