議会報告

質疑・討論

2022年9月議会*本会議討論 国際芸術祭に5億7300万円は認められない

討論をおこなうとりうみ市議

 10月21日、9月議会最終本会議で、議案·請願に対する討論をとりうみ敏行市議がおこないました。

 

 とりうみ市議は、一般会計補正予算のうち「さいたま国際芸術祭2023」について、「予算総額5億7300万円を使うことが示された。党市議団は、過去2回の国際芸術祭は予算の多くが海外中心の大物アーティストに使われ、市民が置き去りにされていることから反対してきた。今回は、市民プロジェクト予算が前回 4146万円から倍増するなど努力は認める。しかしアートプロジェクトに2億円超の予算は多すぎる。市民が主人公の芸術祭の実施を求める」と主張し、議案に反対しました。

 

 さらに、県立教育センター跡地公園(緑区)について、「跡地が防災公園となることは歓迎するが、公園内に設置される企業の収益施設を頼りに公園整備がおこなわれるパークPFI手法のため、どのような規模の収益施設になるのか明らかにされなかった。公園整備のための税金投入が少なくてすむとの説明だが、20年間にわたる業者からの収入が約5300万円に対して市が指定管理者に支払う料金は20年間で約1億3000万円にもなり、明らかに赤字前提である」として反対しました。

 

 また、「カルト規制の議論を国会に求める意見書·請願」について、とりうみ市議は「本市でも統一協会との癒着を指摘されている市議がおり、国において法整備を急ぐことが必要」として採択を主張しました。

2022年9月議会*議案質疑 子どもひとり1万円の給付が実現

議案質疑を行う久保市議

 10月20日、追加議案が提出されました。ひとつは物価高騰緊急支援で、国からの5万円の給付金です。対象は、住民税非課税世帯と、今年度になって家計が急変し、住民税非課税世帯と同様になった家計急変世帯です。11月中旬から申請を受け付け、11月下旬から支給開始の予定です。

 

 さらに、さいたま市独自策で18歳以下の子どもにひとり1万円の給付の議案も出されました。児童手当には所得制限が導入されましたが、今回の給付については所得制限を導入しませんでした。子どもへの1万円の給付は、11月末に児童手当、児童扶養手当受給者に支給、12月からその他の対象者への支給(申請が必要)の予定です。

 

 また中小業者に対する省エネルギー設備の更新補助事業が想定を上回る申請のため増額補正議案が出されました。(申請は10月14日まで)久保みき市議が議案に対する質疑をおこないました。

 

久保 補正前予算は1億7000万円で、今回の補正は5億円。額が非常に大きいが、新たな申請も受けつけるのか。

 新規の申請受け付けを想定していない。

久保 国の提案した支援には、給付金もあった。省エネルギーの更新に手をあげられないような大変苦しい状況の事業者への支援は考えないのか。

 緊急事態宣言など人流抑制があるような時は給付金が有効であるが、今の時点では給付金は有効でないと考える。

 久保市議は「この間、党市議団として物価高騰対策を求めてきて、最終盤で実現した。市民に喜ばれると思うので大変うれしい。1回で十分とは言えないので、これからも求めていく」と話しました。

2022年9月議会*議案質疑 2021年度は73億円もの黒字 新型コロナ対策で検査や医療の拡充を

議案に対する質疑をおこなうとば市議

 9月8日、とばめぐみ市議が、9月議会の議案に対する質疑を行いました。

 

 はじめにとば市議は、昨年度の感染症予防事業負担金の総額と内訳について質問しました。国からの交付金17億7143万円に対し、実績が11億2464万円(うち新型コロナウイルスPCR検査費用6億9000万円、入院医療費等3億6000万円)となっており、市は6億4678万円を国に償還しました。とば市議は「検査や医療をもっと拡充できなかったのか」と質しましたが、市は「必要なものを実践した」と答弁しました。

 

 次に、来年度予定されている「さいたま国際芸術祭2023」について質し、今回の補正予算もあわせ、総額5億7300万円の事業であることが明らかになりました。海外アーティストによるアートプロジェクトと市民参加による市民プロジェクトを合わせて4億8000万円の予定ですが、市民の強い要望があったことから市民プロジェクト関係費を増額し、市民参加の機会を拡充することが示されました。

 

 続いてとば市議は、昨年度の実質収支額73億円の黒字の要因について質問しました。市は市税収入が予算を上回ったことと、臨時特別給付金やワクチン接種事業が見込みを下回ったことを理由としています。

 

 岩槻本町保育園の建替における仮設園舎の入札不調の理由について、「建築資材高騰で応札が予定価格を超過した」との市の答弁に、とば市議は「物価高騰と資材不足は深刻。入札不調を避けるために賃金基準や資材価格想定を見直すことは検討したのか」と再質問。市は「業者の見積もりを参考に仕様を決定したが、今後は入札不調がないよう対応していく」と述べました。

 

 地方公務員の定年は、国家公務員の定年を基準として条例に定めるものとされていることから、国家公務員の定年引上げに連動して本市でも定年引上げ条例が示されました。給与は7割となり、管理監督職は降任前の給与の7割となります。これらの議案について、今後、常任委員会でさらに質疑していきます。

2022年6月議会*本会議討論 新庁舎の移転は市民の理解を得ていない

本会議で討論にたつ神田よしゆき市議

 6月24日、6月議会最終本会議で、神田よしゆき議員が補正予算の反対討論を行いました。

 補正予算には、政策推進事業として新庁舎の基本計画策定の予算が含まれています。討論では、「新市庁舎の移転についての市民の理解は得られていないなかで、市民の意見をうかがうとして52人程度のワークショップ2回、出前講座やシンポジウムを行うだけになっている」と批判。「基本計画の前にイニシャルコストや全体の財政負担がどうなるのかを示す必要がある」と指摘しました。

 また、移転先への説明も行われていないことが明らかになっています。市民への説明が不十分な中で、基本計画をすすめることは許されません。さらに、現庁舎地の利活用の検討に、777万円が計上されていますが、7月からのワークショップ3回で、年内に検討事項を決めることにしています。これでは市民の意見聴取は不十分です。時間をかけて意見聴取するよう求めました。神田市議は「市庁舎移転先にありきで、住民の説明や合意の努力も不十分なまま、基本計画や現庁舎の利活用を強引にすすめるやり方は認められない」と厳しく批判しました。

 

市民の願いが不採択に

 

 党市議団が紹介議員となった「保健所機能の充実求める請願」および「酷暑から市民の命守る対策求める請願」について、神田市議は「コロナ禍で保健所の脆弱さが明らかになった」として、さいたま市の保健所体制の増強と職員の増員を求める願意には妥当性があると主張。また生活保護世帯や低所得世帯で高齢者のみの世帯、障がい者や要介護者のいる世帯、就学前児童のいる世帯にエアコン設置の補助と夏季加算を求める請願は、暑い夏を迎える前に必ず必要な対策であると主張し、採択を求めました。しかし、他会派の反対により不採択となりました。

2022年6月議会*予算委員会 原油価格・物価高騰への対策が打ち出される

予算委員会で質疑を行うとりうみ市議(右)ととば市議(左)

 市議団ニュースNo.963でお知らせしたとおり、6月10日、党市議団が「原油価格・物価高騰に対する保育・障がい者・高齢者施設への運営費補助についての緊急要望」を行いましたが、6月議会終盤に補正予算議案が提出され、コロナ禍における原油価格・物価高騰等への対策が打ち出されました。

 その内容は、「質や量を保った給食の提供が確保されるよう、学校や保育所等に対し、食材の物価高騰分の支援」(約7億2000万円)や「高齢者・障がい者・保育所・幼稚園等に対し、事業継続に向けた支援金の給付」(9億2776万円)などです。あわせて、市内の地域交通事業者に対し運行継続に向けた支援金などの支出(約1億2500万円)も提案されました。いずれも財源は国庫支出金(国のお金)です。

 予算委員会において、とば市議は「社会的養育推進事業(児童養護施設)についても食材費の補助は行われるのか」と質し、「名目は食材費となっていないものの支援金として支払われる」などと確認し、党市議団としてこの議案に賛成しました。

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