政策と活動

学習会・講演会

【池田めぐみが現場を歩く】ICT教育 世界ではアナログ回帰が加速

「教育のデジタル化と学力」というテーマの市民学習交流会が、6月30日浦和コミュニティセンターで開催されました。講師は、大阪教育文化センターの田中康寛氏。さいたま市でも児童生徒1人一台タブレットを謳い「教育のデジタル化」が進められていますが、ICT機器を使うこと自体が手段ではなく目的になっていないか、警鐘を鳴らす内容でした。

 

世界に目を向ければ、IT先進国スウェーデン、フィンランド、ニュージーランド、ドイツでは、ICTに依存する学習により、文章能力や計算力などの学力が低下。デジタルからアナログに回帰する動きが加速しています。アメリカ、カナダでも、「SCHOOL NOT SCREENS(学校にスクリーンはいらない)」と、子どもたちが反対の声をあげています。脳科学の側面からアプローチすると、脳活動は、キーボードでタイピングしている時より、手書きの方が活発。記憶と集中にはデジタルより紙の方が効果的との論文が多数紹介されました。また、子どもたちの個人情報は、学習アプリを利用することで同意したとみなされ、学習データの他、検索履歴などの利活用が企業に利益をもたらしている点も指摘されました。

 

デジタル教育が先生との対面でのやり取りにとって代わるのではなく、あくまでも道具として使用することが重要です。子どもと先生との血の通った対話や教育環境を求めていきます。

池田めぐみの日々発見! 意思決定の場に 女性を増やそう

田代美江子さん(埼玉大学教授)のお話を聞く

さいたま市議会では、春の選挙後、女性議員が60人中16人に増え、女性活躍推進議員連盟が立ち上がりました。また、女性の活躍を推進する議員連絡会も「ミモザの会」として活動を発展させています。会派をこえた学習会も精力的におこなわれ、党市議団の議員も積極的に参加しています。

 

10月30日、萩原なつ子さん(独立行政法人国立女性教育会館理事長)を講師に迎えた「男女共同参画社会のあり方について」の講演(女性議連主催)は、意思決定の場に男女両性がいることの重要性のお話でした。日本国憲法には「男女平等」が明記されているのに、社会規範、社会構造が変わっていない現実。日本のジェンダーギャップ指数の世界125位は、とくに政治の分野で低く、世界138位になっています。「女性らしく」や「女性ならでは」という言葉ではなく、「女性の経験に基づく視点」で新しい公共について考えること。そのためにデフォルト(初期設定)を変えていこうという提案でした。

 

また、萩原さんが関わった「としま100人女子会」についても報告がありました。2014年、「消滅可能性都市」に「豊島区」があげられたことから、このままではいけない!と豊島区に住む一般の女性たちが立ち上がった実践の話です。女性が真ん中で話し合いをすると、大きな開発よりも、子育て、地域、防災、公園、下町らしさなど、本当に大切なものが見えてきました。

 

意識の中に沁み込んでいるアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)。日々、意識を変えることが必要と痛感しました。

 

性は人権であり生き方である

 

11月2日、田代美江子さん(埼玉大学教授)を迎えた「ジェンダー平等と性の多様性について」の講演(ミモザの会主催)では、包括的性教育の可能性がテーマでした。性の話をするとき、秘密で、はずかしいというネガティブなイメージも大きいが、「性というのは、人権であり、生き方である」という認識を持つことで、性をポジティブにとらえることができる。性を学ぶことで、思いやりのある社会を構築することができる、というお話が印象的でした。学習会には教育委員会のみなさんも出席されていたので、いじめ防止にもつながる包括的性教育について、さいたま市でも、大切にすすめていきたいと思いました。

 

女性にやさしいまちは、子どもにも、高齢者にも、障がい者や、外国人にも、もちろん男性にも、やさしいまちになります。党派をこえて実現できること、とりくんでいきます。

政治分野におけるハラスメントをなくすために

 1月30日、さいたま市議会主催で「政治分野におけるハラスメント防止研修」がおこなわれ、党市議団から久保みき、金子あきよ、とばめぐみの各市議が参加しました。太田雅幸氏(弁護士)による講義を受けました。

 

 NHKが行った「議員3万2000人・大アンケート」では、回答した14%の議員が、別の議員からのセクハラ・パワハラがあると回答しています。講師からは、実際の事例として、中央政界におけるパワハラ事例、職員が議員から「税金ドロボー」「逆らうなら仕事をできなくさせるぞ」などの暴言を浴びせられ、退職に追い込まれて裁判になった事例、また、議員間における隔離や仲間外し、無視、セクハラ、ソジハラ(性的指向や性自認についてのいやがらせ)や、マタハラなどの事例の紹介と説明がありました。議員が職員に対して意見を言うときに「許容されるもの」と「ハラスメントとされるおそれがあるもの」が示され、相手の人格否定につながる言動がある場合はハラスメントになるなど、分かりやすい説明がされました。

 

 さらに、法的な枠組みがどこまで整備されてきたかも示されました。太田氏は、「20年以上前から、パワハラが起きて事後に司法(裁判)が救済するということは繰り返されてきたが、今は事故が起きる前に企業・事業者が組織的にハラスメントを防止するという意識に変化してきた」と話されました。

 

 さいたま市議会においてもハラスメントが問題になったことが何度かあります。超党派の女性議員で構成されている「さいたま市女性の活躍を推進する議員連絡会」では、ハラスメント防止条例の制定の必要性が議論されてきました。全国では、ハラスメントに特化した条例を制定している自治体は10程度しかないとのことで、講師からは先進的な条例をもつ自治体として福岡県の条例が紹介されました。

 

 研修に参加した久保市議は「市議会全体でハラスメントの認識と問題を共有し、条例制定に向けて先進事例に学びつつ、ハラスメントのないさいたま市議会をめざしていきたい」と話しました。

久保みきが行く! さいたま市にあう交通体系を

 

 1月23日、宇都宮駅東口交流拠点施設(ライトキューブ宇都宮)にて全国市議会議長会主催で「2040未来ビジョン出前セミナーin宇都宮」が開催され、参加しました。高齢者人口が最大となる2040年頃を見すえた対応が地方自治体には求められています。このセミナーは、さまざまな見解を冷静に吟味しつつ、必要な知識、見識、教養を深め、諸課題への対応に備えることが目的です。

 

 森本章倫氏(早稲田大学理工学術院教授)が講師で、「都市のコンパクト化と地域公共交通の再構築」をテーマにお話を聞きました。

 

 講演のなかで「公共交通を考えたとき、人が待てる時間は15分」という指摘があり、印象に残りました。さいたま市のコミュニティバスは60分に1本の運行(桜区は70分に1本)なので、利用者が少ないのはもっともだし、もっと本数を増やすべきだと感じました。

 

 これから迎える少子高齢社会には、コンパクトな都市づくりが重要で、人びとが自然に集まるような魅力的なまちづくりにとりくむ必要があるとのことでした。また「交通においては、幹線系の交通としてLRTが定時性に優れているという点でも、もっともいい乗り物で、補完交通としてデマンド交通や次世代自動車のモビリティや自動運転自家用車が普及するだろう」とのお話でした。しかし、LRTの運行には、広い道路が必要です。土地のあるところにLRTを通してあらたに魅力的なまちをつくるとなると、どれだけの時間と費用がかかるのか…気が遠くなりそうです。そのため、さいたま市にあった交通体系を市議会でも提案していきたいと思いました。

医療現場は命がけの奮闘

 11月24日、医療生協さいたまが主催し、救急専門医である守谷能和氏による講演会「医師が語る医療現場の奮闘と新型コロナウィルス最前線~保健医療行政の課題を学ぼう~」が開かれ、党市議団からとばめぐみ市議が参加しました。

 命を守る使命感に燃え、全力でコロナ患者や救急患者を受け入れてきた医療現場の実態や、死に物狂いで受け入れ先を探す保健所職員の姿が語られました。どんなにがんばっても、救急車からの連絡の半分は断らざるを得ないのが現状です。9月議会では保健所職員が1カ月253時間も残業していたことが明らかになりましたが、その保健所職員が、政府が全数把握をやめる方針を出すことに対して「感染経路が把握できなくなり、感染を抑え込むことができない」と反対したと言います。

 とば市議は、「医療従事者と保健所職員の命がけの奮闘で市民の命が守られている。みなさんの命と現場を守るため、議会でもとりあげていく」と決意を述べました。

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