進んだ自治体のとりくみに学ぶ 教育・子育て支援を視察
名古屋市より説明を受ける党市議団
7 月24 日~ 25 日、党市議団は名古屋市と滋賀県へ会派視察をおこないました。名古屋市では民間学童保育の指導員の処遇改善について、滋賀県では「学校における働き方改革」および少人数学級のとりくみについて視察しました。
国庫補助を満額活用 学童保育指導員「安心して働ける」
名古屋市は、保護者が中心となった「留守家庭児童育成会」が169 カ所で学童保育を運営し、児童数は5797 人です。「育成会」への運営費助成は補助事業です。国庫補助は運営費(基本分)、指導員の処遇改善費を満額活用し、あわせて市単独助成をしています。
1 施設あたりの処遇改善の国庫補助3 メニューのうち、「賃金改善」を申請しているのは87 カ所(年額157 万5000 円)、「常
勤職員配置」を申請しているのは57 カ所(年額301 万2000 円)です。「キャリアアップ処遇改善(経験年数による加算)」も併用され、国庫補助をすべて活用しています。名古屋市
の負担額は3 分の1 で、2018 年度予算で約1 億3900 万円です。補助金は、年4 回に分けて交付されています。担当課は「支援
員の人件費が改善され、安心して働けると現場から声が上がっている」と話しています。
戸島よし子市議は「さいたま市は、4 月からキャリアアップ処遇改善のみ活用で、市の負担額は1780 万円。しかも補助金交付は年度末のみ。視察の成果を生かし、改善と国庫補助の満額活用を進めたい」と述べました。
少人数学級で きめ細かな教育にとりくむ
滋賀県は国に先駆けて、2003 年から小学校1 年生と中学校1 年生で少人数学級を導入しました。その後、県独自に教員を加配して対象学年を段階的に広げ、2015 年度から小・中学校の全学年で35 人以下学級を導入しています(少人数指導の選択も可能)。また、クラスの人数が20 人以下になる場合は少人数学級を不可とする「下限設定」も、見直しが進められています。
滋賀県教育委員会事務局の説明では、2011 年に大津市の中学生がいじめで自殺する事件が起きたことが、少人数学級を独自に実施する大きなきっかけになったとのことでした。子どもたちへのきめ細かな対応と、子どもと正面から向きあえる教育環境の整備が目的です。その後、滋賀県内で32 人以下学級を実施する自治体もでてきています。「学年が変わっても35 人学級が継続されるので安心」(保護者)、「ていねいに勉強を教えて
もらえる」(子ども)、「子どもと向き合う時間が多くとれる」(教員)といった声が寄せられていることが紹介されました。
党市議団は、これまで市民と共同してさいたま市独自の少人数学級実施を求めてきましたが、今回の視察の成果を力に、引き続き少人数学級の実現にとりくみます。