子どもの声を聴き 市民とともにつくる 子どもの権利条例をさいたま市にも
国連「こどもの権利条約」の批准国は現在、196の国と地域まで広がりました。国連が中心となって作成した人権関係の条約としては、歴史上、もっとも多くの参加を得ています。日本は1994年に批准し、28年がたちました。しかし日本においては、いまなお当事者である子どもを含めて国民全体への周知にほど遠く、行政上も実行できているとは言いがたい現実です。
とばめぐみ、たけこし連の両市議は、1月12日、「子どもの権利条約」にもとづき子どもの権利条例を策定中、または策定した、東京都国立市および神奈川県川崎市に出向き、意見交換をおこないました。
はじめにうかがった東京都国立市では、令和5年4月を目途に子どもの権利条例の制定を目指しています。新潟大学の世取山陽介氏(故人)を講師に招き、「子どもの意見表明権が大事」だということを職員みずからが学び、認識を高めたとのことでした。
「子ども食堂」の案内チラシを市内すべての児童生徒に繰り返し配布し、貧困の子どもだけでなく、子どもならだれでも権利として利用でき、地域の人とつながれるということを伝え続けたり、アンケートを取るなかで数百人の子どもたちと対話し、「権利って知ってる?」「どんな権利が大事だと思う?」「大人にはどんな権利を守ってほしいか?」など、項目を立てて子どもと繰り返し対話をしていることなどが話されました。なによりも、とりくみの過程で大人たちの権利意識が変わっていったとのことでした。
続いて、子どもの権利に関する総合条例は現在52の市町村が定めていますが、そのスタートとなった「川崎市子どもの権利に関する条例」(2000年)を制定した川崎市を視察。そのきっかけは子どもを深く傷つける事件が起きたことであり、市民と市が「子どもを守る」立場で真剣に議論することからスタートし、子どもも含めて250回以上の議論を重ねて制定に至ったことが分かりました。
たけこし市議は「子どもの声を聴く・子どもの権利条約を読みこむ・専門家から学ぶ・市民とともにつくるという両市共通の姿勢に学び、本市でも子どもの権利条例制定に向けて歩みだせるようとりくみたい」と語りました。
省エネ・再エネ活用で気候危機打開のとりくみを
1月14日、党市議団は、深刻化する気候危機に対するとりくみを強めていくため、この問題で活動するNPO法人埼玉自然エネルギー協会代表の吉村文則氏を講師に招き、学習会をおこないました。
今年4月1日に施行される「地球温暖化対策法」では「地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じた温室効果ガスの排出の量の削減等のための施策を推進する」と定められています。昨年策定された「第二次さいたま市環境基本計画」はカーボンニュートラルへの目標として「2030年度に2013年度比で35%以上減」と設定していますが、これは政府の計画(46%)よりも低い数値目標です。
さいたま市は議会の決議もあって昨年5月、「さいたま市気候非常事態宣言」を発出しました。吉村氏は、これを活用して、市に対して真剣な対策を迫っていく必要がある、と強調。自然エネルギーの地産地消、省エネでの仕事起こし、ソーラーパネルの設置、断熱のリフォーム、ソーラーシェアリングの推進など、具体的な活動や事業のなかで市民の共同を広げていくことを提起されました。
学習会に参加した金子あきよ市議は「気候危機の深刻さはもう一刻の猶予もない。さいたま市のとりくみを進めるために市議団としても積極的な提案をしていきたい」と話しました。
新型コロナウイルス感染拡大にかかわる緊急要望 市民の命守る対策を早急に
新型コロナウイルス感染症の感染者が急増しています。1月16日には新規感染者数が2万5000人を超え、政府は、沖縄、山口、広島3県に出したまん延防止等重点措置をさらに拡大する方針で、埼玉県もその対象となっています。
党市議団は12月議会でも、新型コロナウイルス感染症の第6波に備えコロナ対策は引き続き重要な課題になることを指摘し、医療体制の拡充、感染拡大を防ぐ基本対策としてのPCR検査の拡充、保健所体制の強化、経済対策の具体化などを求めてきましたが、感染急拡大の状況を踏まえ、1月17日、市に対して、万全の対策で感染拡大を防ぐことに全力を挙げるべきとして緊急の申し入れをおこないました。
<要望項目>
1)学校·保育所·学童保育·障がい者施設·高齢者施設等、集団で生活する施設で、施設従事者と利用者に、定期的·頻回にPCR検査をおこなうこと
2)埼玉県PCR検査等無料化事業について、検査箇所が少ないため、県と市で協力して大幅に増やすこと
3)有症者を自宅に置き去りにしないために、病床の確保や発熱外来への支援を強化すること
4)ワクチン接種の3回目を迅速に進められる体制作りに努めること
5)感染の急拡大に即応できるよう、保健所職員体制を早急に強化すること
6)相次ぐイベント中止により、大きな打撃を受けているイベント関連事業者や文化団体等に十分な支援をおこなうこと
7)中小企業·小規模事業者が営業を続けられるよう、市独自の給付金等支援制度を継続的に実施すること。「緊急特別資金(新型コロナウイルス対応)」融資の返済について、据置期間の延長を実態に合わせておこなうこと
要望を受け、市保健福祉局長は「市としても、第5波の課題を踏まえて準備をしてきたが、今回の感染拡大は想定していたよりもスピードが速いので、できる限り迅速に体制強化に向けて取り組んでいく。ワクチンの前倒し、在宅医療体制の拡充など、これまで以上に強化していきたい」と述べました。2月議会でも引き続き、新型コロナ対策の強化を求めていきます。
学校行事等に参加する児童生徒に PCR検査を実施して
12月28日、さいたま市に対して「修学旅行・自然の教室や部活動の大会に参加する児童生徒・教職員にPCR検査を実施することを求める署名」にとりくんできた保護者のみなさんが市教育委員会と懇談をおこないました。たけこし連、金子あきよ、とばめぐみの各市議が参加しました。
新型コロナ感染症の影響で多くの行事や大会などが中止されました。署名は、昨年10月以降、ようやく再開されるようになった行事などを安心して実施するために、参加するすべての人が無料でPCR検査を受けられるようにしてほしいと求めています。
学校での感染対策は、子どもの行動や言動を制限するかたちでおこなわれています。教育活動も限定され、子どもの心身の成長にとって多くの影響があることへの心配が参加者から出されました。そのうえで「全員検査を受けて、感染していない状況が確認できれば、制約しないで活動ができるのではないか」「感染を広げる心配なく教育活動ができることが大切だ」との発言がありました。
しかし、対応した教育委員会は「検査を受ける・受けない、ということが差別やいじめにつながる心配がある」「本市は児童生徒数が多く、(予算上の)困難」などとして、否定的な態度に終始しました。
金子市議は「新たな変異株の拡大が懸念されており、検査の拡充の必要性は広く認められている。市は、子どもたちと教職員の健康を守るためにも、感染拡大防止のためにもPCR検査の拡充に踏み切るべき」と話しました。