政策と活動

浦和区

各種給付金の扱い 生活保護への負い目を助長

生活福祉課から聞き取りをおこなう(右から)とりうみ敏行、金子あきよ、とばめぐみ市議

 ひとり10 万円の特別定額給付金は、生活保護における収入認定はされません。しかし、給付金の申請書も届かないうちに、福祉事務所から「給付金を受領した場合は収入申告書を提出するように。預貯金の保有は認めるが、生活保護の趣旨・目的に反すると認められる物品の購入は資産とみなされる場合がある」との手紙が届き、利用者から不安と混乱の声が党市議団に寄せられました。さらに、市独自のひとり親家庭等への臨時特別給付金(一世帯3 万円)には、使途を例示した「自立更生計画書」の提出を求めています。

 

 6 月24 日、生活福祉課に聞きとりをおこなったところ、「生活保護の制度上、収支に変動があった場合、福祉事務所に届け出が必要。収入申告したうえで、各種給付金は収入として認定しない(生活保護費を減額しない)という対応をしている」と説明。とばめぐみ市議は「自立更生計画書を受け取った女性は、悔しくて泣いていた。なぜ生活保護の利用を屈辱だと感じるようなものを出させるのか」とただしました。担当者は、市独自の給付金で給付対象を限定する場合、収入認定しないためには生活保護世帯に「自立更生計画書」を提出させる必要があると答えました。党市議団は、「厚労省の通知とはいえ、市が生活保護制度への負い目や偏見を広げるような対応はすべきではない」と強く抗議しました。

小規模企業者・個人事業主給付金 申請方法の改善を

埼玉土建3支部と産業展開推進課の懇談に同席する(後列右から)とばめぐみ、とりうみ敏行、神田よしゆきの各市議

埼玉土建が市に要望

 

 さいたま市内で活動する埼玉土建組合の支部は、小規模企業者・個人事業主給付金の申請手続きの改善を求め、6 月24 日、市産業展開推進課と懇談しました。党市議団から神田よしゆき、とりうみ敏行、とばめぐみの各市議が同席しました。

 

 この給付金は、市独自の制度として、新型コロナ感染症の影響で売り上げが減少した事業者へ10 万円を給付するものです。申請の際は開業届をはじめ多くの提出書類が求められています。懇談では、個人事業主や一人親方などでは、開業届を提出していない方も多くいること、開業届の代替書類として確定申告の収支内訳書の添付が求められているが税務署に提出していない方もいるなど、切実な実態が話されました。そして「申請の際は開業届の提出を不要にする、また代替書類で収支内訳書の添付を不要にするなど、申請の簡素化を図っていただきたい」と求めました。担当課において調査し、改善について検討することになりました。

新型コロナ対策で埼玉県副知事と懇談

埼玉県副知事に要望書を手渡す(左から)とりうみ敏行、神田よしゆき、金子あきよ(右)の各市議

 党市議団は5 月29 日、埼玉県知事に対して「新型コロナウイルス感染症に対する要望書」を提出、橋本雅道副知事(写真右)と懇談しました。神田よしゆき、とりうみ敏行、金子あきよの各市議が出席し、医療・検査体制の強化や、中小企業支援などについて県のとりくみを求めました。

 

 

 神田市議は「さいたま市でも小規模事業者への経済支援がようやくはじまったが、まだまだ足りない。県からもぜひ支援策を」と求めました。副知事は、休業した業者への支援金の追加分(10 万円)を実施すること、NPO 法人活動サポート事業に新型コロナによる減収に対する「緊急応援枠」を追加したことを紹介。

 

 さいたま市立病院旧病棟活用の要望について副知事は、「人材確保が課題だ」としましたが、とりうみ市議は「医師会や看護協会のネットワークを活用するなど、前に進めるための知恵を出し合っていくべき」、金子市議は「県の医療体制の脆弱さを改善するためにも、市と連携して市立病院旧病棟の活用を進めてほしい」と述べました。

待機児童数がワースト2 認可保育所の増設は待ったなし

 5 月8 日、さいたま市の待機児童数が387人(4 月1 日時点)であると発表されました。さいたま市史上ワースト2 の記録です。

 

 待機児童数は、認可保育所への入所を希望したものの不承諾だった利用保留児童の2289 人から、ナーサリールーム等を利用するケースや保護者が育休を延長したケースなどをのぞいた数となっています。

 

 

(詳細)さいたま市ホームページ「保育所等利用待機児童数について」

https://www.city.saitama.jp/003/001/015/001/p009567.html

 

 2 月議会の代表質問では、神田よしゆき市議がこの問題について「市はさまざまな施策にとりくんできたが、結局、認可保育所の増設以外では解決できない」と主張しました。市は2019 年度、18 カ所・定員1413 人の保育施設を整備したものの、保育ニーズに追いつきませんでした。

 

 待機児童数を区別でみると、トップが南区の93 人、続いて西区72 人、浦和区58 人と続きます。年齢別では1 歳児が86.8%を占め、最多でした。

 

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、認可保育所は、社会インフラを守るために働く保護者を支えてきました。党市議団はこれからも、希望するすべての子どもの入所とあわせて、職員の処遇改善など保育の質の向上を求めていきます。

2020年度予算組み換えを提案 市民負担の軽減でくらしを守れ

予算組み替え提案を提出する党市議団

 党市議団は2 月7 日に「2020 年度予算組み替え要求」を市長に提出しました(財政部長が対応)。2020 年度予算案は、一般会計5627 億円(前年比1.1%増)、特別会計3167 億円(同1.6%増)、企業会計1264億円(同8.4%減)で総額1 兆58 億円(同0.1%減)の予算規模です。その中身は、大型開発やビッグイベントに多額の税金を投入しながら、多額の基金(貯金)をため込むもので、福祉や子育て、地域経済振興は不十分なまま放置されています。

 

 党市議団は、2020 年度予算案を見直し、予算全体の約2.3%にあたる210 億5600万円の使い方を変えれば、市民のくらしを応援する施策を充実できることを示しました(表)。

 

 

 組み替え提案では、各種基金の取り崩しや繰越金、再開発にかかる費用、公共施設マネジメント積立金、ビッグイベントなどで歳出カットをおこない、財源を生み出します。

 

 国民健康保険税(国保税)が4 年連続で値上げされ、2026 年まで連続値上げの計画がすすめられています。国保税の値上げは4億5000 万円で回避でき、25 億5000 万円あれば、子どもの均等割りをやめ、大人についても引き下げを実現できます。また、上下水道料金や公共施設使用料金は、約48 億円で消費税分の引き下げができます。4 月からの小中学校の給食費値上げも、8 億円で保護者負担を回避し、値下げもできます。今回、災害対策・被災者支援についても新たに盛り込みました。

 

 党市議団はくらし・福祉最優先に税金を使うため財政上の対案を「予算組み替え」というかたちで、毎年市に示しています。引き続き、予算委員会等の議会論戦を通じて市民要求実現に力を尽くします。

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