議会報告

9月議会*決算 総合政策関連① 市民の暮らしは改善していない

納税者の平均給与は10 年前より14 万円減

 9 月28 日、9 月議会の決算特別委員会で、とりうみ敏行市議が総合政策委員会関連について質疑をおこないました。

 

 とりうみ市議は市民のくらしの現状について質し、2017 年度の納税義務者1 人当たりの平均給与額が約369 万7000 円で、10年前より14 万円減、65 歳以上の年金に係る平均所得も5 年前より18 万円も減っていることが市の答弁で明らかになりました。一方で、法人市民税の金額は度重なる法人税の減税によって、2011 年以来、合計で182億円の減税となっていることも明らかになりました。

 

 以上をふまえ、とりうみ市議は「市民の暮らしは依然として苦しい状況にあり、改善が図られていない」と質すと、市は「景気回復基調にあるとはいえ、市民の生活には反映されていないと感じる」と答弁しました。

 

 また、とりうみ市議は土木債など開発関係の市債が年々増え続けており、それにともなって市債残高が4552 億円に上ることから、審査意見書でも「後年度への負担の先送りである」と指摘されていることを厳しく質しました。

 

 その他、市税滞納者に対する債権回収課職員の「暴言問題」を改めて取り上げ、重大な人権侵害問題であると指摘。党市議団としても警告を続けてきたが、解決されていないことから、庁内だけの調査にとどまらず「外部調査機関」を設置することを求めました。今年1 月に党市議団が視察した滋賀県野洲市は、市民のくらしと人権を尊重し、滞納者のくらしの再建を第一に考えることで、新たな納税意欲を再構築するという目的で債権回収業務をおこなっています。本市も自治体本来の役割を果たすよう、党市議団として今後も厳しい監視と対応する決意を述べました。

9月議会*予算 「住民福祉の増進」自治体の役割果たせ 心身障害者医療費支援カットやめろ

予算委員会で補正予算案の反対討論をおこなう松村としお市議

 9 月25 日に9 月議会の予算委員会が開かれ、補正予算の討論と採決がおこなわれました。

 

 討論にたった松村としお市議は、今度の補正予算に「心身障害者医療費支給事業に所得制限導入のためのシステム改修が含まれている。所得制限の影響を受ける障害者は700 人、毎年新規で約50 人が制度から外される。この制度は障害者が命や健康を維持し、障害を悪化させないために、安心して医療が受けられるようにするためのもの。2015 年の年齢制限と今回の所得制限で5 億円近い負担を障害者に負わせることになる。障害者権利条約、ノーマライゼーション条例に反する行為だ。障害者団体も市に所得制限をしないよう要望書を提出している」と述べ、同制度の「所得制限導入をやめるべき」とうったえました。 

 

 さらに、本庁舎移転の調査業務に2700万円使う補正予算もふくまれています。松村市議は「現庁舎は耐震化工事もすすめられ、庁舎移転の必要性がない。不要・不急かつ数百億円の費用が見込まれる庁舎移転の検討に税金を使うのはムダ」と厳しく指摘。

 さらに、「巨額の公共事業を次々と計画する一方で、障害者施策をはじめさまざまな福祉制度を次々削減している。住民福祉の増進という地方自治体の本来の役割から大きく逸脱している。

 このままでは将来世代へ借金を負わせながら福祉・教育制度はボロボロというのがさいたま市の未来の姿になってしまう。本来の地方自治体の役割を果たす行政に転換することを強く求める」と主張しました。

 

 採決では党市議団などが補正予算に反対しましたが、賛成多数で可決されました。

9月議会*保健福祉委員会 生活保護費の連続的削減でくらしは限界

 9月19日、戸島よし子市議は、安倍政権になって2 度目の生活保護基準額が引下げられる問題を取り上げました。

 

戸島 2013 年から3 年間の削減の内容は。

 

 生活費、期末一時、冬期加算、住宅、各扶助費が削減された。

 

戸島 3 年間の削減影響額は。住宅の移転を余儀なくされた世帯数は。

 

 市全体としては、3 年間で2 億7000 万円の減額。996 世帯が基準額内に転居。

 

戸島 今年10 月からの削減は。

 

 生活扶助、母子加算、児童養育加算の削減など。

 

戸島 2 回連続削減による各世帯での影響は。

 

 生活扶助、住宅扶助、冬期加算、期末一時扶助などの合算額は、世帯別では、①40代夫婦:子2人4人世帯で2万9962円。② 40 代: 子2 人母子世帯で2 万5944 円。③ 75 才単身で、7806 円、各減額となる。

 

戸島 利用者にとっては大きな痛手だ。子どもの貧困の連鎖の解消にも逆行する。住民税の非課税基準や保育料など47 の制度で影響が出る。

 

 影響が出ないように所管に通知を配布していく。

9月議会*保健福祉委員会 生活困窮者に寄りそった支援を

保健福祉員会で議案外質問をおこなう久保みき市議

 9月19日、保健福祉委員会の議案外質問で、久保みき市議は無料低額宿泊所について質しました。

 

 市内には法に基づく届け出無料低額宿泊所が18 施設あります。久保市議は、南区の福祉事務所の相談室に、大規模管理型の2 施設の面接記録表が置いてある実態を告発し、市からのあっせんと受け取られかねないと厳しく追及しました。市は「速やかに撤去するよう指導した」と答弁しました。

 

 また、有資格者の巡回等きめ細やかな支援をおこなう小規模施設にとって、市のガイドライン(開設前に地域住民の合意を得たことが分かる書類の提出など)が厳しすぎる問題について、市は「横浜市や川崎市では近隣住民等と協定等を締結するという条項もある。本市が特段厳しいわけではない」と答弁しました。久保市議は厳しすぎる規定によって、民間団体の支援活動に支障が出ないよう、国や県と同等の規定にすべきだと主張しました。

 

 また、無料低額宿泊所は一時的な生活の場であり、安定した居宅生活へ移行できるようていねいな転居支援を求めました。

9月議会*文教委員会 国の制度も活用して体育館にエアコン設置を

 9月18日、文教委員会の議案外質問で、もりや千津子市議は学校へのエアコン設置について質しました。

 

もりや 特別教室へのエアコン設置をどう進めるのか。

 

市教委 普通教室のエアコン設備更新といっしょに、未設置の特別教室も設置に向けて検討する。

 

もりや 猛暑によって体育館で授業や部活ができない状況が起きている。体育館は住民の避難場所。エアコン設置は喫緊の課題と考えるが、見解を。

 

市教委 やはり普通教室と未設置の特別教室への設置を優先に考える。

 

もりや 避難した体育館で熱中症になっては元も子もない。体育館は緊急避難所に指定されているため、国の防災・減災の補助制度を活用できる。市は3 分の1の負担で設置できる。本市で20 億円あれば、全体育館に設置できる。

 

 もりや市議は、2020 年までの国の制度を活用して、早急に体育館にエアコンを設置することを強く求めました。また、もりや市議は「9 条俳句」問題で、さいたま弁護士会が市に「人権救済を求める」勧告をおこなったことについても質問しました。

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