議会報告

2022年2月議会*予算・市民生活 自力でごみを持ち込めないと10キロ170円?!

予算委員会で質問にたつとば市議

 2月25日、予算委員会の市民生活委員会関連の審査がおこなわれ、とばめぐみ市議が、無料のはずの家庭ごみ持ち込み処理が事業活動ごみとして有料になっている問題、地球温暖化対策、人権政策啓発活動の抜本的な予算拡充等をとりあげました。

 

 家庭ごみの持ち込みについて、市は条例で「家庭ごみを施設に直接持ち込む場合1回に100Kgまで無料」としています。とば市議は、運転等で市外の者が同乗していたことで清掃事務所がごみを受け付けなかった例、また自分で搬入できない市民が業者をお願いした場合に運搬料のほかに業者活動ゴミとして10kg170円も支払うしくみになっていることを紹介し、市民に対して条例どおり無料にするよう改善を求めました。

 

 地球温暖化対策では、市は低すぎるCO2排出量削減目標は引き上げたものの、2050年までの再生可能エネルギーの導入目標は「今後の技術開発、CO2の回収技術が進む後半で伸びる」として、最後の5年に一気に引き上げる計画となっています。しかし、来年度の公共施設への太陽光パネル設置の予定を確認すると、たった2カ所であることが明らかになりました。とば市議は「実用化のめども立っていない新技術を前提にすることは無責任であり、CO2削減の先送りに過ぎない。政府の、『2030年度までに100カ所の脱炭素先行地域をつくる』という制度に頼るだけでなく、公共施設への太陽光発電設置など、今すぐ市の判断でできることをすすめるべき」と求めました。

2022年2月議会*予算・文教 オンライン学習通信費補助金が増額

予算委員会で質問する金子市議

 2月24日、予算委員会の文教委員会関連の審査がおこなわれ、久保みき、金子あきよの両市議が質問をおこないました。

 

 はじめに久保市議は、新設予定の知的障がい特別支援学校(高等部)とサクラソウ保全、公民館のエレベーター設置についてとりあげました。特別支援学校については、知的障がいと肢体不自由障がいの生徒が同じ校舎で学ぶことから、保護者の不安の声や安全対策について聞いたところ、市は「動線を分けるなど工夫する」と答弁しました。サクラソウ保全については、求めていた「かん水」の実施が実現し、予算が増額、公民館のエレベーター設置については「設置可能な公民館へ順次進めていく」と前向きの答弁がありました。 続いて金子市議が、武蔵浦和学園義務教育学校の計画について、政策決定前の学校用地の検討状況について質問しました。答弁は「候補地のチェック項目に基づいて点数化をおこない、その得点結果を受けて沼影公園を適切な場所と判断した」というもので、市執行部の用地獲得にむけた真剣な努力がうかがえないものでした。

 

 また、制度開始時から増額を求めてきたオンライン学習通信費援助について、市は年額1万2000円から年1万4000円に引き上げる、と答弁しました。スクールサポートスタッフについて、過大規模校が増えるにもかかわらず減額が示されたことに対し、コロナの影響も続くなか、ぜひ増員を検討すべきと求めました。移転した市民会館おおみやの大小ホールの利用料がこれまでの2倍になっていることについて、市民団体の利用に大きな困難が生じていることから、減免措置や利用料金の見直しについて聞きました。「今後設けられる基準に基づいて、必要に応じた見直しをおこなっていく」との答弁がありました。

2022年2月議会*予算委員会(総合政策②)保育士の賃上げ対象を立保育所にも広げよ

予算委員会で質問をおこなうたけこし市議

2月22日、予算委員会の総合政策委員会関連(2日目)の審査がおこなわれ、たけこし連市議が質問をおこないました。

 

 たけこし市議は、政府が実施した「保育士と幼稚園教諭への賃上げ措置(9000円)」の適用範囲を公立保育所の保育士および会計年度任用職員まで広げることを求めました。

 

たけこし 公立保育所の保育士の賃上げをおこなわない理由はなにか。

 

 給与改定は市人事委員会勧告に基づき対応してきた。また、常勤職員の保育士の給与水準は、民間(保育所)の給与水準を大きく上回っているため、賃上げの対象外とした。

 

たけこし 今回の賃上げの目的は、新型コロナや少子高齢化の最前線にいるケア労働者の仕事内容の重要性に対して報酬が低いと国が判断したため、実施されるものだ。全国的にみても、すでに政令市1市を含む34の自治体が賃上げをおこなっている。実施を強く求める。また、会計年度任用職員の検討状況は。

 

公立保育所に勤務する会計年度任用職員の保育士の処遇改善については、人材確保の状況に基づく給与改定の必要性や他団体の状況などを踏まえ、実施の可否を判断すべきものと考えており、現在、所管課と協議を続けている。

 

 たけこし市議は「市が賃上げに消極的な理由は、国が賃上げを求める一方で、人事院勧告では賃下げを求める、というアベコベな姿勢があることと、継続した予算措置の確証がないためである。今後は国会と市議会で連携をとりながら、実現を求めていく」と話しました。

 

 たけこし市議はその他にも、会計年度任用職員の処遇改善や複合災害への備え、市内業者への支援についてとりあげました。

2022年2月議会*予算委員会(総合政策①)公共施設マネジメント計画は見直しを

予算委員会で質問をおこなう神田市議

 2月21日、予算委員会の総合政策委員会関連(1日目)の審査がおこなわれ、神田よしゆき市議が質問をおこないました。

 

神田 公共施設マネジメント(公マネ)の大きな目的は「公共施設面積の総量の縮減」であるわけだが、第1次アクションプランの期間が終了し、実態はどうだったのか。

 

 ハコモノ3原則にもとづき、新設の抑制、施設の統廃合等により、施設総量の縮減に努めてきた。令和2年度末のハコモノの床面積については、第一次アクションプラン(2014~2020年度)の目標としていた219万2000㎡から、225万7000㎡と、やや増加した。

 

神田 減るどころか増えているのが実態だ。市は、国がすすめる「公共施設の総量規制」を先取りしたのであろうが、人口が急増しており、政令市比較でも圧倒的に公共施設が少ない本市にとって、公共施設へのニーズが高まるのは当然のことだ。あらためて公マネを見直すべきと考えるがいかがか。

 

 公マネは施設総量を計画期間全体の60年間で15%縮減するとしている。必要な施設については将来の人口動態を見据え、必要な機能を精査し、中長期的な総量規制の範囲内で整備するのが基本的な考えだ。

 

神田 市民会館おおみやや市民会館うらわは公マネの対象から外れ、複合化のなかで面積縮減どころか増えるという状況だ。

 

 社会経済状況の変化や本市の財政状況を注視するとともに、必要な見直しをおこなう。

 

 神田市議は公マネの見直しとともに、市民にとって必要な公共施設は複合化の対象からはずし、つくっていくよう求めました。

2022年2月議会*代表質問 気候危機打開にむけて

 2月9日、2月議会本会議でたけこし連市議が代表質問をおこない、気候危機打開に向けた市のとりくみ等について質しました。

 

 たけこし市議は「若者を中心に、気候危機への不安が世界中に広がっている。本市も昨年5月に『気候非常事態宣言』を発出したが、とりくみが不十分」と指摘。環境省が作成した、産業革命以前と比較し気温上昇を1.5℃に押さえられなかった場合の2100年の「未来の天気予報」を示しつつ、本市が定める「第2次さいたま市環境基本計画」の問題点を指摘し、緊急の見直しを求めました。

 

たけこし 第一の問題は、CO2排出削減目標が低いこと。計画では2030年までのCO2削減目標が35%削減となっているが、この数字は政府目標である46%よりも11%も低い。引き上げを求める。

 

副市長 議員の指摘どおり、目標値が低くなっている。今後は国の削減目標に合わせて見直していく。

 

たけこし 第二の問題は、再生可能エネルギー導入目標が低いこと。計画では、再生可能エネルギー導入量を2倍の7321TJ(テラジュール)にするとしているが、この数字は本市の年間消費電力の9万9441TJ(平成30年度)に対して約7%程度に過ぎない。改善が必要だ。

 

副市長 現在、市の持つ再生可能エネルギーのポテンシャルを分析している。今後はそれを最大限に生かす目標を設定する。

 

たけこし 第2次計画からエネルギー消費削減目標が削除されているのは問題だ。

 

副市長 市民1人あたりの削減目標というかたちで設定をしているが、今後さらに引き上げに向けたとりくみを推進する。

 

CO2排出削減の実践をいそげ

 

 続いてたけこし市議は、本市で実践すべきCO2排出削減のとりくみを提案しました。

 

たけこし 本市は年間日照時間が2148時間と大都市のなかでも非常に長い。その特色を活かし、ソーラーエネルギーを最大限活用することは重要。例えば横浜市では市内の小・中学校の屋上に太陽光パネルと蓄電池を設置し、学校に必要な電気をまかないつつ、余剰電力を他の公共施設に送電するとりくみをはじめた。横浜市はこのとりくみでCO2排出量を2割削減できるとしている。本市でも実施すべきではないか。

 

副市長 現在、本市のすべての小中学校にソーラーパネルを設置しているが、余剰電力を生み出してはいない。今後は余剰電力が発生した場合に他公共施設へ送電するなどのとりくみをおこないたい。

 

たけこし 耕作放棄地などの農地にソーラーパネルを設置するソーラーシェアリングのとりくみを推進すべきではないか。

 

副市長 今度、あらたなエネルギー利活用として位置づけ、とりくんでいく。

 

ZEH(ゼッチ)・ZEB(ゼブ)ってご存知ですか

 

 また、たけこし市議は、ゼロエネルギーハウス(ZEH)とゼロエネルギービルディング(ZEB)について提案。ZEH・ZEBとは、年間消費エネルギーと同等のエネルギーを生み出すことができる建物のことで、日本でも世界でもZEH・ZEBの建物を増やすとりくみが進んでいます。本市でのとりくみを求めたところ、市は「積極的にとりくむ必要性を感じている。今後は(市民向けの)補助金の対象にZEHを加え、普及を推進したい」と応じました。さらに、CO2排出量を市民に可視化するライフサイクルアセスメント(LCA)の実施を求めました。市は「CO2排出量を可視化するとりくみは省エネの観点からも非常に効果的と考えている。さまざまな事業でLCAを意識した施設整備をおこなう」と答弁しました。

 

 たけこし市議は「日本政府の気候危機への対応は、CO2排出削減目標が低くとりくみが不十分であることが国際会議などでも指摘されている。本気で将来世代のことを考えるなら、国を上回るとりくみをすべきだ」として、気候危機打開にむけた本気のとりくみの必要性を強調しました。

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