政策と活動

中央区

さいたま市政検証vol.1 感染防止対策を万全に 安全・安心の避難所の備えを

2019年10月21日、清水市長(右から4番目)に台風19号対策の緊急申し入れを行う党市議団

 新型コロナウイルス感染症の拡大がいまだ続くなか、まもなく台風シーズンを迎えようとしています。昨年は台風15号、19 号が関東圏を直撃し、さいたま市内にも甚大な被害をもたらしました。

 

 今後は、新型コロナウイルスに加え台風や地震といった複合災害への備えが必要になります。党市議団はこの間、水害を想定したハザードマップの改善や市民への周知、避難所の環境改善をはじめとする防災対策を議会で提案してきました。

 

台風19 号の防災提言まとまる

 

 昨年の台風19 号被害の教訓を生かすために立ち上げられた令和元年度台風19 号対策調査特別委員会には、党市議団から久保みき、たけこし連の両市議が参加し、市民のみなさんから寄せられた要望を提案しました。

 

 同委員会では全会派で一致した「令和元年台風第19 号による被害を教訓とした今後の災害対策に関する提言書」をまとめ、市に提出しました。この提言は全11 項目からなり、党市議団が求めてきた「河川、排水路、調節池等の治水対策の推進」「交通事業者と移送に関する協定の締結」「市ホームページの改善、防災無線の改善」「ペットの同行避難の基準整備」「本庁、行政区等との被害情報の共有」「ボランティアの調整や被災者ニーズのマッチングの整備」なども盛り込まれました。

 

※令和元年台風第19号による被害を教訓とした今後の災害対策に関する提言書(2019年 12 月 17 日 委員会決定 )

https://www.discusscabinet.net/temp_dl/saitama/4751_8225CFA79A52A6E1F1BCF0AA08FF15CB/02_R020225%20%E6%8F%90%E8%A8%80%E6%9B%B8.pdf

 

避難所の環境改善を求める

 

 防災分野を所管する総合政策委員会では神田よしゆき、たけこし連の両市議が防災対策について連続してとりあげ改善を求めてきました。昨年の9 月議会で神田市議は水害のハザードマップに記載されている指定避難所のなかで、大雨や洪水時に浸水する避難所があることを指摘し、改善を求めました。その後、ハザードマップが新しく作り変えられました。

 

 また、たけこし市議は、昨年12 月議会で台風19 号の際に開設された避難所に、内閣府の防災備品指針にある「簡易ベッド」が備蓄されていないことを指摘し、エアマットと避難者のプライバシーを守るためのファミリーパーテーションの備蓄を求めました。その後、エアマットを避難所に備蓄する予算がつくなど一定の前進もかちとっています。さらに今年の2 月議会では、LGBTQ(性的少数者)の方が安心して過ごせる避難所整備を求めました。

 

感染対策できる避難所運営のために

 

 現在、防災行政無線は市内に572 基ありますが、聞こえづらいという声が多く寄せられています。市は、防災メールの登録を呼びかけています。また、メールの受信ができない市民向けには、電話(自動音声)で避難勧告・避難指示(緊急)の情報を得ることができます。

 

※さいたま市防災行政無線メールを配信しています(さいたま市ホームページ)

https://www.city.saitama.jp/001/011/015/004/002/p054192.html

 

 昨年の台風19 号の際には市内199 カ所の避難所を開設し、1 万2000 人が避難しました。新型コロナウイルス対策として、避難所ごとに手指用アルコール、マスク、非接触型体温計を購入し、備蓄の準備をはじめています。また、避難所として指定されている学校は、これまで体育館や武道館などを開放していましたが、今後は教室も避難場所として利用できるようになります。

 

 パーテーションや段ボールベッドは、大量に必要です。しかし備蓄場所が必要なことや長期保存による劣化で使えなくなるため、常備していません。市は避難が長期化する場合は国のプッシュ型(輸送型)支援を受けるとしています。また、台風19 号の際には、避難所に車が停められず、自宅に戻った人もいました。市は、車両を避難させるために駐車場を利用できるようショッピングセンターと協定を結ぶなどしています。

 

 避難所開設時に感染症対策を万全にするためには、国からの支援のみに頼るのではなく、市独自で感染対策にそなえる必要があります。党市議団は引き続き、市の防災対策の充実を求めていきます。

認可外保育施設 自粛中の保育料返還に国の支援を

要望書を手渡す(右から)とばめぐみ、たけこし連の両市議

 5 月29 日、たけこし連、とばめぐみの両市議が認可外保育施設に通う子どもがコロナ禍で登園を自粛した場合の保育料返還を国が支援するよう、国および塩川てつや、宮本徹両衆院議員に要請陳情活動をおこないました。

 

 下表のとおり、市内の認可保育所や認定こども園など国の認可基準をクリアしている保育所や本市が独自で認定している保育施設などは保育料返還の対象となっています。一方で、認可基準をクリアしていないその他の保育施設(認可外)は対象外です。

 

 

 認可外保育施設にはこれを機に認可基準を満たす努力が求められますが、利用している子どもは認可保育所に入れなかったなどの理由であることも多く、塩川衆院議員は「一律で自粛を要請した以上、子どもに線引きすることも自治体で差があることも問題」などと指摘。とば市議は「国が責任をもって保育料返還を」と求めましたが、厚労省は「認可外の保育料減免への支援は、国からの交付金を使って自治体の判断でできる」と自治体任せの姿勢を見せました。

 

 また、国の第二次補正予算案で、医療・介護・障害者分野の職員への慰労金が盛り込まれたことを受け、保育所・学童保育など児童福祉施設で働く職員も対象とするよう強く求めましたが、厚労省は「保育所や学童保育がコロナ対策で果たした役割は認識している」と述べるにとどまりました。

新型コロナ感染症対策に市独自の支援を 党市議団が要望書を提出

党市議団の要望書を提出する(左から)神田よしゆき、久保みき、たけこし連の各市議

 4 月15 日、党市議団はさいたま市に対し、「新型コロナウイルス感染症に対する要望書」を提出し、対策本部である危機管理部が受けとりました。提出には神田よしゆき、久保みき、たけこし連の各市議が参加しました。

 

 はじめに神田市議より、市民の命と健康を守る体制構築について「発熱の人が病院を受診し、医師がPCR 検査を求めているにもかかわらず検査が受けられないという状況が続いている」と述べ、医師会にも相談したうえで市の責任で発熱外来を設置するよう要望しました。

 

 また、久保みき市議は「浦和や大宮の飲食店が大打撃を受けている。川口市でいち早く独自支援をおこなったように、財政力が十分にあるさいたま市も独自支援を打ち出してほしい」と強調しました。

 

 市は、「市長から保健所の増員や、検査の拡充の話を受けて進めている。3 年間無利子・無担保の融資も4 月17 日からスタートとなる。給付を求める声もあるが、この状況が数カ月続くとなってきたときにどういう策が必要か長い目で考えていきたい」と述べました。

 

 神田市議は、「いま経営している人にとっては、直接給付がなによりも必要。色々な支援をスピーディに活用し、仕事を継続していける形をつくるべき。低所得者は数カ月の単位では生活が維持できない」として、市独自のスピード感を持った対策を求めました。

 

 市職員の新型コロナウイルス対応の現状から、個別の回答は求めていませんが、議会を通じて超党派のとりくみになるよう力をつくします。

1ヵ月で3793筆 学校給食費の値上げ分を保護者負担にしないで

署名提出に立ち会う(左から)久保みき、たけこし連、松村としおの各市議

 3 月24 日、市内の小・中学校に子どもが通っている保護者のみなさんが、市長と教育長に対して「学校給食費の値上げ分を保護者負担にしないことを求める要望書」を3793筆の署名を添えて提出し、懇談しました。懇談には党市議団から松村としお、たけこし連、久保みきの各市議が参加しました。

 

 参加した保護者からは「物価の上昇や消費税増税、新型コロナウイルスで、家計は大変苦しい。本当に値上げする気なのか」「保護者の声を聞いてほしかった」「学校現場でも非正規の教員が増えている。値上げは切実」などの声が出されました。

 

 また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大阪市が4 月から前倒しで小・中学校の給食費を全額無償化することを紹介し「さいたま市が値上げを決めた昨年7 月とは情勢が大きく違う。値上げの先送りも含めて再検討してほしい」として、市として方向転換するよう要望しました。

 

 市教育委員会からは「材料費が値上げしておりやむを得ない」との返答があったものの、参加した松村市議は「新型コロナウイルスのこともあり、保護者は先行きに不安がある。保護者の声を受け止めて値上げの見直しを検討すべきだ」と述べました。

2020年度予算組み換えを提案 市民負担の軽減でくらしを守れ

予算組み替え提案を提出する党市議団

 党市議団は2 月7 日に「2020 年度予算組み替え要求」を市長に提出しました(財政部長が対応)。2020 年度予算案は、一般会計5627 億円(前年比1.1%増)、特別会計3167 億円(同1.6%増)、企業会計1264億円(同8.4%減)で総額1 兆58 億円(同0.1%減)の予算規模です。その中身は、大型開発やビッグイベントに多額の税金を投入しながら、多額の基金(貯金)をため込むもので、福祉や子育て、地域経済振興は不十分なまま放置されています。

 

 党市議団は、2020 年度予算案を見直し、予算全体の約2.3%にあたる210 億5600万円の使い方を変えれば、市民のくらしを応援する施策を充実できることを示しました(表)。

 

 

 組み替え提案では、各種基金の取り崩しや繰越金、再開発にかかる費用、公共施設マネジメント積立金、ビッグイベントなどで歳出カットをおこない、財源を生み出します。

 

 国民健康保険税(国保税)が4 年連続で値上げされ、2026 年まで連続値上げの計画がすすめられています。国保税の値上げは4億5000 万円で回避でき、25 億5000 万円あれば、子どもの均等割りをやめ、大人についても引き下げを実現できます。また、上下水道料金や公共施設使用料金は、約48 億円で消費税分の引き下げができます。4 月からの小中学校の給食費値上げも、8 億円で保護者負担を回避し、値下げもできます。今回、災害対策・被災者支援についても新たに盛り込みました。

 

 党市議団はくらし・福祉最優先に税金を使うため財政上の対案を「予算組み替え」というかたちで、毎年市に示しています。引き続き、予算委員会等の議会論戦を通じて市民要求実現に力を尽くします。

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