政策と活動

要支援者避難計画 先進的なとりくみに学んで

三橋4丁目自治会のみなさんのお話をうかがう久保市議(左から2人目)

 東日本大震災の際、被災地全体の死者数のうち65 歳以上が約6 割を占め、障害者の死亡率は全体死亡率の約2 倍を上回りました。この実態から、災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者名簿を活用した実効性のある避難支援がおこなわれるよう、市町村は自治会などと連携して要支援者1 人ひとりの避難計画を作成することとなりました。しかしハードルは高く、さいたま市では全体の1%しか作成できていません。

 11 月9 日、久保みき市議は三橋4 丁目自治会の避難行動要支援者の災害時の避難計画と支援のとりくみについてお話をうかがいました。自治会長によると「民生委員と協力して要支援者への訪問を重ね、個別プランカードを作成している。自治会独自で2 つの病院およびガソリンスタンドと提携、重度障害者等は特別養護老人ホームに直接避難できるよう提携している」とのことでした。

 久保市議は「1 人でも多くの要支援者の命を守りたいという思いに感動した。先進的なとりくみに学び、全市に広げたい」と話しました。

要求実現! 市立病院旧病棟 発熱外来として活用へ

署名の提出に同席する神田よしゆき、金子あきよの両市議(右から3人目、5人目)

 11 月6 日、清水市長が記者会見で、インフルエンザ流行期と新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備えた市立病院の対応について発表しました。そのなかで、市立病院の旧病棟(西病棟の一部)を発熱外来として11 月20 日頃から活用すること、新型コロナ感染拡大「ピーク期」において、新病院の感染症病床を現在の30 床から40 床に増床(さらに50 床への増床を県と調整中)することを明らかにしました。

 

https://www.city.saitama.jp/006/003/003/010/013/p076555_d/fil/1106boutou.pdf

さいたま市ホームページ「2020年11月6日 市長記者会見 冒頭説明資料」より抜粋

 これまで党市議団がくりかえし求めてきた旧病棟の活用と発熱外来の設置が実現することになりました。

 これに先立ち、10 月26 日、南区の2 つの住民団体、南区住みよい町づくり連絡会と南区西・住みよいまちをつくろう会が「市民を新型コロナウイルス感染から守るための要望署名」の第二次分1049 筆を市に提出(第一次分との合計は3132 筆)し、市立病院旧病棟の活用や検査体制の拡充などを要望しました。懇談には神田よしゆき、金子あきよ
両市議が同席しました。

 

 この懇談でも、市立病院新病棟の感染症専用病床を拡大する対応をとること、PCR 検査は1 日600 件実施できるようになっているが(最大検査能力1日750 件)、学校区に1 つ程度の医療機関で検査ができるレベルに増やし、検査可能な医療機関を公表するよう医師会に協力依頼していることが確認されました。

 金子市議は「インフルエンザとの同時流行などが懸念されるなか、さらなる新型コロナ感染症の対策と、さいたま市の医療・保健体制の拡充を図るため、引き続き市に対する要望を強める」と話しました。

荒川の氾濫対策 国の計画を聴取

国土交通省のヒアリングに出席する(右から)たけこし連、久保みきの両市議

 11 月5 日、衆議院第2 議員会館にて、久保みき市議とたけこし連市議が、荒川第2・第3 調整池整備計画に関する国土交通省からのヒアリングに出席しました。

 荒川第2・第3 調整池は、さいたま市桜区羽根倉橋から上尾市開平橋までの左岸河川敷に計画され、2030 年度の完成予定で、全体の事業費は約1670 億円です。昨年の台風19 号で、現在ある第1 調整池(洪水調整容量は3900 万㎥)に3500 万㎥まで水が入ったことで、第2・第3 調整池の整備(洪水調整容量は約9000 万㎥)に期待の声が寄せられています。

 工事内容は、いまある左岸の高水敷(荒川築堤中の敷地)にあらたな堤防(囲繞堤・いぎょうてい)を整備する手法ですが、ヒアリングでは「囲繞堤の果たす役割はなにか」「川越線など堤防より低い箇所の整備強化が優先ではないか」などの質問や意見が出されました。

 久保市議は「豪雨や台風時の荒川の氾濫をなんとしても抑えるため、今後も関連する自治体と話し合いを進めながら対策を求めていく」と話しました。

支援員の処遇改善と 保護者の負担軽減を両輪で

学童市連協のみなさんと懇談する(右から)松村としお、とばめぐみの両市議

さいたま市学童保育連絡協議会と懇談

 10 月26 日、さいたま市学童保育連絡協議会のみなさんと党市議団が懇談し、松村としお、とばめぐみの両市議が出席しました。

 放課後児童クラブ・学童保育で働く支援員の処遇改善は喫緊の課題です。国は「常勤職員」を配置している学童に対して1 クラブ315 万円の処遇改善費を予算化(負担割合は国3 分の1、県3 分の1、市3 分の1)しています。しかし市が示した予算は1 クラブ平均でたったの35 万円でした(国・県・市あわせて総額7619 万円)。国がつけた予算の10 分の1 しか使っておらず、国の予算の満額活用が求められます。

 また、認可保育所では3 ~ 5 歳児の保育料が無償化となり、第2 子・第3 子の保育料の負担軽減や免除の制度がありますが、学童ではクラブごとに保育料が違い、市としての保育料の負担軽減策は不十分です。さらに保育士や介護士には月3 ~ 7 万円の処遇改善や家賃支援、就職支度金がありますが、学童支援員にはまったく保障されていません。ほかにも「障害児のための巡回支援をおこなう職員が全市で2 名しかおらず、予算もまったく足りていない」など切実な要望が話されました。

 とば市議は、「本市の学童保育は職員配置条例の基準は全国でいちばん高いにもかかわらず、委託金の水準が国基準に届かないという大きな矛盾がある。支援員の処遇改善と保護者の負担軽減を両輪でとりくむよう求めていく」と話しました。

コロナ禍で浮かび上がった課題 1人ひとりの子どもを大切にする市政へ

 10 月18 日に浦和区で「みんなのさいたま市をつくる会」によるコロナ禍でのさいたま市の子育て・教育を考える「子育て・教育シンポジウム」が開かれ、松村としお、とばめぐみ両市議が参加しました。

 基調報告をした白鳥勲さん(彩の国子ども・若者支援ネットワーク代表理事)は、埼玉県のアスポート事業で貧困家庭の子どもの学習支援にとりくんでいます。白鳥さんは学校休校で「給食がなくなって1 日2 食以下の子どもが38% になった」「宿題が多く出されたが、放っておけば学力格差がひらく状態」と孤立した家庭への支援の大切さがあらためて浮き彫りになったことを報告しつつ、「一人ひとりの子どもと対話することと、学校ではなにより少人数学級で一人ひとりを大切にすることが大事だ」と強調しました。

 

 会場からは「自粛期間に子どもが減ったことでゆったりとした保育や保育士の休憩時間の確保、発達に配慮が必要な子どもへていねいな対応ができた」(保育士)、「子どもの気持ちの安定がないと学習に向かえない。行政は10 万人拍手や民間英語試験ではなく、学校をもっとおおらかで楽しいところにする努力を」(教員)、など現場の声が出されました。

 

 参加した松村市議は「保育でも教育でもコロナ禍を通じて抱えている課題が浮き彫りになった。規制緩和や民間任せの新自由主義的な行政から転換するよう議会で求めていく」と話しました。

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