議会報告

松村としお

2024年12月議会総合政策委員会*議案外質問 猛暑・資材高騰から農家を守る支援求める

議案外質問をおこなう松村としお市議

松村としお市議は農家が猛暑や資材価格高騰で厳しい状況にあることをふまえ、さいたま市の支援を強化するよう求めました。

今年の夏も猛暑でしたが、「農作業も命がけ」という声が寄せられるほどでした。作物の生育にも影響し、営農にも影響が出ているもとで猛暑対策への費用面も含めた支援を求めました。
農業政策部長は「今年6月から8月の平均気温が観測史上もっとも高かったこともあり、米が白く濁ったり、梨が日焼けした。野菜も苗の生育不良・品質低下がおき、収量減少で農業経営に大きな影響を与えた」と認識を示しました。支援として「施設整備に使える補助金を活用してハウス栽培での遮光ネットや細霧冷房・ヒートポンプの設置等を推進している」ととりくみを紹介。また「見沼グリーンセンターで高温耐性品種の試験をしてさいたま市にあった品種の情報発信を検討している」と答弁しました。松村市議は資材と物価の高騰に対する支援も強く要望しました。

 

農業政策部長は「資材価格の高騰が4年前から約1.2倍となり高止まりが続いている状況。全体としてはコストの上昇に価格が追いついてなく、農家の経営を圧迫している」との認識を示しました。こうしたなかで今年度から環境負荷を低減する資材購入への支援をはじめ、11月末までに33件の申請があったことなどのとりくみを紹介しました。

松村市議は「今ある支援策は農家のみなさんに伝えつつ、猛暑対策も資材価格高騰対策もさらなる支援策を」と来年度に向けて具体化するよう求めました。

2024年12月議会*一般質問 基金の活用と大規模事業の縮減でくらし支える施策の実現求める

一般質問をおこなう松村としお市議

12月2日、松村としお市議が12月議会の一般質問にたちました。

 

松村市議ははじめに、2025年度の予算編成方針に、これまではなかった「大規模事業の推進」とともに行財政改革の推進、補助金の見直し、受益者負担の適正化が書き込まれたことを指摘。「大規模公共事業の裏返しで福祉の削減、市民サービスの後退、税・公共料金・保険料引き上げを進めるのではないか」と質しました。財政局長は「それをすることはございません」と明確に否定しましたが、この間の市政運営から見ると注視が必要です。

 

また、「今回の議会に与野中央公園のアリーナ建設130億円の補正予算が出ているが、計画では52億円だった。資材価格の高騰等の影響が大きい。大規模事業の費用圧縮や中止を検討すべき」と対応を迫ったところ、財政局長は「年度ごとの経費を平準化できるよう調整しながらしっかりとやるべきものをやる」と答弁。平準化では総額は変わりません。膨らむばかりの大規模公共事業費の見直しは急務です。松村市議は基金が毎年増えている実態を指摘し、「基金の活用と大規模事業の縮減」で財源を確保し、「物価高騰のもとで市民生活を支えるためにも給食費無償化や『お出かけ応援制度』などくらし応援の施策を実施すべき」と求めました。

 

レジャープール削減計画の 撤回求める

 

さいたま市は沼影市民プールの廃止に続き、代替候補地案を4カ所(桜区荒川沿いと原山市民プール)を示し、11月には市内各地で展示対話型のオープンハウス説明会をおこないました。松村市議は桜区の代替候補地について「車で行くことが前提で、地理的に偏っている。緑区から気軽に使えるプールがなくなってしまう。浸水被害や自然環境破壊の懸念もある」と問題点を指摘。都市局長の答弁は「公共交通等のアクセス性を評価項目に加える。緑区の見沼ヘルシーランドなどの公営プールと役割分担する。災害リスクが低い候補地の評価を高くし、自然環境は必要に応じて適切な調査・手続きを実施する」と、問題を直視しないものでした。

 

2月の代表質問で松村市議が、プールの最大の利用者である子どもの声を聞くよう求めたのに対し、当時の副市長は「検討」を表明。その後の対応を質すと都市局長は「オープンハウス説明会で子どもたちにレジャープールにふさわしい場所を聞いたら『自宅から近いところがいい』との意見が大多数だった」と答弁。今後、小学校や放課後児童クラブ、保育園等で「子どもの意見を積極的に取り入れる」と表明しました。松村市議は「家から近い立地を願う子どもたちの意見と市の削減計画には開きがある。子どもの意見を取り入れるならプールを複数残すということか」と再質問すると「子どもとしては近いところを希望するのは仕方ない。今後は子どもが具体的にイメージしやすい施設内容への意見を反映させたい」として、子どもの意見は市の計画の範囲でしか取り入れない態度を示しました。松村市議は「代替候補地の問題にまともに答えられず、子どもの意見も聞かないままで、進め方が強権的、一方的だ。あらためてレジャープールのあり方方針を撤回し、原山市民プールの存続と民有地を含めた沼影市民プールの代替地検討を求める」と迫りました。都市局長は「原山市民プール廃止は決まってない。代替地も早期調整が可能なら民有地も検討できるが適地がない。市民から早期実現が求められているので来年度前半の候補地決定に向けて検討を進める」とあくまで計画を強行する答弁をしました。

 

学童クラブの運営支援求める

 

市が今年度からモデル実施している「放課後子ども居場所事業」(以下「居場所事業」)ですが、来年度からあらたに9校で実施予定です。このうち緑区の尾間木小学校区では民設の尾間木学童から居場所事業に移る希望を示す子どもが多く、5つあるクラブを2つに減らすことが検討されています。その場合、支援員数減による退職金や賃貸施設の契約解除による原状回復の費用に数百万円かかる可能性があり、松村市議はこうした実態を示し、居場所事業の拡大による費用面での影響に対し補助・補填等を行うよう求めました。子ども未来局長は指摘した実態を認め「来年度のクラブ運営に支障が生じないように検証しながら適切に対応したい」と答弁。松村市議は「拙速に進めず、一度立ち止まってモデル事業をしっかり検証すべき」と求めました。

 

松村市議はほかに国道463号の花月交差点―プラザイースト間の歩道のフラット化や美園臨時グラウンド北側の道路の速度規制強化策を求めました。

2024年9月議会*決算(企業会計) 市立病院の職員配置をすすめて

決算特別委員会で質疑にたつ松村としお市議

10月7日の決算特別委員会で企業会計分野を審査し、病院会計について金子あきよ市議が質疑をしました。

 

金子市議は、市立病院での職員配置要求に比べ実際の配置人数が不足しており、なかでも患者の入院から退院までさまざまな不安にこたえ、地域生活への復帰を支援する患者支援センターで配置要望6人に対し1人の配置にとどまっていることを指摘。病院財務課長は「退院の調整をする医療相談員の配置が少なく、収支にも影響している」と答弁したことから、金子市議は職員配置を進めるよう求めました。

 

また介護が必要な高齢患者の入院に対応する職員配置等を求めてきたことがどうなったか質問。昨年度は15人の介護職員の研修終了者やメディカルソーシャルワーカー2級以上の資格を持つ看護補助職を配置したことが明らかになりました。あわせて認知症患者への対応等で患者の尊厳が守られるようていねいな対応を求めました。

 

上下水道会計については松村としお市議が質疑をおこないました。

 

水道会計は純利益42億円で経営計画に照らして良好な経営状況、かつ料金が政令市で3番目、県南で最高である実態を示し、経営計画の範囲内でも値下げが可能なことを明らかにしました。下水道会計では継続的に求めて来た不明水対策について「対策優先地区を決めて計画的に修繕等進める」ことが答弁され対策が前進することがあきらかになりました。

2024年9月議会*決算(総合政策委員会①) 厳しい市民のくらしを支える財政へ

決算特別委員会で質疑をおこなう松村としお市議

9月26日、決算特別委員会(総合政策委員会関連)で松村としお市議が質疑しました。

 

物価上昇のなか、市民の所得はどうだったでしょうか。納税している給与所得者のうちもっとも多い層の平均所得は年約247万円(収入換算で361万円)で、前年よりわずかに上昇しましたが、65歳以上の高齢者所得は年々減り続け、年約117万円と月10万円を切りました。物価上昇の影響は高齢者ほど深刻です。
こうしたもとでの市民生活支援は国の給付金や給食費を上げないため市として補助するなど約168.7億円を使いましたが、市負担は約3.5億円と支出の2%程度でした。松村市議は「高齢者の生活を支える昨年度ならではの対応はあったのか」と質しましたが、市は具体例をあげられませんでした。

 

2023年度の基金は総額933億円、そのうちなににでも使える財政調整基金は376億円といずれも過去最高となりました。松村市議は、さいたま市の財政調整基金額は政令市の財政規模比で3番目に多く、「十分大きい方だ」と指摘。市は「多くない」と答えましたが、これは実態を見ない答弁です。

 

また、昨年度決算でさいたま市の黒字額は過去最高の約120億円でした。一方で2023年度予算編成前に179億円不足とされ、財政が厳しいという話が出ます。ところが財政調整基金などを使う分は含まれておらず、その額は松村市議の質問に5年平均で114億円と示され、「不足」が過大な数字と分かりました。

 

松村市議は市が大型公共事業はどんなに膨れ上がっても予算をつける一方で高齢者福祉施設廃止やレジャープール削減の方針を進めてきたことを指摘。「住民福祉の増進」からみてバランスを欠いていると厳しく批判しました。

2024年9月議会*総合政策委員会議案外質問 と畜場・道の駅事業の見直しを  

議案外質問を行う松村としお市議(9月17日)

市は食肉中央卸売市場・と畜場(大宮区)を見沼区宮ケ谷塔に移転し、道の駅を併設する「(仮称)農業及び食の流通・観光産業拠点」の整備を2028年完了めざして進めています。8月に道の駅の環境影響評価に対する公聴会も開かれました。食肉市場と道の駅は隣接しており、一体的に整備されますが、環境影響評価は道の駅部分のみでした。松村としお市議は「環境影響評価を別々におこなうのは適切なのか」と質問。市は「別の施設なので個別に手続きをおこなうのは一般的。十分な評価はできる」と答弁しました。松村市議は「同時期に建設するのだから工事の影響、周辺環境への影響は一体だ。法的に問題ないというだけでいいのか」とあえて環境影響評価を別におこなう問題点を指摘しました。

 

また2021年の基本計画で建設費は293億円が見込まれています。建設予定地は水田ですが、地盤改良費は含まれていません。資材や人件費は上がり続け、新市庁舎建設や地下鉄7号線延伸事業では計画を煮詰めるといずれも建設費が5割ほど上昇。こうしたことを踏まえ松村市議は「事業規模や事業費の縮小や見直しを検討しているか」と質し、市は「見直しはいまのところ考えていないが、事業費が計画と大きく乖離する場合は精査する必要がある」と答弁しました。

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