議会報告

代表・一般質問

2022年6月議会*一般質問 「食肉中央卸売市場・と畜場」「道の駅」は計画を見直せ

一般質問にたつとば市議

 6月8日、とばめぐみ市議が一般質問にたち、見沼区に整備が予定されている「食肉中央卸売市場・と畜場」「道の駅」について質しました。

 

地盤沈下の心配はないと言えるのか

 

 とば市議は、環境影響評価に「地盤沈下を想定した項目を設定すべき」と強く求めましたが、市は明言を避けました。市の地盤沈下の観測地点は大宮・浦和東・岩槻の3カ所で、いずれも建設予定地(見沼区宮ケ谷塔)から6㎞から10㎞も離れています。とば市議は住民から地盤沈下解析を厳格に行い、この地域に観測点を増設するよう要望書が提出されていることを紹介し、「さいたま市史上最大面積の開発事業。地下水のくみ上げ、広大な面積の湿地の掘り起こし、大型特殊車両が行き来する交通振動等、地盤沈下の条件がそろっている。住民の安心のためにも観測点増設は必須」と迫りましたが、市はこれも明言を避けました。

 

宮ケ谷塔は絶滅危惧動植物の宝庫

 

 とば市議は、この地域には県や国が指定する絶滅危惧動植物や準絶滅危惧動植物が数多く生息し、オオタカを頂点とした生態系ピラミッドが存在し、開発により湿地を失うことはこの貴重な生態系を破壊し人間の暮らしに深く影響することを環境省も指摘していることを示し、「生物多様性基本法で定められた『事業者の責務』をどう果たすのか」と質しました。また、江戸時代に沼地を水田に開発する特別な方法として、苦労して深く掘って水田を作りあげたことから「深作」という地名になったことを紹介し、「貴重な開発の痕跡を考古学的学術調査で記録として残すべき」と求めましたが、市は「事業地は埋蔵文化財包蔵地の指定を受けていない」と調査を拒否しました。

 

COP26、新型コロナ、ウクライナ情勢による世界の大きな変化

 

 COP26で日本は、2030年までにメタンガス排出量を2020年比30%削減することを目標にしました。牛のゲップによるメタンガスは強力で、世界で排出される温室効果ガスの4%を占めます。新型コロナとウクライナ情勢は食料の輸出入にも大きく影響し、環境破壊が新たな感染症をうみ出すことを国連が警告しています。とば市議は「このまま世界に和牛を売り込む計画を続けていいのか。この3年、なにを学んできたのか」と強く迫りましたが、市は「和牛は世界で高く評価され、輸出は農林水産業や食品産業に大きく貢献できる」と答弁。とば市議は「歴史的生活の痕跡も豊かな動植物の生態系も貴重な湿地帯も破壊して、地盤沈下の恐れも顧みないこの計画は抜本的に見直すべき」と強く求めました。

 そのほか、とば市議は区役所で残業時間が突出している支援課の体制の見直しを求めました。それに対し、市が「組織の在り方をほかの多部局と連携して検討する」と答弁したことは大きな前進です。また、3月3日の市長の記者会見における核共有にかかわる発言について真意を問い、「政府が核兵器禁止条約を署名・批准し、核兵器禁止条約第1回締約会議に参加することこそ求めるべき」と市長の姿勢を質しましたが、市長は最後まで答弁に立ちませんでした。とば市議は「市長の発言について質問したが、市長が答弁に立たないことは大変残念だ」「日本共産党は第1回締約国会議に代表団を送り、世界の人々と連帯し核兵器廃絶のために全力をあげる」と述べました。

2022年6月議会*一般質問 沼影市民プールを守れ

一般質問にたつ金子市議

 6月7日、金子あきよ市議が一般質問にたち、沼影市民プールの存続について質しました。

金子 「沼影市民プールの存続を求める会」が取り組んでいる署名に応じた多くの市民は「プールが廃止されるなんて知らなかった」「学校は必要だけど、どうしてそのためにプールをつぶすのか」と言っている。昨年8月に近隣住民に対する説明会を2回実施して以降、利用者や住民に対してなんらかの説明をしたのか。

都市局長 説明会は開催していない。レジャープールに関して現地調査、インターネットを活用したアンケート調査を今後実施する。

金子 市民への説明はまともに行われていない。市長はビデオメッセージで「(レジャープールは)維持管理費がかかる、利用者が減少している」と言及し、そのなかで「あり方検討」が行われていることから、市民は検討の結果、廃止されてしまうのではないか、と大変心配している。沼影市民プールの存続のためにも、義務教育学校の計画は撤回すべき。

市長 市民のみなさまにご理解をいただきながら進めていく。

 市長の答弁は8000筆以上の署名に込められた市民の思いに背を向けるものでした。続いて金子市議は1月に策定された公立保育所半減計画、「公立保育所のあり方に関する基本方針」は撤回するべきだ、と市に迫りました。

金子 「基本方針」は61園ある公立保育所を半減させるもの。しかも南区の公立園が3園も「先行廃止」の対象としてあげられている。3園の定員は合計で355人だが、「受け皿」とされている私立認可保育所整備の見通しはあるのか。

子ども未来局長 少子化が進んでおり、保育需要の見通しの明確な推計は難しい。地域の需要に応じて的確な配置を進める。

金子 南区の新設園は園庭がないか、あっても本当にせまい。散歩は近隣の公園に苦労しながら連れて行くなど、保育士のみなさんは大変な努力をされている。これ以上、私立認可保育所に負担を押しつけるのをやめ、公的保育の充実こそはかるべき。

子ども未来局長 保育士の人材確保に係る処遇改善を進めつつ、適正な保育士の配置に努めていく。

 金子市議は、「公立、私立ともに保育士の働きやすい環境を整えるために保育士の増員を図り、国の保育基準の上乗せをすることこそ必要」として「基本方針」の撤回を重ねて求めました。

 金子市議はほかに「障がい者ショートステイ」「物価高騰の中での子育て・福祉支援策」についても取り上げました。

6月議会がはじまります

 6月1日から6月24日まで、6月議会が開会されます。6月6日~8日に一般質問がおこなわれ、党市議団から金子あきよ、とばめぐみの両市議が質問にたちます。質問予定項目は以下のとおりです。質問日時が決まり次第、党市議団のホームページでお知らせしますので、ぜひ傍聴にお越しください。

金子 あきよ市議

1 沼影市民プールの存続を求める

2 公立保育所半減計画の撤回を求める

3 障がい者の「緊急一時入所」について

4 物価高騰のなかでの子育て、

  福祉への支援について

 

とば めぐみ市議

1 区役所支援課の体制と機能について

2 「食肉卸売市場・と畜場」および「地域経済活性化拠点」について

3 非核三原則について

 

2件の請願の紹介議員に

  • 保健所の機能充実等を求める請願

(さいたま市社保協)

  • 酷暑から市民の命を守る

 対策の拡充を求める請願

(生活と健康を守る会・さいたま市協議会)

5件の意見書(案)を提出

 党市議団として、5件の意見書(案)を提出しました。議会運営委員会に諮られ、全会派で一致すれば国に送致されます。

  • 75歳以上の高齢者の医療費窓口2割負担の実施延期を求める意見書(案)
  • 営業とくらしを脅かすインボイス制度の中止を求める意見書(案)
  • 障がい者のグループホームの再編において当事者・関係者の意見を充分に聴くことを求める意見書(案)
  • 食料自給率向上のための施策を直ちに行うことを求める意見書(案)
  • 教員不足解消のため、定数改善など抜本的な改善を求める意見書(案)

2022年2月議会*代表質問 気候危機打開にむけて

 2月9日、2月議会本会議でたけこし連市議が代表質問をおこない、気候危機打開に向けた市のとりくみ等について質しました。

 

 たけこし市議は「若者を中心に、気候危機への不安が世界中に広がっている。本市も昨年5月に『気候非常事態宣言』を発出したが、とりくみが不十分」と指摘。環境省が作成した、産業革命以前と比較し気温上昇を1.5℃に押さえられなかった場合の2100年の「未来の天気予報」を示しつつ、本市が定める「第2次さいたま市環境基本計画」の問題点を指摘し、緊急の見直しを求めました。

 

たけこし 第一の問題は、CO2排出削減目標が低いこと。計画では2030年までのCO2削減目標が35%削減となっているが、この数字は政府目標である46%よりも11%も低い。引き上げを求める。

 

副市長 議員の指摘どおり、目標値が低くなっている。今後は国の削減目標に合わせて見直していく。

 

たけこし 第二の問題は、再生可能エネルギー導入目標が低いこと。計画では、再生可能エネルギー導入量を2倍の7321TJ(テラジュール)にするとしているが、この数字は本市の年間消費電力の9万9441TJ(平成30年度)に対して約7%程度に過ぎない。改善が必要だ。

 

副市長 現在、市の持つ再生可能エネルギーのポテンシャルを分析している。今後はそれを最大限に生かす目標を設定する。

 

たけこし 第2次計画からエネルギー消費削減目標が削除されているのは問題だ。

 

副市長 市民1人あたりの削減目標というかたちで設定をしているが、今後さらに引き上げに向けたとりくみを推進する。

 

CO2排出削減の実践をいそげ

 

 続いてたけこし市議は、本市で実践すべきCO2排出削減のとりくみを提案しました。

 

たけこし 本市は年間日照時間が2148時間と大都市のなかでも非常に長い。その特色を活かし、ソーラーエネルギーを最大限活用することは重要。例えば横浜市では市内の小・中学校の屋上に太陽光パネルと蓄電池を設置し、学校に必要な電気をまかないつつ、余剰電力を他の公共施設に送電するとりくみをはじめた。横浜市はこのとりくみでCO2排出量を2割削減できるとしている。本市でも実施すべきではないか。

 

副市長 現在、本市のすべての小中学校にソーラーパネルを設置しているが、余剰電力を生み出してはいない。今後は余剰電力が発生した場合に他公共施設へ送電するなどのとりくみをおこないたい。

 

たけこし 耕作放棄地などの農地にソーラーパネルを設置するソーラーシェアリングのとりくみを推進すべきではないか。

 

副市長 今度、あらたなエネルギー利活用として位置づけ、とりくんでいく。

 

ZEH(ゼッチ)・ZEB(ゼブ)ってご存知ですか

 

 また、たけこし市議は、ゼロエネルギーハウス(ZEH)とゼロエネルギービルディング(ZEB)について提案。ZEH・ZEBとは、年間消費エネルギーと同等のエネルギーを生み出すことができる建物のことで、日本でも世界でもZEH・ZEBの建物を増やすとりくみが進んでいます。本市でのとりくみを求めたところ、市は「積極的にとりくむ必要性を感じている。今後は(市民向けの)補助金の対象にZEHを加え、普及を推進したい」と応じました。さらに、CO2排出量を市民に可視化するライフサイクルアセスメント(LCA)の実施を求めました。市は「CO2排出量を可視化するとりくみは省エネの観点からも非常に効果的と考えている。さまざまな事業でLCAを意識した施設整備をおこなう」と答弁しました。

 

 たけこし市議は「日本政府の気候危機への対応は、CO2排出削減目標が低くとりくみが不十分であることが国際会議などでも指摘されている。本気で将来世代のことを考えるなら、国を上回るとりくみをすべきだ」として、気候危機打開にむけた本気のとりくみの必要性を強調しました。

2022年2月議会*代表質問 新型コロナ対策 抜本的強化を

 2月9日、2月議会本会議で神田よしゆき市議が代表質問をおこない、新型コロナウイルス感染症対策の強化等について質しました。

 

神田 新型コロナへの対応も丸2年になった。変異株がつぎつぎと出るもとで対策の決定打はなく、複数の対策を総合的に実施する必要がある。党市議団としていままでも強調してきた、検査・保健所・医療体制の強化の3点についてうかがう。はじめにPCR検査について、大野埼玉県知事が無料でPCR検査キットを配布することを決断したことを踏まえ、本市も県に協力し、無料検査キットの配布薬局を増やすべきと考える。133万市民でわずか62カ所(1月31日現在)では少なすぎる。感染急拡大で、キットの予約が取れないという声も聞かれる。学校、保育園、学童保育、高齢者施設、障害者施設などでPCR検査を定期的、頻回におこなうしくみをつくることを求める。

 

副市長 薬局やドラッグストア等でおこなわれている無症状の方を対象とした無料検査事業については、国の定めたしくみで都道府県が実施することとなっている。本市として県に協力し、事業拡大にむけてさいたま市薬剤師会等にはたらきかけていく。

 

神田 本市の保健所は他市に比べても、療養者に対するファーストタッチが遅いと言われている。第6波の感染急拡大に保健所が対応しきれていない。保健所体制の強化は喫緊の課題だ。2カ所目の保健所をつくることを展望し、常勤の保健師などを含めて大幅な増員で体制の強化を図ること、そのための支援を国に求めることも大事だと考えるが見解をうかがう。

 

副市長 想定をはるかに上回るペースでの感染急拡大の影響で、電話での初回連絡は高齢者や基礎疾患のある方など、重症化リスクのある方を優先し、軽症・無症状の方への連絡に遅れが生じている。そのため、全庁から応援をいれ、解消に努めている。保健所は2020年4月と比較し、2021年10月には2.5倍に増員している。2カ所目の設置はおこなわない。

 

アクセスできる医療体制へ

 

神田 昨年夏の第5波では医療機関がパンクし、救えたかもしれない命が失われる事態が起きた。医療にアクセスできないという事態を繰り返さない立場で対策をいっそう強化すべきと考えるが認識をうかがう。医療現場からは「PCR検査キットが足りない」「発熱外来への補助金が下げられてしまい、検査すればするほど赤字になる」という声が出ている。国に対し、検査キット確保と発熱外来補助金をもとに戻すよう求めるべきと考えるが見解を求める。また、自宅療養者へのオンライン診療も含めた地域医療機関からの訪問診療体制の強化、緊急的な臨時医療施設の確保などが必要ではないか。

 

副市長 埼玉県において入院病床数を増床している。第5波に比べて69床増やし、383床を確保した。検査キットは、すでに国において製造販売者に対して増産を要請している。発熱患者の外来診療・検査体制確保事業については、地域で診療・検査を行える医療機関が増えてきたことなどから事業が終了したと聞いており、再度実施を求めることは考えていない。自宅療養者への医療については、医師会に健康観察や診療の協力を依頼している。

 

コロナ禍でも市庁舎移転を進めるのか

 

 つづいて神田市議は、さいたま市役所本庁舎の移転について、「コロナ感染拡大のなかでは、移転計画をいったん延期または凍結すべき。基本構想では221億円とされているが、そのほかに現庁舎の跡地活用がセットで示されており、どのくらい費用がかかるのか。また、現庁舎地で建て替える場合にはどのくらいになるのか、すべての情報を市民に明らかにするべき」と求めました。

 市は、あくまでも庁舎移転を進める立場で市民に説明する姿勢を示し、現庁舎地の利活用や現在地での建て替え費用については明らかにしないまま市庁舎移転をすすめる姿勢を固辞。市民のくらしを守るより、大型開発や公共施設建設を推進する市の姿勢が鮮明となりました。

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