議会報告

たけこし連

2024年12月議会*本会議討論 市長および議員の報酬引き上げに反対

本会議で討論をおこなうたけこし連市議

12月20日、12月議会の本会議で、たけこし連市議が会派を代表し、議案・請願に関する討論をおこないました。

 

はじめに、議員および特別職の期末手当を0.05月引き上げる条例改正案について、反対の立場から「この引き上げにより、議員の年間報酬は1392万円に増額され、市長の年間報酬は2350万円となる。市民の平均給与所得額が395万円であるなか、現在の報酬はすでに十分な額である。特別報酬審議会の判断は僅差であり、議員が自身の報酬を議決で引き上げることには問題がある」と述べました。

 

核兵器禁止条約 今こそ署名・批准を

 

次に市民から提出された「核兵器禁止条約への署名・批准を求める請願」について、たけこし市議は採択するよう主張しました。先日のノーベル平和賞授賞式での日本被団協の田中熙巳代表委員の言葉を引用。13歳で被爆した経験から「たとえ戦争といえども、こんな殺し方、傷つけ方をしてはいけない」という言葉と「原爆被害者の現在の平均年齢は85歳。10年先には直接の体験者としての証言ができるのは数人になるかもしれない」という切実なメッセージを示し、唯一の戦争被爆国である日本がいまだに署名すらおこなっていないなか、全国ではすでに377の自治体が国に対して署名を求める意見書を提出していると指摘。2025年は終戦から80年という節目の年となることにも触れ、平和都市宣言をおこない、平和首長会議にも参加するさいたま市として、被爆者の方々の願いに応えるべきだと訴えました。

 

次世代型スポーツ施設建設計画

52億円から131億円へ

 

最後にたけこし市議は、与野中央公園に建設が計画されている次世代型スポーツ施設について反対を表明しました。債務負担行為として131億円が計上されていますが、これは当初の52億円から2.5倍の増額です。市は増額理由を「物価高騰のため」などと答えましたが、たけこし市議の分析では、物価高騰分の上昇金額は4.6~6.2億円程度に過ぎません。

そのことを指摘しさらに質すと、市は「2024年4月におこなった企業との個別対話で指摘された点を踏まえて増額した」と明らかにしました。金融機関からは「収入超過は厳しい」「採算の見通しが立たない」とも言われています。市民の利用も、休日に与野体育館を利用していた団体の利用が制限される可能性があること、また、利用料金の増額や駐車場の有料化などの問題点を指摘し、「市が企業との個別対話を一回実施しただけで大幅な予算増額を決定し、市民との十分な議論もないままトップダウンで計画を進めており認められない。計画は白紙撤回するべきだ」と主張しました。

2024年12月議会文教委員会*議案外質問 教育現場におけるAI活用の実態は

議案外質問をおこなうたけこし連市議

たけこし連市議は教育現場におけるAI活用について質問しました。

はじめに、教育現場でのAIを活用した授業の現状について確認。市教育委員会(以下、市教委)は、市内の教育現場において、文部科学省のガイドラインに基づき、授業におけるAI利用の一律禁止や義務付けはしていないとしながら、300名の教員がAIを利用し、そのうち216名が児童生徒に使用させた実績があることが明らかになりました。さらに、授業における具体的な活用事例についての質問に、市教委はAIのしくみや性質を学ぶための教材としての活用や、児童生徒の文章推敲への使用例を挙げました。

たけこし市議は、子どものAI活用については慎重であるべきとの立場を表明し、子どもたちがAI活用をしていくなかで、AI依存による読解力や論理的思考力への影響、プライバシーやデータ利用の問題、発達への影響などを指摘し、認識を質しました。これに対し市教委も、AIの性質やメリット・デメリットに関する学びが不足した状態での使用は危険であり、知識や技能、思考力や判断力の育成を阻害する可能性があるとの認識を示し、今後はAIリテラシーを中心とした情報活用能力を育む教育を充実させていく方針が示されました。

たけこし市議は「AIは情報を読み取ることはできても、子どもたちの心を酌み取ることはできない。まずは教員をはじめとする大人がAIリテラシーを身につけ、そのうえで子どもたちへの適切な指導方法を確立していく必要がある」と話しました。

2024年12月議会*一般質問 過大規模校を増やさないために「学校ハザードマップ」を提案し実現へ

一般質問をおこなうたけこし連市議

12月2日、たけこし連市議が12月議会の一般質問にたちました。

 

近年、さいたま市の一部の地域で急激な人口増加が進み、学校の超過大規模化が課題となっています。武蔵浦和校区、大宮南校区、上木崎校区などでは、仮設校舎の増築や体育の授業を校外でおこなうなどの問題が発生しており、今後も大宮区、浦和区、中央区等の特定校区で同様の課題の発生が懸念されています。市の教育委員会は過大規模化した学校の課題解決のためプロジェクトチームを立ち上げていますが、これまでの対応は問題発生後の事後的な対策にとどまっていました。

 

たけこし市議は、これらの課題解決のために兵庫県神戸市を視察しました。そして、神戸市が導入している「学校施設の開発事業区域の選定」(いわゆる学校ハザードマップ)の導入をさいたま市にも求めました(画像①)。  学校ハザードマップとは、神戸市内の学区を「受け入れ困難地区」(児童の増加により、対策を講じても6年以内に教室不足が生じると予測される小学校区)と「要注意地区」(現時点で受け入れ困難地域ではないが、今後の住宅供給で、受け入れ困難地区になることが懸念される地区)とに分類し、神戸市のウェブサイト上で公開されています。そしてこれらの情報を開発業者に提供し、またこの地域への転入希望の保護者が確認できるようになっています。

 

たけこし市議は、「学校ハザードマップ公開によって次の効果が期待できる」として、段階的な開発・分譲による児童生徒数の急増防止、開発計画の事前調整が可能になる、転入者の適切な判断をサポートする、などと示し、学校ハザードマップの作成を提案しました。市は、「転入者向けに学校規模や転用可能教室の状況などの情報をホームページで公開することを決定した」と答弁しました。さらに、神戸市の「受け入れ困難地区」の公表制度についても、長期的な課題として研究を進めていく方針を示しました。たけこし市議は「このとりくみは、子どもたちの教育環境を守るための予防的なアプローチであり、持続可能な地域づくりの基盤となる重要な施策になり得る」と話しました。

 

放射性廃棄物の漏出事案

市は原子力規制庁まかせ  

 

続いてたけこし市議は、三菱マテリアルで発生した放射性廃棄物の漏出事案について質問しました。

 

今回の事案の概要について説明を求めると、市は「昨年12月下旬、事業場敷地内の関係者以外立入りが制限されている地下に設置された管理区域内の保管容器の一部から内容物の染み出しが確認された」「監督庁である原子力規制庁と事業者との間で、当該事案発生後、管理区域内及び地上部分の屋外における放射線量は通常であることを確認している」と説明しました。たけこし市議が「調査はもう開始されたのか」と質すと、市は「事業者からは原因特定の調査について原子力規制庁へ申請中であり、許可が下り次第、調査がおこなわれる」と答弁。事案発生から1年が経過しているにもかかわらず、未だ調査の許可が下りていない理由については情報把握すらおこなっていない実態があきらかになりました。

 

また、たけこし市議が「市は早く要請や指導をおこなうべきではないのか」と質すと、市は「本市が指導する立場にないと考えている」と答え、終始消極的な姿勢を示しました。たけこし市議は「指導する立場にないという理由で、市民の安全に関わる重要な問題に対して主体的な関与を避けている点は、基礎自治体としての責任を放置している」と話しました。

 

今回の事案は保管容器の経年劣化が理由で発生したとされています。たけこし市議が「経年劣化のリスクがあるのではないか」と追及したところ、市は「リスク管理などは原子力規制庁が判断、管理すると認識している」という表面的な回答に終始。漏出が発生した保管容器以外も同じく経年劣化していくはずですが、新しい監視体制等についても「現在は考えていない」との回答でした。質問後、たけこし市議は「市の対応はあまりにも不誠実。市長には自分の家の近くだったとしても同じ対応をとるのか、と問いたい」と話しました。

 

たけこし市議は他に、神戸市のタワマン規制についてとAIを使った行政の効率化について質問しました。

2024年9月議会*決算(まちづくり)開発申請の指導は住民の立場で

決算特別委員会で質疑にたつたけこし連市議

10月4日、決算特別委員会(まちづくり委員会所管)で金子あきよ市議とたけこし連市議が質疑をおこないました。

 

金子市議は開発申請について、3000平米未満の土地を1年間の期間を空けて連続して開発することで、実際には合わせて3000平米以上の大きな開発をおこなっている事例があることを指摘。これまで市は「当初から同一事業者による一体性のある開発計画は全体での開発区域による申請をおこなうよう指導している」としていたが、実際にこのような指導はおこなわれたかと質し、市は「昨年度このような指導はおこなっていない。原則的には区域設定は事業者の裁量」と答弁しました。金子市議は「それが住民の利益になっていないということ。市はもっと事業者に対して指導の役割を果たしてほしい、というのが住民の声だ」と強調しました。

 

たけこし市議は、過去10年間に100戸以上の中高層マンションが建設承認された件数が34件あり、そのうち60メートルを超えるタワーマンションが2戸という現状をあきらかにし、「こうしたマンションが増えることが、公共インフラ、とりわけ子育て施設の不足を招いているのではないか」と質しました。市は「そういったデメリットがある」との認識を示しました。たけこし市議は重ねて、タワーマンションの建て替えの困難さについて、与野ハウスの例をあげて述べ、将来における課題を指摘しました。

 

2024年9月議会*文教委員会議案外質問 教職員の負担軽減のために  

議案外質問を行うたけこし市議(9月17日)

たけこし連市議は、教職員が子どもたちと向き合う時間を確保することを目的に、業務負担増を軽減する手段としての生成AIの活用を提案しました。

 

現在、さいたま市では約1300人の教職員が生成AIの活用を申請しており、市教育委員会は2025年度までに全教職員の50%(約3000人)での活用をめざしています。たけこし市議は具体的に、外国人保護者向けのチャットボット・同時通訳、会議録の作成・共有の自動化、教員同士のナレッジシェアリング(業務に必要な知識・ノウハウを組織全体で共有すること)の自動化、教職員の体調管理へのAI活用などを提案しました。教育委員会はこれらの提案について実施可能なものから順次検討し、市立学校に展開していく方針を示しました。

 

一方で、たけこし市議は生成AI活用のリスクも指摘しました。教員と生徒の人間的な関わりの減少、教員の創造性を奪う可能性、過度な依存などです。これらのリスクに対し、教育委員会は適切な活用方法やリテラシーの育成を通じて対応していく方針を示しました。たけこし市議は「生成AIの導入によって教職員の業務の効率化を図り、子どもたちとの直接的なコミュニケーションに時間を充てることが真の目的。この目的を達成するための提案を続けていく」と話しました。

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