議会報告

2022年2月議会*予算・まちづくり 収支率だけでコミバス継続・廃止を決めるな

予算委員会で質問にたつとりうみ市議

 3月1日、予算委員会のまちづくり委員会関連の審査がおこなわれ、とりうみ敏行市議が質問をおこない、コミュニティバス(以下、コミバス)についてとりあげました。

 

 さいたま市のコミバスガイドラインでは「収支率40%の確保」が、そのコースの継続、廃止、改善の評価に使われています。とりうみ市議は、その危険性について「行政が公共交通サービスをおこなう理由について、利益を目的とする民間では担えない事業である」と指摘したうえで、次のような質疑をおこないました。

 

とりうみ そもそも公共交通サービスの収支率は、高くなりにくい性質を持っているという認識はあるか。

 

 収支率はもともと赤字補填をするようなしくみ。一定の公費負担をしてきた。利用者の低減ということで言えば、路線バスと同等の運賃で決して高くない。

 

とりうみ 公費負担は当然であり、それが低いことが問題。国土交通省中部運輸局の調査では、本市と同様の対距離制で運行している7割強が収支率30%以下で運行している。収支率が40%に満たないのは本市だけではないではないか。

 

 今後ガイドラインの見直しのなかで議論する。

 

とりうみ 収支率の評価だけで事業継続、廃止を決めるのは危険。「地域特性」「交通特性」「利用者特性」などの評価を切り捨てていいのか。

 

 社会情勢が変われば評価の基準も変わる。しっかり議論を詰める。

 

 とりうみ市議は「収支率が上がらない責任を利用者に転嫁することは許されない。民間バス会社への支援も必要である」と強く求めました。

10万円の子育て給付金 対象が拡大

 すでに実施されている子育て世帯への臨時特別給付金(子ども1人10万円)について、基準日以降に離婚するなどあらたに支給対象の養育者となっているにもかかわらず、給付金を受け取れなかった方に対し、国の支給要領にもとづき支給が実現しました。昨年12月議会の予算委員会で金子あきよ市議が支給実現を求めていました。

 

 対象者は約500世帯・約800人で、申請が必要です。①2021年9月分の児童手当の受給者ではなかったが離婚等により2022年3月分の児童手当受給者になった方、②2021年9月30日において高校生等を養育していなかったが、離婚等により2022年2月28日時点において高校生等を養育している方が対象です。詳細は、党市議団のYouTubeをぜひご覧ください。

 

 

一歩前進!10万円の子育て給付金、対象が拡大!「日本共産党さいたま市議団ミニ議会報告」 – YouTube

 

 

 

※離婚等…離婚の他、離婚協議中で配偶者と別居している方、DV避難者や里親、児童養護施設等の特例で一括給付金の支給先変更ができていない方、養子縁組や海外からの帰国者も含まれる

 

2022年2月議会*文教委員会 義務教育学校では良好な教育環境はつくれない

 2月14日、文教委員会で所管事務調査報告があり、金子あきよ、たけこし連の両市議が質疑をおこないました。

 

 「武蔵浦和駅周辺地域の教育環境の改善」のため、義務教育学校を整備するという計画について、素案では3つの校舎の児童生徒数等は下表となると報告されました。

 

 問題は、2026年度までにこの地区の小学校5校で19学級も増加するとの見通しを教育委員会が示したことです。さらに、地区内の浦和別所小学校は現在33学級。9学級は減らさないと「過大規模」状態は解消できません。そのため、金子市議が「計画されている学級数ではこれらの状況に対応できないのではないか」と質しました。しかし市教委は「地域全体でならしていく」との答弁。義務教育学校の計画を進めても、この地域の「良好な教育環境の整備」という目的は果たせないことが明らかになりました。

 

子どもの新型コロナ感染が激増

 

 今年に入って急激な感染拡大が起こっており、2月だけで小学校1331人、中学校337人、市立高校49人の陽性者が出ました。学級閉鎖等は、文部科学省のガイドラインの基準を参考に、学校と教育委員会が協議し、決定しています。また、学級閉鎖などで登校できない状況では、タブレット端末を使ってオンライン授業がおこなわれ「オンライン特例授業出席日数」としてカウントされるとの説明がありました。

 

 金子市議は、教員にも感染が広がるなか、出勤している教員が極めて多忙であることを指摘し、「濃厚接触者となり休んでいる教員が、自宅からオンライン授業をおこなうよう求められたり、本来は授業をすることができないスクールアシスタントが授業をおこなっている実態があると聞いた。問題ではないか」と質しました。教育委員会は「そのような実態は把握していない」としましたが、いずれも適切でない実態がある場合は指導をする、と回答しました。

2022年2月議会*保健福祉委員会 公立保育所「半分程度」に減らす?!

 2月14日の保健福祉委員会で「公立保育所のあり方に関する基本方針」を2023年に策定する計画が報告されました。

 

 その中心は「公立保育所を再編し、機能向上を推進する」ものです。機能強化として民間保育所への支援・交流、医療的ケア児支援などをあげ、公立保育所を半数程度に減らして浮いた人員を「機能強化」にあてるとしています。「基本方針」は2022年に作成し、2023年から実施する予定です。しかし、すでに鈴谷東・西保育園(いずれも中央区)の統廃合が決定され、さらに下落合団地保育園と与野本町保育園(いずれも中央区)の統廃合を2023年におこなうことも明らかになりました。今回報告された計画の有無にかかわらず、すでにさいたま市は公立保育所統廃合を次々と進めています。

 

 報告を受けた保健福祉委員の松村としお市議は「大変おどろいた。公的責任を投げ捨てるひどい計画だ。保育所を減らさなくても、人を増やせば機能強化はできる」と指摘。市は「市職員の定員管理計画で定数が決まっている。難しい」と答弁し、削減ありきの姿勢を示しました。さらに、「公共施設マネジメント計画(公共施設を減らす計画)を超えるのではないか」との指摘には「明確な数字はない」とまともな検討がされていないことを明らかにしました。このままでは突出した削減計画になる可能性があります。松村市議は質疑を踏まえ、「削減理由も根拠もあいまいだ。公立保育所を減らすこの計画は撤回すべき」と主張しました。

2022年2月議会*予算 保健福祉 保健所体制は不十分 さらなる強化求める

 2月28日、予算委員会の保健福祉委員会関連の審査がおこなわれ、松村としお市議が新型コロナ対策等についてとりあげました。

 

 コロナ感染の第6波が急速に拡大したことで2月初旬のピーク時には「保健所から何も連絡がない」と相談が多数寄せられました。党市議団はこれまでも保健師の増員を求め、2021年度は12人増えましたが、それでも保健所が機能不全に陥りました。松村市議はさらなる人員増を求めましたが、市は「今の体制を継続したいが、今後の対応は感染状況に応じて考えたい」と答弁。明確な体制強化の方針は示されませんでした。

 

 その後、3月11日の保健福祉委員会でコロナ対応報告がされ、松村市議は「保健所から感染者への連絡に時間がかかった。常時の体制に不十分さがあった」と指摘。市は「第6波の検証を今後進める。常時の体制を含めて検討していきたい」と答弁しました。党市議団は保健所を2カ所に増設するよう提案していますが、引き続き体制強化を求めます。

 

 続いて松村市議は、障がい者グループホーム運営費補助充実と整備費補助の創設も求めました。市は「重度障がい者の受け入れ人数に応じた補助金の要望がある」として「整備費補助創設など支援拡充について実態把握し調査研究したい」と答弁しました。

 

 また、児童相談所の夜間相談対応の一部民間委託についても質問。職員の増員で対応できること、資格も求めず相談体制に切れ目を持ち込むものであることが明らかになり、反対しました。

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