議会報告

2025年9月議会決算特別委員会(総合政策委員会2日目)意思決定の場に女性の声を増やそう

質問するとばめぐみ市議

9月26日、決算特別委員会(総合政策委員会所管2日目)が開かれ、とばめぐみと松村としおの両市議が出席しました。

はじめにとば市議が総務局に対し、本市の局長、部長など管理職における女性比率がわずか1割にすぎない現実を示し、「意思決定の場に女性の登用を」と構造的な改革を厳しく迫りました。さらに、現場職員の配置要望に対し実際に配置されたのは半分以下であり、区役所や保健・福祉分野の深刻な人員不足を告発。病休者が増え続けている事実も示し、「業務量に対して人員が決定的に不足している」と断じました。

また経済局には、昨年、建設業や運輸・通信業、小売・サービス業などで倒産負債総額が激増している状況を示し、「倒産被害の実態を徹底的に調査し、相談・支援体制を抜本的に強化すべきだ」と迫りました。さらにとば市議が再三求めてきた投票所拡充については、岩槻区で1カ所新設されたことで投票率を大きく押し上げた事実を確認し、投票のための移動支援やタクシー券等、他部局とも相談して「すべての人に投票権の保障を」と提案。選挙管理委員会は検討を約束しました。

多文化共生条例の制定を求める

次に松村市議が、今年1月にクルド人の子どもが在留資格を失ったことをもって学校を除籍するという誤った対応があったことをふまえ、多文化共生のとりくみについて質問しました。さいたま市には多文化共生に関して、まとまった方針がありません。松村市議の質問に、川口市、蕨市、上尾市、八潮市等では「指針」や「プラン」といったかたちで方針を持っていることを市も認識していることが明らかになりました。松村市議は「市の理念や姿勢をハッキリさせていくことが求められている」と多文化共生条例の制定を求めました。

続いて松村市議は「さいたま市みんなのアプリ」についても質問。アプリ機能のひとつであるデジタル地域通貨のポイント還元キャンペーンに10億円使われましたが、利用者は7万人で、市民のごく一部にとどまったことが明らかになりました。市は「物価高騰対策と消費活性化を目的とした」と説明しましたが、松村市議は「市民の一部にしか届いていない」と暮らしへの支援が弱かったことを厳しく指摘しました。

2025年9月議会決算特別委員会(総合政策委員会1日目)市民の所得の実態に見合った支援を

質問する金子あきよ市議

9月25日、決算特別委員会(総合政策委員会所管1日目)が開かれ、金子あきよとたけこし連の両市議が出席しました。

はじめに金子市議が、市民税額から市民の所得の状況についてとりあげました。もっとも人数の多い課税標準額100万~200万円階層の平均所得額は247万7000円でした。表に示すように、全体の平均所得は前年度から約20万円伸びたのに、この階層では6000円しか伸びていません。65歳以上の高齢者については、課税標準額10万~100万円の層が納税者のうちもっとも多く5万2171人、平均所得は約110万円でした。

次に金子市議は、非課税ラインぎりぎりで課税対象になった方が物価高騰対策の支援を受けられていない実態を指摘し、市の支援のあり方を質しました。財政課長は「世代を問わない支援としては、デジタル地域通貨を活用したキャンペーンなど国の臨時交付金を活用してやらせていただいた」と答弁。金子市議は「デジタル地域通貨では高齢者の支援にならない。市独自の財源も使い、非課税ラインぎりぎりで所得の少ない高齢者などへの支援をおこなう施策に踏み出すべき」と求めました。

予算で「収支不足」でも決算で黒字

続いてたけこし市議が登壇しました。2024年度決算において、市の財政状況は実質収支55億円の黒字、積立基金を含め実質140億円もの余剰を達成し、基金残高は合計949億円と前年度比83億円増となりました。財政調整基金が386億円、減債基金が189億円と、全体の多くを占めています。一方で、毎年予算編成時には収支不足が報道され、昨年は252億円の収支不足と発表されました。多くの市民から「さいたま市は本当に大丈夫なのか」という不安の声が寄せられましたが、決算では黒字という状況になっています。予算編成時と決算時の乖離について、市民にわかりやすく説明する工夫が必要です。

また、減債基金への積み立てが2023年、2024年に急激に増えている理由は、投資的経費の増加(開発行為への支出が主)であることが明らかになりました。たけこし市議は「投資的経費を野放図に積み増すべきではなく、大型開発などを中心に、本当に必要かどうか精査すべき」と求めました。

2025年9月議会*議案外質問(保健福祉委員会)敬老お祝い金事業を縮小しないで

質問する池田めぐみ市議

池田めぐみ市議は、敬老お祝い金事業についてとりあげました。

現状を確認したところ、さいたま市の敬老お祝い金は2012年に半分に減額され、現在は、75歳で5000円、その後、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳と5年ごとに1万円が支給されています。市が社会福祉審議会に諮問した「高齢者福祉施策のあり方検討」のなかで、敬老お祝い金支給事業が見直しの対象事業にはいっていますが、池田市議は「近隣市で100歳までに受け取れるお祝い金は、蕨市で26万5000円、戸田市で19万円のところ、さいたま市は5万5000円のみ」と指摘し、年を重ねることを希望にするためにも、これ以上減らさないよう要望しました。また、「パパママ応援ギフト」をデジタル地域通貨で受け取る場合、現金で受け取るよりも5000円上乗せする制度がありますが、敬老お祝い金は対象が高齢者で、スマホに不慣れな方も多いことから、さいコインやたまポンといったデジタル地域通貨での受け取りに移行しないよう、強く要望しました。

次に池田市議は、介護保険の負担割合の判定基準について、「一昨年より年金が3万円ほど増えたことで、所得が160万円の壁をこえ、介護負担が1割から2割にあがってしまった」という市民からの相談について紹介し、認識を確認したところ、担当課も困っている市民が一定数いることは把握していました。「所得判定基準が物価高騰や年金額引き上げに見合っていない」と指摘すると、国の基準であるため、改善は国に要望する、との答弁でした。

2025年9月議会*議案外質問(市民生活委員会)市のごみ出しルールの徹底を

質問するたけこし連市議

たけこし連市議は、さいたま市のごみ分別アプリの多言語対応についてとりあげました。

たけこし市議は「ごみ出しの問題で外国人がルールを守らない、との声があるが、各国でルールや文化が異なることを前提に、さいたま市に住む外国人にもごみ出しのルールをきちんと伝え、周知することが必要だ。そのためには行政による関与やサポートが必要不可欠である」と指摘。多言語の対応強化を求めました。そして、市が運用している「ごみ分別アプリ」は6カ国語対応だが、外国人住民への積極的な広報が必要だとして対策を求めました。担当課は「転入時に、外国語版の家庭ごみの出し方マニュアルを配布している。ごみ分別アプリの外国語版チラシを各区の情報公開コーナーで随時配布している。今後もさまざまな手法を通じてアプローチを広げていく」と答弁しました。

たけこし市議は「外国人コミュニティへの積極的な広報、国際交流センターとの連携強化、外国人住民が多く利用するSNSでの告知などが必要」と提案。市は、「国際交流センターにごみ出しマニュアルの冊子を置いてもらったり、SNSにおける英語での発信などアウトリーチのさらなる拡大を検討していきたい」と答えました。質問後、たけこし市議は「多様な文化背景を持つ住民が共に暮らしやすいまちづくりのため、より積極的な情報発信と支援体制の構築が必要だ」と話しました。ほかに、救急医療体制についても質問しました。

2025年9月議会*議案外質問(まちづくり委員会)西区西大宮公園整備 一部開放をいそげ

質問する久保みき市議

久保みき市議は、西区西大宮4丁目地内の近隣公園についてと、高齢社会にむけて高齢者や障がい者が利用できる交通安全施設についてとりあげました。

西大宮4丁目の近隣公園は、20年以上前に計画が出され、多くの住民は、公園ができることを期待して引っ越してこられました。一刻も早く公園を整備することが、市民のために仕事をする市の責務です。さまざまな課題があり、公園整備まであと約10年かかるとされていることから、久保市議は「仮整備や暫定利用など、すぐに公園を整備する方法はあると思う。一部でいいので、公園を整備して市民が利用できるようにすべき」と求めたところ、市は「暫定開放の検討をおこなう」と答弁しました。

続いて、高齢社会にむけて高齢者や障がい者が利用できる交通安全施設として、新大宮バイパスの歩道橋についてとりあげました。階段を使わなければならない歩道橋は、車椅子の方は利用できないので、バリアフリーに逆行する構造物です。これから高齢社会になることから、歩道橋を使えない人は増えていきます。しかし新大宮バイパスは、横断のほとんどを歩道橋に頼っています。とくに桜区桜田地域は、バイパスを横断しないと郵便局やスーパーなどに行けません。久保市議は、押しボタン信号と横断歩道の必要性を質し、設置要望を国におこなうよう強く求めました。市も「国道事務所および交通管理者へ、地元の要望を伝えたい」と答弁しました。

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