議会報告

2024年6月議会*総合政策委員会議案外質問 市民の安全性を優先した施設修繕を求める

総合政策委員会で質問をおこなう松村としお市議

市は、公共施設を故障する前に一定の時期で修繕をおこなう「予防保全」を今年度から「財政が厳しい」と見直しました。その結果、今年度は29施設、来年度は24施設で予定していた修繕が延期される見通しです。

 

松村としお市議は「延期して大きな不具合が起きた場合の対応はどうするのか」と質問しましたが、財政部長は「緊急修繕等に対応する予算を措置しているので各施設所管が対応してもらえれば」と予算削減を前提に各局まかせの対応を答弁しました。これを受け、松村市議は「学校など子どもたちの命と安全にかかわる施設や市民と最前線で接する区役所などの修繕延期は市民サービスや安全性で問題がある」と指摘し延期の方針の見直しを求めました。市は「まだ開始したばかりなので予定どおり実施したい」と財政面からの判断に固執しました。

 

市は大型公共事業を次々具体化し、財政をつぎ込む前提で「財政が厳しい」と主張します。同時に市民に身近な公共サービスの削減・負担増を求める方針が施設修繕にも表れ、安全性や安定的な市民サービスの提供が後回しにされています。大型公共事業優先の財政をおおもとから見直す必要があります。
松村市議は震災後の復興の考え方についても質問。「復興において女性や性的マイノリティ、また障がい者や子どもなどのニーズをつかむ必要がある」と指摘。市は重要性を認め、「配慮に関する事項を計画やマニュアルに盛り込むなど検討を進めていきたい」と答弁しました。

 

2024年6月議会*一般質問 プールも学校も 今後の計画に市民の声を

一般質問にたつ金子あきよ市議

6月12日、6月議会本会議で金子あきよ市議が一般質問に立ちました。

多くの市民の反対の声にも関わらず、武蔵浦和学園義務教育学校の建設用地として沼影市民プールが廃止されました。金子市議は義務教育学校計画撤回と沼影市民プールの存続を求め続けてきた立場から、今後の計画について質問しました。

 

金子 沼影市民プールの代替プール計画の進捗状況は。南区内での建設、アイススケート場の復活が市民の要望だ。

 

都市局長 代替候補地検討事業の委託業者を決定した。位置やアイススケート場などの導入機能について検討していく。

 

金子 武蔵浦和学園義務教育学校の開校時点の児童生徒数は。

 

副教育長 3082名となる見込み。

 

金子 当初の計画より約600人少ない。とりわけ対応が急がれる小学校1校を建設する計画に変更してはどうか。

 

副教育長 武蔵浦和地域は今後の再開発等の進行状況によって、人口の増加が見込まれるため、引き続き義務教育学校の開校を目指す。

 

金子 計画の再考を強く求める。プールであれ、新設校であれ新たな建設用地が必要。住民団体が求めたロッテ球場と関連施設について、工場立地法の緑地指定を理由に手放す予定はないとの回答を得たと示されたが、1回の回答を理由に取得の努力を放棄するべきではない。繰り返し用地取得に努めることを求める。

 

災害時に障がい者を守れるさいたま市に

 

金子 「避難行動要支援者名簿」の取り組みの実態は。

 

福祉局長 令和5年度の要件に該当する全体用名簿掲載者数6万420人に対し、自治会、民生委員等に対する個人情報提供に同意した方を掲載する「事前提供用名簿」掲載者は2万9096人、掲載率48.2%。

 

金子 災害時の支援をどう求めたらいいのかを明らかにするためにも「個別避難支援プラン」の作成が重要。ケアマネージャーや障がい者生活支援センターの相談員などがプラン作成に携われるしくみが必要ではないか。

 

総務局長 個別避難支援プランは本年5月末時点で948名分が作成されており、作成率は約3.3%。ご指摘の福祉専門職等の参画をはじめとした事例等は効果的なもの。

 

金子 墨田区では区立体育館を福祉避難所として指定、民間企業との提携で福祉避難所開設の迅速化を図るとりくみをしている。一次避難所で過ごすことが困難な障がい者を72時間待たせないとりくみを進めるべき。

 

総務局長 災害時の迅速な開設運営を含め福祉避難所を充実拡大していくことは重要と認識している。他自治体の状況も参考にしながら検討したい。

 

金子 関係部局や区役所の連携が必要。庁内対策会議が有効に機能することを期待する。

 

このほか金子市議は、市が「待機児童3年連続ゼロ」と言いながら、「利用保留児童」が1506人いる事態を指摘、公立保育所廃止計画の撤回を求めました。また見沼ヘルシーランド無料送迎バスが廃止された理由を質し、復活を求めました。

 

2024年6月議会*一般質問 特別障害者手当 必要なすべての人に知らせて

一般質問にたつとばめぐみ市議

6月10日、一般質問に立ったとばめぐみ市議は「住宅リフォーム助成制度」「特別障害者手当」「重度障がい者グループホーム」「地域公共交通の充実」「夜間中学の設置」の5項目について質問しました。

 

重い障がいがあり、日常生活に常時特別な介護が必要な20歳以上の人に支給される、国の「特別障害者手当」については、「障がい者手帳がなくても受けられる」「要介護4、5の人は受けられる可能性が高い」「グループホーム、有料老人ホーム、3カ月未満の入院やショートステイ、サービス付き高齢者住宅も含まれる」等のしくみをほとんどの市民が知りません。
とば市議は「特別障害者手当」について特集したしんぶん赤旗日曜版の記事を掲示し、「記事を見た複数の市民から相談があり、手当の受給に結びついたものの、地域のケアマネージャーがこの制度をほとんど知らなかった」と指摘し、「市の責任でケアマネージャーに制度を正しく知らせるための研修を」「要介護4、5の認定通知には手当の案内の同封を」と求めました。福祉局長は「ケアマネージャーは生活全般の相談・援助を行うことも多く、介護保険以外の社会福祉全般の幅広い知識が求められる」として、各種協会の会議で周知していると説明。市民への通知については「要介護3以上の人に送る紙おむつ利用等の案内資料に、特別障害者手当の説明掲載を検討している」と答弁。この間、とば市議が3度にわたり求めてきたことによる大きな前進です。とば市議は「すべてのケアマネージャーが制度を熟知していることが一番の近道。必ず徹底してほしい」と重ねて求めました。

 

 

民間バスへの支援を

 

 

次に地域公共交通について、全国で運転手不足や経営難を理由に路線バスの減便や廃止、自治体が運営するコミュニティーバス委託事業からの撤退が相次いでいることを指摘すると、市は「現状の分析に努めている」と答弁。
とば市議は、「全国の政令市の6割に交通局があり、6割が市営交通を運行している。本市はどちらもない。政令市と県内中核市のすべてが民間公共交通になんらかの支援をおこなっているのに対し、本市だけは支援もおこなっていない」と厳しく指摘し、「100%民間バス会社頼みの本市こそ財政的支援をおこない、バス会社が市民の声に応えられるようにするべきだ」と求めました。都市局長は「運転手の確保などの対策で交通事業者と定期的に意見交換をおこない、連携していく」と述べ、「事業者への補助についても検討する」と答弁しました。とば市議は「高齢化が進むなか、免許を返納した市民はバスが頼り。病院をはじめ、行きたいところに行けない現状は市民の交通権とともに、生存権、幸福追求権をも奪うものだ」と強調し、早急な支援を求めました。

 

「住宅リフォーム助成制度」「重度障害者グループホーム」「夜間中学の設置」についてはどれも市民の願いに背を向ける冷たい答弁でした。とば市議は「住宅リフォーム助成制度は全国に広がっている。このままでは建設職人はいなくなる」「障害者が地域で暮らすことを保障するのは市の責務。県の空き家を活用した重度障害者グループホーム整備促進事業同等の事業を本市もおこなうべき」「国が全都道府県、全政令市に少なくとも1校の夜間中学をと再三求めていることを無視することは許されない。17の政令市が設置(検討含む)している。形式卒業生も、現役中学生も夜間中学に受け入れられるように拡充された教育機会確保法を活かすべき」とそれぞれ厳しく質しました。

市有地が不正に売却!?真相究明求める

与野駅西口土地区画整理事業のなかの市有地を市職員がきちんとした手続きをとらずに売却したことが4月の定期監査で発覚し、市は調査を進めてきました。6月5日の市議会本会議で市長が陳謝するとともに経過報告がおこなわれました。

 

6月6日、報告への質疑に立った松村としお市議は「市職員の行動は不可解。再発防止策を考えるうえでも真相究明が必要」と指摘し、市の基本姿勢を質しました。都市局長は「調査検討会議により、発生原因や動機の調査、課題等の整理及び再発防止策の検討をしっかりとおこない、今後の再発防止と市民のみなさまの信頼回復にとりくむ」と答弁しました。

 

松村市議は市有地の売却相手と市および職員との関係等について質問しましたが、多くは「調査中」という答弁でした。また売却相手についても「土地返還に向けた任意協議中」であることを理由に「答えを差し控えたい」と具体的な答弁はありませんでした。市は現在進めている庁内調査について、6月末に議会に改めて報告するとしています。松村市議は調査を求めた事項も報告するよう求めました。
他会派もこの問題について質疑しましたが、同様の答弁が続きました。質疑後、全議員の賛成で「市民の信頼回復に全力で取り組むことを求める決議」をあげ、「発生原因の調査と再発防止策の検討」「違法行為に対する厳正な処分」とあわせ、「早急に刑事告訴」をおこなうことを市に強く求めました。

「戦争やめよ」「 国際法守れ」 請願が不採択に

討論をおこなうとば市議

2月議会に提出された「国際法遵守の呼びかけに関する請願」の閉会中審査が5月24日に総合政策委員会でおこなわれました。党市議団は紹介議員となりました。

 

立憲民主党・無所属の会さいたま市議団が不採択の立場で「本市も九都県市首脳による緊急人道アピールを発出するなど意見表明しており、単独でおこなうより注目度も高く請願者の意図にも合致することから、人道支援の活動に努め、国際社会全体でのより一層の努力を注視していきたいと考え、本請願には不採択」と討論。

 

一方で、とばめぐみ市議が「ガザの事態を憂慮し、即時停戦と人道支援を訴える中東研究者のアピールは、国連総会決議、安全保障理事会決議に合致する。請願は本議会に国際法の遵守と平和の呼びかけをおこなうことを求めており、願意は妥当」と主張。

 

とばめぐみと池田めぐみの両市議、および無所属市議の3人が採択を求めましたが、賛成少数で不採択となりました。

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