政策と活動

南区

金子あきよが現場を歩く! 小中一貫校 子どもたちの自己評価に影響

講義をおこなう山本由美教授

 7 月18 日、和光大学の山本由美教授を講師に「学校統廃合と小中一貫校問題」について学習会がおこなわれました。私は、さいたま市が計画している武蔵浦和学園(南区:小中一貫の義務教育学校)の課題を明確にしたいと思い参加しました。

 2000 年以降人口減少にともなう学校統廃合が増加しています。武蔵浦和学園は、こうした人口減少=少子化のなかでねらわれている「学校統廃合」と性格は違うように見えますが、「公共施設の総量規制」と「民間活力の導入」という行政の目指すところは一致しています。

 講義では、小中一貫校を推進するうえで、教育学的、心理学的な根拠が後景に押しやられている、という大きな問題点が指摘されました。小中一貫校100 校を対象にした文科省調査(2013 年)では「小6 がリーダーの役割を発揮できない」「小中の切れ目がうまく機能しない」など、小・中の接続部に制度的課題があることが示唆されています。また、約8000 人の子どもを対象に実施した大規模アンケート調査で「自信がある」「運動ができる」「自分は価値のある人間だ」などの自己評価が、普通の小学校の児童に比べて一貫校の児童の方が低いという結果となりました。一貫校の児童は小学校高学年になっても「学校行事への関与」の度合いが低く、そのことから「貢献感」の低下を招いているという調査も紹介されました。

 行政の都合、ましてや国の政策的誘導による「義務教育学校=小中一貫校」によって、子どもたちの発達が阻害され、教育効果が損なわれることがあってはなりません。今後、この課題について議会でとりあげていきます。

GIGA スクール構想 保護者の不安置き去り

懇談に出席する(左から)金子あきよ、たけこし連の両市議

 7 月8 日、党市議団は「学校と教育を考える保護者の会@ さいたま」と懇談をおこない、文教委員の金子あきよ、たけこし連の両市議が参加しました。

 同会からは、現在進められているGIGAスクール構想(1 人1 台タブレット端末授業)で生じる問題として、

①授業のデジタル化に現場の教員が対応できるのか

②クラウド上に集積される児童の学習ログ(記録)等の個人情報の取り扱い

③インターネット利用にともなうネット被害、タブレット端末の使用で生じる目や脳の健康被害

などが指摘されました。

 とくに、健康被害については「保護者の関心はとても高い。ICT 技術の急速な発達にともない次々と課題が生まれ、それらを解決しないままGIGA スクール構想を進めるのは不安だ」との訴えがありました。たけこし市議は「コロナ禍のもとでGIGAスクール構想を前倒して進めたことで、保護者への説明が不十分だと感じている。議会でも取り上げ、市に対策を求めていきたい」と話しました。

「ハラスメント根絶条例 制定のとりくみを学ぶ

研修会で質問する金子あきよ市議

 7 月7 日、市議会全会派の女性議員でつくる「さいたま市女性の活躍を推進する議員連絡会」主催で「議会とハラスメント」に関する研修会が市議会内でおこなわれ、久保みき、金子あきよ、とばめぐみの各市議が参加しました。

 講師は川越市議会議員倫理条例策定会議委員長の大泉一夫氏。川越市議会では、2018 年に起こった市議会議員による市職員に対するハラスメントを発端に、事実関係を調査する第三者委員会を設置、ハラスメントに関する研修会、市職員に対するアンケート調査などを経て「ハラスメント根絶条例」を制定しました。このアンケート調査で、市議会議員をハラスメントの行為者であるとした回答があったことを重く受け止め、議員を対象にした条例を定めることとし、改選の選挙を4 カ月後に控えた時点でも「市民に議会への不信感を残した状態で選挙は迎えられない」と制定の作業を進めた経緯などが報告されました。

 金子市議は「川越市議会の強い決意に基づくとりくみには敬意を表したい。条例制定に向け、議会と市執行部が共同で調査や研修をおこない、ハラスメント根絶に向けた機運が高められたことに、私たちさいたま市議会も学ぶべきだ」と話しました。

孤立しがちな学生 フードパントリーが貴重な場に

参加した学生から実態を聞く(左から)たけこし連、金子あきよの両市議

 6 月19 日、民青同盟埼玉県委員会が主催する「街かどフードパントリー(緊急食糧支援)」がおこなわれ、金子あきよ、たけこし連の両市議が視察しました。埼玉大学生向けの「フードパントリー」は今回で10 回目となります。

 当日は雨にもかかわらず、50 名以上の学生が訪れ、米やレトルト食品などの食材や、生理用品などの日用品を受け取りました。参加した学生の声を集めたアンケートには、コロナによってアルバイトがなくなったため食費や光熱費など生活費を削り、学費負担や奨学金返済にも不安がある、など深刻な実態が記載されていました。就活や進路、感染についての心配も多くの学生が訴えています。

 金子市議は「スタッフとして参加している学生から『孤立しがちな生活だけど、今日ここに来てみんなと話ができたのがよかった』といった発言があり、支援を受ける学生だけでなく支援する学生にとっても、貴重な場になっている。行政の支援のあり方も考えていきたい」と話しました。

オリンピック観戦中止を決断 党市議団の申し入れ実る

オリンピック観戦中止の申し入れをおこなう党市議団(6月8日)

 6 月11 日、さいたま市教育委員会は「学校連携観戦チケット」を活用した市内中学生のオリンピック競技観戦プログラムの中止を発表しました。

 5 月末に市教委が競技観戦プログラムに必要なチケットの枚数や引率者などを調査する文書を各中学に送付していたことを受け、党市議団は6 月8 日に観戦中止を求める申し入れをおこないました(写真)。

 申し入れの際に副教育長は「このプログラムに反対する声がある一方で、賛成する声もある。感染リスクゼロを基準に考えると通常の授業もできない」と実施を容認する発言をしていましたが、反対世論の高まりや、埼玉県の大野知事が県内パブリックビューイングの中止を発表するなどの動きもあり、中止を決断したとみられます。

 たけこし市議は「市教委の決断を歓迎する。県が調達する観戦チケットの総数は約9 万枚。そのうちの2.3 万枚(さいたま市のチケット総数)がキャンセルされたことは大きい。本市の決定を受けて県や他自治体が中止を決断することを期待したい」と話しました。

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