議会報告

6月議会で決議があがる さいたま市でも補聴器購入助成を

補聴器購入の助成制度創設を求める市民のみなさんと懇談する党市議団(2019年当時) このあと、さいたま市議会ではじめて補聴器購入助成制度の創設を求める質問をおこないました

6月議会に、生活と健康を守る会さいたま市協議会から「加齢性難聴者への補聴器購入助成制度の早期実施を求める請願」が提出され、党市議団が紹介議員となりました。これまでもくりかえし請願が提出され、党市議団はその必要性を訴えてきましたが、今回はさいたま市議会の保健福祉委員会がこの声を受け止め、議論するなかで、6月25日の本会議で「助成制度の導入を求める決議」が全会一致でまとまりました。

 

あきらめずに求め続けた市民のみなさんの努力と、それを応援してきた市議団の論戦が実を結びました。これをちからに、党市議団は1日も早く補聴器購入助成制度が実現するよう、願いに即した助成金額になることもめざして、引き続きがんばっていきます。

(以下、決議文全文)

 

難聴者への補聴器購入助成制度の導入を求める決議

 

加齢やその他要因による聴力の低下は、日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするなど生活の質に影響するだけでなく、社会的な孤立にもつながるものと考えられている。

加齢等により低下した聴力を補い、会話や周囲の音を聞こえやすくする管理医療機器が補聴器だが、価格が高額で、保険適用がなく、多くの方は全額自己負担となることから、補聴器の普及が進んでいるとは言えない状況にある。

難聴者が安心して日常生活を営むためには、補聴器が有用であり、ハードルの一つとなっている経済的負担の軽減を図ることは大事なことである。よって、市執行部においては、国に対して要望しているところではあるが、国による公的助成制度の創設を待つことなく、補聴器の利用による効果や補聴器の活用と認知症予防との関連性、医学的知見による認定方法、補聴器の選定に際して専門的支援を得られる環境などについても考慮の上、難聴者への補聴器購入費助成制度の導入について、検討を進めることを求める。以上、決議する。

 

2026年6月議会*本会議討論 新市庁舎に700億円超 基本設計を見直せ

本会議討論をおこなうとばめぐみ市議

6月26日、6月議会最終日に党市議団を代表して、とばめぐみ市議が討論をおこないました。市長提出議案は38件あり、そのうち33件に賛成(87%)、5件に反対(13%)しました。新市庁舎整備、保育、放課後児童対策、酷暑対策など、市民生活に直結する課題について、市民の立場で討論しました。

 

はじめにとば市議は、新市庁舎建設を進めるための審査委員会設置条例について述べました。党市議団は市庁舎移転の位置条例改正に反対しましたが、賛成多数で可決後は、移転を前提に議論してきました。しかし基本設計では事業費が700億円を超える規模となり、「機能は必要最小限に抑え、建設コストを可能な限り縮減すべきという、私たちが求める条件からかけ離れている」と指摘しました。また、施工予定者の提案を設計に反映させるECI方式(建設プロジェクトの実施設計段階から施工者が参画し、技術協力を行う発注方式)についても、提案がどのように事業費へ反映されるのか不透明で、専門部会が非公開となることから、公正性や透明性への懸念を表明しました。そして基本設計を見直さないまま事業を進めることは認められないとして、条例案に反対しました。

 

 

「みなし保育士」の拡大で保育士の負担増

 

 

児童福祉施設条例の改正により、一定の要件を満たす理学療法士などを保育士とみなし、認可保育所などに配置できるようになります。とば市議は、理学療法士の配置によって医療的ケア児や発達障がい児への支援を充実させることは重要としつつ、「理学療法士と保育士では専門性や役割が異なる。保育現場での経験や一定の研修を受ければ理学療法士でも保育士と同等に働けるとする考え方は、保育士の専門性を過小評価するものだ」と厳しく指摘しました。さらに、「みなし保育士は配置基準上、保育士1人として算定されるため、その分、本来の保育士が減り、保育計画の作成や保護者対応、安全管理などの負担は、保育士に集中する恐れがある」と指摘しました。そして「医療的ケア児への支援は、保育士の代替ではなく加配職員として配置するべきであり、保育士不足を補う手段として制度を広げることは保育の質の低下につながりかねない」として反対しました。

 

 

「放課後子ども居場所事業 学童保育への影響を検証せず拡大

 

 

次に、補正予算に盛り込まれた放課後子ども居場所事業の拡大について反対しました。とば市議は、導入モデル校では初年度に放課後児童クラブの利用児童が約4割も減少し、運営に大きな影響が出ていることを指摘。放課後児童クラブは、保護者が就労などで昼間家庭にいない子どもたちに、生活の場と継続的な育成支援を保障する児童福祉法に基づく事業であり、その役割は居場所事業とは異なる、と強調しました。

 

今回の辻小学校(南区)への追加導入についても、隣接する辻南小学校で同事業が予定されているなかで、必要性についての十分な説明がなかったことを問題視。「利用児童の減少による経営や職員雇用への不安が現場から出されているにもかかわらず、市は十分な影響調査をおこなっていない」と批判しました。党市議団は、放課後の子どもの居場所づくりや待機児童解消は必要としつつ、放課後児童クラブを縮小し、居場所事業へ置き換える現在の方向は児童福祉法の理念を後退させるものだとして、モデル事業の十分な検証と、放課後児童クラブの新設・施設整備への支援強化を求めました。

 

酷暑から命を守るためエアコン支援の拡充を

 

 

最後にとば市議は、「酷暑から市民の命を守る対策の拡充を求める請願」について採択を求めました。昨年は観測史上もっとも暑い夏となり、熱中症による救急搬送者は全国で10万人を超えました。今年は気温40℃以上を「酷暑日」と位置づけ、暑さ対策は命を守る課題となっています。請願は、生活保護世帯や低所得世帯へのエアコン購入・買い替え支援や、電気代助成などを求めるもので、とば市議は「全国で支援に踏み出す自治体が広がっている一方、本市は家計のやりくりや生活福祉資金の貸付を案内するにとどまっている。物価高騰のもとでは貸付利用にも返済への不安があり、十分な支援とは言えない」と述べました。市は「電気代を理由にエアコン使用を控えるケースは稀(まれ)」としていますが、「市民からは『電気代が心配で我慢している』という切実な声が寄せられている。市も国に夏季加算創設を要望している以上、市独自の支援策に踏み出すべきだ」と訴え、請願の採択を求めました。しかし、他会派などの反対で不採択となりました。

2026年6月議会*議案外質問(まちづくり委員会)新見沼大橋有料道路の無料化に向けて

議案外質問をおこなうたけこし連市議(2026年6月15日)

たけこし連市議は、かねてより党市議団が求めてきた「新見沼大橋有料道路」の無料化について、進捗状況と無料化後の交通影響について質問をおこないました。

 

本道路は2026年11月27日をもって料金徴収期間が満了し、11月8日からの無料化に向けた準備が進められています。たけこし市議が「市民に対する正式な発表がまだされていないが、計画通り進んでいるのか」と質すと、担当課は「埼玉県および県道路公社において準備を進めており、埼玉県の6月定例会で公社定款の変更に関する議案が上程されるとうかがっている」と答弁。県の動向と連動して手続きが進められていることが確認されました。

 

続いて、たけこし市議は、無料化後の渋滞予測についてとりあげ、市は「交通量は現在の1日あたり7500台から、無料化後は3万9000台になる」という大幅な増加予測を答弁しました。そのため、想定される渋滞への懸念と周辺状況を確認したところ、市は「並行する一般国道463号などからの交通転換により、周辺の交通流動の適正化が図られる。周辺交差点の交通処理についても無料化後も可能と予測している」との見通しを示しました。たけこし市議は、県との協議を進めながら、無料化に向けた事前の対策と確実な対応を行うよう強く求めました。

 

ほかに、AI画像を用いた漏水調査についてもとりあげました。

2026年6月議会*議案外質問(総合政策委員会)賃上げにつながる直接支援求める

議案外質問をおこなう松村としお市議(2026年6月15日)

松村としお市議は、物価高騰のもとでの市内経済対策についてとりあげました。

 

松村市議は市内の景況について質問。商工観光部長は市の調査やさいたま商工会議所の調査から「原材料高またはコスト上昇に加え、調達の遅れ等、中東情勢により厳しさが増した」と認識を示しました。これを受け、松村市議は「賃上げ支援として仙台市や北九州市では国補助に上乗せしたり、平塚市では独自支援をしている。他市の事例を参考にさいたま市でもとりくみを考えていただきたい」と質問。商工観光部長は「賃上げには生産性、付加価値の向上で稼ぐ力を強化することが必要不可欠。本市では省力化・業務効率化の支援を展開している。そのなかで賃上げできる余力をつくっていきたい」と答弁しました。松村市議は「中東情勢など企業努力のおよばない外的要因で厳しい。賃上げに積極的な姿勢が必要だ」と強調しました。

 

松村市議は、さらに厚生労働省の資料を基に職業紹介事業者(就職情報サイト)の手数料が事業者にとって負担になっている実態や、「手数料によって労働者の給料が割を食ってしまう状況がある」と人材確保の障壁となっていることを指摘。「国に対し手数料に関する規制を求めると同時に、市で採用費用の補助制度を早急に考えるべき」と求めました。商工観光部長は「企業説明会や面接会の開催、職場環境や雇用管理の改善を促す」とし「提案の補助制度は考えていない」と答弁しました。賃上げの直接的な支援について全体として消極的な姿勢が目立ちました。

2026年6月議会*議案外質問(子ども文教委員会)中学生の通学荷物が重すぎる

議案外質問をおこなう久保みき市議(2026年6月15日)

久保みき市議は、①中学生の荷物の重さ、②知的障害特別支援学校、③日向古墳の3点をとりあげました。

 

中学生の荷物については、文部科学省が2018年通知で教材等の重量が発達に影響し得るとして負担軽減を求めているにもかかわらず、通学時の荷物は10キロ前後に達することもあり、負担が十分に可視化されていない現状を指摘しました。とくにタブレット端末の持ち帰りは学校判断に委ねられ、学校ごとに対応が大きく異なっています。本来は柔軟な運用が求められるにもかかわらず、一律に毎日持ち帰りを求める学校があることから、教育委員会が「強制はしていない」と答弁した点を踏まえ、実態調査と適切な発信を求めました。

 

さいたま市立知的障害特別支援学校の設立は、久保市議の原点である政策であり、議会でも長年求め続けてきたことから、2033年に桜区の浦和工業高校跡地に新設されることを歓迎しました。そのうえで、埼玉県内の特別支援学校に通う児童生徒数が2007年の3378人から2025年には7663人へ増加していることを踏まえ、今の計画の200人規模では早期に教室不足となる懸念を示し、規模の見直しを求めました。教育委員会は「必要に応じ対応する」と答弁しました。また、大宮バイパス側に設置される計画を踏まえ、スクールバスや放課後等デイサービスの送迎車両が増えるなかで、児童生徒の安全確保を強く求めました。

 

日向古墳については、市民から存続陳情が寄せられていることを踏まえ、貴重な文化財の保全に向け、市として積極的にとりくむよう求めました。

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