政策と活動

先行自治体の千葉市を視察 放課後子ども居場所事業の課題は?

市役所の職員から話を聞く(左から2人目から)久保市議、金子市議

「さいたま市放課後子ども居場所事業」は、来年度から4校でのモデル事業がスタートします。先行自治体の実態把握のため、11月2日、久保みき、金子あきよの両市議が、千葉市役所を訪れ、担当職員から話を聞きました。

 

もともと千葉市では全小学校内に公設民営の「子どもルーム(放課後児童クラブ)」が設置されていましたが、2017年以降、「旧放課後子ども教室(さいたま市のチャレンジスクールに相当)」と「子どもルーム」の一体化によるアフタースクール整備がすすめられています。アフタースクールは2023年4月時点で107校中34校に設置。2030年までに約9割の学校への整備が計画されています。登録児童数は全学年では3〜4割、1年生に限定すると6割〜7割です。その結果、「子どもルーム」の待機児童数は2018年の638人から2023年の71人へと大幅に減少しました。

 

計画的な移行がすすめられているようですが、アフタースクールと学校との連携が課題です。「学校教職員の負担がまったくないと言ったら嘘になる。負担を最小限にとどめるための配慮が大事」(生涯学習振興課長)として、施設使用に際してのルールや責任の所在、連絡調整の方法などについての「運営マニュアル」を紹介されました。また、整備が急速に進むことで人材確保が困難になることも予想されています。そのなかで長年かけて培われてきた「子どもルーム」の実績や保育内容のよさをどう残すか、ということも課題となっています。

 

視察を終えた金子市議は「全校に公設の『子どもルーム』がある千葉市と、放課後児童クラブの4分の3を民設に頼っている本市とでは、一体化事業への移行の条件が大きく異なる。視察によって、本市の計画の拙速さをあらためて感じた。一体化事業のなかでプログラムを運営するには、民間事業者のノウハウが必要になる実態も分かった。子どもの気持ちが大切にされているのか、利用者の経済的負担が大きくならないか、なども懸念される。今後、議会でこうした点を追及していきたい」と話しました。

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