議会報告

2024年6月議会*保健福祉委員会議案外質問 手話言語条例の制定を

保健福祉委員会で質問をおこなう久保みき市議

久保みき市議は、高齢者介護と手話、障がい者の移動支援について質問しました。

 

高齢者介護では、介護度申請をしてから結果で出るまで待てず、すぐに支援が必要な方には暫定的な支援が可能です。しかし「要介護」にあたる支援をしていたのに、認定で「要支援」になったらどうでしょう。久保市議のもとには、すでに当事者はお亡くなりになって、不服申し立てもできず、事業者が丸損した相談事例がありました。「ルールを設けて暫定支援した介護と同じ介護度になるようなしくみをつくるべき」と質問しました。市は、介護保険は国の制度なので、国に要望すると答弁しました。

 

また、これまで「手話言語条例」の制定を求める質問を重ねてきましたが、そのたびに市は「本市はノーマライゼーション条例を制定しており、そのなかに包含されている。手話通訳者の派遣などもおこなっている」と答弁してきました。しかし、実際にろう者の話を聞くと、本市のとりくみは非常に不十分であることがあきらかになりました。通訳者派遣すらままならず、手話関連のイベントでも参加者にろう者がいないと通訳者の配置ができないのが現状です。久保市議は「事前に把握していなくても、当日ろう者が来る可能性も考慮して、手話関連のイベントには必ず手話通訳者を配置すべき。手話を言語として尊重するならば、市として手話言語条例を制定すべき」と求めました。

2024年6月議会*文教委員会議案外質問 大宮南小学校の大規模化 見積りの甘さ明らかに

文教委員会で質問をおこなうたけこし連市議

たけこし連市議は、さいたま新都心(大宮区)に建設されたシントシティの児童が通う大宮南小学校が、このままだと超大規模校化する問題について質しました。

 

たけこし 2020年の一般質問でうかがったが、当時、教育委員会の試算でシントシティ建設によって生じる児童生徒数は280〜680人だった。しかし現状は相当な上振れだ。具体的な数字をつかんだ時期、対策、検討過程は。

 

教育委員会 2021年にはじまった入居によって児童数が想定を超える割合で上振れした。数字をつかんだ時期は2022年の7月頃。選択地域の設定の対策を取ることにした検討過程は、2022年度から教育委員会内にプロジェクトチーム(以下PT)を設置し、検討を開始した。PTでは、大宮南小とその周辺校の空き教室の状況、校庭規模、児童推計、通学区域の状況などを確認して課題を整理し、その対応を検討した。

 

たけこし スタート時点での見積りに相当甘さがあることは否めない。対策も「小学校をつくる」というのがいちばん効果的ではないか。この間、市は同様の事例を繰り返している。武蔵浦和が典型的だが、大きなマンションができた際に必要な公共施設をつくってこなかった。その経験を生かすべきだ。

 

たけこし市議は「市教委は今後、シントシティの児童の半数程度を上木崎小学校(浦和区)に通わせる選択地域を指定する予定。この点でもさまざまな問題点が指摘されているが、引き続き取りくんでいきたい」と話しました。

2024年6月議会*文教委員会議案外質問 北浦和小学校の特別教室を減らさないで

文教委員会で質問をおこなう池田めぐみ市議

池田めぐみ市議は、北浦和小学校に通っている児童から「特別教室がなくされて困っている」と相談を受け、状況を確認しました。北浦和小学校では、2020年度に郷土資料室、2022年度に図工室とコンピューター室、2023年度にコミュニティールームと会議室、さらに2024年度に家庭科室と理科準備室が普通教室に転用されました。周辺のマンションや戸建て住宅の増加により児童数が増加したため、教室不足が深刻化。2020年度に24学級だった学級数は、今年度は28学級になっています。

 

現在、北浦和小学校では、図工室がないため木工などは校庭で実施しており、当然、雨の日は実施できません。理科準備室がないためビーカーなど実験道具は理科室の新しい棚に収納していますが、安全対策は万全とは言えません。また、家庭科室がなくなったことで、調理実習ができていません。池田市議は、卒業するまでに調理実習が未経験という児童が絶対にいないよう改善を強く求めました。対策を問うと、既存校舎での教室の工夫や公民館の利用も含め、年度内に対応するとの回答がありました。

 

また、北浦和小学校のリフレッシュ基本計画は、2026年度に着手し2030年度に完了することを確認しました。児童生徒数の把握は、行政の責任です。学校の環境によって、子どもの学ぶ権利が侵害されないよう、これからも注視することが必要です。池田市議は「母校の後輩たちの笑顔を守るためがんばりたい」と決意を新たにしました。

2024年6月議会*総合政策委員会議案外質問 市民の安全性を優先した施設修繕を求める

総合政策委員会で質問をおこなう松村としお市議

市は、公共施設を故障する前に一定の時期で修繕をおこなう「予防保全」を今年度から「財政が厳しい」と見直しました。その結果、今年度は29施設、来年度は24施設で予定していた修繕が延期される見通しです。

 

松村としお市議は「延期して大きな不具合が起きた場合の対応はどうするのか」と質問しましたが、財政部長は「緊急修繕等に対応する予算を措置しているので各施設所管が対応してもらえれば」と予算削減を前提に各局まかせの対応を答弁しました。これを受け、松村市議は「学校など子どもたちの命と安全にかかわる施設や市民と最前線で接する区役所などの修繕延期は市民サービスや安全性で問題がある」と指摘し延期の方針の見直しを求めました。市は「まだ開始したばかりなので予定どおり実施したい」と財政面からの判断に固執しました。

 

市は大型公共事業を次々具体化し、財政をつぎ込む前提で「財政が厳しい」と主張します。同時に市民に身近な公共サービスの削減・負担増を求める方針が施設修繕にも表れ、安全性や安定的な市民サービスの提供が後回しにされています。大型公共事業優先の財政をおおもとから見直す必要があります。
松村市議は震災後の復興の考え方についても質問。「復興において女性や性的マイノリティ、また障がい者や子どもなどのニーズをつかむ必要がある」と指摘。市は重要性を認め、「配慮に関する事項を計画やマニュアルに盛り込むなど検討を進めていきたい」と答弁しました。

 

2024年6月議会*一般質問 プールも学校も 今後の計画に市民の声を

一般質問にたつ金子あきよ市議

6月12日、6月議会本会議で金子あきよ市議が一般質問に立ちました。

多くの市民の反対の声にも関わらず、武蔵浦和学園義務教育学校の建設用地として沼影市民プールが廃止されました。金子市議は義務教育学校計画撤回と沼影市民プールの存続を求め続けてきた立場から、今後の計画について質問しました。

 

金子 沼影市民プールの代替プール計画の進捗状況は。南区内での建設、アイススケート場の復活が市民の要望だ。

 

都市局長 代替候補地検討事業の委託業者を決定した。位置やアイススケート場などの導入機能について検討していく。

 

金子 武蔵浦和学園義務教育学校の開校時点の児童生徒数は。

 

副教育長 3082名となる見込み。

 

金子 当初の計画より約600人少ない。とりわけ対応が急がれる小学校1校を建設する計画に変更してはどうか。

 

副教育長 武蔵浦和地域は今後の再開発等の進行状況によって、人口の増加が見込まれるため、引き続き義務教育学校の開校を目指す。

 

金子 計画の再考を強く求める。プールであれ、新設校であれ新たな建設用地が必要。住民団体が求めたロッテ球場と関連施設について、工場立地法の緑地指定を理由に手放す予定はないとの回答を得たと示されたが、1回の回答を理由に取得の努力を放棄するべきではない。繰り返し用地取得に努めることを求める。

 

災害時に障がい者を守れるさいたま市に

 

金子 「避難行動要支援者名簿」の取り組みの実態は。

 

福祉局長 令和5年度の要件に該当する全体用名簿掲載者数6万420人に対し、自治会、民生委員等に対する個人情報提供に同意した方を掲載する「事前提供用名簿」掲載者は2万9096人、掲載率48.2%。

 

金子 災害時の支援をどう求めたらいいのかを明らかにするためにも「個別避難支援プラン」の作成が重要。ケアマネージャーや障がい者生活支援センターの相談員などがプラン作成に携われるしくみが必要ではないか。

 

総務局長 個別避難支援プランは本年5月末時点で948名分が作成されており、作成率は約3.3%。ご指摘の福祉専門職等の参画をはじめとした事例等は効果的なもの。

 

金子 墨田区では区立体育館を福祉避難所として指定、民間企業との提携で福祉避難所開設の迅速化を図るとりくみをしている。一次避難所で過ごすことが困難な障がい者を72時間待たせないとりくみを進めるべき。

 

総務局長 災害時の迅速な開設運営を含め福祉避難所を充実拡大していくことは重要と認識している。他自治体の状況も参考にしながら検討したい。

 

金子 関係部局や区役所の連携が必要。庁内対策会議が有効に機能することを期待する。

 

このほか金子市議は、市が「待機児童3年連続ゼロ」と言いながら、「利用保留児童」が1506人いる事態を指摘、公立保育所廃止計画の撤回を求めました。また見沼ヘルシーランド無料送迎バスが廃止された理由を質し、復活を求めました。

 

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