議会報告

金子あきよ

2022年6月議会*議案外質問(文教委員会)同一労働・同一賃金の原則を守れ

 6月13日、金子あきよ市議は、教職員の定年延長と再任用制度について質しました。

 国家公務員法と地方公務員法が改正され、来年4月から段階的に65歳まで公務員の定年が延長されることになりました。段階的に定年が引き上げられる期間は、現在の再任用制度が暫定的に残されます。再任用職員の待遇は、小学校に勤務する教諭の場合、職務の級が2級となって、給料月額は27万1100円となります。通勤手当と期末勤勉手当は支給されますが、扶養手当や住居手当については支給されません。一方で定年延長の場合は、60歳前と同一の職務の級で引き続き勤務するため、再任用職員より級が高くなり、扶養手当や住居手当など諸手当も出される見込みです。

 金子市議は「同じ職場のなかに、定年延長した人と再任用職員、それぞれ待遇の違う職員が存在することになってしまうのは、同一労働・同一賃金の原則から見て矛盾ではないか」と指摘しました。これに対して市教育委員会は「そのような格差は、今の制度のままだと出てくる可能性はある」と認めました。金子市議は「再任用職員の方からは『常時雇用で働いていて、担任や分掌も同じように持っている。違うのは給料が下がることだけだ』との声が寄せられている。働く人の立場を十分に考えた上での制度設計を」と求めました。

2022年6月議会*一般質問 沼影市民プールを守れ

一般質問にたつ金子市議

 6月7日、金子あきよ市議が一般質問にたち、沼影市民プールの存続について質しました。

金子 「沼影市民プールの存続を求める会」が取り組んでいる署名に応じた多くの市民は「プールが廃止されるなんて知らなかった」「学校は必要だけど、どうしてそのためにプールをつぶすのか」と言っている。昨年8月に近隣住民に対する説明会を2回実施して以降、利用者や住民に対してなんらかの説明をしたのか。

都市局長 説明会は開催していない。レジャープールに関して現地調査、インターネットを活用したアンケート調査を今後実施する。

金子 市民への説明はまともに行われていない。市長はビデオメッセージで「(レジャープールは)維持管理費がかかる、利用者が減少している」と言及し、そのなかで「あり方検討」が行われていることから、市民は検討の結果、廃止されてしまうのではないか、と大変心配している。沼影市民プールの存続のためにも、義務教育学校の計画は撤回すべき。

市長 市民のみなさまにご理解をいただきながら進めていく。

 市長の答弁は8000筆以上の署名に込められた市民の思いに背を向けるものでした。続いて金子市議は1月に策定された公立保育所半減計画、「公立保育所のあり方に関する基本方針」は撤回するべきだ、と市に迫りました。

金子 「基本方針」は61園ある公立保育所を半減させるもの。しかも南区の公立園が3園も「先行廃止」の対象としてあげられている。3園の定員は合計で355人だが、「受け皿」とされている私立認可保育所整備の見通しはあるのか。

子ども未来局長 少子化が進んでおり、保育需要の見通しの明確な推計は難しい。地域の需要に応じて的確な配置を進める。

金子 南区の新設園は園庭がないか、あっても本当にせまい。散歩は近隣の公園に苦労しながら連れて行くなど、保育士のみなさんは大変な努力をされている。これ以上、私立認可保育所に負担を押しつけるのをやめ、公的保育の充実こそはかるべき。

子ども未来局長 保育士の人材確保に係る処遇改善を進めつつ、適正な保育士の配置に努めていく。

 金子市議は、「公立、私立ともに保育士の働きやすい環境を整えるために保育士の増員を図り、国の保育基準の上乗せをすることこそ必要」として「基本方針」の撤回を重ねて求めました。

 金子市議はほかに「障がい者ショートステイ」「物価高騰の中での子育て・福祉支援策」についても取り上げました。

6月議会がはじまります

 6月1日から6月24日まで、6月議会が開会されます。6月6日~8日に一般質問がおこなわれ、党市議団から金子あきよ、とばめぐみの両市議が質問にたちます。質問予定項目は以下のとおりです。質問日時が決まり次第、党市議団のホームページでお知らせしますので、ぜひ傍聴にお越しください。

金子 あきよ市議

1 沼影市民プールの存続を求める

2 公立保育所半減計画の撤回を求める

3 障がい者の「緊急一時入所」について

4 物価高騰のなかでの子育て、

  福祉への支援について

 

とば めぐみ市議

1 区役所支援課の体制と機能について

2 「食肉卸売市場・と畜場」および「地域経済活性化拠点」について

3 非核三原則について

 

2件の請願の紹介議員に

  • 保健所の機能充実等を求める請願

(さいたま市社保協)

  • 酷暑から市民の命を守る

 対策の拡充を求める請願

(生活と健康を守る会・さいたま市協議会)

5件の意見書(案)を提出

 党市議団として、5件の意見書(案)を提出しました。議会運営委員会に諮られ、全会派で一致すれば国に送致されます。

  • 75歳以上の高齢者の医療費窓口2割負担の実施延期を求める意見書(案)
  • 営業とくらしを脅かすインボイス制度の中止を求める意見書(案)
  • 障がい者のグループホームの再編において当事者・関係者の意見を充分に聴くことを求める意見書(案)
  • 食料自給率向上のための施策を直ちに行うことを求める意見書(案)
  • 教員不足解消のため、定数改善など抜本的な改善を求める意見書(案)

リクルート社のスタディサプリ 市内の全小中学校に導入

スタディサプリの導入経路について質問する金子市議

今年度から市内すべての小中学校で、リクルート社が提供するオンライン用学習教材「スタディサプリ」が導入されました。学校の1人1台のタブレット端末や家庭のパソコン、スマホなどでも使うことができるとされ、学校向けサービス価格として年額528円の保護者負担があります。

 

学校の判断で導入?

 

 金子あきよ市議は2月議会文教委員会の議案外質問で、導入の経過についてただし、数あるデジタル教材のなかでリクルート社の「スタディサプリ」がなぜ選ばれたのか、事前に保護者の意見を聞く機会はあったのか明らかにするよう求めました。

 学校教育部長の答弁は、「教育委員会に小中学校用の自治体向けプランというのが案内されてきた。一自治体で5000アカウント(登録数)以上集まれば年間の使用料が500円程度になるプランだったので、10月下旬にその中身を校長会に情報提供した。これは教材なので、学校管理規則において、校長先生が決定するのがルール。学校の方で検討し、すべての小中学校で導入したと把握している。計算ドリルや漢字ドリルと同じ扱いで、導入の判断は学校に一任されている部分であり、保護者の意見をいただくという話ではないと考えている」というものでした。

 あくまで学校が選んで導入した、活用の方法なども学校に任されている、ということですが、各学校で「学校利用向け『スタディサプリ』の採用について」という同じ内容の文書が配布されるなど、教育委員会による関与が明らかにうかがわれます。

 

子どもの個人情報は守られるのか

 

 家庭に配布された文書のなかでは、スタディサプリの教材の特徴として、


動画+ドリルの機能が充実(講義動画数5300本以上、WEBドリル数2万3600問以上)

▶
子どもの理解に応じて個人に合った最適な学習ができる

▶
自主学習や課題配信による宿題など、家庭においても多様な学び方ができる

などとしていますが、とくにオンライン利用について、いくつかの不安や疑問が市民から出されています。

 従来のドリルやワークシートは学年単位で教材を選択し、評価は担任がおこない、学習状況に応じて児童生徒を指導していました。しかし「スタディサプリ」はオンライン上に子どもたちの学習状況が記録され、利用履歴などの個人情報は従来の範囲とは大きく異なり「学校・教育委員会・リクルート社」にまで提供されることになります。

 保護者に対して送付されたリクルート社の書面によると「本取り組みの開始に当たっては、学校等で一斉に会員登録を実施する場合がございますので、以下に記載のスタディサプリ利用規約及び個人情報の取り扱いについてあらかじめご確認いただき、ご同意いただきますようお願いいたします」としています。

プライバシーポリシーでは「当社グループ会社」でも個人情報を利用するとしていますが、リクルート社は教材配信の他に就職活動、人材派遣などの多岐にわたる業種を手掛ける大企業です。さいたま市の子どもたちから提供される個人情報がグループ会社でどのように扱われるかの説明はありません。

 教育委員会や学校は「さいたま市個人情報保護条例に準じた利用なため問題はない」としていますが、こうした重要な内容を保護者各自で調べ、確認し同意するよう促していることは不誠実と言わざる得ません。党市議団は引き続きこの問題を調査していきます。

議会報告動画をご覧ください(金子あきよ市議)

2月議会報告動画をアップしました。

↓こちらから、ぜひご覧ください。

 

日本共産党さいたま市議団 – YouTube

 

*金子あきよ市議「さいたま市の新年度予算 問題点を解説」

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