議会報告

金子あきよ

6月議会報告会開催 市民に寄り添う市政実現を求めて

7月13日、党市議団は6月議会報告会を大宮ソニックシティ(大宮区)で開催し、50名を超える市民が参加しました。

 

はじめに松村としお団長が6月議会全体を振り返り、老人福祉介護施設グリーンヒルうらわの廃止案が可決されたことを報告しました。議員や行政の役割は住民福祉の増進であるはずなのに、日本共産党さいたま市議団をのぞくすべての会派がオール与党の構図で賛成しました。

 

また、ごみ焼却場への家庭ごみの持ち込み手数料の大幅値上げの議案について、「これまで100kgまで無料だったものが10kgまで無料になり、市民負担はこれまで約800万円だったものが約1億1000万円になる」と話すと、会場からため息がもれました。市は値上げの理由を「財政難だから」としていますが、補正予算では、新市庁舎設計のための予算について、事業費を400億円から減らす努力がされていないことが明らかになり、福祉の切り捨てや住民サービスの削減が激しくおこなわれている一方で、豪華なハコモノにはお金をつぎ込む市の姿勢が浮きぼりになったと指摘しました。

 

暮らしの切実な問題をとりあげる  

 

次に、一般質問について報告がありました。とばめぐみ市議から「特別障害者手当について、ケアマネージャーにこの制度を知らせてほしいと提案し、今後は要介護3以上の人に送る紙おむつ利用等の案内資料に、特別障害者手当の説明の掲載を検討する」という答弁を引き出したことを報告しました。

 

住民の暮らしの足の確保については、交通政策を比較すると、交通局も、市営交通も、民間支援もないのは政令市のなかでさいたま市だけであり、民間路線バスに頼っている実態があります。そのため、民間路線バスへの財政的支援を市に求めたところ「交通事業者と定期的に意見交換をおこない、補助金による支援のあり方は、有意性を含めて検討する」という歯切れの悪い答弁でした。とば市議は「市の支援を今後も強く求めていきたい」と話しました。

 

つづいて金子あきよ市議から、「沼影市民プールは4月から解体工事が強行されているが、代替プール計画については市民の要望を聞き、説明し、理解を求めながら進めるべき」と求め、市からは「検討の際には、市民の声を聞く機会を設ける。アイススケート場などの導入機能について検討していく」という前向きな答弁があったことを報告しました。

 

また、支援が必要な人への大災害時の避難については、市の「避難行動要支援者名簿」のとりくみについて確認したほか、墨田区立体育館の視察を受け「墨田区のような民間と連携した福祉避難所の設営」について質問すると、「災害時の迅速な開設を含め福祉避難所を充実していくことは重要。他自治体も参考にしながら検討する」という答弁があったことを明らかにしました。

 

シントシティの児童は2学区に

 

たけこし連市議は、大宮区に建設された大規模マンション「シントシティ」の児童が、大宮南小学校だけでは受け入れきれず、浦和区の上木崎小学校も選択可能にする計画があることを報告。シントシティの建設により、このままだと2029年度には児童推計1688人(56学級)の超大規模校になる大宮南小学校ですが、上木崎小学校を選択可能にすると1265人(44学級)に減り、一方で上木崎小学校は、1337人(44学級)に増える見込みです。たけこし市議は「都市開発を優先させる姿勢と公共施設建設のアンバランスさに問題があり、人口を呼び込むならば、必要な学校などの公共施設をつくるべき」と強調しました。

 

司会をつとめた池田めぐみ市議からも、市は児童生徒の増加を把握しきれず、北浦和小学校(浦和区)でも、特別教室を次々と普通教室に転用している実態が報告されました。

 

会場からの質疑応答では、「大宮小学校の建替時には校庭を残してほしい」「学童保育について市は本気で考えるべき」「市の防災について女性の視点も重視すべきでは」などさまざまな声が出され、各市議が回答しました。一方で「西区の指扇小学校建替工事について公民館と一体化という話があるが、進捗が知りたい」という質問がありましたが、報告会後に確認すると、西区の市議には説明されていたことが分かり、今後、日本共産党の議員がいない行政区の情報についても、市から会派に説明してもらうよう要望することになりました。

 

日本共産党さいたま市議団はこれからも、みなさんの声を聞きながら、市民に寄り添う市政実現のため一丸となってとりくみます。

 

2024年6月議会*本会議討論 グリーンヒルうらわ廃止などの 議案に反対

討論をおこなう金子あきよ市議

6月28日、6月議会最終本会議で、金子あきよ市議が会派を代表して議案と請願に対する討論にたちました。

 

施設老朽化や民間事業者の参入による環境整備を理由に、老人福祉介護施設グリーンヒルうらわ(緑区)を廃止するという議案は、今議会で大きな議論となりました。金子市議は「指定管理料を引き上げて運営し、修繕をおこなうことは、福祉行政としてやるべきことであり、市はできないのではなくやらないだけ、やる気がないだけだ」と批判しました。

 

市立高齢者デイサービスセンターを廃止する条例に対して、「国が介護報酬削減の検討を進めるなか、介護業界の人手不足は深刻で、民間事業者は事業の安定的な運営に苦慮している。市が果たすべき責任はますます大きく、市立施設の廃止はこれに逆行するもの」として反対しました。

 

清掃センターにごみを持ち込む場合の処理手数料が12倍もの値上げとなる「廃棄物の処理及び再生利用に関する条例の改正」議案について「市民負担は約800万円から1億1000万円になり、あまりにも重い。引っ越しや死亡による片付けなど、一時的に多量にごみを処分しなければならない市民の特別な事情を無視しており、認められない」と主張しました。

 

金子市議は「今議会を通して、福祉の削減を進める一方で、市民負担の増加を求め、市民の願う施策·制度の実現には背を向けるさいたま市の冷たい姿勢が明らかになった。党市議団は、市民の福祉増進のために本来の公共の役割を果たすさいたま市政を実現するため、今後も力を尽くす」と表明しました。

2024年6月議会*まちづくり委員会議案外質問 辻水深団地 建て替え時に増戸を

まちづくり委員会で質問をおこなう金子あきよ市議

「市営住宅長寿命化計画」で、南区辻8丁目の辻水深団地の建て替えが予定されています(2028年度開始予定)。辻水深団地は現在13棟342戸ですが、計画では、高層化して6〜7階建ての団地を3〜4棟に集約し、現状と同数の戸数の整備をおこなうと同時に、利活用可能な余剰地(約 1500 m²から 3000 m²程度)を確保する見込みです。余剰地は、民間事業者との連携で民間マンションや福祉施設にあてること、スーパーマーケットなどの商業施設の誘致や、売却して建替事業費の一部に補填することなどが検討されています。金子あきよ市議は、団地住民はもちろん、近隣の住民にも情報を提供しながら進めていくことを求めました。

 

また金子市議は、建て替える際には住戸数についての再検討が不可欠だと指摘。市は「市営住宅の需要は、令和12年までは増加し、その後は減少するもの」と想定しています。しかし、年3回実施している市営住宅の募集に対して応募者が上回る状況や、高齢者世代から需要が増えている状況は市も認識し、単身者用住宅の整備の必要性を認めています。

 

金子市議は「近隣の南浦和団地は 140倍、高砂団地が 116倍と極めて高い応募倍率。こんなに需要があるのに、どうして戸数を増やさないのか」とただしましたが、市は現状の戸数の維持に固執する答弁でした。金子市議は「辻水深団地建て替え時に単身者用住宅を増やすことを検討すべき」と重ねて求めました。

2024年6月議会*一般質問 プールも学校も 今後の計画に市民の声を

一般質問にたつ金子あきよ市議

6月12日、6月議会本会議で金子あきよ市議が一般質問に立ちました。

多くの市民の反対の声にも関わらず、武蔵浦和学園義務教育学校の建設用地として沼影市民プールが廃止されました。金子市議は義務教育学校計画撤回と沼影市民プールの存続を求め続けてきた立場から、今後の計画について質問しました。

 

金子 沼影市民プールの代替プール計画の進捗状況は。南区内での建設、アイススケート場の復活が市民の要望だ。

 

都市局長 代替候補地検討事業の委託業者を決定した。位置やアイススケート場などの導入機能について検討していく。

 

金子 武蔵浦和学園義務教育学校の開校時点の児童生徒数は。

 

副教育長 3082名となる見込み。

 

金子 当初の計画より約600人少ない。とりわけ対応が急がれる小学校1校を建設する計画に変更してはどうか。

 

副教育長 武蔵浦和地域は今後の再開発等の進行状況によって、人口の増加が見込まれるため、引き続き義務教育学校の開校を目指す。

 

金子 計画の再考を強く求める。プールであれ、新設校であれ新たな建設用地が必要。住民団体が求めたロッテ球場と関連施設について、工場立地法の緑地指定を理由に手放す予定はないとの回答を得たと示されたが、1回の回答を理由に取得の努力を放棄するべきではない。繰り返し用地取得に努めることを求める。

 

災害時に障がい者を守れるさいたま市に

 

金子 「避難行動要支援者名簿」の取り組みの実態は。

 

福祉局長 令和5年度の要件に該当する全体用名簿掲載者数6万420人に対し、自治会、民生委員等に対する個人情報提供に同意した方を掲載する「事前提供用名簿」掲載者は2万9096人、掲載率48.2%。

 

金子 災害時の支援をどう求めたらいいのかを明らかにするためにも「個別避難支援プラン」の作成が重要。ケアマネージャーや障がい者生活支援センターの相談員などがプラン作成に携われるしくみが必要ではないか。

 

総務局長 個別避難支援プランは本年5月末時点で948名分が作成されており、作成率は約3.3%。ご指摘の福祉専門職等の参画をはじめとした事例等は効果的なもの。

 

金子 墨田区では区立体育館を福祉避難所として指定、民間企業との提携で福祉避難所開設の迅速化を図るとりくみをしている。一次避難所で過ごすことが困難な障がい者を72時間待たせないとりくみを進めるべき。

 

総務局長 災害時の迅速な開設運営を含め福祉避難所を充実拡大していくことは重要と認識している。他自治体の状況も参考にしながら検討したい。

 

金子 関係部局や区役所の連携が必要。庁内対策会議が有効に機能することを期待する。

 

このほか金子市議は、市が「待機児童3年連続ゼロ」と言いながら、「利用保留児童」が1506人いる事態を指摘、公立保育所廃止計画の撤回を求めました。また見沼ヘルシーランド無料送迎バスが廃止された理由を質し、復活を求めました。

 

座談会 2024年2月議会をふりかえって

3月14日に閉会した2月議会について、党市議団としてふりかえる座談会をおこないました。メンバーは、予算委員をつとめた金子あきよ、とばめぐみの両市議、議案に対する質疑をおこなった松村としお市議、司会はたけこし連市議です。

 

くらし応援の予算求めて「反対」

 

たけこし 2月議会の予算委員会で党市議団が新年度予算案に反対した理由をうかがいます。

 

とば 市長は「選ばれる都市・新時代への進化」と銘打って、過去最大の1兆1816億円という予算を組みましたが、コロナと物価高騰で痛みきった市民の暮らしを支えるものではありませんでした。2都心4副都心開発には152億円もつぎ込む一方で、他市がおこなっている学校給食費の無償化や水道料金の引き下げ、中小企業や農業への直接支援はまったくない。検討すらしない。高齢者や障がい者、医療関係予算は削減や制度廃止の繰り返し。国保税は8年連続値上げ、介護保険料も値上げです。まちづくり関連では、市役所移転と跡地利用、地下鉄7号線延伸と中間駅建設、首都高延伸、大宮駅GCS化構想など大開発のオンパレードですが、一方で公立保育所は半分に減らす、レジャープールも削減、さらに公的介護施設「グリーンヒルうらわ」(緑区)の廃止も示されました。もちろん、予算案には歓迎できる事業も含まれていますが、予算に対する賛否というのはひとつひとつの事業に対して賛否を表明することができず、全体の予算に対して賛成か反対か、という表明の仕方しかできないルールになっています。そのため、全体として予算案には反対しました。

 

松村 くらし応援の予算は235億円ですが、ほとんどが国からのもので、市が出すお金は10億円にも満たない。市独自のくらし応援はしていません。借金が増え続けているのも問題です。建設関係大型公共事業目白押しで大丈夫かと懸念します。市庁舎移転総事業費は400億円に、地下鉄7号線延伸も1300億円に膨れあがり、際限がありません。上限を決めて事業費を抑えるしくみが必要だと提案しましたが、市は受け入れませんでした。その結果がくらしや福祉の予算の削減です。党市議団は予算組み替えも具体的に提案し、予算案のほんの2%を組み替えるだけで、くらし・福祉・防災対策を充実できると示しましたが、とりくもうとしないのが現実です。

 

たけこし 大型公共事業予算には上限を設けていないと財政局長が明言しており、非常に問題だと感じます。

 

市職員の非正規化は問題

 

とば 市の職員の非正規化についてもとりあげました。本市の職員は2万1000人を超えますが、半分以上が非正規です。4116人の会計年度任用職員のうち167人に雇止め通知を出していることが明らかになりました。また、常勤職員の給与改定は今年度4月に遡って支給されるのに、会計年度任用職員は翌年からです。常勤と同じように遡及支給するよう国から再三通知が出され、全自治体の6割が実施しても、本市は実施しません。

 

たけこし 職員の働き方が市民サービスに直接影響することについては、松村市議も代表質問でとりあげましたよね。

 

松村 会計年度任用職員の8割が女性であることから、女性に対する間接差別だという認識はあるかと質しました。これは国の制度なので、日本共産党は国会でも非正規ワーカー待遇改善法を提案し、会計年度任用職員も希望すれば無期雇用に転換できるようにすべきこと、長年勤めてきた会計年度任用職員を新規採用といっしょに公募に応募させるルールを廃止して、公募は新規採用に限定することを求めています。連携したとりくみが必要です。

 

たけこし これは制度そのものが大きな問題ですね。さて、学校の問題では金子市議、いかがでしょうか。

 

市民にあたたかいまちづくりを

 

金子 教室不足が深刻です。市長は「昨年12月に出された人口推計で、本市の人口ピークを10年先延ばしすることができた。とくにゼロ歳から14歳までの子どもの転入超過数が全国1位だ」と自慢していますが、その結果、来年度は10校76教室がプレハブ教室になります。大型マンションができて子どもの数が激増した大宮南小学校は、体育の授業ができず、県立大宮高校の校庭を借りています。浦和別所小学校もプレハブ建設で校庭が使えず、子どもは3日に1回しか校庭で遊べないとNHKでも紹介されました。

 

たけこし まちづくりを進める時には住民第一という視点が必要ですよね。地下鉄7号線延伸についてはどうでしょうか。

 

松村 1300億円かけて18年くらいかかりそうだということが分かりました。これだけのお金をかけるなら、バスやデマンド交通など、市民のみなさんの日常的な移動手段の充実にこそ使うべきだと思いますね。

 

たけこし 上下水道についてはどうでしょうか。

 

とば 水道の基本料金を1カ月無料にするのに必要な予算は9億円です。市は毎年50億円余の黒字を出しながら、減免の検討もしません。なにより問題なのは下水道整備の受益者負担金です。一切徴収していない政令市は6市もあり、徴収していても1㎡200~500円です。本市は810円と高すぎることによって負担金が1000万円を超えた市民が複数存在します。払えなければ延滞金まで課すしくみは改めるべきです。

 

たけこし 予算から、市民に冷たい市政が浮きぼりになりましたね。(次号に続く)

 

ページトップへ