議会報告

9月議会*決算(市民生活) 「地球温暖化対策」も「男女共同参画」もどちらも本気でとりくめ

決算特別委員会で市民生活委員会関連の質疑をおこなうとばめぐみ市議

 9 月30 日、久保みき、とばめぐみの両市議が決算特別委員会(市民生活委員会関連)において質疑しました。

 2030 年までにCO2 排出量を半減するために世界的なとりくみが進むなか、わが国のCO2 削減目標は42%と大変低く、本市の目標はさらに低い35%です。再生可能エネルギーの導入容量が増加し、次世代自動車が普及してもCO2 排出量は横ばい。部分的な対策ではなく、脱炭素や環境優先の政策に思い切って転換する必要があります。

 

 とば市議は「大型開発を見直し、森林、水田を守り活かし、路線バスやコミバスの充実、自転車が走りやすいまちづくり、産業廃棄物やごみ処理に至るまで、あらゆる分野でCO2 削減にとりくまなければ間に合わない」と強調しました。

 また本市は「第4 次さいたま市男女共同参画のまちづくりプラン」で「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」を重点事項としながら、自ら掲げた目標にはほど遠い実態です。とくに市の防災会議に女性が1 割しかおらず、全国・県内平均をも下回ります。

 とば市議は「『防災対策に女性の知恵は不可欠』とする国連婦人の地位委員会の決議にも逆行する」ときびしく指摘。「内閣府の『市区町村女性参画状況見える化マップ』が示す首長・副首長、議会、公務員管理職、審議会、自治会、防災会議の6 分野で、女性の参画を進めるために各所管に働きかけ、ふさわしい活動を積極的に進めることができる部署として、男女共同参画推進センターを位置づけるべき」と述べました。

 また久保市議は、DV 防止事業について質問しました。

9月議会*決算(文教) 男性教職員の育休取得率1.7% はあまりにも低い

決算特別委員会で文教関連の質疑をおこなう金子あきよ市議

 9 月28 日、たけこし連、金子あきよの両市議が決算特別委員会(文教委員会関連)において質疑しました。

 たけこし市議は、2020 年度の男性教職員の育児休業取得率が1.7%と、一般行政職の36.9%に比して異常に低いことをとりあげました。

 

たけこし 育児休業を取得した男性教職員の人数は。

教職員人事課長 育休取得対象となった男性教職員117 人中、取得したのは2 人。

 

たけこし あまりにも低すぎる。今後の取り組みと目標は。

 

教職員人事課長 今年度、育休を取得する男性教職員は12 人と増えている状況。迅速な代理の配置に努めるなどして、安心して育休を取得できる環境づくりに努めたい。教職員の目標は定めていないが、男性市職員は取得率23%の目標を掲げている。

 金子市議は小中学校でおこなわれている英語の外部業者テストについて質しました。

金子 費用負担はどうなっているのか。

 

指導2 課長 中学2 年に実施するGTECの2020 度決算額は5229 万8426 円、それ以外の英検IBA と英検トライアルについての費用はかかっていない。

金子 業者にとってのメリットがあるから、無償あるいはこれほど安い費用で実施できるのではないか。党市議団として指摘した個人情報の取り扱いはどうなっているか。

指導2 課長 個人情報の機密保持と目的外使用の禁止について遵守するようにしっかりと話をしている。任意の部分は通知も出して保護者、生徒に知らせるようにしている。

9月議会*決算(総合政策②) 市職員の補充は適切に 兼務でのコロナ対応は限界

決算特別委員会で総合政策②関連の質疑をおこなう久保みき市議

 9 月27 日、久保みき市議が決算特別委員会(総合政策委員会関連2 日目)において、市職員の働き方について質疑しました。

久保  職員の長期病欠がある場合、どういう基準で職員の補充をするのか。

 所管課と相談して補充している。

 

久保 長期病欠者がいる部署で、職員の補充をしなかった割合は。

 だいたい1割程度の所属において配置が措置されていない状況があった。

久保 決算資料によると長期病休の疾病は、圧倒的に精神行動の障害が多い。しかも年々増えている。立て続けに精神疾患の方が出ている課はあるか。

 

 複数人の精神疾患、病欠が出ている所属は多くはないが、ある。

久保 その原因は把握しているか。また、対応はどのようにされたか。

 職員がメンタル不調を引き起こす原因は、当然、職場環境があるし、家庭環境、職員の既往症などさまざま考えられる。長期病休者が出た部署に対しては、必ず聞き取りをして、病休に至った原因や直近の職務内容などを確認している。

 職員の長期病欠で補充がされず、残った職員の業務が過重になる問題が起きており、久保市議は職員を適切に補充するよう求めました。

 

 また、昨年度はコロナ禍で50 人の職員が保健所などに応援動員されました。そのため本来の職場が手薄になりました。久保市議は「兼務で応援動員という行き当たりばったりのやり方では、今後は乗り切れない。職員を増やしていくことを本気で考えていく必要がある」と述べました。

9月議会*決算(総合政策①) 2020年度決算は 77 億円の黒字

決算特別委員会で総合政策①関連の質疑をおこなうたけこし連市議

 9 月24 日、たけこし連市議が決算特別委員会(総合政策委員会関連1 日目)において、市民のくらしの現状について質疑しました。

たけこし 10 年前との比較で、40 代夫婦と子ども2 人世帯の平均給与所得と税負担、および65 歳以上の平均所得と税負担はどう変化したのか。

市 2020 年度の平均給与所得は約375万9000 円、税負担は約41 万8000円。10 年前と比較すると所得は約15万6000 円増、税負担は約16 万7000円増となっている。

 また、2020 年度の65 歳以上の平均所得は約111 万4000円、税負担は約8 万5000 円。10 年前と比較すると所得は約27 万3000 円の減少、税負担は約3 万4000 円の減少となっている。

たけこし 2020 年度平均給与所得は、新型コロナの影響はないと考えていいか。

市 2020 年の平均所得は2019 年の所得をもとに計算されているため、新型コロナの影響は受けていない。

 

たけこし 2020 年の新型コロナウイルス対策費1634 億円のうち、市独自の財源は13 億円で全体の0.8% にとどまっている。130 万都市として適切だったのか。

市 1634 億円のうち、いちばん大きいものが特別定額給付金(1 人10 万円給付)の事業費1329 億円。残り300 億円のうち地方創生臨時交付金の70 億円を活用して、市の単独事業を展開した。

 さいたま市の2020 年度決算は77 億円の黒字(過去5 番目の黒字額)でした。たけこし市議は「コロナ禍での黒字は、税金を十分に市民のために使わなかった、という見方もできる」として、これまで党市議団が要望してきた検査の拡大や病床の確保など、市のとりくみをいっそう強く求めました。

9月議会*補正予算 再開発ビルの支援で276億円の支出はみとめられない

予算委員会で討論をおこなう神田よしゆき市議

 9 月議会の予算委員会が9 月21、22 日に開かれ、補正予算に関する審議が行われました。党市議団から神田よしゆき、金子あきよの両市議が出席しました。

 審議によって明らかになった問題点を踏まえて、神田市議は、補正予算案105 号について反対の立場から討論をおこないました。はじめに、「本補正予算に含まれる市民会館おおみや新施設整備のための予算増額は、再開発ビルの事業費増によるものである。質疑では保留床(*)の取得価格が㎡単価で210 万円にもなることが分かった。床取得だけで276 億円もの税金が費やされることになる」として、再開発ビルの計画を支援するための強引な移転であり、税金の投入を続けることは認められない、と主張しました。

 次に、「福祉タクシー利用料金助成事業について、助成対象に加えられる重複した障がいを有する障がい者はわずか150 人。当事者から強く要望されている下肢体幹機能障害4 級への対象拡大、所得制限の撤廃については現行のまま。改善は極めて不十分」と指摘しました。

 

 最後に、「新型コロナ感染症患者入院病床等事業は、現行のベッド確保にすぎない。金子市議が、質疑のなかで市独自にベッドを増やすべきと求めたが、市は、国、県との調整を図るとするのみでベッドを増やす意思がない。自宅療養者の急増により医療を受けられない市民が今なお多数に及ぶなかで、市の姿勢は大問題であり、しっかりと医療体制確保を図るべき」として反対しましたが、他会派の賛成多数で、補正予算105 号は採択されました。

*保留床…市街地再開発事業で新設した施設のうち、地権者が取得する権利のある床以外の部分のこと。市は事業者から保留床を購入、その代金が事業資金に当てられる。

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