議会報告

代表・一般質問

2025年6月議会*一般質問 騒音規制条例の制定を求めて

6月18日、6月議会の一般質問に久保みき市議が登壇しました。

 

はじめに久保市議は、住民からの相談を受けて騒音問題について質問しました。家を建てる際、まず探すのが家を建てる場所、つまり土地です。都市計画法では用途地域を目的別に設定しています。そのなかで、第一種住居地域は「大規模な店舗や事務所の立地を制限して、住宅の環境を守るための地域」として分類されているため、静かな環境を望む方は、第一種住居地域を選び、土地を買って家を建てています。ところが、せっかく選んだ静かな環境であるはずの第一種住居地域で、騒音に悩まされている方が多くいます。久保市議は「さいたま市の条例では、この地域の騒音の基準は50デシベル以下となっているが、50デシベルの根拠はなにか。騒音に悩まされている方に寄り添って、基準を厳しくすべきではないか」と質しました。市は、現在適用している規制基準については適切なものと認識している、との答弁でしたが、住民からの相談内容や件数、現地調査の状況等については注視・把握していくと約束しました。

 

 

動物を大切にするさいたま市へ

 

 

次に、久保市議は、動物を大切にするさいたま市にむけて具体的な提案をおこないました。地域の猫の不妊手術をすすめるために「どうぶつ基金」の無料不妊手術チケットの配布を3月からはじめて、ひとつの団体が活用したことを確認し、今後、さらに配布を拡大することを求めました。市は「団体・市民からの問い合わせがあった場合はチケットの配布を検討する」と答弁しました。また、動物愛護ふれあいセンターでの無料不妊手術の実施を提案したところ、市は、センターの獣医師の業務内容を考えると実施はむずかしいが、先行事例を調査すると約束しました。

 

さらに久保市議は、学校でのうさぎ飼育の問題について「教育委員会は『動物介在教育』として学校でのうさぎ飼育は必要と答弁してきたが、『動物介在教育』とはなにか。動物を通じて、命の大切さを学ぶということなのに、実際には命を粗末にすることを教えてしまっている。生き物の世話は24時間、365日。学校で飼育されているうさぎは、連休中は世話をする人がいない。校舎内に入れたり、長期休みは預けるなどの対応をしている学校もあるが、校舎内では狭いケージの中で、夜間は誰もいない。熱帯夜では命を落としてしまう危険がある。長期休みに預けても、環境の変化に弱いうさぎにとっては、相当なストレスがともなう。うさぎの幸せを思うなら、うさぎの家族(里親)を探してあげようと教えることこそが真の教育」として、学校での飼育をやめるよう迫りましたが、教育委員会は今後も飼育を継続することが適当であると答弁しました。

 

つづけて久保市議は、他自治体の事例も紹介しながら、人間と動物とのかかわりを子どもたちに教える「いのちの授業」の提案をしました。教育委員会は「教科等の授業のなかで動物を愛護しようとする態度を育てるとともに、外部機関と連携した出前講座についても学校が選択できるよう、周知の仕方について検討する」と答弁しました。

 

 

介護人材不足の解消のために

 

 

介護の人材不足は深刻です。久保市議は、「介護業界の深刻な人材不足は、さらに厳しくなると予想される。特にケアマネージャー(以下、ケアマネ)の不足は深刻」として、ケアマネの人手不足解消のための処遇改善を求めました。

 

実際に昨年、桜区の地域包括支援センター(以下、センター)の委託を受けていた事業者が撤退する事態となっています。市が開催するセンターの連絡会では毎回のようにケアマネ不足が課題だと言われており、市は解消の手立てとして、九都県市首脳会議においてケアマネの確保と定着のための処遇改善等を国に要望していると言いますが、それでは不十分です。久保市議は「国に要望するだけでは不十分。市は『介護』という重大な役割をセンターに託しているわけだから、センターからの要望は真摯に受け止め、手立てを考える必要がある。市として、東京都が独自でおこなっている内容と同等の独自補助を早急に実施すべき」と求めました。市は、他自治体の事例も参考にしながら、さいたま市独自の支援策について、検討を進めると約束しました。早ければ、来年度には独自支援がはじまることが期待できます。

 

久保市議はほかに、八王子スポーツ施設の補助駐車場前の道路がいびつで危険である問題、お出かけ応援制度、オーガニックビレッジ宣言の早期実現などを求めました。

2025年6月議会*代表質問 全市民対象に積極的な「家計負担軽減策」を

6月16日、6月議会の代表質問に松村としお市議が登壇しました。この間、党市議団は予算組み替え提案で財源も示しながら物価高騰対策を求めてきましたが、市は否定していました。

 

松村市議は、市長選挙後、清水市長が就任あいさつで「家計負担軽減策」を指示したことについて質しました。

 

松村 家計負担軽減が必要と考えるに至った理由はなにか。

 

清水市長 現下の物価高により市民生活は厳しさを増している。6月議会には福祉施設等への支援金を含む補正予算案を提出した。さいたま市の消費者物価指数は近年で最も高く、市民から負担軽減を求める声も多かった。

 

松村 「家計負担軽減」というが、規模は135万市民におよぶものか。

 

高橋副市長 対象者や規模感も含め、精査を進めている。

 

松村 市民負担軽減策として3点提案する。1つは先の市長選挙でわが党が公認した加川候補も掲げたお米券の支給。2つ目は東京都が水道料金基本料金を4カ月無料にするが、同様に本市でも水道料金を引き下げること。3つ目は国に先んじて学校給食等の無償化に早急に踏み切ることを求める。

 

高橋副市長 物価高騰に対する他自治体のとりくみをアンテナを高くして情報収集している。家計負担軽減策の庁内検討を加速し、今定例会中の議案提出に向けて準備を進めている。現時点で、「お米券」「水道料金引き下げや一時無料化」の予定はない。学校給食用食材の物価高騰分を公費負担している。

 

松村 追加的な支援策が必要だ。連続的なとりくみを求める。

 

高橋副市長 状況の変化には対応したい。

 

松村市議は積極的なとりくみを重ねて求めました。合わせて国に消費税減税を求めるよう迫りました。

 

 

市民負担増路線の転換求める

 

 

松村市議は家計負担軽減にとりくむ姿勢を評価しつつ、家計負担軽減策が実効性を持つよう、これまでの税・公共料金・保険料の引き上げ路線の見直しと「受益者負担」の考え方をやめるよう求めました。

 

市は「行政サービスに係る負担は、その時々の社会経済状況など勘案し、適正かつ公平性も保ったうえで負担いただいている。いわゆる負担増との認識はない」と答弁。受益者負担についても「厳しい財政状況が見込まれる中、財政の健全性を維持し、将来世代に過度の負担を先送りしない持続可能な行財政運営を進めるとりくみのひとつとして、受益者負担の適正化にとりくむ」と市民負担増を続けていく考えを示しました。

 

物価高騰はすぐに収まるものではなく、継続的な市民負担軽減が必要な状況です。「家計負担軽減」を言いながら「市民負担増」を続けるのでは市民生活の厳しさに本気で心を寄せているとは言えません。

 

 

福祉拡充で生活支援を

 

 

物価高騰のもとでくらしを守るとりくみとして、松村市議は福祉の拡充を求めました。

 

松村 福祉による生活の安定も介護離職や出産・育児による離職を防ぎ、収入確保、地域経済の支えになると考えるがどうか。

 

高橋副市長 育児や介護等により離職せず、働き続けられる環境を整備することは大変重要なことと認識している。ケアラー支援施策や保育所の整備など、介護や子育てにともなう負担軽減が図られるよう努めてきている。

 

松村 具体的に聞くが、グリーンヒルうらわは建物を修繕すれば使える。グリーンヒルうらわの復活、再生をめざすべきだ。

 

高橋副市長 総合的に判断して議会の議決を得て廃止した。再整備予定はなく具体的な跡地利用計画もない。

 

福祉の重要性を言うものの、具体的なことになると市で責任を負う姿勢がないことがあらためて明らかになりました。

 

 

大規模事業の見直しを求める

 

 

市は数百億円規模の税投入が見込まれる大型公共事業の計画を次々と立ち上げ、具体化を進めています(図)。ところが市長選後、そうした事業で入札不調が相次いでいます。松村市議は「背景に物価・資材・人件費・金利の上昇があることに加え、施設の集約・複合化による大型化がリスクを高めている」と指摘。「施設を単独で建設・修繕したり、規模や導入機能を見直し柔軟な対応でスリム化を図る方向に方針転換すべき」と主張しました。

 

新屋副市長は「公共施設の集約・複合化については、施設規模や管理運営コストの縮減等のほか、さまざまなメリットがある。入札不調により直ちに変更・転換する必要はない」と従来の大規模事業推進に固執する答弁をしました。

 

大規模公共事業に市民の税金を注ぎ込むことで「厳しい財政状況」をつくりだして市民負担を増やす――この財政構造を見直してこそ実効性のある「家計負担軽減」を実現できます。

2025年2月議会*代表質問 子どもの最善の利益は守られているか

2月13日、とばめぐみ市議が代表質問にたち、「さいたま市は子ども基本法の立場にたって子どもの最善の利益を守っているのか」と質しました。

 

はじめに、新設大和田地区小学校(見沼区)についてとりあげました。過大規模校解消の対策として地元住民が長きにわたって求めてきた小学校建設は、予定より3年遅れて来春開校です。

 

ところが学区の発表は、大変雑なもので、住民を混乱させています。大砂土東小学校と大谷小学校を7区域に分け「新設小学校通学区域(案)」として関係団体や保護者にアンケート調査をおこない、2024年3月に説明会を開きましたが、11月には新たに2区域を加えた最終案を突然発表しました。保護者は寝耳に水。年末に急遽説明会が開かれましたが、市は「最終案は変更しない」と言い切り、保護者からは「私たちにはアンケート調査もなかった」「子どもの意見は聞いたのか」「来年突然転校?高学年は選択できるようにしてほしい」と声があがりました。PTAも2度にわたって嘆願書を提出し、高学年の選択制を求めています。

 

とば市議は、「子ども基本法は〝その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会の確保〟を求めている、内閣官房はその例として〝どのような学校を選ぶか〟をあげている」として、市の姿勢を質しました。教育長は「アンケートは保護者が子どもと相談して回答した例もあるため、子どもの声は聞いている」「開校時から、全学年がそろうことでバランスが図られる」と、まったく取りあいませんでした。

 

学びの多様化学校「いろどり学園」

 

次に、不登校児童生徒支援についてとりあげました。全国の不登校児童生徒数は34万人超。本市でも2000人を超えています。国は支援策として、授業時間を減らし、柔軟なカリキュラムの特例校「学びの多様化学校」を全国に300校設置することを目指し、本市でも2026年度に開校が予定されています。

 

しかしその内容は、既存の教育研究所の一部を本校とし、5つの教育支援センターをキャンパスとするもので、希望する児童生徒は「転校」しなければなりません。とば市議は、転校しなければならない理由を問いましたが、市は「学びの多様化学校は、学校教育法第1条に定められた学校に該当するので、学籍を移す必要がある」と言うだけで、教育的意義はなにも語れず、「担任はどこにいるのか」と質しても「既存の学級担任の枠に縛られないかたちを現在検討中」と言うだけでした。

 

「不登校児を受け入れる学校」と言いますが、不登校にならないと入れない学校で、他市からの転校は認められません。給食はなく、キャンパスに通う際の交通費は保護者負担。「公認心理師、精神福祉士にいつでも相談できる」としながら常駐ではなく、相談はオンラインでおこなうことが想定されています。とば市議は「美辞麗句を並べながら中身がスカスカ。先行自治体のよい例や問題点を研究して、柔軟でもっとも子どもによりそった学校にするよう再検討すべきだ」と質しました。教育長は「他の事例も研究しながら、とりくみを準備する」と答えました。

 

また、とば市議は全国の精神疾患で病欠となる教職員数の激増と、不登校児童生徒数の激増がぴったり一致しているグラフを示し、2つは強く関係していると延べ、「教職員が健康で働き続けることのできない学校は、子どもが安心して通える場所にはなり得ない。本市の教職員の精神疾患が全国平均をはるかに上回っているのは大問題だ」と質しました。教育長は「地域総がかりで子どもをはぐくむ、学校・家庭・地域等の連携・協働体制を構築することが重要」と述べるにとどまり、厳しい学校の現実には触れませんでした。

 

希望者全員に通園バスの補償を

 

最後に、とば市議は「総合療育センターひまわり学園」の通園バスについてとりあげました。通園バスは看護師が添乗していないため、医療ケア児や重度の障がい児は利用できず、保護者が送迎しています。時折停車して痰の吸引をし、発作が起きていないかいつも様子を見ながらひとりで運転する現状に、とば市議は「親子を危険にさらす自家用車での通園をいつまで続けなければならないのか。早急に看護師を増員し、バスを利用しやすくするべき」と迫りました。市は「通園バスへの要望はいろいろといただいており、新年度からはすべて車高が低いマイクロバスにする」と答弁。また、バスを2台増やし、ルートも6ルートから8ルートに拡大する、車いすの搭載可能台数を12台から16台に拡大する、と答えました。一方で、バス通園のための継続的な看護師配置は「引き続き研究する」という答弁にとどまりました。

 

また、とば市議は「市長は『誰一人取り残さず…』として『子ども子育て関連施策』をあげているが、障がい児を育てる環境は完全に取り残されている」という保護者からの言葉を伝え、市長の見解を質しました。市長が答弁にたち「まだまだ十分とは言えない。ひまわり学園で、保護者と市の懇談もおこない要望を承った。よりよい環境づくりにとりくみたい」と述べました。

2025年2月議会*代表質問 物価高騰のなかで市民の暮らしを支える予算に

代表質問をおこなう金子市議

2月13日、金子あきよ市議が代表質問にたち、市長の市政運営についてただしました。

 

金子 物価高騰のもとで生活困窮者、子育て世帯、高齢者世帯、小規模事業者などから「暮らしが苦しい」との声が寄せられている。市長は新年度の施政方針のなかで、市民の苦しみに言及しなかったが、市民の暮らし支援の予算はなにか。

 

清水市長 新年度予算編成方針では「市民の命や生活を守ることを最優先として引き続き推進する」としており、市民の暮らしを守るための対策を切れ目なく迅速かつ的確に実施できるよう、2024年度12月補正予算から2025年度当初予算までの16カ月予算として編成をした。当初予算については、定額減税補足給付金の支給のほか、市民および市内事業者の安心や生活の安定を支える事業をこれまで以上に展開していく。

 

金子 たしかに、要望してきた事業の予算化など一定の前進はあった。しかし新年度予算案で示された物価高騰対策の合計額は 約89億円。これは新年度予算総額の0.8%であり、その多くを占めている「定額減税補足給付金の不足分約68.3億円」は全額国費。これでは市長の本気度がまったく見えない。

 

金子市議は、2023年12月議会から毎議会開会日に市役所前に多くの市民が集まって市の進める事業に対して抗議の声を上げていることを紹介。大規模公共事業に多額の予算を注ぎ込むことへの厳しい批判がある、と指摘しました。そのうえで、市民の合意が得られていない大型公共事業を大胆に見直し、積み上がった基金を一部分取り崩して、市民の暮らしを支援する事業に充てる予算の組み替えを提案しました。

 

ジェンダー平等の実現を市役所から

 

続いて金子市議は、市職員(パートタイム会計年度任用職員を含む)の男女賃金格差の実態をとりあげ、男性に対する女性の賃金の割合が82.5%であることを明らかにしました。

 

金子 男女の賃金格差が生じる要因として、圧倒的多数のパートタイム会計年度任用職員が女性だからだ(男女比率1:4)。非正規雇用がこれだけ多いということ自体が女性に対する間接差別。市は「第5次男女共同推進のまちづくりプラン」のなかで「非正規雇用労働者の割合が男性に比べて女性で高いことは、女性の貧困の背景にもなっている」と述べている。非正規雇用である会計年度任用職員の処遇を改善することに、さいたま市自身が踏み出すべきではないか。

 

日野副市長 会計年度任用職員の給与面の処遇は、常勤職員の給与との権衡(けんこう=釣り合い)を考慮するとともに、他団体や民間事業者の同様職種の給与水準も考慮して設定したものだ。

 

金子 会計年度任用職員が、その専門性にふさわしい処遇を受けている、とは言えない実態がある。たとえば学校図書館司書は市内の小中学校に一人ずつ配置されているが、募集時に示される勤務条件で最大限勤務すると107万700円。昇給や期末手当はあっても、この仕事だけでは自立できない。専門性が求められ、教育現場から必要とされているにも関わらず、勤務時間と人員配置が見合っていない。したがってすべての職種で仕事の内容を精査し、正規職員としての雇用も含めた形態にするべきではないか。

 

日野副市長 現在、会計年度任用職員として採用している職種について、業務の内容や責任の程度など業務の性質が変わらない限りは、正規職員として採用できない。

 

竹居教育長 学校図書館司書は「設置要綱」において図書館業務を担当する教員の補完的な業務にあたることとなっている。業務内容や責任の程度など業務の性質から判断し、正規職員として採用することは考えていない。

 

金子市議は「会計年度任用職員がそれぞれの部署で担っている業務内容や責任を軽視する驚くべき答弁だった。ジェンダー平等を市役所から実現するために、男女賃金格差の是正、官製ワーキングプアといわれる会計年度任用職員の改善踏み出すべきなのに、大変後ろ向きな答弁だ。多くの会計年度任用職員のみなさんと共に、これからも声をあげ続ける」と表明しました。

2024年12月議会*一般質問 過大規模校を増やさないために「学校ハザードマップ」を提案し実現へ

一般質問をおこなうたけこし連市議

12月2日、たけこし連市議が12月議会の一般質問にたちました。

 

近年、さいたま市の一部の地域で急激な人口増加が進み、学校の超過大規模化が課題となっています。武蔵浦和校区、大宮南校区、上木崎校区などでは、仮設校舎の増築や体育の授業を校外でおこなうなどの問題が発生しており、今後も大宮区、浦和区、中央区等の特定校区で同様の課題の発生が懸念されています。市の教育委員会は過大規模化した学校の課題解決のためプロジェクトチームを立ち上げていますが、これまでの対応は問題発生後の事後的な対策にとどまっていました。

 

たけこし市議は、これらの課題解決のために兵庫県神戸市を視察しました。そして、神戸市が導入している「学校施設の開発事業区域の選定」(いわゆる学校ハザードマップ)の導入をさいたま市にも求めました(画像①)。  学校ハザードマップとは、神戸市内の学区を「受け入れ困難地区」(児童の増加により、対策を講じても6年以内に教室不足が生じると予測される小学校区)と「要注意地区」(現時点で受け入れ困難地域ではないが、今後の住宅供給で、受け入れ困難地区になることが懸念される地区)とに分類し、神戸市のウェブサイト上で公開されています。そしてこれらの情報を開発業者に提供し、またこの地域への転入希望の保護者が確認できるようになっています。

 

たけこし市議は、「学校ハザードマップ公開によって次の効果が期待できる」として、段階的な開発・分譲による児童生徒数の急増防止、開発計画の事前調整が可能になる、転入者の適切な判断をサポートする、などと示し、学校ハザードマップの作成を提案しました。市は、「転入者向けに学校規模や転用可能教室の状況などの情報をホームページで公開することを決定した」と答弁しました。さらに、神戸市の「受け入れ困難地区」の公表制度についても、長期的な課題として研究を進めていく方針を示しました。たけこし市議は「このとりくみは、子どもたちの教育環境を守るための予防的なアプローチであり、持続可能な地域づくりの基盤となる重要な施策になり得る」と話しました。

 

放射性廃棄物の漏出事案

市は原子力規制庁まかせ  

 

続いてたけこし市議は、三菱マテリアルで発生した放射性廃棄物の漏出事案について質問しました。

 

今回の事案の概要について説明を求めると、市は「昨年12月下旬、事業場敷地内の関係者以外立入りが制限されている地下に設置された管理区域内の保管容器の一部から内容物の染み出しが確認された」「監督庁である原子力規制庁と事業者との間で、当該事案発生後、管理区域内及び地上部分の屋外における放射線量は通常であることを確認している」と説明しました。たけこし市議が「調査はもう開始されたのか」と質すと、市は「事業者からは原因特定の調査について原子力規制庁へ申請中であり、許可が下り次第、調査がおこなわれる」と答弁。事案発生から1年が経過しているにもかかわらず、未だ調査の許可が下りていない理由については情報把握すらおこなっていない実態があきらかになりました。

 

また、たけこし市議が「市は早く要請や指導をおこなうべきではないのか」と質すと、市は「本市が指導する立場にないと考えている」と答え、終始消極的な姿勢を示しました。たけこし市議は「指導する立場にないという理由で、市民の安全に関わる重要な問題に対して主体的な関与を避けている点は、基礎自治体としての責任を放置している」と話しました。

 

今回の事案は保管容器の経年劣化が理由で発生したとされています。たけこし市議が「経年劣化のリスクがあるのではないか」と追及したところ、市は「リスク管理などは原子力規制庁が判断、管理すると認識している」という表面的な回答に終始。漏出が発生した保管容器以外も同じく経年劣化していくはずですが、新しい監視体制等についても「現在は考えていない」との回答でした。質問後、たけこし市議は「市の対応はあまりにも不誠実。市長には自分の家の近くだったとしても同じ対応をとるのか、と問いたい」と話しました。

 

たけこし市議は他に、神戸市のタワマン規制についてとAIを使った行政の効率化について質問しました。

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