議会報告

松村としお

市有地が不正に売却!?真相究明求める

与野駅西口土地区画整理事業のなかの市有地を市職員がきちんとした手続きをとらずに売却したことが4月の定期監査で発覚し、市は調査を進めてきました。6月5日の市議会本会議で市長が陳謝するとともに経過報告がおこなわれました。

 

6月6日、報告への質疑に立った松村としお市議は「市職員の行動は不可解。再発防止策を考えるうえでも真相究明が必要」と指摘し、市の基本姿勢を質しました。都市局長は「調査検討会議により、発生原因や動機の調査、課題等の整理及び再発防止策の検討をしっかりとおこない、今後の再発防止と市民のみなさまの信頼回復にとりくむ」と答弁しました。

 

松村市議は市有地の売却相手と市および職員との関係等について質問しましたが、多くは「調査中」という答弁でした。また売却相手についても「土地返還に向けた任意協議中」であることを理由に「答えを差し控えたい」と具体的な答弁はありませんでした。市は現在進めている庁内調査について、6月末に議会に改めて報告するとしています。松村市議は調査を求めた事項も報告するよう求めました。
他会派もこの問題について質疑しましたが、同様の答弁が続きました。質疑後、全議員の賛成で「市民の信頼回復に全力で取り組むことを求める決議」をあげ、「発生原因の調査と再発防止策の検討」「違法行為に対する厳正な処分」とあわせ、「早急に刑事告訴」をおこなうことを市に強く求めました。

座談会 2024年2月議会をふりかえって

3月14日に閉会した2月議会について、党市議団としてふりかえる座談会をおこないました。メンバーは、予算委員をつとめた金子あきよ、とばめぐみの両市議、議案に対する質疑をおこなった松村としお市議、司会はたけこし連市議です。

 

くらし応援の予算求めて「反対」

 

たけこし 2月議会の予算委員会で党市議団が新年度予算案に反対した理由をうかがいます。

 

とば 市長は「選ばれる都市・新時代への進化」と銘打って、過去最大の1兆1816億円という予算を組みましたが、コロナと物価高騰で痛みきった市民の暮らしを支えるものではありませんでした。2都心4副都心開発には152億円もつぎ込む一方で、他市がおこなっている学校給食費の無償化や水道料金の引き下げ、中小企業や農業への直接支援はまったくない。検討すらしない。高齢者や障がい者、医療関係予算は削減や制度廃止の繰り返し。国保税は8年連続値上げ、介護保険料も値上げです。まちづくり関連では、市役所移転と跡地利用、地下鉄7号線延伸と中間駅建設、首都高延伸、大宮駅GCS化構想など大開発のオンパレードですが、一方で公立保育所は半分に減らす、レジャープールも削減、さらに公的介護施設「グリーンヒルうらわ」(緑区)の廃止も示されました。もちろん、予算案には歓迎できる事業も含まれていますが、予算に対する賛否というのはひとつひとつの事業に対して賛否を表明することができず、全体の予算に対して賛成か反対か、という表明の仕方しかできないルールになっています。そのため、全体として予算案には反対しました。

 

松村 くらし応援の予算は235億円ですが、ほとんどが国からのもので、市が出すお金は10億円にも満たない。市独自のくらし応援はしていません。借金が増え続けているのも問題です。建設関係大型公共事業目白押しで大丈夫かと懸念します。市庁舎移転総事業費は400億円に、地下鉄7号線延伸も1300億円に膨れあがり、際限がありません。上限を決めて事業費を抑えるしくみが必要だと提案しましたが、市は受け入れませんでした。その結果がくらしや福祉の予算の削減です。党市議団は予算組み替えも具体的に提案し、予算案のほんの2%を組み替えるだけで、くらし・福祉・防災対策を充実できると示しましたが、とりくもうとしないのが現実です。

 

たけこし 大型公共事業予算には上限を設けていないと財政局長が明言しており、非常に問題だと感じます。

 

市職員の非正規化は問題

 

とば 市の職員の非正規化についてもとりあげました。本市の職員は2万1000人を超えますが、半分以上が非正規です。4116人の会計年度任用職員のうち167人に雇止め通知を出していることが明らかになりました。また、常勤職員の給与改定は今年度4月に遡って支給されるのに、会計年度任用職員は翌年からです。常勤と同じように遡及支給するよう国から再三通知が出され、全自治体の6割が実施しても、本市は実施しません。

 

たけこし 職員の働き方が市民サービスに直接影響することについては、松村市議も代表質問でとりあげましたよね。

 

松村 会計年度任用職員の8割が女性であることから、女性に対する間接差別だという認識はあるかと質しました。これは国の制度なので、日本共産党は国会でも非正規ワーカー待遇改善法を提案し、会計年度任用職員も希望すれば無期雇用に転換できるようにすべきこと、長年勤めてきた会計年度任用職員を新規採用といっしょに公募に応募させるルールを廃止して、公募は新規採用に限定することを求めています。連携したとりくみが必要です。

 

たけこし これは制度そのものが大きな問題ですね。さて、学校の問題では金子市議、いかがでしょうか。

 

市民にあたたかいまちづくりを

 

金子 教室不足が深刻です。市長は「昨年12月に出された人口推計で、本市の人口ピークを10年先延ばしすることができた。とくにゼロ歳から14歳までの子どもの転入超過数が全国1位だ」と自慢していますが、その結果、来年度は10校76教室がプレハブ教室になります。大型マンションができて子どもの数が激増した大宮南小学校は、体育の授業ができず、県立大宮高校の校庭を借りています。浦和別所小学校もプレハブ建設で校庭が使えず、子どもは3日に1回しか校庭で遊べないとNHKでも紹介されました。

 

たけこし まちづくりを進める時には住民第一という視点が必要ですよね。地下鉄7号線延伸についてはどうでしょうか。

 

松村 1300億円かけて18年くらいかかりそうだということが分かりました。これだけのお金をかけるなら、バスやデマンド交通など、市民のみなさんの日常的な移動手段の充実にこそ使うべきだと思いますね。

 

たけこし 上下水道についてはどうでしょうか。

 

とば 水道の基本料金を1カ月無料にするのに必要な予算は9億円です。市は毎年50億円余の黒字を出しながら、減免の検討もしません。なにより問題なのは下水道整備の受益者負担金です。一切徴収していない政令市は6市もあり、徴収していても1㎡200~500円です。本市は810円と高すぎることによって負担金が1000万円を超えた市民が複数存在します。払えなければ延滞金まで課すしくみは改めるべきです。

 

たけこし 予算から、市民に冷たい市政が浮きぼりになりましたね。(次号に続く)

 

市政をもっと身近に 2月議会報告会を開催  

会場いっぱいの参加者で開かれた議会報告会

3月30日、北区のプラザノースで2月議会報告会が開催されました。6人の市議全員が参加し、2月議会でとりくんだ内容について報告をおこないました。

 

はじめに、代表質問にたった松村としお市議から、さいたま市の予算から見えてくる都市開発優先と福祉削減の特徴などについて報告があり、次に同じく代表質問にたったたけこし連市議から、与野中央公園5000人アリーナ計画での周辺住宅への被害とその補償についてなどの報告がありました。

 

続いて、久保みき市が高齢社会における地域公共交通特別委員会での議論を紹介しながら、党市議団の公共交通政策について報告し、池田めぐみ市議が能登半島地震の教訓を生かすよう求めた市の防災対策と、2月議会で可決されたインターネット安心利用条例の経緯と期待される効果について報告しました。とばめぐみ市議からは会計年度任用職員の問題について、党国会議員団と連携しながら課題解決にとりくんだ事例を報告。最後に金子あきよ市議から、北区の独立行政法人地域医療機能推進機構(JHCO)跡地利用の方向性とその課題についての報告がありました。

 

各市議の報告後には、さまざまな質問が出され、それぞれに市議が答えていきました。参加した市民からは「党市議団の奮闘ぶりが伝わってきた」「さいたま市の抱える問題がよくわかった」「空白区でも議員を身近に感じられる機会になった」などの感想が寄せられています。

 

松村市議は「市内で党市議のいない行政区が4つ(北区・大宮区・西区・岩槻区)あり、そこについては市議団で市政報告会をおこなうと決めてから1年が経過し、4行政区をまわることができた。どの行政区でも市政報告会に積極的に市民が参加してくれており、市政を身近に感じてもらっている。引き続き、新年度も市政報告を続けていきたいと思う」と話しました。

2024年2月議会*市民生活委員会議案外質問 ゼロカーボンへ 再エネ補助の拡充求める

2月19日、松村としお市議は気候危機対策について質問しました。

 

12月に出された「地球温暖化対策実行計画素案」では、CO2削減のため再生可能エネルギーを2013年度比1.9倍に増やすとしています。松村市議は、もっとも比率の大きい住宅用太陽光発電を増やすため補助事業の拡充を、と提案しました。これに対して市は、財政が厳しいとして「継続実施に努めたい。利用しやすい補助制度へ要綱を見直すなど充実を図りたい」との答弁にとどまりました。

 

松村市議はさらに農地でのソーラーシェアリング、事業者向け「創エネ・蓄エネ設備導入補助金」などの拡充で再エネ促進を求めました。

2024年2月議会*代表質問 市民の声を反映する市政への転換求める

2月15日、松村としお市議が代表質問にたちました。

 

武蔵浦和義務教育学校建設やレジャープール廃止問題などで、市民の反対運動が広がっています。松村市議は、「市民の声を反映する市政」をめざす立場から質問しました。

 

松村 パブコメについて。「レジャープールあり方方針」のパブコメでは反対意見が多かったのだから方針を見直すのが当然ではないか。

 

副市長 反対意見の多くが、財政負担軽減や地域バランスといった課題に対するものではなく、要望等の意見だったため、見直さない。

 

松村 当事者の意見を聞くことについてうかがう。レジャープールの当事者は誰か。

 

副市長 子どもから高齢者まで幅広い年代の方が利用。当事者は「市民」。

 

松村 プールの利用者は子どもが多い。今からでも子どもの意見を聞くべきだ。

 

副市長 20~80代の市民対象のWEBアンケートをした。子育て世代の回答で子どもの立場も考慮した意見も反映されている。

 

松村 当事者は市民、子どもも利用者、と答弁したのだから子どもの意見を直接聞くべきだ。

 

副市長 今後、各施設の計画の検討にあたっては子どもの意見も聴取して検討したい。

 

さらに、住民説明について質しました。松村市議は自治会関係者から「聞いていない」「存続を」という声が出ていることをあげ「地元住民の理解がないままレジャープールの方針決定がされた。本来なら決定前に意見を聞く場を設けるべきだ」と求めました。市は「原山市民プールの存続や廃止の方向性は決まっていないから説明をおこなう段階ではない」としつつ「今後、沼影市民プールの代替施設の検討段階から説明会を開催し、原山地域も含め地元意見をていねいにうかがいながら進める」と答弁しました。

 

一連の質問で子どもの意見や説明会で一定の対応をする答弁が示されましたが、パブコメも受けとめず、当事者の子どもの意見も聞かず、地元にも説明しないで大幅削減を決定したのは問題です。

松村市議は「レジャープールのあり方方針の撤回を求める」と強く迫りましたが、市は「撤回は考えない」と強弁しました。  また沼影市民プールについて、ロッテ2軍施設跡地の購入を求めましたが「工場立地法の制限があるので困難」と答弁し、まともに検討しない態度でした。

 

住民サービス削減やめよ

 

レジャープール削減の根拠のひとつとして、市は「支出超過」をあげています。松村市議は市内公共施設の収支を調査。収入超過の施設は一つもなく、すべて支出超過でした。質問でレジャープールより支出超過している施設の例をあげ、問題になる事業とならない事業の違いを聞くと「収支バランスのみで判断せず公共性の高さなど施設特性などを総合的に勘案し…」と答弁。松村市議は「根拠があいまいで負担増や市民サービス削減をもっともらしく説明するために恣意的に使っている」と批判し「支出超過を事業継続の指標にするのはやめるべき」と主張しました。

 

ジェンダー平等へ女性職員の力を集めよ

 

さいたま市のジェンダー平等の「司令塔」は「男女共同参画推進本部」(本部長は市長)ですが、男性が97.4%を占めています。また、市の非正規雇用である会計年度任用職員の8割が女性であり、処遇改善は喫緊の課題です。

 

松村 市は「政策及び方針決定過程の女性の参画拡大」をかかげているが、推進本部はほぼ男性。政策及び方針立案する女性職員中心の組織立ち上げを提案する。

 

副市長  提案については男女共同参画推進本部のより効果的なあり方を検討するなかで研究したい。

 

松村 市は「女性の経済自立に向けた取り組みの推進」を掲げ、「給与等の処遇面の格差が貧困の一因」「経済的な自立は女性の自己決定という観点から非常に重要」と言っている。であるならば、会計年度任用職員の大幅な賃上げと期末手当引き上げの遡及支給をすべき。

 

副市長 所管課からの給与等の増額要望は協議をおこない、賃金は適正な水準確保に努めている。雇用の安定確保の観点から4月1日から給与改定し、今後は遡及改定の可否も含め検討したい。

 

市は掲げた方針を脇に置いてジェンダー不平等是正に積極的に動く姿勢を見せませんでした。

 

地下鉄7号線延伸は断念を

 

市は1月に地下鉄7号線(埼玉高速鉄道)の浦和美園駅から岩槻駅まで約7kmの延伸建設費用が860億円から1300億円に増え、工事期間も7年から18年に伸びたことを発表。松村市議は「費用面はもちろん時機も失した。延伸を断念すべき」と主張。市は「事業化に向けて決して断念することなく、これまで以上に県や鉄道事業者と連携しとりくんでいく」として、際限なく税投入をする姿勢を示しました。

松村市議は「コミュニティバスや乗り合いタクシー、デマンド交通など市民に身近な公共交通網の充実や利便性向上を優先すべき」と求めました。

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